録画面接とは?企業にとってのメリットや導入のポイントを解説!

近年、大手企業を中心に録画面接の導入が進み、効率的な採用手法として注目を集めています。応募者が都合の良い時間に動画で回答できるため、企業・応募者双方の負担を軽減できる選考方法として関心を持つ採用担当者も増えています。
しかしながら、 - 録画面接とWeb面接は何が違うのか - 導入するとどんなメリット・デメリットがあるのか - 応募者に不快感を与えずに録画・録音の同意を得るにはどうすればいいのか
といった疑問を抱えている方も少なくないでしょう。
そのためこの記事では、録画面接の基本的な仕組みから企業側のメリット・デメリット、同意の取り方を含めた導入の進め方までをわかりやすく解説します。
録画面接とは
録画面接がどのようなものか、Web面接との違いとあわせて押さえておきましょう。
録画面接の仕組みと基本的な流れ
録画面接とは、企業があらかじめ用意した質問に応募者が動画で回答し、その録画データを提出する選考方法です。
面接官はいつでも都合の良いタイミングで動画を確認できるため、日程調整の手間なく選考を進められます。応募者側も、質問内容を事前に確認したうえで録画に臨めるのがメリットです。
企業と応募者の双方にとって負担を軽減できる選考スタイルとして、近年注目を集めています。
Web面接(オンライン面接)との違い
録画面接と混同されやすいのが、ZoomやMicrosoft Teamsなどを使ってリアルタイムでやり取りする「Web面接」です。両者の大きな違いは、面接官と応募者が同時にオンラインで顔を合わせるかどうかにあります。
Web面接はリアルタイムでのやり取りが可能なため、応募者のコミュニケーション能力や受け答えの柔軟性をその場で確認できます。ただし、双方のスケジュール調整が必要になる点は対面面接と変わりません。
一方、録画面接は応募者が自分のタイミングで撮影・提出できるため、日程調整の負担がありません。その代わり、面接官がその場で質問を深掘りすることはできない点に注意が必要です。
3つの選考方法の違いを整理すると、以下のようになります。
項目 | 録画面接 | Web面接 | 対面面接 |
|---|---|---|---|
日程調整 | 不要(期限内に提出) | 必要 | 必要 |
リアルタイムのやり取り | できない | できる | できる |
応募者の準備時間 | 十分に取れる | その場対応が中心 | その場対応が中心 |
複数人での確認 | しやすい(動画を共有) | 同時参加が必要で難しい | 難しい |
移動・会場コスト | かからない | かからない | かかる |
どちらが優れているというものではなく、選考のどの段階で何を確認したいかによって使い分けることが重要です。
たとえば、応募者数が多い一次選考では録画面接で効率的に絞り込み、最終選考ではWeb面接や対面面接でじっくり対話する、という組み合わせ方も有効です。
録画面接が注目される理由
録画面接が注目を集めている背景には、企業側の事情が大きく関わっています。ここでは代表的な3つの理由を紹介します。
導入のハードルが低い
新しい選考手法の導入には慎重になる企業も少なくありませんが、録画面接は専用ツールを使うことで比較的簡単に始められます。
専用ツールには、質問設定やデータ管理の機能があらかじめ備わっているため、応募者・企業側とも複雑な準備は必要ありません。初期設定や操作方法のサポート体制が整ったツールも多く、ITに詳しくない採用担当者でも扱いやすいのが特徴です。
たとえば、質問文をあらかじめ登録しておけば、応募者ごとに個別で案内を作成する手間もかかりません。応募者の提出状況が一覧で確認できるツールも多く、進捗管理の負担も抑えられます。
人手不足・採用コストの負担を軽減できる
多くの企業が人手不足や採用コストの増加という課題を抱えるなか、録画面接は効率的な採用手法として活用されています。
対面面接やWeb面接では、応募者と面接官のスケジュール調整が欠かせません。面接官がほかの業務を抱えている場合、予定の確保自体が大きな負担になることもあるでしょう。
録画面接なら、面接官は都合の良い時間に動画をまとめて確認できるため、面接にかける時間を短縮できます。交通費や会場費もかからないため、限られたリソースでも採用活動を進めやすくなります。
面接官を専任で置けない中小企業ほど、この時間短縮効果を実感しやすい傾向にあります。複数の業務を兼任する担当者でも、すきま時間に動画をまとめてチェックできるためです。
大手企業の導入拡大で認知が広がっている
デジタル化が進むなか、効率的な採用を実現する手段として、大手企業を中心に録画面接の導入が広がっています。
