「MP3の音声ファイルを文字起こししたい!」
「どの文字起こしツールを選べば良い…?」
会議やインタビューなどで内容を録音したものの、どうやって文字起こしすれば良いのか分からず困っていませんか?
MP3の音声ファイルを文字起こしするツールには無料から有料までありますが、無料のツールには機能や精度に限界があります。
今回はMP3の文字起こしにおすすめのツールを紹介します。無料ツールとの比較やツールを選ぶ際の注意点についても解説しますので、これから音声ファイルを文字起こししようと考えている方はぜひ参考にしてみてください。
MP3の文字起こしとは?
MP3の文字起こしとは、MP3形式の音声ファイルをテキスト化する作業のことです。
MP3は音声データの種類で、携帯オーディオプレイヤーなどさまざまなデバイスで利用されています。人間が聞き取りにくい音域を削除してデータの容量を圧縮するため、ファイルサイズが軽く、データの共有や保存に便利です。
今ではデジタルレコーダーだけでなく、スマートフォンやパソコンでも手軽にMP3方式で録音できるアプリ・ソフトがあり、ビジネスでも多く利用されています。
文字起こしツールの活用場面とメリット
ビジネスにおいて、文字起こしツールの活用場面には以下の4つが挙げられます。
会議やミーティングの議事録作成
インタビューの記録
商談の記録
コールセンターの通話記録
音声データをテキスト化することで、内容の振り返りや第三者への共有がスムーズになることが文字起こしのメリットです。
文字起こしツールの活用場面について、それぞれくわしく見ていきましょう。
会議やミーティングの議事録作成
会議やミーティングでの議事録作成は、内容の振り返りや欠席者に情報を共有するために必要な作業です。
ただし、手動で議事録を作成するのは時間と労力がかかり、本来の業務があと回しになることも少なくありません。
文字起こしツールを活用すれば議事録作成の効率が大幅に改善し、ほかの業務にリソースをさくことが可能です。
また、『Zoom』や『Microsoft Teams』などの代表的なオンライン会議ツールでは、会議を行いながら同時に文字起こししてくれる機能も搭載されており、議事録作成に役立てられます。
インタビューの記録
インタビューの文字起こしを行うことで、内容を記録して記事や情報の分析に役立てられます。
インタビューでは内容を正確に記録しなければなりません。内容の正確性を高めるには、手動で記録するよりも音声を録音して文字起こしする方が適しています。
インタビュー内容を録音するには相手の承諾を得ることが重要です。あとでトラブルにならないように、事前に目的を説明してから録音するようにしましょう。
商談の記録
商談の記録を文字起こしすることで、商談相手との内容の共有や営業メンバーの育成に活用できます。
文字起こしを行うことで、会話の内容を正確に記録でき、重要なポイントや合意事項をあとから双方で確認する際に役立ちます。商談内容を振り返れることは聞き逃しや記憶違いを防ぐために有効です。
さらに、社員育成においても有用です。ナレッジ共有やフィードバックに活用することで、営業メンバーのスキル向上につながります。
商談を録音する場合も、相手の承諾を得ることを忘れないようにしましょう。
コールセンターの通話記録
お客様との通話内容をテキスト化することで、オペレーターの応対スキル向上につながります。
録音データをそのまま聞き流して内容を分析するには非常に時間がかかります。文字起こしを利用すれば会話の内容を簡単かつ正しく把握できるため、改善点などの具体的なアドバイスが可能です。
さらにデータを蓄積することにより、研修資料としても活用できます。具体的な事例をもとにした指導を行うことで新人オペレーターへの育成にも役立てられるでしょう。
MP3ファイルを文字起こしできるアプリ・ツール
MP3の音声ファイルを文字起こしできるツールは以下のとおりです。
ツール名 | 特徴 |
---|---|
Rimo Voice | 高精度のAIで文字起こしと要約が可能 音声とテキストを紐づけるスライダー機能を搭載 |
AI GIJIROKU | 30ヶ国の言語に対応 海外メンバーがいる会議でも安心 |
Notta | ITが苦手な方でも分かりやすい操作環境 |
CLOVA Note | 最大600分まで無料で文字起こしできる ※β版期間中のみ |
