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目標設定の方法とコツを徹底解説!フレームワークやシート記入例も紹介

「仕事の成果を出すために目標を立てたいけど、適切な設定の仕方は?」
「数字で目標を設定しにくい職種はどうすれば良い?」
目標設定でこのように悩む方も多いのではないでしょうか。
本記事では目標設定のコツや役立つフレームワークなどを詳しく解説します。職種別の目標設定シートの記入例も紹介しますので、目標設定に悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
目標設定とは?目的とどう違う?
目標設定を理解するには、まず目的との違いを押さえましょう。目標と目的の違いは以下のとおりです。
項目 | 目的 | 目標 |
---|---|---|
意味 | 最終的に目指す到達点 | 達成すべき具体的な成果 |
特徴 | 抽象的・方向性を示す | 数値・期限で明確化できる |
例 | 利益追求・社会貢献 | 売上10%増加 半年以内に新規顧客50件獲得 |
目的は企業や個人が最終的に目指す方向性であり、到達点を示します。一方で目標はその目的を実現するための具体的な行動や成果であり、数値や期限を伴うのが特徴です。
目的がゴールの方向性だとすれば、目標はそこへ到達するための通過点といえるでしょう。
目標設定のメリット【個人】
個人にとって、目標設定は日々の行動や思考に大きな変化をもたらします。個人の目標設定のメリットは、主に以下のとおりです。
最短ルートで目的を達成する
仕事の優先順位を可視化する
モチベーションが向上する
順に見ていきましょう。
最短ルートで目的を達成できる
会社だけでなく個人での目標設定が重要な理由は、効率的に業務を進められ、最短ルートで目的を達成できるからです。
目標を設定していない場合、目的を達成するまでの道のりが漠然としてしまい、達成のための行動や指標が不明確になる恐れがあります。どの行動が成果に繋がるのかわからず、時間の無駄遣いや効率の悪い進め方になるリスクがあります。
適切に目標を設定しておくと、目的を達成するための行為が明確にでき、無駄のない計画的な行動が可能です。
仕事において時間は有限です。目標を設定しておくことで効率よく仕事を進め、成果に繋げられます。
仕事の優先順位を可視化できる
目標を設定しておくと仕事の優先順位を明確にできます。仕事の優先順位を決めておくのも効率良く仕事を進めるために重要です。
目標が設定されていることで目標達成までのステップが見えてきます。仕事の優先順位が明確になり無駄な努力を避けられるため、重要なタスクにリソースを集中できます。
関連記事:優先順位がつけられない!原因と効率よく仕事を進めるコツを紹介します!
モチベーションが向上する
目標設定で個人のモチベーションを上げるのも可能です。
目標を設定していないと、自分の業務が会社や顧客にどのように貢献しているかや、どの方向に向かって努力すれば良いかを把握するのが難しくなります。結果として達成感ややりがいを感じにくくなるでしょう。
目標が不明確なまま作業を続けると成果が見えにくくなり、モチベーションの維持が難しくなる恐れがあります。
自分自身のモチベーションを維持するためにも、目標設定は重要だといえます。
目標設定のメリット【事業者】
事業者にとっても、目標設定は仕事を円滑に進めるために重要です。
事業者側の目標設定のメリットとして以下が挙げられます。
組織の方向性を統一できる
進捗管理がしやすくなる
人材育成を効率化できる
それぞれ詳しく解説します。
組織の方向性を統一できる
目標設定を行う最大のメリットの1つが、組織全体の方向性を統一できる点です。
明確な目標がない状態では従業員がそれぞれの判断で動いてしまい、業務の取り組み方にばらつきが生じてしまいます。
組織としての目標を明示すれば、従業員は共通のゴールを意識して行動できるため全体で一貫性のある成果を出しやすくなるでしょう。