採用プロセスの効率化やコスト削減といった成果が知られるようになったことで、録画面接という選考方法自体への抵抗感も薄れてきました。
人材確保の競争が激しくなるなか、質の高い選考を効率的に行いたい企業にとって、録画面接は有力な選択肢のひとつといえるでしょう。中小企業への広がりも徐々に進んでいます。
録画面接を行う4つのメリット
録画面接には、対面やWeb面接にはない独自のメリットがあります。ここでは代表的な4つを紹介します。
面接辞退や日程調整の手間を削減できる
複数の面接官が同じ動画を確認できる
書類だけではわからない人柄や雰囲気を把握できる
海外・遠方の候補者にもアプローチしやすくなる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
面接辞退や日程調整の手間を削減できる
録画面接では、応募者と面接官のスケジュール調整が不要です。対面面接やWeb面接では、双方の予定を合わせる手間が発生し、急な都合や日程変更が起きると再調整も必要になります。
一方、録画面接は応募者が指定期限までに動画を撮影・提出するだけで済むため、スケジュール調整の負担がかかりません。「期限までに提出がない場合は辞退とみなします」とあらかじめ伝えておけば、選考も効率的に進められます。
面接辞退が発生した場合も、事前準備が少なく済むため、無駄になるリソースを最小限に抑えられます。
複数の面接官が同じ動画を確認できる
録画面接では、複数の面接官が同じ動画を確認できる点も大きなメリットです。パソコンやスマートフォンで共有できるため、出張中や遠方にいる面接官でも、自分のスケジュールに合わせて確認できます。
録画データは何度でも見返せるため、対面の面接では見逃しがちな表情や回答内容も確認しやすくなります。複数人でチェックし、何度も見返すことで、より正確で公平な評価につながるでしょう。
面接官によって評価にばらつきが出やすいのは、対面面接でも起きがちな課題です。同じ動画を複数人で確認できる録画面接は、評価基準をそろえやすいという意味でも有効な手段といえます。
書類だけではわからない人柄や雰囲気を把握できる
録画面接では、履歴書やエントリーシートだけではわからない応募者の人柄や本質を把握できます。話し方や表情、声のトーンなど、文字情報では得にくい多くの情報を確認できるでしょう。
動画には応募者の素の部分が表れやすく、回答内容だけでなくコミュニケーションの取り方や誠実さなど、人物像をより具体的に理解できます。撮影環境や背景から、応募者の生活スタイルが垣間見えることもあります。
たとえば、志望動機を尋ねる質問ひとつでも、話す速さや間の取り方、表情の変化まであわせて確認できるのは、書類選考にはない録画面接ならではの強みです。
海外・遠方の候補者にもアプローチしやすくなる
録画面接は、海外在住や遠方に住む応募者との選考をスムーズに進められます。時差のある候補者ともリアルタイムの日程調整が不要になり、応募者は自分の都合に合わせて動画を撮影・提出できます。
面接会場に足を運ぶ必要がないため、応募者の心理的な負担や交通費の負担も軽減できます。結果として、地理的な制約に関係なく優秀な人材を幅広く確保しやすくなるでしょう。
特に、拠点が少ない企業や新卒採用で全国から応募を募りたい企業にとっては、居住地を理由に選考を辞退されるケースを減らせる点も見逃せないメリットです。
海外採用や外国人材の採用を進める企業では、文化や言語の違いへの配慮も欠かせません。
関連記事:外国人採用の注意点!採用手順から選考の効率化方法も紹介
録画面接のデメリットと気をつけたいポイント
録画面接には多くのメリットがある一方で、気をつけたいポイントもあります。あらかじめ把握したうえで運用しましょう。
リアルタイムでの深掘りができない
機材トラブルや録画ミスのリスクがある
応募者が心理的なハードルを感じやすい
それぞれ順に見ていきます。
リアルタイムでの深掘りができない
録画面接の課題のひとつは、リアルタイムでの深掘りができない点です。応募者の回答はあらかじめ録画されたデータのため、面接官がその場で追加の質問をしたり、回答を掘り下げたりすることはできません。
録画された動画をもとに人柄や対応力を評価する必要があるため、対面面接に比べて評価の難易度が高く感じられることもあるでしょう。質問内容を慎重に設計し、評価基準を明確にしておくことが選考の精度を高めるポイントです。
機材トラブルや録画ミスのリスクがある
録画面接では、機材トラブルや録画ミスが起きるリスクも考慮する必要があります。応募者は自身のデバイスやネット環境で録画するため、端末の不具合や音声の途切れが起こる可能性があります。
企業側のシステムトラブルや、映像データ送信時のファイル破損も選考を滞らせる原因になり得るでしょう。
