AIとやる、事前準備ゼロ合宿が最高すぎた

突然ですが、合宿の準備、面倒じゃないですか?
アジェンダを作って、事前資料を配って、タイムテーブルを組んで、議事録担当を決めて。準備だけで 1 週間かかることもあります。
しかも当日になると「この議題、もう古いな」「実は別のことを話したい」となって、準備の半分が無駄になる。
こういうことを何回か経験するうちに、もう嫌だ!と思うように。。

そこで、今回の Rimo の開発チームで 3 月に実施した合宿は、まったく違うアプローチでした。
事前準備は最小限。行きの車の中で振り返り(KPT)を始めて、その会話を Rimo Voice でリアルタイムに文字起こし。その文字起こしデータをもとに AI がアジェンダを生成して、そのまま合宿本編に突入します。議論は自由に脱線して OK。AI が常に会話を記録して、文字起こしデータから「まだ決まっていない論点」や「話したほうがいいテーマ」を整理してくれます。合宿が終わる頃には、全セッションの文字起こしを素材に、AI が合意文書と全社共有スライドをまとめ上げている。
正直、ここまでうまくいくとは思っていませんでした。
車の中から合宿は始まっている
普通の合宿なら、集合場所に着いてから「では始めましょう」ですよね。移動時間は雑談か仮眠の時間です。
今回は違いました。経営陣と開発メンバー 5 名が車に乗り込んだ時点で、Rimo Voice の録音を開始しています。

「前の 2 ヶ月でやりきれなかったことは何か」「何がボトルネックだったか」。車中で自然に始まった振り返りが、そのまま KPT(Keep / Problem / Try)のセッションになりました。リラックスした車内だからこそ、会議室では出にくい本音が出ます。「情報が届かない」「ボールの所在が不明」「いつの間にか決まっている」。組織の課題が、雑談のテンションで次々と言語化されていきました。
ポイントは、この会話がすべて Rimo Voice で文字起こしされていたことです。
車が目的地に着く頃、Rimo Voice の文字起こしデータをもとに AI が車中の会話を分析。PM が事前に用意していたブリーフ資料に 9 つの新しい論点を追加しました。事前には想定していなかった組織課題やプロセス改善のテーマが複数浮上して、合宿のアジェンダに自動的に組み込まれています。
事前準備のブリーフ資料は v1 から v2 に更新され、テーマは当初の 4 つから 6 つに拡大。参加者が「話したいこと」と、AI が「話すべきだと判断したこと」が融合したアジェンダが、合宿の開始前にすでにできあがっていました。
「脱線していい」という新常識
今回の合宿のルールは一つだけ。「脱線していい」です。
アジェンダはあるけど、目次のようなもの。議論が盛り上がれば横道に逸れて構いません。むしろ、予定通りに進む合宿って大抵つまらないですよね。
この「脱線 OK」を支えているのが、Rimo Voice による全セッションの自動記録です。合宿の 2 日間で 5 つのセッションが記録されました。合計の文字起こしデータは膨大な量になっています。
人間の議事録担当なら、脱線した議論を「本筋に戻してください」と制止するか、メモを諦めるかの二択です。AI にはその制約がありません。すべてを記録して、後から構造化できる。だから安心して脱線できます。

しかも AI は、議論の合間に「まだ決まっていないこと」を整理してくれます。セッションの切れ目で、未決の論点や、まだ議論したほうがいいテーマを提案してくれる。参加者が「次に何を話すべきか」を自分たちで考える必要がありません。AI が会話の流れを俯瞰して、抜け漏れを埋めてくれます。
結果として、合宿は 6 つのテーマを網羅的にカバーし、20 以上のアクションアイテムと 10 以上の未決事項を整理して終了しました。
合宿が終わった瞬間に、成果物が揃っている
合宿で一番つらいのって「合宿後」じゃないですか?
ホワイトボードの写真を撮って、付箋の内容をスプレッドシートに転記して、議事録をまとめて、アクションアイテムを割り振って、全社に共有する資料を作る。この「後処理」に 1 週間かかることも珍しくありません。しかも、時間が経つほど議論の熱量は冷めて、「あのとき何を話したんだっけ?」という状態になります。
今回の合宿では、この問題がほぼなくなりました。
AI が合宿中の全セッションの文字起こしデータを素材に、以下の成果物を生成できました。
合意文書。 プロダクト方針から開発体制、組織プロセスまで 9 セクションにわたる包括的なドキュメントです。20 以上のアクションアイテムには担当者と期限が明記されていて、未決事項には「次のステップ」が紐づけられています。
全社共有サマリー。 合意文書のエッセンスを凝縮した全社共有版です。合宿に参加していないメンバーが 5 分で概要を把握できるフォーマットになっています。
プレゼンテーションスライド。 全社共有用のスライドデッキです。