方向性がそろうと無駄な作業や手間も減り、経営方針の実現スピードを高める効果もあります。
進捗管理がしやすくなる
目標を数値化して設定すると、業務の進捗状況を把握しやすくなります。「売上20%増加」などの具体的な数値を設けると、現時点でどの程度達成できているかを明確に測定できます。
これにより、目標達成までに不足している点やボトルネックが浮き彫りになるため、課題を早期に特定できるでしょう。
課題が発見できれば次にどんなアクションを取るべきか判断でき、メンバーへの指示も的確になります。
人材育成を効率化できる
目標設定は人材育成にも大きな効果を発揮します。
個々のメンバーに適切な目標を与えれば、その達成に必要なスキルや知識が明確になり育成計画を立てやすくなります。
さらに、メンバーが目標を達成して成長を実感できれば、組織全体のスキルレベル向上にも繋がるでしょう。
効率的な育成を通じて組織力を底上げするためにも、目標設定は欠かせない仕組みです。
関連記事:部下の育て方のポイント9選!タイプ別の指導方法も紹介
目標設定のコツ7つ
効率的に仕事の成果を出すためには目標設定が重要であり、設定の仕方にはコツが必要です。目標を考える際は以下の7つのコツを踏まえて設定しましょう。
What-When-Whyで考える
目的との一貫性を持たせる
具体的な数字で設定する
目標を見える化する
達成可能な目標を立てる
段階的に目標を設定する
定期的に振り返りながら改善する
適切な目標を立てるために、設定のコツについて具体的な内容を見ていきましょう。
コツ1:What-When-Whyで考える
目標を立てるときは「What(何を)」「When(いつまでに)」「Why(なぜ)」の3つの視点で考えるのが大切です。これらを明確にすると、曖昧な目標が具体化されてチーム全体で共有しやすくなります。
以下で3つの視点の内容とポイントを整理します。
項目 | 内容 | ポイント |
---|---|---|
What(何を) | どんな目標を設定するのかを明確にする | 以下2つの視点から目標を設定する 課題解決型:すでに直面している課題を解決する目標 成長促進型:企業の成長を促すためのチャレンジングな目標 |
When(いつまでに) | 目標達成の期限を設定する | 現実的な期間を設定し、進捗確認の節目を複数用意する |
Why(なぜ) | その目標を設定する理由や背景を明らかにする | 経営方針や個人のキャリアと結びつけ、納得感を持たせる |
What-When-Whyを意識すれば、漠然とした願望ではなく実現可能な目標へと落とし込みやすくなるでしょう。
コツ2:目的との一貫性を持たせる
目標はあくまで目的を実現するための手段です。どれほど明確に数値化された目標であっても目的とずれていれば形だけのものになり、達成感や成果には繋がりにくくなります。
目標を設定する際は、最終的な目的にどう貢献するのかを常に確認するのが重要です。
目的との一貫性を持たせれば、目標は単なる数字ではなく組織を成長させるための指針となります。
コツ3:具体的な数字で設定する
目標はできるだけ数字を用いて具体的に設定するのが大切です。数字で明確に示すと目標に対する行動計画が立てやすくなり、また目標の達成度がわかりやすいといったメリットがあります。
数字を用いた目標の例として、「月間の新規契約数を5件増やす」などが挙げられます。具体的な数字があれば、「契約数5件増やすためにはまず◯件の営業活動を行おう」といった具体的な行動に落とし込めるため、目標に対して行動に移しやすくなるでしょう。
「新規契約数を増やす」「利益を上げる」といった定性的な目標は方向性を示すには役立ちますが、行動計画に落とし込むには不十分です。目標は定量も意識しましょう。
コツ4:目標を見える化する
目標を見える化するのも設定のコツです。目標の見える化とは「いつ・誰が・何をしているのか」を可視化して管理することです。
目標の見える化を実現するためには、エクセルや目標管理ツールを使用しましょう。エクセルを使えば、個々のニーズに合わせて目標管理シートを自由に作成できます。