スマート書記 | 自動要約や重要事項をリストアップ |
toruno | 「文字起こし+録音+画面キャプチャ」で会議を記録 |
文字起こしさん | 短時間での利用が可能でリーズナブルな料金設定 |
YOMEL | 議事録作成を効率化する機能が多数搭載されている |
Texter | アプリで手軽に文字起こしできる |
それぞれツールの特徴や使える機能などを詳しく見ていきましょう。
Rimo Voice
『Rimo Voice』は高精度なAIによって1時間の音声データを約5分で文字起こしし、さらにChatGPTを利用して要約まで作成します。
さらに音声データとテキストを紐づけるスライダー機能が搭載されており、テキストをクリックすると、対応する音声部分をすぐに再生できます。長時間の録音でも目的の箇所を簡単に確認できることが魅力です。
AI GIJIROKU
『AI GIJIROKU』はリアルタイム翻訳を30ヶ国語に対応しているツールです。海外メンバーがいる会議でもAIに翻訳テキストを発話してもらうことが可能なため、スムーズにコミュニケーションが取れます。
業種別音声認識機能で各業界の専門用語を認識し、さらに話し方のクセを反映しながら音声を正確に記録します。
『AI GIJIROKU』は海外メンバーとのやりとりを文字起こししたい方や難しい専門用語を使用する業種の方におすすめの文字起こしツールです。
Notta
『Notta』はさまざまなシーンでの音声を文字起こしし、議事録の作成まで数クリックで完了します。ITが苦手な方でも分かりやすい操作環境で評判です。
『Notta』にはキーワード検索機能があり、音声記録を簡単に確認できます。会議や商談内容などの「言った言わない問題」を解決するために便利です。
月に120分までの文字起こしであればクレジットカードの登録をせずに無料で利用できます。AI要約も月に10回までなら利用できるため、まずは一度機能を試してみたい方はフリープランから始めてみると良いでしょう。
CLOVA Note
『CLOVA Note』はMP3の文字起こしだけでなく、スマホで音声を録音し文字起こしまで完了できるツールです。
対面での会議など、専用のアプリを使用して文字起こしをすることで簡単に録音から文字起こしまで行えます。録音中にPCでメモ機能を使えるので、重要事項を手動で記録しておくと、あとから簡単に内容の確認や整理が可能です。
オープンベータ版期間中はユーザーデータ取得に同意すると毎月600分が無料で利用できます。2024年11月下旬に正式リリースを迎え、無料プランも提供されるとのことです。
要約はせずに文字起こしだけ利用したい方には『CLOVA Note』が向いています。
スマート書記
引用:https://www.smartshoki.com/
『スマート書記』は文字起こしだけでなく、AIを活用して自動要約や重要事項をリストアップが可能です。
AIアシスト機能を活用すれば、文字起こしの語尾を「です・ます」調に自動変換できるため、クライアントへミーティング内容を提出する際の手間を大幅に省けます。
さらに最大20名までの発話者を認識できるため、大規模な会議でもスムーズな議事録作成が可能です。
『スマート書記』では14日間の無料トライアルを実施しています。契約を検討している方は試してみると良いでしょう。
toruno
『toruno』は「文字起こし+録音+画面キャプチャ」で会議を記録するクラウドサービスです。
個人向けのパーソナルプランと法人向けのビジネスプランがあり、ビジネスプランなら最大1,000人までユーザーを登録できます。
要約機能は搭載されていませんが、比較的安価に文字起こしできる点が『toruno』の魅力です。
パーソナルプラン・ビジネスプランのいずれも無料トライアルが提供されており、すべての機能がお試しできます。
文字起こしさん
引用:https://mojiokoshi3.com/ja/
『文字起こしさん』は音声・動画・画像ファイルの文字起こしができるツールです。
音声ファイルの文字起こしに関しては、月額プランとして最大4時間・10時間・20時間のプランが用意されており、月4時間までの文字起こしなら、わずか1,000円で利用できます。
「文字起こしの機能だけで十分」「文字起こししたい音声ファイルが短時間」という方には『文字起こしさん』が向いています。
YOMEL
