議事録作成の時間が半分に。211施設の法人が「会議から始めたAI活用」を現場に根づかせるまで|聖隷福祉事業団様

AI議事録「Rimo」を導入した企業様にお話を伺う活用事例インタビュー。今回は、社会福祉法人 聖隷福祉事業団様です。導入のきっかけや、導入後どんな効果があったかなどについて、法人本部 総合情報システム部の坪井様・金澤様・藤田様にお話を伺いました。
導入前の課題
法人全体に共通する業務である議事録作成が、超過勤務の一因に
書記担当は会議中はメモに追われ発言ができず、心理的負担に
ITに詳しい職員ばかりではなく、AIを業務に取り入れる足がかりが必要だった
導入後の効果
議事録作成時間は平均で約半分に、8〜9割減った職員も
書記の心理的負担が軽くなり、記録担当者も議論に参加できるように
ITが得意でない職員にも広がり、AIを身近に感じるきっかけに
導入の決め手
ITツールに明るくない職員でも、迷わず使いこなせる操作性
複数ツールを使い比べた中で精度が頭一つ抜け、議事録作成が最も短時間で済んだこと
IPアドレス制限や国際認証など、個人情報を扱う法人のセキュリティ要件を満たせること
課題解決ではなく、戦略として― AI活用の一歩目だった議事録
静岡県浜松市に本部を置く聖隷福祉事業団様は、保健・医療・福祉・介護の4事業を全国で展開し、関連法人を除いた事業団単体でも211の施設に約16,500人の職員が働く、日本最大級の社会福祉法人です。施設の運営会議から部門横断の委員会・現場での共有ミーティングまで会議体は多岐にわたり、そのほとんどで議事録や記録が作られています。 Rimo 導入のきっかけは、本部主導で進めるAI活用の「最初の一手」として、聖隷福祉事業団様は議事録の作成を選びました。施設や事業ごとに課題が異なるなかで、どの現場にも必ずある業務から始めようと考えたためです。本部でツールの浸透を推進してきた金澤様は、こう振り返ります。
「本部主導で進める以上、どこかの業務に特化したAI化から入るのは難しい。全事業に共通している業務は何か、というのがまず一つの視点でした」(金澤様)
現場で働く職員にとっても、議事録作成は超過勤務の要因の一つとして実感されていた業務でした。どの事業にも関わりがあり、効果が分かりやすく、AI導入のハードルが比較的低い。本部は現場のそうした実感をくみ取り、議事録作成をAI活用の柱の一つに据えました。

6社を比べ、現場で使い比べて決めた3つの基準
選定にあたっては、まずAI議事録ツールを6社まで広げて調べました。そのうえで、実際に試せるデモ環境を用意できた4社ほどに絞り、現場の職員に使い比べてもらっています。検討当時を知る藤田様は、こう振り返ります。
「実際に現場の職員に使ってもらうと、実業務では使いにくいと感じる製品も正直ありましたが、その中でRimoは頭一つ抜けていました。『これなら業務で使える』という評価でした」(藤田様)
評価の軸は、操作性、文字起こしと要約の精度、セキュリティの3つの観点で、①ITツールに明るくなくても迷わず使いこなせること、②比較したツールの中で議事録を最も短い時間で仕上げられること、③利用者の個人情報を含む会話を安全に扱えること、が選定の基準だったといいます。
議事録としての精度はもちろんのこと、社会福祉法人として個人情報を含む会話をクラウドサービスで扱う以上、セキュリティが担保されていることは必須の要件でした。利用するAIが入力した内容を学習しないこと、IPアドレス制限などの設定に対応できることやRimoがクラウド型でありながらも、セキュリティに強みを持つことも大きな評価軸になったといいます(※Rimoのセキュリティ)
導入は、いきなり全法人に広げるのではなく、まず本部からのスモールスタート。使い方をある程度確立してから段階的に広げていくというロードマップを描いての導入でした。
まいた種が数字として実るまで
スモールスタートとはいえ、本部はAI議事録ツールが現場に広がるのを、ただ待っていたわけではありません。金澤様たちは、現場の職員が実際に「まず一度使ってみる」ところまでを、本部の仕事だと考えていました。
「使ってもらえれば、楽さや便利さは分かります。だからこそ、『使うまでのハードルをどれだけ取り払えるか』に注力しました。良いツールなので、一度使いさえすれば、その便利さを必ず実感してもらえると思っていたからです。今では、私自身もRimoが導入されていない頃に、どうやって議事録を書いていたのか分からないくらいです(笑)」(金澤様)
月1回のオンライン説明会やグループウェアでの情報発信、部門長会議での紹介など、ご本人たちが「種をまく」と呼ぶ活動でユーザーが広がっていきました。こうしてまいた種は、カスタム要約テンプレート機能の公開をきっかけに、一気に芽吹きます。
同法人の議事録には、施設ごと・会議ごとに決まった「型」があります。そこで本部は、議事を箇条書きでまとめる型、質疑を表形式で整理する型など、会議体ごとのニーズに合わせた要約テンプレートを複数用意しました。指示文は、Rimoの「AIと作成」機能を使い、AIと対話しながら磨き上げています。完成したテンプレートを法人全体に公開すると、AIの要約が最初から各会議の型に沿って出てくるようになりました。
効果は数字にも表れました。導入から約3ヶ月の時点で行った社内アンケートでは、議事録作成時間の削減率は約3割。それがテンプレートの公開後には約5割まで上がり、その後も同じ水準を保っています。
「3割削減と5割削減では、広げてくれる人の増え方が違うんです。『半分になるよ』というのは、インパクトがあるので」(金澤様)
「このツールを使えば半分になる」。そのシンプルな言葉が、使った人から隣の同僚へと口コミで伝わり、本部が働きかけなくても利用が広がっていくようになりました。