一方で、時間がない方や自分で作るのが面倒な方には目標管理ツールの使用がおすすめです。目標管理ツールは、タスクの管理をするだけでなく行動予定のリマインダーやフィードバック機能を備えているものもあり、目標を見える化するために役立ちます。
目標を見える化するとやるべきことが明確になり、目標達成へのモチベーションが高まります。
コツ5:達成可能な目標を立てる
目標設定では、達成可能な小さな目標から設定しましょう。
現状とかけ離れた目標を掲げると、目標に向かって前進している実感が得られません。達成困難な目標設定で組織や個人のモチベーションが低下する恐れがあります。
小さな目標を立てて1つずつ達成し、達成感を得ると次の目標へと行動しやすくなるでしょう。メンバーを効果的にマネジメントしながら成果を上げるためにも、達成可能な目標を設定するのが大切です。
コツ6:段階的に目標を設定する
達成に向けてメンバーの行動を促すために、目標は段階的に細かく設定しましょう。目標の階層化は以下のように組み立てられます。
長期目標→年間目標→四半期目標→月間目標→週間目標→日々のタスク |
長期的な目標を達成するためには、年間目標から日々のタスクまで段階的に目標を設定するのがポイントです。段階的に目標を決めると進捗を管理しやすくなり、メンバーのモチベーション維持にも繋がります。
長期的な目標を年間目標から日々のタスクまで細かく分解するのが難しい場合は、以下のように分解する方法もあります。
▼目標の細分化の考え方
Big::長期的な大きな目標 Small::大きな目標を達成するための小さな目標 Quick::即座に着手できる具体的なアクション |
▼目標の細分化の例
Big:顧客満足度を1年間で15%向上させる Small:顧客アンケートを四半期ごとに実施し、回答内容をもとにサービスを改善 Quick::今日中に既存顧客へのアンケートを作成し、1週間以内に配信する |
目標を設定する際には、上記のように大きな目標から日々の小さなタスクまで落とし込むのが重要です。
コツ7:定期的に振り返りながら改善する
目標は定期的に振り返り、必要に応じて見直しや改善を行うのが大切です。
設定した目標は、実際に取り組んでみると予想以上に難しいと感じる場合もあるでしょう。
これまで紹介したコツを活かして立てた目標でも、ときには軌道修正が必要です。もし目標が難しすぎると感じたら、さらに小さな目標や細かいタスクに分解できないか検討しましょう。
目標が組織を正しい方向に導いているか、定期的に確認するのも重要です。「この目標は会社の目的や価値観に沿っているだろうか?」「メンバーのパフォーマンスやモチベーション向上に繋がっているか?」といった視点で振り返り、改善を図るのが大事です。
目標設定のためのフレームワーク8つ
適切に目標設定を行うために、フレームワークを活用するのも有効です。目標設定の代表的なフレームワークとして、以下の8つを紹介します。
SMART
OKR
ベーシック法
WOOPの法則
三点セット法
マンダラチャート
GROWモデル
SWOT分析
上記のフレームワークを活用すると、仕事の成果を上げるための適切な目標を立てられます。具体的な活用方法について見ていきましょう。
SMART
SMARTとは、Specific(具体的に)・Measurable(測定可能な)・Achievable(達成可能な)・Related(経営目標に関連した)・Time-bound(期限を定めた)の5つをもとに目標を決める方法です。
SMARTのフレームワークにもとづき、目標が具体的でわかりやすいか・数値で示しているか・現実的な目標か・組織の目的に沿っているか・期限が設定されているか、をそれぞれ確認しましょう。
実際に、売上目標の向上についてSMARTのフレームワークを活用した具体例を紹介します。
