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マトリクス分析とは?初心者でもわかる基本から実践まで徹底解説

Update date: 2024/11/5 11:55
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マトリクス分析とは、縦横の2つの座標を切り口に分析する手法のことです。

4つのセグメントに分けて分析することで、通常のリスト化では見れない物事の傾向や偏りなどを発見できます。

マトリクス分析は便利な手法ですが、あまり聞いたことがないという方もいるでしょう。

そこでこの記事では、マトリクス分析の意味や分析手法、使うメリットなどを紹介します。

記事の後半では、マトリクス図の作り方を紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。

マトリクス分析の基本

マトリクス分析とは、複数の要素や基準を縦と横に配置し、それらの交点に該当する項目を分類・評価する分析手法のことです。

2x2や3x3のマトリクスが用いられるのが一般的ですが、要素が多かったり複雑だったりする場合は、さらに複雑なマトリクスを使用することもあります。

マトリクス分析を活用することで、複雑な情報が視覚的に理解しやすくなったり、シンプルながら問題の本質を見出しやすくなったりといった効果が期待できます。

マトリクス分析の種類

ここでは、マトリクス分析の種類を4つ紹介します。

それぞれの種類を詳しく見ていきましょう。

L型マトリックス

L型マトリックスとは、縦横の軸が表の一番端にある表です。

要素がアルファベットのL型に見えることから、この名前がつきました。

一般的にマトリックスといえば、こちらの表をよく見かけます。

2つの要素を分析するときに使用されるもので、1つの要素を橋の縦軸、もう1つを横軸に配置します。

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4象限マトリックス

4象限マトリックスとは、2つの軸が交差して4つの領域がある表です。

物事を詳細に分析できるため、問題の把握やチーム内での問題共有などに使用されます。

なお、3つの軸を使用して分析するとかえって分析しにくくなるため、2つの軸をおすすめします。

また、軸の上下と左右は正反対の要素で相関性の低いものを入れましょう。相関性が高いものや、同じ要素を入れると分析ができません。

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マッピングマトリックス

マッピングマトリックスとは、2つの軸で4つに区切られたエリアに要素を配置する表です。

例えば、業務改善ツールの市場分析をする際に、縦軸に金額帯・横軸に機能の豊富さを設定して4つのエリアに当てはまるツールを配置していくことで、各ツールの戦略の違いや競合関係などを把握するのに役立ちます。

各要素の分布を視覚的に理解できるのがメリットです。

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DMM

DMM(ダイヤモンドマンダラマトリクス)とは、3×3のマトリクスを作成し、そこに要素を配置していく表です。

9個に区切り、中心には分析対象の機能を配置し、中心を囲むように8つのエリアで詳細可・細分化などをしていきます。

マンダラートとも呼ばれ、大谷翔平選手が高校時代に活用していたことでも話題になりました。

中心に「8球団からドラフト1位で指名される」という目標を書き、それを達成するために必要なことを周囲に記載していくといった使い方です。

目標実現のための道筋を立てたり、業務機能を把握したりするときに効果的で、現在教育現場や研修の場でも広く取り入れられています。

代表的なマトリクス分析手法

これまでに紹介したものは、あくまで情報整理のやり方です。

情報活用のときには、これから紹介するフレームワークが使用されます。

それぞれの手法を詳しく見ていきましょう。

SWOT分析

SWOT(スウォット)分析とは、事業やプロジェクトの現状を把握するときに使うフレームワークです。

まず、業界の傾向や競合など自社を取り巻く外部環境と、自社のブランド力や品質などの内部環境の2軸に分けます。

次に「強み(Strengths)」「弱み(Weaknesses)」「機会(Opportunities)」「脅威(Threats)」の4つに区切り、そこに各要素を落とし込んでいきます。

具体的な施策を考えたり、意思決定を素早く決めたりするときに効果的なフレームワークです。

重要度・緊急度マトリクス

重要度・緊急度マトリクスとは、事業や業務の優先順位を決定するためのフレームワークです。

アメリカの第34代大統領アイゼンハワーによって考案されたため、「アイゼンハワーマトリックス」とも呼ばれます。

重要度と緊急度の2つの要素で評価し、「重要かつ緊急なタスク」「重要だが緊急ではない」「重要ではないが緊急」「重要ではなく緊急ではない」の4つのエリアに分類されます。

