Claude codeとfreeeのAPIを使って、非エンジニアの経理が、AIと2日で会社の財務ダッシュボードを作った話

更新日:2026/02/26 5:56
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こんにちは!Rimo社長室で経営企画を担当している竹内です。

AIと財務ダッシュボードを作った話をさせてください。

——出来の悪い新入AI社員への指示から、ペアプロで完成するまでの全記録


「今期、あといくら使えるの?」

経営会議のたびに飛んでくる同じ質問。freeeを開く→試算表を見る→スプレッドシートに転記する→概算する。毎回この繰り返し。

やめました。AIに作らせました。しかも私、プログラミングは未経験の事務方です。


「前職もAI企業だったのに、使えていなかった」という恥ずかしい事実

実は前職もAI系の企業でした。

「AIで業務が楽になる」は頭でわかってる。周りでも話題になってる。でも——導入作業をする時間がない。

毎日の経理処理、請求書対応、契約管理、採用サポート……「試してみよう」と思った翌朝には、また締め切りの業務が積み上がっている。AIを作っている会社で働きながら、「いつかやろう」が何ヶ月も続く。

これ、AI業界にいながらAIを使えていない、という矛盾した状況でした。

それがRimoに転職して、すぐにAIと働ける環境になった。

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PHASE 1:ブラウザ版Claudeに頼んでみたら「天才!」と「何やってんの!」が交互に来た

まず素直に感動した:外資IBのExcelが一瞬で

freeeのAPIでデータを取得してスプレッドシートに表示したい、とClaudeに相談しました。この時Claude初体験。返ってきたのは完璧に見えるGoogle Apps Scriptのコード。

しかも試しに「見た目の指示もしてみよう」と思い立って、こう聞いてみました:

「外資IBが使う配色でシートをデザインして」

一瞬で出てきました。

濃いネイビーのヘッダー、白地に整然と並ぶ数字、アクセントカラー。「これ、IBのPitch Bookじゃん……」というクオリティのシートが、私の指示一発で生成されました。

「Claudeって天才だ」と本気で思いました。

しかし次第に、雲行きが怪しくなる

数値を入れてもらうと……ベタ打ちで数字を直接セルに書いてくる。

「売上高:12,345,678」みたいに、数式じゃなくて数字そのものを書く。参照もしない、関数も使わない。ベタ打ちです。

私のイメージは「freeeのデータを参照して、自動で計算される表」。ベタ打ちだと、データが変わったら全部手で直さないといけない。それじゃ意味がない。

「ベタ打ち禁止!参照して!関数を使って!」

指示すると直してくれる。でも次の修正を頼むと……またベタ打ち。

何度言っても直ってくる→また戻る、の繰り返し。

間違いを指摘すると、「あれ、そこ間違ってましたね」と平然と言ってのける。渡したデータを最後まで読まずに「データが見当たりません」と言ってくる。「よく見て!あるから!」と画面に向かって突っ込む日が続きました。

気づいたら——

出来の悪い新入社員の資料チェックをしている気分になっていました。

「あなた、このデータ見た?」「見ました」「じゃあなんで数字が違うの?」「すみません確認不足でした」

……これ、私が教育係になってる。しかも相手はAI。

自分で作ったほうが早い、と何度思ったかわかりません。

「コードは書いてくれる、でも一緒に考えてくれない」

ブラウザ版Claudeの限界がここにありました。

コードは出してくれる。でも「実際に動かして」「エラーを見て」「修正して」というループが全部こちらの手作業

コードをコピー→GASに貼り付け→実行→ログを確認→エラーメッセージをまたコピー→Claudeに貼って質問→修正版をもらう→また貼り付け……

この往復を何十回も繰り返すうちに、「これ、AIを使いこなしてるんじゃなくて、AIの世話をしてるんじゃないか」という気持ちになってきました。

「前職でもAI使えなかったの、こういうことか」と、妙に腑に落ちてしまいました。


転機:Demodayでエンジニアとペアになった日

社内イベントで出会ったClaude Code

ちょうどそのタイミングで、社内のDemoday(社員がお互いの仕事や取り組みを発表するイベント)がありました。

その日は代表の相川による「Claude Codeを使おう」でした。

全員エンジニアと二人一組のペアになって、ダウンロードから導入まで、その場で一緒にやってくれました。

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「黒い画面は怖いから白にして!」

Claude CodeはコマンドラインのCLIツールです。最初に見たときの感想は「黒い画面だ……」でした。

プログラマーじゃない人間にとって、黒い背景のターミナルはなんとなく「専門家の世界」「触っちゃいけないもの」に見えてしまう。

でもそこで、代表が非エンジニアの社員たちに向けてこう言いました:

「黒い画面は怖く見えるだけだから、白い画面にして親しみを持って!」

設定でターミナルの背景を白にしたら、不思議と「なんとかなりそう」に見えてきました。

人間、見た目でだいぶ気持ちが変わるものです。


PHASE 2:Claude Codeは「別物」だった

「一緒にキーボードを叩いてくれる」感覚

Claude Codeを起動して、プロジェクトフォルダを開いた瞬間から、ブラウザ版との違いを感じました。

こちらがコードを貼らなくても、ファイルを直接読んでいる。 「このスクリプトのここを直して」と言うと、そのままファイルを編集してくれる。

あのコピペ地獄が消えた。

「freeeのAPIを叩いたらこういうエラーが出た」と伝えると、自分でコマンドを実行してエラーを確認して、修正案を出してくれる。 こちらが確認して「OK」と言えば次に進む。

ブラウザ版Claudeが「優秀なコンサルタント(でも現場に来ない)」だとすると、Claude Codeは**「一緒に現場に来て、実際に手を動かしてくれる人」**でした。

ベタ打ち問題が消えた理由 

ブラウザ版で悩んでいた「ベタ打ちしてくる」問題。Claude Codeではシートの実際の構造を見ながらコードを書いてくれるので、「このセルを参照して」「この行の合計に数式を入れて」という実装が自然にできてくる。

「データはここにある、だから参照はこうなる」という文脈をClaude Code自身が持っているから、こちらが毎回説明しなくていい。

あの「よく見て!あるから!」がなくなりました。


完成したもの:毎朝8時に自動更新される余剰資金ダッシュボード

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自動で毎朝8時に更新されるもの

  • freeeの全口座残高(walletables APIで取得)

  • PL月次推移(売上・原価・販管費明細・営業利益を月別)

  • BS月次推移

  • 法人税概算

  • 消費税概算

ダッシュボードに一発表示されるもの

  • 「今期末まで使える金額」が大きく表示

  • Runway(現在の月次burn rateで何ヶ月持つか)

手動入力は毎日の更新でも消えない

  • 予備費、設備投資、各税金の中間申告額など

  • 人員計画を別ファイルから参照(人事が更新すれば自動反映される)

  • 別シートから自動参照


やってみてわかったこと:AIの使い方は「道具の種類」を間違えると詰む

ブラウザ版Claudeが得意なこと

  • 「こういうものを作りたい」という大枠の設計と方向性出し

  • コードの意図・仕組みの説明

  • 「外資IBの配色で」みたいな一発の指示に応えること

Claude Codeが圧倒的に違うこと

  • ファイルを直接読み書きして一緒に実装できる

  • 「試す→エラー確認→修正」のループが爆速

  • 実際のデータ構造を見ながらコードを書くからベタ打ちしない

  • 複数ファイルにまたがる修正を一度でできる

「試している時間がない」問題の正体

前職でも今の仕事でも、AI導入が進まなかった理由は「忙しくて試す時間がない」でした。でもClaude Codeを使ってみてわかったのは——

試行錯誤の方法そのものが変わる、ということ。

ブラウザ版Claudeを使った試行錯誤は「私が何かをやって→結果をコピペして→Claudeに見せる」という構造。この往復コストが高いから、試す気力が削られていく。

Claude Codeは「Claude Codeが何かをやって→私が確認する」という構造。能動と受動が逆転する。

日々の業務に追われながらでも続けられたのは、疲れたときでもClaude Codeが手を動かしてくれるから。「今日は確認するだけでいい」という日でも、進める。

そして最初にエンジニアが横で一緒になって導入を進めてくれたこと。ポップアップ出るたびにどこを押せばいいか聞ける安心感。

これが、何年も「いつかやろう」だったものを、今回初めて完成まで持っていけた一番の理由だと思っています。


まとめ:「作れない」はもう言い訳にならない

毎朝8時、誰かが作業しなくてもfreeeのデータが自動で流れ込んで、余剰資金が一目でわかるダッシュボードができました。

経営会議での「今期あといくら使える?」という質問に、5秒で答えられます。

そして、もう一つ伝えておきたいことがあります。

私がこれを作ったのは、入社してまだ数日のことでした。

会社のことも、freeeの設定も、まだ把握しきれていないタイミングで、ダッシュボードが完成していました。

それができたのは、Claude Codeが私と一緒に手を動かしてくれたからです。


そして最後に、もう一つ。

このブログ記事、どうやって書いたと思いますか?

Claude Codeは、ダッシュボードを作った全過程を知っています。私がfreeeのAPIに詰まった記録も、ベタ打ちに何度も「よく見て!」と突っ込んだ会話も、Demodayでエンジニアと画面を並べた日のことも。

だから私は、こう書いただけです。

「ダッシュボードを作った話をブログにまとめて」

それだけで、このブログができています。

プログラミング未経験の、入社数日の経営企画が、財務ダッシュボードを作って、そのブログ記事まで書けた。

これが私の「AIと働く」第一歩です。

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