Specific(具体的に):オンラインストアにおいて、新製品を軸に売上を伸ばす Measurable(測定可能な):新製品を活用して売上前年比120%を目指す Achievable(達成可能な):今までの商品販売動向や市場環境から、前年比120%の達成が現実的か検討する Related(経営目標に関連した):前年比120%の目標が会社全体の目的や目標に沿っているか確認する Time-bound(期限を定めた):目標達成の期限を発売1ヶ月後に設定する |
SMARTの5つの要素を満たすことで、仕事の成果を上げるための効果的な目標を設定できます。
OKR
OKRとは「Objectives and Key Results」の略称で、目標と成果指標を意味するフレームワークです。
OKRは達成目標の「Objectives」と目標の達成度を測る「Key Results」を設定し、組織が目指すべき目標と、個人の目標を紐づけます。
新製品のマーケティング活動にOKRを活用すると、以下のような目標が考えられます。
Objective:新製品の市場認知度を向上させる Key Result 1:SNSのフォロワー数を30%増加させる Key Result 2:Webサイトの月間訪問者数を20,000人まで引き上げる Key Result 3:SNSからの流入を25%まで改善する |
OKRを活用した目標を設定すると、メンバーは自身の業務が会社全体にどのように貢献しているかを明確に認識できます。また、具体的な成果指標にもとづいて進捗を確認できるため、達成感を得やすく、継続的なモチベーション向上にも繋がるでしょう。
ベーシック法
ベーシック法とは、目標設定を「目標項目→達成基準→期限→行動計画」の順で行うフレームワークです。
ベーシック法を活用した目標例は以下のとおりです。
目標項目:新製品の市場認知度を向上させて販売数を伸ばす 達成基準:Webサイトの月間訪問者数20,000人 期限:発売から3ヶ月以内 行動計画:Webサイトの訪問者数を初月は10,000人達成できるようにする SNSでキャンペーンを週2回実施し、ターゲット層へ広告を配信する |
上記のように4つの項目を順番に決めていくと、具体的な目標の設定ができます。目標の決め方がシンプルでわかりやすいため、目標設定を初めて行う方は、まずベーシック法から取り入れていきましょう。
WOOPの法則
WOOPの法則は、Wish(願望)・Outcome(結果)・Obstacle(障害)・Plan(計画)の4つのステップで目標を決めるフレームワークです。
Wishで願望を明確にし、Outcomeでは願望を実現したときの結果を具体的に想定します。次に、願望の実現に向けて考えられる障害を洗い出し、障害を乗り越えるための計画を練ることで、実現可能な目標設定ができます。
以下がWOOPの法則を活用した目標例です。
Wish(願望):新製品の認知度を向上させて、販売数を伸ばしたい Outcome(結果):認知度が高まることによりWebサイトの訪問者数が増加し、売上前年比120%を達成 Obstacle(障害):競合が多いため、ターゲット層にアプローチできない可能性や、広告費が限られているので十分なプロモーションができない。 Plan(計画):広告予算を有効に使うために、ターゲット層に特化したSNSキャンペーンを実施し、インフルエンサーの力を借りて認知度を拡大する。競合との競争が激化した場合は、差別化ポイントを強調した広告を投入する。 |
WOOPの法則では、障害を想定して対処法までを計画します。ポジティブな面だけでなくネガティブな要因も考えておくと、目標達成の可能性が高まります。
三点セット法
テーマ・達成レベル・達成手段の3つを組み合わせて目標を設定するフレームワークが三点セット法です。
テーマ:改善すべき領域や課題の方向性を定める
達成レベル:数値で明確化した到達基準
達成手段:目標達成に向けた具体的な行動計画
以下が三点セット法を活用した目標例です。
テーマ:営業活動の効率化 達成レベル:半年以内に新規契約数を月5件増加 達成手段:毎週15件の営業訪問を実施する |
3つの要素をそろえると、曖昧な目標を具体的な実行計画に落とし込めます。
マンダラチャート