リソース配分の見直し時や、業務の優先順位に迷ったときに役立つフレームワークです。

PPM分析

PPM分析(プロダクトポートフォリオマネジメント)とは、経営資源の配分を判断するためのフレームワークです。

競合他社や自社の事業を客観視でき、事業判断に役立ちます。

市場成長率と市場シェアの2軸で構成し、「花形・問題児・金のなる木・負け犬」の4つのエリアの中に分類します。

一方で、事業のあらゆる要素を反映できていないため、誤った経営判断を招くこともあります。

他のフレームワークを活用したり、企業の状況を考慮したりするのも大切です。

GEマトリクス

GEマトリクスとは、縦軸を業界の魅力度、横軸をビジネスユニットの競争力にし、「高・中・低」に分類し、事業のタイプを9つに分けたものです。

業界の魅力もビジネスユニットの競争力も高ければ、投資の対象となります。

しかし、業界の魅力度もビジネスユニットの競争力も低い場合は、検討や売却を検討しなければなりません。

一言でまとめると、事業配分や事業戦略を立てるのに役立つフレームワークです。

なお、先に紹介した「PPM分析」もありますが、GEマトリクスは自社の強みや成長率などを取り入れており、臨機応変に使えるのが強みです。

表面的な部分では評価できない要素が多いときや、移り変わりの早い業界などで役立ちます。

アンゾフの成長マトリクス

アンゾフの成長マトリクスとは、「市場」と「製品」の2つの軸をもとに、さらに「既存」「新規」に分けたフレームワークです。

戦略的経営の父と呼ばれる経営学者が提唱したものです。

戦略は以下の4つに分類できます。

経営に行き詰まったときやビジネスの拡大を狙うときに有効です。

マトリクス分析をするメリット

ここでは、マトリクス分析をするメリットを紹介します。

具体的なメリットは、以下の6つです。

それぞれのメリットを見ていきましょう。

物事の立ち位置を客観的に把握できる

マトリクス表は複雑な情報を視覚的に整理できるため、物事の立ち位置を客観的に把握できます。

設定した軸に基づいて要素を位置付けていくため、ただ羅列しただけでは分からない部分まで分かるようになるのです。

例えば、業務の優先順位にマトリクス図を使用すれば、タスクの優先順位と緊急度がひと目で分かるようになります。

さらに業務全体を客観的に理解できるため、意思決定がスムーズになり問題点も把握しやすくなるでしょう。

要素を網羅して洗い出せる

マトリクス図は縦軸と横軸をもとに分類分けするため、要素をもれなく洗い出せます。

リストの羅列は主観的になりがちですが、マトリクス図であれば軸によって何をもとに分類するかが常に明確で、客観的になったりブレたりすることがありません。

また、マトリクス図の軸はチェックリストとしても機能するため、要素の抜け漏れ防止にもなります。

要素の抜け漏れ防止は、より迅速な意思決定や事業見直しに繋がります。

優先順位・重要度をつけやすくなる

マトリクス図で要素を分類分けすることで、相対的な位置づけを視覚的に理解できるためどの業務が重要で優先するべきなのかが分かるようになります。

これによって、チームでの業務でも「何から取り組むべきかわからない」という状態を防ぐことができます。

また、適切な人員配置や業務の時間配分の見直しもでき、従業員自身の負担軽減にもなるでしょう。

企業側としても売上向上につながる大きなメリットです。

要素をグループ化できる

マトリクス図では、要素をグループ化することが可能です。

図を作るときは要素を洗い流して軸に基づいて配置を検討していきますが、そのときに何らかの関連性や共通点を見つけられることがあります。

例えば、関連性の高い要素や似ている要素は、マトリクス図上では近くに配置される傾向にあります。

そこで近接する要素をグループ化すれば、関連性を見つけたり分析しやすくなったりするでしょう。

もちろん、近接する要素全てに関連性があるとは限らないものの、マトリクス図を通したからこそ見つけられる関係性があります。

複雑な情報を簡潔に伝えられる

マトリクス図自体は非常にシンプルな表であるため、誰もがすぐに内容を把握できます。

これまで状況理解のためにうまくいかなかったコミュニケーションも、マトリクス図が大いに役立つでしょう。

物事は分かるものの、さらに根底の必要性や重要性などを理解するのが難しい場合はマトリクス図を使用しましょう。

マトリクス分析をするデメリット