引用:https://ai.yomel.co/gijiroku
『YOMEL』は文字起こしから要約まで、議事録に必要な作業をワンクリックで行えるツールです。録画機能はありませんが、書き起こし・質問と回答・発言ブックマークなど、議事録作成を効率化する機能が多数搭載されています。
お金をかけてでも充実した機能を求めている方に最適です。
合計10時間まで利用できる2週間の無料トライアルが提供されているため、機能を試してから導入を検討できます。
Texter
『Texter』は音声ファイルを手軽にテキスト化できるアプリで、音声・動画・画像ファイルの文字起こしにも対応しています。
パソコンを持っていない方や、スマホで簡単に文字起こししたい方に最適です。
またiPadではマルチタスク機能に対応しており、ほかのアプリを使いながら『Texter』で録音と文字起こしが可能です。
さらに、短時間の音声ファイルなら無料でお試しできるため、気軽に『Texter』の機能を体験できます。
MP3の文字起こしは無料機能では限界がある
MP3の文字起こしには無料でできるツールもありますが、無料の機能では一部の音声が正確に読み込めないなど精度に限界があることも事実です。
今回はサンプル音源(ランチを決めるミーティング)について無料ツールと有料ツールで文字起こししましたので、それぞれの特徴と使用感をご紹介します。
【無料】GoogleドキュメントやWordで文字起こし
【無料】Slackのトランスクリプト機能で文字起こし
『Rimo Voice』で文字起こし
【無料】GoogleドキュメントやWordで文字起こし
GoogleドキュメントやWordのディクテーション機能を使用して無料で文字起こしが可能です。
【Googleドキュメントで文字起こし】
GoogleドキュメントでMP3の音声ファイルを読み込ませたい場合、パソコンのステレオミキサーの設定が必要です。なお、Macではステレオミキサーが標準搭載されていないため、仮想オーディオデバイスなどをインストールする必要があります。
以下が実際にGoogleドキュメントで文字起こしした結果です。
Googleドキュメントの文字起こし機能は音声ファイルをアップロードする形式ではなく、ファイルを再生しながらマイクをオンにしてリアルタイムで読み込ませる必要があります。
音声を正しく読み込めている部分の精度は悪くありませんが、一部で音声を認識できていない箇所がありました。また、句読点がなくスペースのみで区切られているため、全体的に少し読みづらい印象です。
【Wordで文字起こし】
Wordでも文字起こしは可能ですが、無料で利用できるディクテーション機能を使用する場合、音声を直接入力する必要があります。MP3の音声ファイルをアップロードして文字起こしを行うことはできません。
Wordのディクテーション機能はリアルタイムで話している内容の文字起こしには便利ですが、録音済みのファイルには対応していない点に注意が必要です。
【無料】Slackのトランスクリプト機能で文字起こし
Slackのトランスクリプト機能を利用して無料で文字起こしが可能です。
ワークスペースのメッセージにMP3の音声ファイルをアップロードし、送信するだけで簡単に文字起こしが完了します。
Slackでの文字起こし結果は以下のとおりです。
Slackの文字起こしは句読点があるためGoogleドキュメントより読みやすい印象です。
一方で「小籠包」「ヘルシー」などの文言が正しく変換されておらず精度は悪いと言えるでしょう。日本語でも単語ごとにスペースが入っているため読みづらく、記録として残すには手直しが必要です。
『Rimo Voice』で文字起こし
『Rimo Voice』は有料ツールですが、文字起こしから要約まで作成したい方に向いています。
以下が実際に『Rimo Voice』で文字起こしをした結果です。
無駄なスペースや変換ミスがなく、句読点も入っているため非常に読みやすい文字起こしです。さらに要約部分では決定事項やアクションアイテムが自動で入力されるため、会議の議事録を手を加えずに作成できます。
高い精度の文字起こしを求める方や、手間をかけずに議事録作成したい方は『Rimo Voice』のような多機能で精度の高い有料ツールがおすすめです。
文字起こしツールを選ぶ際の注意点