9×9のマス目に要素を配置しながら目標を細分化して整理するフレームワークです。
中心に大きな目標を置き、周囲に関連する要素や行動を展開していくことで全体像と細部を同時に把握できます。
思考を可視化しやすく、段階的に行動へ繋げやすいのが特徴です。大谷翔平選手が目標達成に活用したことでも広く知られています。
以下がマンダラチャートを活用した目標例です。

マンダラチャートは、大きな目標を細かい要素に分解して行動に落とし込むのに適したフレームワークです。
GROWモデル
Goal(目標)・Reality(現状)・Options(選択肢)・Will(意思)の4段階で構成されるフレームワークがGROWモデルです。
目標と現状のギャップを明確にし、実現のために必要な選択肢を洗い出したうえで具体的な行動へと落とし込みます。コーチングや人材育成の場面でも活用しやすい特徴があります。
以下がGROWモデルを活用した目標例です。
Goal(目標):営業成績を前年比150%に伸ばす Reality(現状):成約率が低く、提案内容に改善余地がある Options(選択肢):営業研修受講・提案資料の改善・ロープレ実施 Will(意思):3ヶ月以内に研修を受け、毎週ロープレを行う |
現状を整理しながら、次の行動へと移しやすくするのがGROWモデルです。
SWOT分析
SWOT分析はStrength(強み)・Weakness(弱み)・Opportunity(機会)・Threat(脅威)の4つに分けて現状を整理する手法です。
組織や個人の立ち位置を客観的に把握することで、優先すべき目標を明確にできます。
以下がSWOT分析の活用例です。
Strength(強み):高い専門知識を持つスタッフがいる Weakness(弱み):発信力が弱く認知度が低い Opportunity(機会):ターゲット層が日常的にSNSを利用している Threat(脅威):同業他社が積極的に広告を出している |
この分析から「SNSで専門知識を活かした情報発信を強化する」という目標を設定できます。
目標管理でよく使われる仕組み・指標
目標を効果的に管理するためには、フレームワークだけでなく運用の仕組みや指標を取り入れるのも大切です。
本章では、企業で広く用いられているMBO(目標管理制度)とKPI(重要業績評価指標)を解説します。
MBO
MBO(Management by Objectives)は、経営学者ピーター・ドラッカーが著書「現代の経営」で提唱した考え方です。
組織や個人が目標を合意し、その達成度で評価するマネジメント手法として日本では1990年代後半から導入が広がりました。
主に成果の達成度を評価基準とする点が特徴で、人事評価や組織運営に多く活用されています。
MBOに似た手法としてOKRがあります。OKRとの違いは以下のとおりです。
項目 | MBO | OKR |
---|---|---|
主な目的 | 目標達成度を評価に反映し、人事制度や業績管理に活用 | 高い挑戦的目標を掲げ、組織と個人の成長を促進 |
活用場面 | 人事評価や業績管理 | 組織の方向性共有 チームマネジメント |
特徴 | 評価制度と結びつけやすく、成果意識を高めやすい | 評価よりも成長重視で、柔軟に調整しながら運用可能 |
目的に合わせてMBOとOKRを使い分けるとより効果的な目標管理ができます。
KPI
KPI(Key Performance Indicator)は、最終目標を達成するための中間指標を数値で表す仕組みです。
設定することで目標設定に必要なプロセスを明確にし、組織や個人の行動を具体化できます。
KPIの例は以下のとおりです。
・新規問い合わせ件数を月間100件 ・サイト訪問から資料請求までのCVRを3%に改善 ・平均対応時間を30分以内に短縮 |
KPIは最終目標を現実的な行動に落とし込む役割を持ち、チーム全体の進捗管理を後押しします。
成果を出すための目標設定4ステップ
目標を設定する際、以下の4つのステップを踏むと目標の達成度が向上します。
目標のタイプを理解したうえで設定する
目標達成のための行動を決める
