Rimoが実現する失敗しない AI導入とは?

こんにちは、RimoでRevenue Ops(RevOps)兼マーケティングを担当している佐伯です。
Rimo Advent Calendar 6日目の記事を担当します。
私は2025年1月にRimoに入社しました。 これまでのキャリアは、新卒でコンサルティングファームに入り、その後、建設テックなどの事業会社でBtoBマーケティングや営業企画を経験し、再びコンサルに戻るという、「支援側」と「事業側」を行き来するものでした。一貫して、様々な企業の業務システムの導入支援や事業会社の企画職としてSFAなどの構築に携わってきました。
今日は、そうした「システム導入の現場」を数多く見てきた経験から、DXにおける最大の障壁と、それらを踏まえてなぜRimoが「失敗しないAI導入」になり得るのか、私なりの考えをお話しします。
DXの難しさは機能ではなく定着にある
システムを作る側、あるいは推進する側として、私が現場で常に直面し、頭を抱えてきた課題は「定着」です。
これまでのキャリアの中で、SFA(営業支援システム)や業務システムの構築プロジェクトに数多く携わってきました。 経営層の要望を受け、意気揚々と要件を定義し、開発チームと協力してシステムを作り上げる。しかし、リリース後に待っているのは、「現場に使われない」という現実でした。
現場の営業担当者は日々の業務に追われ、システムへの入力は後回しにされる。「忙しくて入力できない」「メリットが感じられない」という声が上がり、やがてシステムは形骸化し、しばらくすると「こんなリッチな機能いらないよね...」となりシステム自体を解約してしまうことも
また、これまで在籍していた建設テック企業では建設現場の職人さんに業務アプリを使ってもらう事業でしたが、そこにはオフィスワークとは比にならないハードルがありました。 CS(カスタマーサクセス)チームが足繁く現場に通い、泥臭い伴走支援を行い、なんとか使ってもらおうと奔走する。
しかし、手袋をして、常に動き回っている職人さんたちにとって、スマホを取り出してフリック入力する操作は、それだけで大きな負担になります。また、デジタルツールに不慣れな方も多く、これまでの慣れ親しんだやり方を変えてもらうことには、想像以上のエネルギーが必要でした。
組織が変わるために行動変容は不可欠ですが、その設計と徹底には、並大抵ではないエネルギーと、CS(カスタマーサクセス)チームの伴走が必要です。 「作業の合間にアプリを開く」「商談後に必ず入力する」。 システムを構築する側からすれば些細なアクションに見えても、現場の確立された業務ルーティンの中に「新しい習慣」を取り入れることは、想像以上のエネルギーを要します。
McKinseyのレポート(The state of AI)でも、AI導入で高い成果を上げている企業(High performers)の特徴として、「ワークフローの根本的な再設計(Redesigning workflows)」を行っている点が挙げられています。成功企業はそうでない企業に比べ、ワークフローを再構築している割合が約3倍も高いというデータもあります。
裏を返せば、既存の業務フローを変えることはそれだけ難易度が高く、多くの企業にとってボトルネックになっているということです。これが、私が現場で見てきたDXの実態でした。
「会議をしているだけ」でいい、という構造的強み
私がRimoというプロダクトに事業としての強さを感じているのは、この「ワークフロー再設計」という最も高いハードルを、構造的に回避できる点にあると思います。
Rimoを使うために、現場は業務フローを大きく変える必要がありません。 ただ、いつも通り会議をする(話す)だけ。
何か魔法のような発明をしたわけではありません。ビジネスの基礎である「会議」という行動を変えずに、そこにAIが同席することで、裏側で勝手にデータが構造化され、議事録やタスクといった便益が享受できる。
「行動変容」を強いることなく、AIの価値を現場に届けられる。この構造こそが、Rimoが多くの企業でスムーズに受け入れられ、定着している理由です。 これまでの経験則に照らし合わせたとき、「このアプローチなら、組織に深く浸透し、成果を出せる確率が極めて高い」という合理的な勝算が、Rimoにはあります。

実際、私たちRimoの社内でも、この「なめらかなDX」を実践していこうと様々な取り組みをしています。一例ですが、録画された商談をRimoが議事録データとして、n8n(ワークフロー自動化ツール)と連携させ、SFAへの入力補助を自動化する仕組みなどを構築・運用するなど、企画職としてさまざまな活用方法を画策しています。
営業担当者が、意識してツールを使おうとしなくても、ただ顧客と向き合い、会話をするだけで、データが資産として残っていく。 これは、営業担当者にとっても企画側の担当者としてもこれまで実現したかった理想的な運用となりえると思っています。
このアプローチの可能性は、SFA連携だけに留まりません。
会議という「業務の起点」を押さえているからこそ、チャットツールやタスク管理ツール、ドキュメント管理ツールなど、様々な外部ツールとAIが協働できるポテンシャルがあります。
Rimoがハブとなり、会話データが裏側で様々なツールを動かしていく。そうすることで、現場の負担を最小限に抑えながら、Rimoを起点としたDXやAI導入を促進できると考えています。
「AIとはたらく」を、当たり前の景色にする
Day 1の記事(Rimo2026 - Rimoは「経営判断を助けるAIプロダクト」に向かっている話)で代表の相川も語っていますが、これからAIはさらに進化し、単なるツールを超えて「経営判断を助ける存在」になっていきます。
しかし、どんなにAIが進化しても、それが現場の業務フローに馴染まなければ絵に描いた餅です。 Rimoは、その導入ハードルを下げ、「AIとはたらく」という体験を享受できるプロダクトへと進化しています。
マーケティングとRevOpsを預かる私の役割は、この「失敗しないAI導入」の価値を正しく言語化し、より多くの企業に届けることです。 「AI導入は難しい」「現場が変わらない」と諦めている企業にこそ、Rimoという選択肢を届けたい。そして、日本中の企業に「AIとはたらく」ことが当たり前になる景色を作っていきたいと考えています。
Rimoでは現在、この「新しい当たり前」を共に広げ、実装していく仲間を募集しています。 少しでも興味を持っていただいた方は、ぜひカジュアルにお話ししましょう。
Day7の記事はこちら▼
My Journey with Rimo: From IIT Intern to Building AI driven technologies in Japan