現場で支持された理由
従来の議事録作成は、会議中に慌ただしくメモを取り、終了後に録音を頭から聞き直すという作業でした。1時間の会議なら、聞き直すだけで1時間以上かかります。それが今は、要約を起点に必要な箇所だけ確認する形になり、個人差はありますが、議事録作成時間が8〜9割の削減に至るケースもあるといいます。
変わったのは、時間だけではありません。議事録担当者は会議のあいだ中メモに追われ、自分の意見を言う余裕がない役回りでした。その心理的な負担が、大きく軽くなったといいます。
「自分が議事録担当だったら、もう喋れないというのが当たり前でしたが、現在は、積極的に議論に参加できるようになりました。あとで確認すればいいので」(坪井様)
「議事録担当が回って来たときの、各職員の会議参加の心理的ハードルも下がりましたね」(金澤様)
メモに追われていた記録係が、もう一度議論の輪に加われるようになったのです。会議のあとは、Rimoで文字起こしをクリックすればその場面の音声がすぐ再生できるので、「あの人はどんなニュアンスで言っていたか」を確かめながら安心して仕上げられます。
使い道は本部が決めず、現場が広げる
本部は「この場面で使ってください」と、使い道を指定していません。職員一人ひとりが自分の業務のどこで使えるかを考え、活用の場面を広げてきました。
高齢者施設では、入居者の代表と運営側が月に一度話し合う「入居者懇談会」の記録に活用されています。訪問介護や受診の付き添い、入院前に医師から説明を受ける場面では、録音を文字起こしして記録を入力するときのアシスタントとして役立っています。施設の多い事業団ならではの使い方もあります。医療技術部門や事務部門などが、施設をまたいで開く会議は、2〜3時間に及ぶこともあり、その議事録づくりにもRimoが使われています。録音はいずれも、同意を得たうえで行っています。
こうした現場の実感は、毎月報告される削減率の数字とともに経営層にも共有されています。役員をはじめとする経営層は、自らもアカウントを作って使ったうえで、数字と体感の両面からこの取り組みを評価しているそうです。

「DXで最初に何をすればいいかと聞かれたら、議事録と答えます」
こうした取り組みは、法人の外でも評価されています。2026年11月に開かれる「第46回医療情報学連合大会」で、聖隷福祉事業団様の事例が一般演題として採択されました。医療情報学連合大会は、医療情報システムや医療DXに関する日本最大規模の学術大会です。発表では、システムを導入して終わりにせず、説明会や様々な情報発信により現場に種をまき続けたことや、要約テンプレートの改良を重ねて議事録作成の時間を半分にまで減らしたことを紹介する予定です。
最後に、これからDXに取り組む医療・福祉の法人へのメッセージを伺いました。
「議事録作成は、どの病院・施設でも必ず発生している業務です。DXを進めるにあたって最初に何をすればいいかと聞かれたら、個人的には『議事録システムを導入したほうがいい』と答えます」(坪井様)
とは言え、同法人は何にでもRimoを使うわけではありません。患者様・利用者様と対話する場面については、録音への同意など運用上の配慮が必要になるため、使うかどうかを各現場の判断に委ねています。各現場が判断するときの物差しは、一貫して「職員の時間を何に使うべきか」という問いです。
「医療や福祉の現場では、利用者さんや患者さんと向き合う時間が一番大事です。その時間を最大限つくるための活用の一つとして、当法人はとても助かっています」(坪井様)
Rimoを通じて多くの職員が日常業務でAIに触れたことで、次のDX施策への心理的なハードルも下がってきたと感じてるといいます。取材の終わりには、検討当時を知る藤田様から、Rimoへの率直な期待もいただきました。
「他社さんのAI議事録もどんどん良くなっていますからね。検討した当時、頭一つ抜けていたRimoさんには、これからも先頭を走り続けてほしい。そこは期待しています」(藤田様)
聖隷福祉事業団様、ありがとうございました!
「使うまでのハードルを取り払う」という一貫した姿勢と、種をまき続ける地道な取り組みに、私たちも多くを学ばせていただきました。
いただいたご期待にお応えできるよう、今後のさらなるご活用を全力でサポートしてまいります。
法人名 | 社会福祉法人 聖隷福祉事業団 |
事業内容 | 保健・医療・福祉・介護 |
規模 | 211施設・職員約16,500人(事業団単体 |
用途 | 各種会議の議事録作成、訪問・面談等の記録補助 |
(2026年9月 取材)
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