目標達成の期限を決める
目標を振り返るタイミングを決める
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ステップ1:目標のタイプを理解したうえで設定する
まずは目標のタイプを把握してから設定しましょう。目標には発生型目標と設定型目標の2種類があります。
種類 | 特徴 | 例 |
---|---|---|
発生型目標 | ネガティブな状況を改善 マイナスをゼロに戻す | ・顧客クレーム件数を30%削減 ・落ち込んだ商品の売上を前年比100%まで回復 |
設定型目標 | ゼロの状態からプラスを生み出す さらなる成長を促す | ・半年以内に販売を前年比150%に拡大 ・1年以内に新サービスを立ち上げ、売上5,000万円達成 |
発生型目標が現状の課題解決を目的とする一方、設定型目標は新たな挑戦により企業の成長を促すものです。
目標のタイプを正しく把握すると、立てた目標が企業全体の目的に対してどのように貢献するのか、チーム全体で認識を統一できます。
ステップ2:目標達成のための行動を決める
目標が決定したら達成のための具体的な行動を考えます。行動計画はできるだけ細分化し、短時間で実行可能なレベルまで落とし込むのが重要です。
「自社サービスの新規顧客を月に10件獲得する」を目標とした行動計画を例に挙げます。
1.潜在顧客リストを作成する 2.毎日2件の新規顧客にメールまたは電話でアプローチする 3.アプローチ後の追加連絡を3日以内に実施する 4.毎週の進捗を確認し、結果を見直しながら改善点を特定する |
上記のように具体的な行動計画を立て、実行と検証を繰り返しながら目標に向けて行動しましょう。
ステップ3:目標達成の期限を決める
目標に対する行動計画まで落とし込めたら、次は目標達成の期限を設定します。
目標達成まで長い期間を必要とする場合、中間目標を決めておくのがポイントです。
目標設定のコツ5でも紹介したように、段階的に目標を決め、期限を明確にしましょう。例えば目標を実現するまでに1年は必要と判断した場合、四半期ごとの目標や月間目標などの中間目標を設けると進捗を把握しやすくなり、着実に成果を積み上げられます。
ステップ4:目標を振り返るタイミングを決める
定期的に目標の進捗を確認できるように、週1や月1など振り返りのタイミングを定めましょう。
目標を振り返ることの重要性として、以下3つが挙げられます。
目標への達成状況を確認することで、現時点での課題を明確にできる
課題の原因を特定し、軌道修正を行うことで改善を図れる
目標以上の成果を出せた場合、成功要因を分析し、次の目標設定に活かせる
定期的な目標の振り返りで、達成に向けてより効果的な行動に移せます。
【職種別】目標設定シートへの記入例
目標設定シートはMBOで使われる代表的なツールで、個人が主体的に業務の目標を設定し、達成すべき項目や目標を数値化します。目標管理シートと呼ばれることもあります。
担当業務によって目標の立て方は異なるため、本章では以下の職種を例に実際の記入イメージを紹介します。
営業
マーケティング
事務
経理
エンジニア
カスタマーサービス
それぞれ見ていきましょう。
営業
営業では新規顧客獲得数や自社商品の販売数など、目標を定量的に立てやすいのが特徴です。目標を日々の行動まで落とし込み、行動に移しやすくすることでより成果に繋がる営業活動を行えます。
▼営業の目標例
定量目標 ・3ヶ月以内に新規顧客を月に15件獲得する ・新規顧客に対して毎日2件メールや電話でアプローチを行う 定性目標 ・顧客との面談後は必ずフィードバックを記録し次回提案に活かす ・提案資料の改善を月1回行い、顧客にとってわかりやすい表現を心がける |
マーケティング
マーケティングも営業と同じく定量的に目標を立てやすい職種です。目標達成までに時間がかかる場合は、四半期目標や月間目標など段階的に目標を設定しましょう。
▼マーケティングの目標例