マトリクス分析には物事を客観的に把握できたり、優先順位を付けやすくなったりする一方で、以下のデメリットもあります。

それぞれのデメリットを見ていきましょう。

重要な要素・情報を見落とす可能性がある

マトリクス図は情報を出来るだけシンプルにして把握しやすくするがゆえに、実際の判断の際には考慮に入れるべき重要な要素まで削ぎ落してしまう可能性があります。

例えば、事業の見直しや事業展開をする際は業界の動向や経済的影響、政治動向や景気なども考慮する必要がありますが、それらをマトリクス図のみから読み取ることは困難です。

マトリクス図は概要をつかむのに役立ちますが、同時に単純化しすぎて重要な要素が削られている可能性があることも念頭に置いて活用しましょう。

作成者の意図がずれて伝わる可能性がある

複数ツールの比較や自社の強み・弱みのマトリクス分析等で、「◎」「○」「△」「×」などの記号を用いることはよくありますが、各記号の定義をきちんとしておかないと、作成者の意図が正しく伝わらない可能性があります。

例えば、「自社サービスのデザイン性」という項目を「○」で整理した場合、Aさんは十分だと解釈した一方で、Bさんは「◎ではないのでまだ改善すべきである」と受け取る可能性もあります。

せっかく作成したマトリクスが効果的に使われるよう、見る人によって解釈が分かれそうな内容については、事前に定義をしておくようにしましょう。

解釈には経験が必要

マトリクス図は情報の立ち位置を視覚的に把握できるものですが、それらはあくまでデータにしか過ぎません。

事業戦略や業務の見直しなどに活かすには、収集したデータを解釈する必要があります。

また、解析したデータを第三者に分かりやすく伝えるのも実務経験が必要です。

マトリクス図の作り方

ここでは、マトリクス図の作り方を以下の6つに分けて紹介します。

それぞれの項目を詳しく見ていきましょう。

マトリクス図を作成する目的を決める

まずは、マトリクス図を作る目的を決めましょう。

一口にマトリクス図といっても、こちらはフレームワークでありどのように活かすかは目的によって異なります。

例えば、マトリクス図の作成には以下のような目的があります。

目的が決まることで、使用するべきマトリクス図が分かってきます。

目的が決まらないと図の作成もスムーズにいかないため、必ずあらかじめ決めておきましょう。

マトリクス型を選ぶ

続いては紹介した4種類からマトリクス型を選びましょう。

マトリクス型はそれぞれ把握できるものが異なるため、目的に応じて選んでください。

要素を配置するための軸を決める

続いては、軸に設定する項目を決めましょう。基本的には、目的やテーマをもとに項目をいめていきます。

具体的な決め方は、以下の通りです。

軸に被りがあっては、マトリクス図の意味がありません。必ず対極なものや関連性の低いものを選びましょう。

要素を書き出して配置する

続いては要素を書き出していきましょう。

内容が思い浮かばない場合は大まかに構わないので、どんどん埋めていきましょう。

そもそもマトリクス図は、複数の要素と比較してそこから共通点や関連性に気付くものです。

そのため、ある程度書き込んでいけば自ずと要素も思い浮かぶはずです。

マトリクス図を通して伝えたいキーメッセージを決める

最後にマトリクス図を通して伝えたいキーメッセージを決めます。

マトリクス図を含め、グラフの作成などは過程を通して結果を伝える必要があります。

例えば、「今は〇〇事業に取り組むよりも〇〇に取り組むべき」「〇〇の優先順位を見直そう」などのように、重要なメッセージを考えましょう。

まとめ

本記事では、マトリクス分析から図について紹介しました。

マトリクス図は難しい情報も視覚的に把握できるため、立ち位置を客観的に理解することが可能です。

ビジネスにおいて重要な従業員同士のコミュニケーションの活性化や、潜在的なリスクの事前対策、素早い意思決定が可能になりさまざまなメリットがあります。

一方で、重要な要素や細かい情報を見落とす恐れがあったり、解釈には経験が必要だったりとデメリットもあります。

とはいっても、ビジネスにおいては大きなメリットばかりです

まずは、本記事で紹介した内容を元にしてマトリクス分析に挑戦してみてください

最終更新日: 2024 / 11 / 5

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