こうしたリスクを軽減するには、応募者に対して推奨のファイル形式や送信方法をあらかじめ説明しておくことが重要です。
トラブル発生時の対処手順も事前に共有しておくと、いざというときも落ち着いて対応できます。
具体的には、動画が正しくアップロードできているかを確認する画面を用意する、提出期限に余裕を持たせる、不具合が起きたときの問い合わせ窓口を案内文に明記する、といった対応が挙げられます。
トラブル対応の窓口があるだけで、応募者は安心して録画に臨めます。
応募者が心理的なハードルを感じやすい
録画面接は比較的新しい選考方法のため、不慣れな応募者が抵抗を感じることもあります。撮り直しの手間や、1人で話すことへの抵抗感、手応えを感じにくい点などが苦手意識の理由として挙げられます。
心理的なハードルを下げるには、企業側が録画面接の流れや使用するシステムの操作方法をわかりやすく説明することが欠かせません。応募フォームや案内資料に、録画手順や準備に必要な情報を丁寧に記載することで、応募者に安心感を与えられます。
録画面接の始め方・進め方
録画面接を効果的に運用するには、進め方のポイントを押さえておくことが大切です。ここでは3つのステップに分けて解説します。
目的と評価基準を決め、質問を設計する
録画面接を導入する際は、まず目的を明確にし、採用担当者全員で共有することが重要です。なぜ導入するのかという理由を関係者間ですり合わせておくと、導入プロセスでの混乱や面接官のモチベーション低下を防げます。
目的が定まったら、求める人材像に基づいて質問を設計します。職種や役職、社風に応じて必要なスキルや特性を具体化し、質問ごとに評価項目や採点基準をあらかじめ設定しておきましょう。
評価基準が不明確だと、面接官ごとの主観が結果に影響し、ミスマッチが起きやすくなります。質問を設計する際は、以下の点を意識すると効果的です。
職種で求められるスキル・特性を1問ごとに明確にする
コミュニケーションスキルを確認する質問を含める
具体的な状況への対応を問うシナリオ形式の質問を組み合わせる
質問数は絞り込み、1問ごとに評価の観点を決めておく
これらを押さえることで、面接官ごとの評価のばらつきを抑えながら、応募者の特性を効果的に引き出せます。
具体的には、「これまでに最も困難だった課題と、それをどう乗り越えたか教えてください」のような行動特性を確認する質問と、「当社の〇〇という強みについて、どう感じますか」のような志望度を確認する質問を組み合わせる方法があります。
前者は再現性のある行動パターンを、後者は企業研究の深さを見るのに向いています。目的が異なる質問を意図的に組み合わせることで、動画1本から多角的な情報を得られます。

応募者に同意を得たうえで案内を送る
録画・録音そのものは法的に問題ありませんが、応募者に無断で行うのは信頼を損なう行為です。案内を送る際は、録画面接の目的や流れとあわせて、動画を録画・保存する旨を必ず明記しましょう。
同意の取り方には、いくつかの実践しやすい型があります。
案内文の冒頭で「選考のため録画させていただきます」と目的を明記する
応募者から得た同意を記録として残しておく
撮影に不安がある応募者向けに、相談できる窓口を用意する
「なぜ録画するのか」を正直に伝えることが、応募者の不安を減らす一番の近道です。目的を伝えたうえで断られるケースは多くありません。
案内文には、たとえば次のような一文を入れておくと、応募者に目的が伝わりやすくなります。
「選考の一環として、以下の質問への回答を動画で撮影し、ご提出いただきます。いただいた動画は選考に関わる面接官のみが確認し、選考終了後は一定期間で削除いたします。」
このように「誰が見るのか」「いつまで残るのか」までセットで伝えると、応募者の不安をより軽減できます。
あわせて、質問内容や回答方法、使用するシステムの操作手順、回答にかけられる時間の目安、推奨するインターネット環境なども案内しておきましょう。
撮影場所は明るく静かな部屋を選び、カメラは目線の高さに固定するとよい旨を一言添えるだけでも、応募者は身構えずに撮影に臨めます。応募者がシステム面・環境面の不安を感じずに、本来の実力を発揮しやすくなります。
案内の丁寧さは、応募辞退の防止にも直結します。撮影や提出の手間を重く感じさせないよう、質問数を絞る、回答時間に余裕を持たせる、撮り直し回数の上限を緩めに設定するといった配慮をしておくと、負担感から選考を離脱する応募者を減らせるでしょう。

撮影・提出後は複数人で確認し、次に活かす
応募者から動画が提出されたら、面接官が確認し、あらかじめ定めた評価基準に基づいて審査を行います。動画は専用システムを通じて複数の面接官と共有し、それぞれが独自に視聴・評価できるようにしておきましょう。
