「逐語録はどのような場面で使われるの?」
「逐語録の作成方法が知りたい」
このような悩みや疑問を抱えていませんか。
カウンセリングや法的な記録など、公的な場面で活用される逐語録は、正確な情報の保存や悩みに対する的確な指導など、さまざまな場面で重要な役割を果たしてくれます。
しかし、逐語録とは一体どのようなものなのか、どのような場面で使用されるのかいまいちよくわからないという方も多いのではないでしょうか。
そこで、この記事では「逐語録とはなにか」や「逐語録の活用事例や作成方法」について解説します。
逐語録が必要な業務に携わる人だけでなく、語彙力を増やしたい人やスキルアップしたい人にとっても、逐語録の学習は有益です。
ぜひ参考にしてみてください。
逐語録の概要
逐語録とは「ちくごろく」と読み、逐語とは辞書では以下の意味とされています。
逐語とは「文の一語一語の意義を忠実にたどること。逐字」引用:goo辞書 |
逐語録とは、人が話した内容をすべて書き起こした文章のことです。
社会調査や、カウンセリング、法的な記録など、話した内容を編集せずにすべて記録する必要があるときに使われます。
逐語録とはどういうものなのか、もう少し詳しく見ていきましょう。
逐語録とは
逐語録とは、人が話した内容を、そのまま一言一句変えないで、文字として記録した文章のことを言います。
一言一句変えないということは、笑い声や相づち、「あー」「えっと」のような意味を持たない言葉や言い間違え、話すのに詰まった部分も含めて、そのまま書き起こします。
文字起こし用語では、「素起こし」と呼ばれている方法で作成された文章が「逐語録」です。
公的な場所において利用されることが多く、調査記録など、音声をそのまま残す必要がある資料のために使われます。
そのため、逐語録の作成には正確に作る能力が非常に重要です。
関連記事:整文とは?素起こし、ケバ取りとの違いもあわせて解説
逐語録のメリット
逐語録のメリットは、話した内容を一言一句正確に記録することで、議論やインタビューの経緯を明確にし、透明性を高めることです
「あー」「えっと」のような単語を省略して文字起こしをすると、その場の雰囲気や流れが誤って伝わってしまう可能性があります。
話している間に笑い声が入ったときに、「ははは、そうなんです」と書き起こすのか、「そうなんです」と書き起こすのかでは、捉えられる文章の雰囲気が異なってくるでしょう。
相手の表情や仕草まで記載しておくことで、どのような反応だったのか細かく把握でき、改善点や問題点を見つけるのに非常に効果的です。
また、自身の癖やどのような言葉を使っているかなど、自分自身を振り返ることもできます。
対人支援初心者だけでなく、熟練者も自身の面談を振り返ることで、改善ポイントが見つかるでしょう。
逐語録を厳密に文字起こしすることで、それを利用した調査や分析が高い精度で行えます。
逐語録のデメリット
逐語録のデメリットは読みにくいことです。
「あー」「えっと」のようなフィラーワードや、言い間違い、笑い声なども文字に起こす必要があるので、そのような部分が取り除かれた文章と比べると読むのに時間がかかるでしょう。
また、話した言葉を厳密に文字起こししなければいけないため、作成にも時間がかかります。逐語録は読みやすさよりも、記録の厳密さを求められる場面で使う方法なのです。
読みにくさは逐語録のデメリットでもあり、正確な分析を行うために必要なメリットとも言えるでしょう。
逐語録の活用事例
ここまで、逐語録について説明してきました。では実際にどのような場面で逐語録は使用されるのでしょうか。
そこで、ここでは逐語録が活用されている事例について紹介します。
以下に逐語録の代表的な活用事例を8つまとめました。
調査や研究
ユーザーインタビュー調査やヒアリングの記録
監査インタビュー
取締役会等の重要会議の記録
法定・議会などの記録
取材原稿作成
カウンセリング
キャリアコンサルティング
ひとつひとつ見ていきましょう。
調査や研究
学術的な調査や研究は逐語録がよく使われる場面の1つです。
おもに以下の場面で使用されています。
社会科学でのインタビュー
文化人類学の調査・研究
医学看護学での患者への聞き取り
いずれも正確な情報が必要となるため、細かな情報もわかる逐語録が資料として利用されています。
ユーザーインタビュー調査やヒアリングの記録
ユーザーインタビュー調査やヒアリングの記録としても逐語録は使われます。
ユーザーインタビューとは、商品やサービスについてさまざまな角度から利用者のリアルな声を直接聞きだす手法です。
商品やサービスを、より良いものにしていくことを目的として、利用者の求めるニーズや課題を分析します。
アンケート調査が統計的な数値や量でデータを集計し分析するのに対し、ユーザーインタビューは利用者の経験や意見など数値化できないデータを収集する手法です。
逐語録を利用することで、ユーザーの細かいニュアンスを把握しニーズや課題の分析に役立てています。
監査インタビュー
監査インタビューとは、内部監査の際に調査の目的を達成するために情報を集める際に用いられる手段です。
内部監査の手法として、インタビューをはじめ監査対象業務の観察、関連する資料の閲覧、統制活動の再実施などさまざまな手法を組み合わせて行われます。
監査におけるインタビューの目的は、業務フローや書面上では把握しきれない、現場の実態や監査対象者が抱えるリスクの洗い出しのためです。
監査インタビューを逐語録で分析することで、実際の内部統制の運用状況を正確に把握できます。
関連記事:インタビューを効率的に文字起こしする方法とは?おすすめAIツール・アプリ6選や注意点も紹介
取締役会等の重要会議の記録
