Rimo2026 - Rimoは「経営判断を助けるAIプロダクト」に向かっている話

こんにちは、Rimo代表の相川です。Rimo Advent Calendar 2025ということで、2025年の振り返りと2026年にRimoがどこへ向かうのか、率直に書いてみようと思います。
結論から言うと、
Rimoを「経営判断を助けるAIプロダクト」をつくる会社にしていきたい と思っています。
その実装を本格的に進めるのが、2026年です。
一緒にこの方向性をつくっていってくれる仲間を、今かなり本気で探しています。
「AI 2027」という前提

僕は最近よく、「AI 2027」という話をします。
これは何かというと、AIがあらゆる分野で人間の知能を超える「スーパーヒューマン」に到達するという予測のことです。
ノーベル賞級の研究をAIが行い、さらにはAI自身がAIの研究を進めることで、能力が指数関数的に上がっていく。そんな世界が、あと1〜2年で来るかもしれない。
正直、最初は半信半疑でした。でも、この数年のAIの進化を間近で見てきて、これは絵空事ではないと本気で思っています。
もちろん予測なので多少時期は外れるかもしれないですが、
「そういう世界が想定より早く来る」 という前提に立つと、
企業にとって大事なのは
人がAIをどう使うかではなく
AIに多くを任せ、人と一緒に働く環境をどう作るか
になってきます。
そこで大事になってくる、会社ごとの「意思決定の文脈と温度感」をAIに伝えられるような情報を一番持っているのが 会議 のデータなんです。
Rimoがここまでやってきたこと
Rimoはもともと、
「人の評価もできるようなAIをいつかつくりたい」
という、かなり長期の願望からスタートしました。
それは10年〜20年かかるだろうなと思っていたので、最初から資金調達はせず、仕組みを重視して毎年2倍に成長する、長く走れる会社にしようと決めていました。

実際、結果として、
メンバーは 1 → 2 → 4 → 8 → 16… と倍々で増えていき、今は30人弱のチームになっています
売上もほぼ毎年倍で成長でき、おかげさまで、ARRも10億円を超える ところまで来ました
外部資金なしで、1人あたり売上もかなり高い水準です
昔、Wantedlyにいた頃に、上場を経験したのですが、気づけば当時と同じような売上げ規模になっていて、そのときと同じくらいの「事業としての手応え」を今のRimoにも感じています。
プロダクトとしては、
まずは「AIで議事録が取れる」ことから始まり
そこから、会議の内容を知識として貯め
さらに、ToDoやネクストアクションに落とし込むところまできました
利用のされ方も、だいぶ広がっています。

Rimoは、AI議事録のジャンルで、高精度・高価格なブランディングで、100名以上の企業をメインターゲットにしていたため、皆さんが想像されるよりもエンタープライズ企業の導入も多い状態です。
最近は個人向けのプランも出し、個人やチームで自走導入されるケースも出てきています。これは海外展開を見据えた動きで、最近整ってきた自動多言語化の仕組みとともに手応えを感じてきています。
一方で、この1年で市場環境は大きく変わりました。
去年までは「AIで議事録が取れるなんてすごい」と言われていました。RimoはChatGPTが出る前頃からAI要約での議事録を手がけていたことから、先行者としての優位性もありました。
「TeamsやGoogle Meetにも議事録機能あるけど、Rimoって必要?」
と聞かれることも増えました。
これは当然の流れです。大手プラットフォームが参入してくれば、そうなる。
大手はAIが使える全領域でプロダクトをリリースしているので、重箱の隅をつつくような領域以外は全てぶつかることになります。
もちろん純粋な精度で言えば勝っているし、使い勝手でも自由にプロンプトをかけたり、リアルタイムに質問をできたりと優位性はたくさんあります。
ただ、明確な差別化は失われたのも確かで、元々思っていた、