定量目標 ・新製品の販売を半年後までに月30件獲得できるようにする ・新製品のキャンペーンを通じて、Webサイトの訪問数を月2,000人増加を目指す 定性目標 ・SNS広告やGoogle広告の効果を毎日チェックし、効果が低い場合はクリエイティブを改善する ・ターゲット分析を月1回実施し、施策の精度を継続的に高める |
事務
事務は数値で目標を立てにくい職種ですが、期限やタスクの件数を明確にすることで定量的な目標の設定ができます。定性的な目標から、数値での落とし込みが可能な部分がないかを考えましょう。
▼事務の目標例
定量目標 ・1年以内に業務マニュアルを全件整備し、毎月5件を完成させる ・月末処理の提出期限遵守率を100%に維持する 定性目標 ・優先度の高い業務から順にマニュアルを整備し、担当者不在でも対応できる体制を整える ・業務効率化のため、既存フローを見直して改善点を洗い出す |
経理
経理では日々の処理や締め業務の正確性が求められます。定量目標としては処理件数や締め切り遵守率を設定し、定性目標では精度向上や業務改善への取り組みを重視すると効果的です。
▼経理の目標例
定量目標 ・月次決算を翌月5営業日以内に100%完了する ・請求書処理の誤入力率を年間1%未満に抑える 定性目標 ・経費精算フローを見直し、業務効率化に繋がる改善案を四半期ごとに提案する ・新しい会計基準や法改正に対応できるよう、研修や勉強会を定期的に受講する |
エンジニア
エンジニアも目標を数値で表しにくいですが、期限や日々のタスクの頻度を目標に入れるとより明確な目標設定ができます。また、品質改善などの定性的な目標を組み合わせると業務の質も高められます。
▼エンジニアの目標例
定量目標 ・半年以内にリリースごとのバグ発生率を20%削減する ・デプロイ頻度を週に2回実施する 定性目標 ・顧客との定例面談を実施し、改善要望を開発に反映する ・エラーチェックを3ヶ月ごとに行い、重大な不具合を未然に防止する |
カスタマーサービス
カスタマーサービスでは、顧客満足度や対応品質を定量・定性の両面から目標化しましょう。数値化された指標で成果を測定しながら、対応の標準化や人材育成を進めると継続的なサービス向上に繋がります。
▼カスタマーサービスの目標例
定量目標 ・半年以内に顧客満足度を90%まで引き上げる ・問い合わせ対応の初回応答時間を平均30分以内に短縮する 定性目標 ・毎月の顧客満足度調査を分析し、改善点を翌月の対応に反映する ・1ヶ月以内に対応マニュアルを更新・整備し、サービス品質を標準化する |
目標設定のMTGは『Rimo Voice』で記録を残そう

目標は仕事の成果やメンバーのモチベーションに大きな影響を与えるため、慎重に目標を設定する必要があります。効果的な目標を決める過程で、多くの時間を要することもあるでしょう。
そこで、目標設定のMTGを効率的に進めるためにおすすめしたいのが『Rimo Voice』です。
『Rimo Voice』はMTGの内容を記録に残し、要約まで行います。1時間程度の音声データならたった5分ほどで議事録化するため、議事録作成の手間や時間を削減できます。
さらに、AIチャットを活用して目標を定量と定性の両面から提案してもらうのも可能です。現状の課題を話し合うなかで、AIが数値化できる目標と行動ベースの目標を整理して提示してくれるため効果的な目標設定に繋げられるでしょう。
無料トライアルも用意しておりますので、MTGの効率化を図りたい方はぜひ1度試してみてください。
まとめ:目標設定のコツをつかんで仕事の成果を上げよう!
目標設定は、個人や組織の成長を促すために必要なプロセスです。
目的との違いを理解し、数値化や見える化といったコツを押さえると日々の行動を成果に繋げやすくなります。
さらにSMARTやOKRなどのフレームワークを活用すれば、目標をより効果的に設定できるでしょう。
ぜひ本記事で紹介した目標例を参考に、組織に合った目標を設定してみてください。
最終更新日: 2025 / 10 / 5
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