ベンチャーで失敗する人は優秀すぎる人!?

Rimo Anvent Calendar 2025 Day5を担当します、前野です。
株式会社キープレイヤーズ・高野さんのSNS投稿を拝見し、共感するポイントが多くありました。
その内容を起点に、現在私がセールス部門を見ている立場として、
「ベンチャーに責任者クラスで入社する人が成功するのはどんな人か?」
「逆に、どんな人が失敗してしまうのか?」
についてまとめてみます。
優秀なのにベンチャーで苦戦する人の共通点
結論から言うと、ベンチャーで失敗する責任者の共通点は、
“優秀すぎる”こと
です。
大企業で高く評価されてきた責任者像は、こんなタイプでしょう。
事業部長として完璧な実績
現場から絶大な信頼
数字で語れる成果が豊富
ロジカルで、説明も上手
「できる人」として社内で評価されている
「優秀な人」として申し分のない責任者です。
しかし、その「優秀な人」はベンチャーが欲している人材に必ずしも当てはまるとは言えません。
なぜでしょうか?
ベンチャーが本当に欲しいのは「完璧な実行者」ではない
ベンチャーが本当に求めているのは、
「完璧な実行者」じゃなく、「不完全でも一緒に創る共創者」になれる人
です。
この差が埋まらないことで、優秀な人ほど早期離脱してしまいます。
具体例を挙げてみます。
ケースA:完璧主義 × 大企業出身者がハマる落とし穴
前職:上場企業 事業責任者
実績:
5年連続で目標達成率110%超
部下50名の完璧なマネジメント
業務フロー完全に標準化
ミスほぼゼロのオペレーション
完璧そのものです。
しかし、ベンチャーに責任者として入社後...
上司:「新規事業、こういう方向でやってみたい」
Aさん:「まず市場調査して、競合分析して、ROI試算して…」
上司:「いや、まずやってみようよ」
Aさん:「でも、リスクが…」
上司:「採用をもっと積極的にやっていきたい」
Aさん:「今の体制を固めてから段階的に…」
上司:「スピード感が…」
結果、半年で退職。
Aさんの何が問題なのでしょうか?
それは、優秀すぎたんです。
問題は能力不足ではなく、
大企業で完璧な仕事をする能力が高すぎて、ベンチャーの
「不完全な環境でも前に進む」ことに適応できなかったこと
です。
ケースB:失敗経験がある責任者は強い
前職:中堅企業 事業責任者
実績:
目標達成率は80〜120%とバラつきあり
新規事業で2回失敗経験あり
でも3つ目で大成功
完璧主義ではなく、「走りながら考える」タイプ
一見、Aさんより見劣りします。
ベンチャーに責任者として入社後...
上司:「新規事業、こういう方向でやってみたい」
Bさん:「いいですね。まず小さくテストしましょう。失敗しても取り返せます」
上司:「採用をもっと積極的にやっていきたい」
Bさん:「わかりました。同時に採用後の受け入れ体制も作ります」
結果、1年後で
・Bさんは上司からも会社のみんなからも絶大な信頼
・組織も急成長
AさんとBさんの違いは明確です。
Bさんは“失敗耐性”がある。だから不完全を受け入れられる。
Bさんは「100点じゃなくても、60点で前に進む」この感覚を持っていたんです。
ケースC:正しいことを"正しく"やりすぎて失敗するパターン
入社後すぐに業務プロセスを全て見直し、
KPIダッシュボードを完璧に構築
採用基準を厳格化
オペレーションを標準化
一見素晴らしい取り組みですが、
組織の成熟度に合っていない“最適化”は、現場に負担を生むことがあります。
結果「やりにくい」「前の方が良かった」という不満が出てきます。
Cさんは現場の感覚が分かっていないんです。
ただ、Cさんはこれが正しいやり方だと思っている…。
結果的に、離職者が増加するなど良くない結果になってしまう。何が問題だったのか? Cさんは、正しい反面、組織の成熟度と合ってなかった。
ベンチャーに必要なのは
“「今、この組織に必要なレベルの仕組み」”
完璧じゃなくていい。60点でも今より良ければOK。
そして、組織の成長と共に進化させる。
ケースD:「自分がいないと回らない組織」を作ってしまう
営業責任者として、全てを自分で回す
細かいオペレーションも自分が管理
結果、組織が育たない
本人が1週間休んだら全てストップ
依存の組織になる
営業責任者の仕事は自分が頑張ることじゃない。
“自分がいなくても回る仕組みを作ること”
です。
そのためには、
完璧じゃなくても、人に任せる
失敗を許容する
仕組みで回す構造を作る
しかし「優秀すぎる人」は、これが苦手です。
自分でやった方が早い。正確。安心。
でも、それをやり続けると、組織は成長しません。
ベンチャーで成功する責任者の特徴
完璧主義を手放せる
失敗から学べる
不完全を受け入れられる
会社のメンバー全員と対等に議論できる
組織の成長段階を理解できる
まとめ:ベンチャーで成功するのは「優秀な人」ではなく「柔軟な人」
必ずしも「完璧な実績」は必要ありません。
むしろ、失敗経験がある人の方がベンチャーで成功することが多い気がします。
なぜなら、「不完全でも前に進む」感覚を体で理解しているからです。
「完璧な実績」を持っていて「評価されている」なら、逆に注意が必要かもしれません。
ベンチャーで成功するために必要なのは、
"不完全でも前に進める柔軟性"こそが、ベンチャー責任者の成功要因
だと強く感じます。
Rimoで挑戦してみたい人の応募待ってます。
— 前野 勇二 / Rimo合同会社 営業部長
Day6の記事はこちら▼
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