ここから先は、議事録“だけ”では勝負にならない
ということもよりはっきりしてきました。
おかげで自分としては社内のリソースもより新しいことに費やせる気がしてワクワクしてます。
元々、GoogleやMicrosoftの機能は、私たちがリリースしてから半年くらい遅れて出てきています。つまり私たちは既に半年先を走っているわけです。ここから先が次の自分達の打ち手です。
AI議事録・会議データの強み
自分達の持っている会議のデータ自体の強みからまず考えてみましょう。
会議は、会社に必要な文脈(コンテキスト)の宝庫である
会議は「タスクの起点」である
(これは予想だけど) 会議は「タスクの終着点」でもある
1. 会議は、会社に必要な文脈(コンテキスト)の宝庫である
2024年頃から「RAG」という概念が広まりました。会社の知識をAIに入れながら、ちゃんとした回答を返せるようにする技術です。最近では「コンテキストエンジニアリング」という言葉も出てきました。「これをやって」と直接指示するより、「今こういう状況なんだけど、どうしたらいいかな」と文脈ごと伝えた方が、AIは良い答えを返してくれるという考え方です。
ここで会議のデータが持つ価値が際立ってきます。
他の情報源では取れないものが、会議には残っているんです。なぜその決定に至ったのか。どんな温度感だったのか。誰がどんな反応をしていたか。こうした文脈が、テキストデータとして残る。会議は、その「状況」と「背景」と「温度感」が、一気に詰まっている場所です。
ここをちゃんとデータとして持っているのが、Rimoの大きな強みです。
2. 会議は「タスクの起点」である
もう一つ、会議の重要な特徴があります。タスクが生まれる起点だということです。
今後AIがどんどん仕事をするようになると、「会議しただけで仕事が終わっている」という世界が来ると私は思っています。何をやりたいかを話すだけで、あとは全部AIがやってくれる。
今でも議事録からToDoやネクストアクションを抽出することはできます。ここの精度をもっと上げていく。そうすると、「こういうのやりたいよね」「これ試してみたらどうかな」といった、昔だったら流れてしまっていたような曖昧なアイデアも、ちゃんとタスクとして拾えるようになる。
そしてそのタスクを、AIエージェントが実際にこなしてくれる。
Rimoの延長線上で、そういう世界が自然と実現できると考えています。
3. 会議は「タスクの終着点」である
これは、まだ自分だけが思っているのかもしれないですが、AIに仕事を任せるとチェックがすごく疲れるんですよね。自分はAIに40万円分働いてもらう1ヶ月を過ごした経験があるので、その疲労感が本当にヤバくて。
DeepResearchさせた後の結果見てもわかると思うんですが、あれの誤りだったり、その後自分達がどうするべきかを理解するのは、かなり労力を使うはずです。
でもこれって多くの人に仕事を振ってる場合もそうなるよな。その場合どうしてるんだっけと考えてみると、経営者に担当部長が報告をする会議を開いて、重要な場所をまとめて発表してもらいその場で質問や方針の指示をしているよなと。
なので、AIがレベル高く仕事するようになったら、会議を開きプレゼンをしてくれる未来になり、結果タスクの終着点も会議になる未来もありえると思っています。
もちろん、他の重要なデータもあるし別の見方もあると思いますが、この速度が早まっている世の中で、この会議データがあり、ユーザーがすでにいるところから始められるの面白いと思いませんか?
2026年、Rimoがやること
この強みをもとに、具体的に、2026年に何をやるのか。4つの柱があります。
1. 会議から直結するタスク実行
高精度なToDo抽出を標準化し、AIエージェントが実際のタスクを自動で着手・完了まで持っていく。会議で「これやろう」と言ったら、本当にそれが実行される世界を作ります。(ここは単純勝負では大手の方が強いので、人とAIを繋ぐところによりフォーカスした戦略を立ててますが、詳細は秘密です。面談で話しましょう!)
