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社内の草の根活動から全社展開へ ― かんでんエンジニアリングが実現した、AI活用による働き方改革

今回の事例インタビューは、株式会社かんでんエンジニアリング様です。全社的にRimo Voiceをご活用いただいているかんでんエンジニアリング様では、導入のきっかけや、運用方法、効果などについて情報システム部門の池本様、中村様、増谷様にお話を伺いました。
導入前
議事録作成担当者が会議内容を聞き直し、手打ちで作成する必要があった
若手社員が残業して議事録作成に取り組んでいる姿が目立っていた
会議中はメモに必死で会話に集中できないことがあった
導入後
「録音しておけば後で確認できる」という安心感で議論に集中できるようになった
Teams会議でのBot録音機能により、自社主催でなくても文字起こしが可能に
議事録作成の時間と労力が大幅に削減され、若手社員の負担が軽減
辞書機能により業界特有の専門用語も正確に文字起こしできるようになった
―貴社の事業内容や担当業務について教えてください
弊社は関西電力グループの中核企業として電気設備の診断、分析からコンサルタント、設計、施工、メンテナンスまで、あらゆるサービスを一貫して行う「総合エンジニアリング企業」です。また、幅広い事業領域 のサービスを提供しており、電気・通信といった社会インフラのみならず、工場設備の保全と工事、全国トップシェアの絶縁油の製造・販売などにも取り組んでいます。
私たちは、情報システム部門として社内のICT環境整備や、DX推進を担当しています。社内の各部署が効率的に業務を行えるよう、システム選定から導入、運用までをサポートしており、Rimo Voiceの導入・展開もその一環として取り組みました。
ーAI議事録ツールを導入した背景を教えてください
導入のきっかけは、現場の課題から始まりました。 社内では様々な会議が行われており、特に若手社員が議事録作成を担当する機会が多く、彼らが残業して議事録を作成している姿を見かけることがありました。
従来の議事録作成は、会議をボイスレコーダーで録音し、それを聞き直しながら手打ちで作成するという非常に労力のかかる作業だったので、彼らも大変だったと思います。特に、参加していない会議の議事録を作成する場合、何が重要なポイントなのかを判断することも難しく、苦労している状況でした。
こうした課題を解決するため、実は以前から音声認識による文字起こしツールを探していました。過去には他社のソリューションも試しましたが、精度が十分でなく実用的ではありませんでした。2022年に展示会でRimo Voiceと出会い、デモを見たことで「これなら使える」と感じ、トライアルを開始したのが導入の始まりです。

ー他社ツールを複数比較した中でRimo Voiceを選んだ理由について教えてください
当時、文字起こしツールはいくつか存在していましたが、Rimo Voiceを選んだ決め手は主に2点ありました。
第一に、文字起こしの精度が高かったところです。 特に関西弁などの方言や独特のイントネーションがある場合でも、比較的正確に文字起こしができる点が魅力でした。また、専門用語や略語が多い業界であるため、社内専用の辞書機能で対応できる点も評価しました。
次に重要だったのは、セキュリティ面での信頼性です。 関西電力グループでは情報セキュリティに関する厳格なガイドラインがあり、Rimo Voiceがこれらの基準を満たしていることが選定の大きなポイントとなりました。
また、展示会で直接スタッフの方と話した際の対応も良く、その後もこちらの要望に対して前向きに取り組んでいただけたことも選定の理由の一つです。
ー社内での提案プロセスで壁にぶつかることはありませんでしたか?
最も大きな課題はクラウドサービスを利用することへの社内での抵抗感でした。繰り返しになりますが、関西電力グループではセキュリティに関するルールが非常に厳格で、クラウドサービスの導入には厳しい審査があります。
Rimo VoiceはISO27001だけでなく、当時ISO27017を取得されたタイミングだったので、審査をスムーズに通過できました。 このタイミングの一致は偶然でしたが、導入決定の大きな後押しとなりました。
また、使用した分だけ課金される仕組みと、ユーザー課金ではなく変換時間に応じた課金体系だったため、社内展開しやすかったです。各部署の負担を最小限に抑えながら導入できた点は、全社展開の成功要因となりました。

