お客様の要望を、時々お断りする理由

自己紹介
こんにちは、RimoでCustomer Success Managerを担当している佐野です。Rimo Advent Calendar 2025 Day16を担当します。普段は企業のお客様との関係構築、契約更新、導入支援などを中心に動いており、お客様とプロダクトの両方を見据えたCS活動を心がけています。
今日書くテーマ
今日は、CSとして「お客様の要望にどう向き合っているか」について書きます。全ての要望に応えるのではなく、時に「NO」と言う理由。そして、なぜRimo Voiceが「ユーザー全員にとって使いやすい」ことを最優先にしているのか。日々の顧客対話の中で大切にしている考え方をまとめました。
CSとしての信念
「このAI、どのモデルを使っているか選べるようにしてほしい」
先日、AIに精通されている企業のお客様からこんなご要望をいただきました。確かに一理あるご意見です。でも、私たちは丁重にお断りしました。なぜか?それは、Rimo Voiceが大切にしている考え方があるからです。
私がCSマネージャーとして日々意識しているのは「最短で最大のインパクトを出す」ということです。お客様に寄り添うことは大前提。でも同時に、プロダクトとして「やる・やらない」の判断も慎重に行っています。
この両立は簡単ではありません。目の前のお客様の要望に全て応えれば、短期的には満足度が上がるかもしれない。でも、それが本当に多くのユーザーにとって価値があるのか?プロダクトの方向性と一致しているのか?常に自問自答しています。
Rimo Voiceに賭ける理由
なぜ私がRimoに参画することを決めたのか。
日本のビジネスパーソンは人生で約3万時間を会議に費やすと言われています。そして、多くの日本企業に「議事録文化」が根付いており、特に大企業ではその文化が深く定着しています。これは今後も残るでしょうし、大切な文化でもあります。
つまり、議事録業務を効率化することは、日本のビジネス全体の生産性向上に直結するということ。日本の大部分の企業が抱える課題に、ここからメスを入れられる。私が昔から持っていた「最短で最大の成果を上げたい」という思いと一致しました。
AIリテラシーと共に成長するということ
でも、技術的に可能だからといって、何でも実装すれば良いわけではありません。
私たちが大切にしているのは「世間のAIリテラシーと共に成長する」ということです。いきなり複雑で先進的すぎる機能を提供しても、多くのユーザーは戸惑うだけでしょう。
ChatGPTが「チャッピー」として広く愛されるようになったのも、「会話したら答えてくれる」という分かりやすさから入ったからだと思います。Rimo Voiceも同じです。「会議を録音して、文字起こしをする」というシンプルで理解しやすい価値から始めています。

「何も考えなくても、うまくできた!」を目指して
代表の相川が大切にしている考え方があります。私なりに言葉にすると、こんなかんじです。
「ユーザーが何も考えなくてもボタンひとつで『なんかよく分からないけど、うまくできた!』『AIなのこれ?一瞬で自分が欲しいものができた』って思えるのが理想」
だから、冒頭のAIモデル選択の要望はお断りしました。一見良い要望に見えますが、AIに詳しくない大多数のユーザーにとっては「また選択しなければいけない」という新たな負担とストレスを生むだけだからです。
ユーザーに選ばれるということ
月に一度、CS界隈では知らない人はいないであろう山田ひさのりさんに相談する機会をいただいています。昔、こんな質問を投げかけられました。
「Rimoは、経営者に支持されれば継続してもらえるプロダクトなのか、それともエンドユーザーに支持されれば継続してもらえるプロダクトなのか?」
私は「後者」だと答えました。
もちろん、経営判断でジャッジされる場面はあります。でも実際、多くの管理者の方々が丁寧にアンケートを取り、導入継続の判断をユーザー自身に半分くらい委ねているんです。つまり、ユーザーの熱い支持があれば、契約は続く。
だからこそ、私たちは「AIに詳しい一部の人」ではなく「全てのユーザー」にとって使いやすいプロダクトであることを最優先にしています。
それでも、シンプルさを守りたい
正直、このスタンスは時に厳しい意見をいただくこともあります。「もっとカスタマイズさせてほしい」「詳細設定を開放してほしい」というご要望もあります。
でも、私たちは「ぱっと使える、何も考えなくても良いものができている」というシンプルさを大切にしたい。全てのユーザーに最初から優しいプロダクトでありたいのです。
費用対効果ではなく、ストーリーで選ばれたい
もちろん、お客様は料金と機能で「費用対効果」を判断されます。それは当然です。
でも私は、いつか「Rimo Voiceのプロダクト作りの考え方に共感したから選んだ」と言ってもらえる日が来たら嬉しいと思っています。今だけでなく、未来を見据えたストーリーに共感してくださる方と、一緒に日本の働き方を変えていきたい。
そんな思いで、今日も顧客との対話を続けています。
最後に
現在、カスタマーサクセスチームを拡大中です。お客様の成功を一緒に作り上げていける方をお待ちしています!
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