2. 組織知の常時学習(会社メモリ)
会議で得られた知見を構造化して、社内Q&Aや意思決定支援に使えるようにする。ChatGPTのメモリの会社版を、継続的に学習させていきます。
3. 日本企業に最適化されたAIワーク環境
海外ツールは、日本製ツールの連携は弱いでしょう。Rimoは経営に必要な会計、人事、各社の内製ツールまで含めた深い連携を実現します。「ちょっと使いづらい」をゼロに近づけることにこだわります。
4. 経営判断・事業運営AIの実装
ここが本丸です。ガバナンス、監査可能性、透明性を備えながら、人間のこだわりや社内政治も尊重した上で、経営判断や1つの事業をAIに任せられるような環境を作ります。
「AIが経営判断をした方が合理的だよね」という世界は、
たぶん1〜2年で一気に“見えてしまう”と思っています。
そのときに、
まだ社内の事情で導入できていない会社もあれば
早めにAIと一緒に意思決定する体制を整えている会社もある
僕らは後者を増やしたいし、
気づいたときに世界の競合に追いつけるような状態を、日本の企業に用意しておきたいです。
「結局、GoogleやMicrosoftを使っておけばいいんじゃないか」思う企業もいるでしょう。たしかに、彼らのプロダクトは優れています。
ただ、GoogleやMicrosoftも神様じゃない。中にいる人が、社内の評価や競争を気にしながら、どこまで考えるかという話です。3にあるように日本の企業が使っているツールをどこまで気にしてくれるかわからないですし、MCPなどを使ってもちょっと使いづらい連携に留まるはずです。
Rimoは、その「ちょっと使いづらい」をゼロにする。日本のいろんな企業が、最も使いやすい形でAIの力を発揮できるようにする。
それが私たちの役割だと思っていますし、少なくとも私は、日本で会議をどう活用すれば人間とAIの関係がうまくいくか、ということについては、Google社員の誰かより深く考えられる自信があります。
一緒に作る仲間を募集しています
ここからは、率直な採用の話です。
Rimoは今、あらゆるポジションで仲間を募集しています。
エンジニア
機械学習(軽量モデル・リアルタイム処理など)
フロントエンド
バックエンド
デスクトップアプリ
モバイルアプリ
ハードウェア
Go-to-Market
エンタープライズ営業
カスタマーサクセス
コンサル/導入支援
今多くの企業に導入いただいていますが、部署導入が多く全社導入は多くありません。企業の皆さんに会社のAI戦略として位置付けてもらい、いいなと思って使ってもらうためには多少の伴走が必要です。
グローバル展開
海外マーケティング/SNS運用
動画作成
パートナーシップ/アライアンス
今は日本中心ですが、世界にも展開していきます。同じプロダクトを多くの人に使ってもらえれば価格も下げられるし、ツール同士の連携を考えると、世界で名前が知られていることも大事になってきます。マーケティングや海外展開の戦略を一緒に考えられる方を求めています。
経営
採用担当(ビジネス/エンジニアどちらか専任)
財務戦略
経営企画
社内AI化/AI Operation Manager
選考プロセスにも、これからどんどんAIを入れていこうと思っています。
実際に試してみると、人間だけで面接するよりもAIの方が過去の実績に対する洞察が強く評価がより正しいと感じるところもあって、
「これはもうAIと一緒に採用した方がいいな」と思っています。
もちろん最終判断は人間がしますが、
AIと一緒に働く会社の採用は、AIと一緒にやる
くらいのスピード感を持って進めていきます。その方が私はプロダクト開発に集中できますし。
おわりに
2026年、Rimoは
「AI議事録サービス」から
「経営判断を助けるAIプロダクト」へ
一段ステージを上げていきます。
Rimoのプロダクト導入に興味がある方
自社の会議や意思決定をアップデートしたい方
その未来のインフラを一緒につくりたい方
どの立場でも構いません。
「AIと一緒に働く未来を、ちゃんと現実にしていきたい」と思った方は、
ぜひどこかで一度話しましょう。
募集要項や応募フォームは、https://jobs.rimo.app/ を見てください。
この1年で、一緒に日本をAIの勝ち組にしていきましょう!!
Day2の記事はこちら▼
インド人エンジニア大量採用とAI活用で挑む、Rimoの開発組織スケール戦略