採用面接では、要約よりも発言そのものの正確な記録が重視される傾向があります。評価の材料になるのは、応募者が実際に話した内容そのものだからです。
複数の面接官が同じ記録を見て評価をそろえるためにも、動画とあわせて正確な文字の記録を残しておくと、後から振り返りやすくなります。
『Rimo Voice』のような高精度なAI文字起こしを使えば、動画を最初から最後まで見返さなくても、発言内容を短時間で確認できます。
評価基準をそろえる運用例として、質問ごとに5段階評価とコメント欄を設けた評価シートを用意し、面接官全員が同じ項目で採点する方法があります。同じ動画を見ていても、面接官によって着目点や点数が割れることは珍しくありません。
点数が大きく割れた応募者については、評価理由をコメント欄で確認したうえで、複数の面接官で協議して最終判断を行うと、公平性を保ちやすくなります。
録画面接の動画を効率的に確認する方法としては、AIを使った文字起こし・議事録作成ツールも選択肢のひとつです。
関連記事:採用面接におすすめのAI文字起こし・議事録作成ツール6選!選び方や活用フローを解説
評価が完了したら結果を集約し、次の選考に進む応募者を決定します。応募者や面接官からのフィードバックを定期的に収集し、質問の設計や運用方法を見直すことで、選考全体の精度を高めていけるでしょう。
録画面接に関するよくある質問
Q. 録画面接とWeb面接、どちらを選べばいいですか?
選考のどの段階で何を確認したいかによって使い分けるのがおすすめです。日程調整の手間を減らしたい一次選考では録画面接、応募者の受け答えをその場で深掘りしたい最終選考ではWeb面接、というように組み合わせて使う企業も少なくありません。
応募者数が多い企業ほど、一次選考を録画面接に切り替えることで、面接官の工数を大きく圧縮できます。
Q. 録画面接の動画は編集・撮り直しできますか?
多くの録画面接ツールには撮り直し機能があり、応募者が納得のいく回答を提出できるようになっています。撮り直しの回数に制限を設けるかどうかは企業側の運用方針によって異なるため、案内時に明記しておくと親切です。
回数を無制限にすると、応募者は安心して臨める一方、企業側は完成度の高い回答だけを見ることになる点は留意しておきましょう。
Q. 録画面接で応募者から同意を得る際、どう伝えればいいですか?
「選考のため録画させていただきます」というように、目的を正直に伝えるのが基本です。あわせて、動画を確認する面接官の範囲についても触れておくと、応募者はより安心して撮影に臨めます。
目的を伏せたまま録画を依頼すると、後から不信感につながりかねないため、案内文の段階で明記しておくことが大切です。
Q. 録画面接の動画データはどのくらいの期間保存すればいいですか?
自社の採用フローに必要な期間を目安に、あらかじめ社内で保存期間のルールを定めておくことが大切です。個人情報を含むデータのため、選考終了後は速やかに削除するなど、管理方法もあわせて検討しましょう。
不合格者の動画をいつまでも残しておくと、管理コストだけでなく漏えいリスクも高まるため、削除の運用ルールまで案内文に含めておくと安心です。
Q. 録画面接はどんな選考段階や職種に向いていますか?
応募者数が多く、まず幅広く絞り込みたい一次選考との相性が良い方法です。営業職やカスタマーサポートなど、話し方や受け答えの印象を重視する職種でも活用されています。
専門スキルの実技確認が必要な職種では、録画面接と実技課題を組み合わせる企業もあります。逆に、その場での臨機応変な対応力を重点的に見極めたい最終選考には、Web面接や対面面接のほうが向いているといえるでしょう。
まとめ|録画面接は同意と評価基準の設計次第で選考の質を上げられる
録画面接は、企業の質問に応募者が動画で回答し、提出する選考方法です。スケジュール調整の負担を軽減しながら、複数の面接官が同じ動画を確認できるため、効率的かつ公平な選考につながります。
一方で、リアルタイムでの深掘りができない、機材トラブルのリスクがある、応募者が心理的なハードルを感じやすいといった注意点もあります。
導入する際は、目的と評価基準を明確にし、応募者に同意を得たうえで案内を送ることが、選考の質を左右するポイントです。
録画面接の動画を効率的に振り返りたい採用担当の方は、『Rimo Voice』のような文字起こしツールの活用もあわせて検討してみてはいかがでしょうか。
まずは今回紹介した進め方を参考に、自社に合った運用ルールから整えてみましょう。
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