取締役会が開催された際に作成する「取締役会議事録」でも、逐語録がよく用いられます。
企業による正式な意思決定を示す重要書類のため、大企業から中小企業まで企業規模問わず正確な記録を残さなくてはなりません。
正確性が求められる議事録を作成するためにも、逐語録は大変役に立ちます。
関連記事:ケバ取りとは?会議内容のテープ起こしを簡単に読みやすくする方法
法廷・議会などの記録
逐語録は裁判をはじめとする法的な記録にも活用します。
事件内容や供述内容など、裁判の証拠として録音した内容を文字起こしして、逐語調書として活用することを「録音反訳方式」と言います。
逐語録は言葉のみならず、供述者の反応なども記録するため、裁判においても重要な証拠として活躍するのです。
取材原稿作成
取材原稿を作成する場合も、逐語録を作成する場合があります。
そのまま逐語録を記事にはしませんが、インタビューや講演をもとに作成された逐語録を使って、書籍や記事などの原稿を作成する際に活用するのです。
会話内容を読み返すことで、より正確で詳しい記事の作成が可能になります。
カウンセリング
カウンセリングも逐語録が活用される事例の1つです。
カウンセリング対象者が話した内容や会話中の反応を文字起こしすることにより、その人が抱える問題の把握や分析に努めます。
逐語録であれば、話者の人柄やその場の雰囲気を把握することができるので、カウンセリングの文字起こしに向いていると言えるでしょう。
キャリアコンサルティング
キャリアコンサルタントとは、顧客の相談内容に対し、具体的なアドバイスや解決を提供する役割です。
逐語録を活用することで、顧客が抱える悩みやニーズを深く理解し、より効果的なサポートをするために、自身の対応の振り返りに役立てます。
関連記事:【同時通訳・逐次通訳・ウィスパリング】通訳の種類・違いや活用場面を徹底解説!
逐語録の作成方法
さまざまな場面で活用されている逐語録ですが、どのように作成をしていくのでしょうか。
そこで、この項目では以下2つの作成方法を紹介します。
文字起こしをして作成する
AIの文字起こしツールを使用する
それぞれ作成の際のポイントも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
文字起こしをして作成する
まず、1つ目は録音したデータを聞きながらタイピングをして文字起こしをする方法です。
作成するポイントは3つあります。
「あー」「えっと」などフィラーワードや笑い声も文字にする
聞き取れなかった箇所にタイムスタンプを記載する
言い間違いもそのまま文字にする
逐語録は音声データをもとに作られますが、発言内容はもちろん、音声だけではわからない話者の表情や仕草も記載するのが重要なポイントです。
「あー」「えっと」などのフィラーワードや、相づち、笑い声でさえ大切なデータとして漏らすことなく記載してください。
逐語録は正確に一言一句記録していく必要があるため、文字起こしをしていると聞き取れない部分が出てくるかもしれません。
その際は、タイムスタンプを記載し、あとで聞きなおせるように目印をつけておきましょう。
タイムスタンプとは音声の経過時間を原稿に記したもので、音声データと文字起こしした原稿を見比べる際に役立ちます。
聞き取れない箇所が出るたびに一時停止をしていると効率が悪くなってしまうので、タイムスタンプはしっかり活用するようにしましょう。
例: 資料の15ページ目、14:08 ◆◆◆◆と書いた箇所の説明があったと思うのですが、理解できませんでした。時間があれば、その部分を改めて教えていただけますか? |
また、逐語録なので、あきらかな言い間違いであっても訂正せず、音声データをそのまま文字起こししてください。
AIの文字起こしツールを使用する
手動で文字起こしをする時間がない……という方は、文字起こしツールを利用してみましょう。
文字起こしツールとは、音声データや動画を取り込むだけで自動的に文字起こしをしてくれるサービスです。
近年では、AI技術が発展し精度の高い文字起こしが可能となり、現在は議事録の作成などにも使用されています。
完璧に文字起こしができるわけではないので見直しは必須ですが、何時間もかかる文字起こしを数分で行えるので、作業効率は確実に上がるでしょう。
もし、文字起こしツールを検討したいという方には、Rimo Voiceがおすすめです。
Rimo Voiceは、AIの技術を使って1時間の音声データを約5分でテキスト化ができ、逐語録の作成に大いに役立ちます。
Rimo Voiceでは、そのまま文字起こしすることはもちろんのこと、フィラーの除去も可能なので逐語録特有の読みにくさの解消も期待できます。
音声・動画と文字起こしをセットで確認ができるため、その場の雰囲気を知りたい場合はパッと音源を確認する、といった使い方も可能です。
こちらから無料トライアルの登録もできるので、文字起こしツールを検討する際は、ぜひ一度お試しください。
まとめ
この記事では、逐語録について解説しました。
正確な内容を把握するために逐語録は活用され、さまざまな場面で活躍しています。
また、正確な逐語録を作成することで、顧客の悩みやニーズはもちろん、自身の癖なども振り返ることが可能です。
逐語録の作成には、文字起こしが必須となります。
手間のかかる作業ですが、最近では文字起こしツールを活用することで作業時間が短縮できるようになっているので、逐語録を作成する機会が多い方は、導入を検討してみるといいでしょう。
最後までご覧いただきありがとうございました。
最終更新日: 2024 / 11 / 19
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