合宿の終了と同時に、成果物が揃っている。「後処理」という概念自体がなくなりました。
AI が担った 3 つの役割
今回の合宿で AI が担ったのは 3 つの役割でした。

1. 記録者。 全会話をリアルタイムで文字起こしして、誰も「メモを取る」負担を負わない状態を作りました。これで全員が議論に 100% 集中できています。
2. 編集者。 散らばった議論を構造化して、合意事項・アクションアイテム・未決事項に分類しました。人間が 1 週間かける「後処理」を、その場で完了させています。
3. ファシリテーター。 車中の雑談からアジェンダを生成して、セッション間で「まだ話していないこと」を提案しました。議論の抜け漏れを防いで、合宿の密度を上げています。
人間は「考える」「議論する」「決める」に集中して、AI が「記録する」「整理する」「提案する」を担う。この分担が、合宿の体験を大きく変えました。
Rimo がなかったら、どう動くか
この合宿の流れを、Rimo Voice なしで再現しようとするとどうなるか。少し考えてみました。
移動中の会話を拾うには、スマートフォンのボイスレコーダーで録音しておくのが現実的です。ただ、録音データはそのままでは使えないので、帰宅後に別の文字起こしサービスに投げる必要があります。1 時間の音声データを処理するのに、確認と修正を含めると数時間かかります。車中の 90 分を処理するだけで、半日弱の別作業になります。
合宿中は、専任の議事録担当者を立てることになるでしょう。5 名のチームなら、実質 4 名で議論することになります。しかも、議事録担当者がすべてをリアルタイムでキャッチするのは難しい。「脱線 OK」のルールを維持しながら全会話をメモし続けるのは人間には無理なので、どこかで「一旦、本題に戻りましょう」という制止が入ります。脱線してこそ出る本音の議論が、そこでカットされます。
「まだ決まっていないこと」の管理も手動です。論点が増えてくると、ホワイトボードに書き出した項目を誰かが写真に撮って、Slack やスプレッドシートに転記する作業が発生します。整理できた頃には次の議題に移っていて、未決リストの更新が追いつかなくなります。
合宿後が一番大変です。 各セッションの録音を文字起こしサービスに投げて、戻ってきたデータを読み込んで、合意事項とアクションアイテムを手作業で抽出して、スプレッドシートに担当者と期限を入力して、全社共有用のサマリーをゼロから書いて、スライドを作る。
1 つひとつは特別難しい作業ではありません。ただ、合計すると 1 週間近くかかります。しかもこのとき一番つらいのが「記憶の劣化」です。合宿から 5 日後に文字起こしを読み直しても、「あの議論がどういう流れで盛り上がったか」は再現できません。文脈が薄れた状態で書いたサマリーは、どうしても薄くなります。
Rimo Voice は、これらの工程を「合宿と並行して」処理します。終わった瞬間に成果物が揃っている体験は、この代替手順を並べてみると、その落差の大きさがわかります。

Rimo Voice で再現するためのポイント
実際にこの体験を自社で試してみたい方へ、ポイントをまとめます。
移動中から録音を始める。 合宿の議論は、集合場所に着く前から始まっています。車中の雑談こそ、本当に話したいことが出る場です。Rimo Voice で移動中から録音しておくと、思わぬ論点が拾えます。
事前準備は「たたき台」にとどめる。 完璧なアジェンダを作り込む必要はありません。Rimo Voice の文字起こしデータをもとに AI がアジェンダを更新してくれるので、あくまで出発点としてのブリーフ資料があれば十分です。
「脱線 OK」を明示する。 全セッションを Rimo Voice が記録している安心感があれば、「本筋から外れたけど重要な議論」を逃さずに済みます。アジェンダに縛られない自由さが、合宿の価値を最大化します。
AI に「未決リスト」を作らせる。 議論の合間に「まだ決まっていないこと」を一覧化させると、議論の優先度判断が楽になります。人間だけだと「あれ、あの話どうなった?」が頻発しますが、AI は忘れません。
成果物の生成を合宿中にやる。 合宿が終わってから資料を作るのではなく、合宿中に AI が並行して成果物を生成する体制にします。議論の熱が冷めないうちに合意文書ができる効果は大きいです。
「面倒くさい」をなくしたら、何が残ったか
事前準備の作り込み、議事録のメモ取り、ホワイトボードの写真撮影、付箋の転記、合宿後の資料作成。これらの「面倒くさい」を AI が引き受けると、残るのは「人が集まって、顔を合わせて、本気で考える」という、合宿の本来の価値だけでした。
Rimo の合宿では、5 名の参加者が 2 日間で 6 テーマを議論して、今期の方針と 20 以上のアクションアイテムを確定させています。この密度は、AI なしでは実現できなかったと思います。
合宿は本来、チームが同じ場所に集まって「未来を決める」ための時間です。その時間を、準備や後処理ではなく、議論そのものに使い切る。AI を使った合宿は、合宿を本来の姿に戻してくれました。