有料の文字起こしツールにはそれぞれ搭載されている機能や料金も異なり、どのツールを使えば良いか迷ってしまいますよね。
ツールを選ぶ際の注意点は以下のとおりです。
文字起こしの精度の高さ
時間給からコスト配分を考える
セキュリティ面で安心か
無料トライアルでお試しできるか
上記のポイントを押さえておけばツール選びの失敗を防げるでしょう。文字起こしツールを選ぶ際の注意点についてそれぞれ詳しく解説します。
文字起こしの精度の高さ
文字起こしツールは手動で行う方法と比べて時間も手間もかからず便利なツールです。
しかしツールによって文字起こしの精度には差があります。精度の低い文字起こしツールを選んでしまうと最終的には手動での手直しが発生する場合もあります。
どの有料ツールであっても完璧に会話の内容を反映させることは難しいものの、フィラー除去機能や専門用語の登録機能、話者識別機能が搭載されたツールは比較的高い精度の文字起こしが可能です。
できるだけ修正の手間を減らすためにも、ツールを選ぶ際は文字起こしの精度の高さを確認してから決めましょう。
時間給からコスト配分を考える
精度の高い文字起こしツールを使うと、コストがかかってしまうのも事実です。ツールの費用が高くなるほど、文字起こしにお金をかけるべきか悩んでしまうでしょう。
ツールの費用を考える際には、議事録作成などの作業にかかる時間と、その時間に対するコスト配分を考えることがおすすめです。
議事録作成にかかる時間と作成者の時間給を計算し、ツールの導入によって削減できる時間と比較するとツールの方がコストを抑えられる場合もあります。
さらに議事録作成に費やしていた時間をほかの重要な業務に振り分けられることを考慮すると、ツールに投資することで全体の業務効率が向上する可能性が高まります。
セキュリティ面で安心か
データが無断で利用されないかを確認しておくことも文字起こしツールを選ぶ際に重要です。
多くの文字起こしツールはAIを活用していますが、使用する前に音声ファイルの内容がAIの学習に利用されていないかを確認する必要があります。
さらにAIによるデータ監視対象となっている場合、重要な会議や商談、個人情報などが漏洩するリスクはゼロではありません。
上記のようなリスクを回避するためにも、セキュリティ対策が実施されているツールを選ぶことが大切です。
無料トライアルでお試しできるか
文字起こしにはさまざまなツールがあり、精度や機能はツールによって異なります。有料ツールは決して安価ではないため、まずは無料トライアルを提供しているものから試して検討すると良いでしょう。
実際に試してみることで各ツールの使いやすさや精度を比較でき、自分に最適な文字起こしツールを見つけやすくなります。
無料トライアルを実施している有料ツールは多いので、ぜひ一度試してみてください。
『Rimo Voice』はMP3音声をAIで文字起こしし、要約も自動生成
『Rimo Voice』は要約機能も備えたAI文字起こしツールです。
音声データを文字に起こすだけでは、会議やインタビューの内容を効率的に振り返ったり、共有したりするには不十分な場合があります。
しかし『Rimo Voice』を使えば、文字起こしと要約の両方を一度に手間なく行えるため、業務の効率を大幅に向上させることが可能です。
特に、決定事項やアクションアイテムを自動で生成する要約機能や、テキストをクリックするだけで該当箇所の音声をすぐに再生できるスライダー機能は、内容を振り返る際に非常に便利です。
無料トライアルも実施していますので、文字起こしや要約の精度を確かめたい方はお試しから始めてみてください。
まとめ:MP3の文字起こしはツールを活用して効率化しよう
MP3の文字起こしは会議やインタビュー、商談の記録など、さまざまな場面で必要とされるでしょう。
無料の文字起こしツールも存在しますが、精度には限界があり、一部の音声が正確に読み込めないことがあります。無料ツールは文字起こしの修正の手間を省きたい方には向いていません。
業務の効率化を進めたいのであれば、要約機能などを備えた多機能な有料の文字起こしツールに投資することをおすすめします。
多くの有料ツールは無料トライアルを提供しているので、導入を検討している方はぜひお試しから始めてみてください。
最終更新日: 2024 / 10 / 31
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