ー具体的な使用方法(運用ルーティン・活用環境について)を教えてください
主に3つの使い方をしています。
ボイスレコーダーを使った録音データのアップロード
会議室での打ち合わせや、お客様との面談などで録音したデータをRimo Voiceにアップロードして文字起こしを行います。最近はスマホでの録音も増えています。
Teams会議でのBot機能の活用
この機能が非常に便利で、自社が主催していないWeb会議でも文字起こしができるようになりました。会議中にカメラをオフにする機能も追加していただいたので、録音していることを明示しながらも、相手側に違和感を与えない形で利用できています。
文字起こし後の要約機能の活用
文字起こしした内容から不要な部分を削除したり、要約機能を使って議事録としてまとめたりする作業が非常に効率化されました。
運用面では、各ユーザーからの申請に基づいてアカウントを発行し、使用量に応じて部門ごとに費用を振り替える形を取っています。
ーRimo Voiceの導入前と導入後の違いを教えてください
導入前と後では、主に3つの大きな変化がありました。
まず、最も顕著な変化として、会議への集中度が高まったことが挙げられます。 以前は議事録作成のために必死にメモを取らなければならず、議論に集中できないことがありました。Rimo Voiceの導入後は「とりあえず録音しておけば後で確認できる」という安心感から、会議の内容そのものに集中できるようになりました。
また、聞き漏らしへの対応が容易になった点も大きな変化です。 特にTeams会議では、ネットワークの不安定さから音声が途切れることがありますが、Rimo Voice Botはそうした環境の影響を受けにくく、会議中に聞き取れなかった内容も後から確認できるようになり、とても嬉しいです。
さらに、議事録作成の時間と労力の大幅な削減を実感しています。 以前は録音した音声を全て聞き直す必要がありましたが、現在は文字起こし後のテキストを検索して必要な部分だけを確認できるようになりました。
ー便利だと思う機能はありますか?
便利だと感じる機能は複数ありますが、最も重宝しているのは、オンライン会議を録音・録画できるBot機能です。 自社が主催していない会議でも文字起こしができるようになり、会議後の内容確認や議事録作成が格段に楽になりました。利用が簡単でとても良いですね。
次に、話者認識機能です。 複数人での会話も誰が話しているかを区別してくれるので、議事録作成時に「誰が何を言ったか」が明確になりました。
また、辞書登録機能も業務効率化に大きく貢献しています。 弊社には建設業、電気事業、など様々な分野の専門用語や略語があります。これらを辞書登録することで、特殊な業界用語も正確に文字起こしできるようになりました。現在約700件以上の単語を登録しており、文字起こし精度が大幅に向上しています。

ー運用する上で工夫していること、困ったことはありますか?
運用面での工夫としては、社内への認知度向上のために、社内ポータルサイトにバナーを設置したことが効果的でした。 単にメニューに追加するだけでなく、トップページに目立つバナーを配置することで、多くの社員の目に留まるようにしました。また、説明会を開催して操作方法を解説し、説明会の動画を先述のポータルサイトに掲載することで、参加できなかった社員も後から確認できるようにしました。
最初は草の根活動から始まり、情報システム部門でチームを組み、費用面や運用方法を検討しながら全社展開を実現しました。 その結果、現在では安定してユーザー数が増加し、各部署で活用されています。
ー今後Rimoに期待することがあれば教えてください
Web会議でのリアルタイム一時停止機能やスマートフォンからの利用をさらに簡単にする機能の拡充を望んでいます。
また、生成AIとの連携も今後期待しています。文字起こしデータを元に、AIがより洗練された形式の議事録を自動生成してくれるようになれば、さらに業務効率が向上するでしょう。期待しています。
ーこれからAI議事録ツールの導入を検討している企業へのアドバイスはありますか?
ツール導入後の社内展開方法は成功の鍵だと考えています。 社内説明会を開催したり、成功事例を共有したりすることで、社内の利用促進につながります。弊社では社内ポータルへのバナー設置が非常に効果的でした。また、業界や社内特有の用語に対応できる辞書機能も重要です。どんなに精度の高いツールでも、専門用語が正確に変換されなければ実用性が下がりますからね。
それから、録音環境にも注意するとより良いでしょう。 良質な音声入力があってこそ、良い文字起こし結果が得られますので、マイクの選定や会議室の音響環境にも配慮することをお勧めします。
最後に、AI議事録ツールを選ぶ際の重要なポイントは、議事録としての精度はもちろんのこと、それ以上にベンダーの伴走支援が重要だと感じています。 新しいツールの導入には様々な課題が発生しますが、その都度要望に対応してくれるパートナーがいることで、長期的に使い続けられるツールになります。実際に、こちらの要望に対して迅速に対応いただき、多くの機能改善を実現していただきました。 このような手厚いサポート体制があることで、社内での利用促進も順調に進んでいます。

株式会社かんでんエンジニアリング様、ありがとうございました!
特に草の根活動から全社展開への道筋や、社内辞書の活用、ポータルサイトでの周知など、成功のための具体的な取り組みは多くの企業の参考になりますね。Rimo Voiceでは、ご要望いただいた様々な機能の実装検討など、より使いやすいサービスを目指して引き続き改善を続けてまいります!今後も現場のニーズに応える機能拡充と手厚いサポート体制で、皆さまの業務効率化を支援しますので、ご期待ください!
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