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AIエージェントの活用例12選|自社で使える業務がわかる【2026年版】

「AIエージェントが業務でどう使われているのか、具体例が知りたい」
「自社のどの業務に当てはめられるのか、イメージをつかみたい」
AIエージェントという言葉を見る機会が増え、自社の業務にも取り入れられそうだと感じている方は多いのではないでしょうか。
ただ、定義や仕組みの解説を読んでも抽象的で、具体的な活用イメージが結ばないまま止まってしまうケースもあります。
そこで本記事では、AIエージェントの活用例を業務別・業界別に紹介し、自社の業務に当てはめるための条件や使いこなすコツまで解説します。
向いている業務の条件や導入手順も取り上げるため、活用例を通してAIエージェントを自社の業務に落とし込めるようになるでしょう。

AIエージェントとは?生成AIとの違いを解説

AIエージェントとは、人が与えた目標に対して、必要な作業を自分で考え、複数のタスクを進めるAIのことです。
生成AIは、基本的に「文章を作る」「要約する」「アイデアを出す」など、指示された内容に対して回答を返します。一方でAIエージェントは、目標を達成するために必要な手順を分解し、情報収集・整理・資料作成・共有などの作業を自律的に進める点が特徴です。
たとえば、AIエージェントに「競合3社を調べて、料金・機能・強みを比較表にまとめて」と指示するだけで、以下のような業務を一連の流れで進められます。
調査項目の整理
ブラウザを操作して調査
比較表の作成まで
導入はこれから本格化する段階にあります。矢野経済研究所の調査では、生成AIを活用している企業のうちAIエージェントを利用中の割合は3.3%にとどまる一方、導入検討中が13.5%、関心ありが49.3%と、前向きな企業が6割を超えています。
出典:矢野経済研究所「国内生成AI/AIエージェントの利用実態に関する法人アンケート調査」
AIエージェントとは何かや作り方などを詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
▼関連記事:【2026年版】自律型AIエージェント完全ガイド|生成AIとの違い・サービス10選
▼関連記事:AIエージェントの作り方を初心者向けに解説!ノーコードで業務効率化!
AIエージェントの活用例を業務別に6つ紹介
AIエージェントは、職種を問わず使われる定型業務から、専門的な業務まで幅広く活用されています。
ここでは、活用例を6つ紹介します。
自社の業務に近い例をご覧いただき、活用例をイメージしてみてください。
1.会議・議事録の作成から成果物づくりまで自動化する
会議の議事録作成やその後のタスク実行は、AIエージェントの活用が進んでいる業務の一つです。
音声の文字起こしや要点の整理にとどまらず、議事録をもとにした会議後の作業まで、一連の流れを自動で進められます。会議のたびに発生していた記録と後続作業の負担を減らせます。
たとえばAIエージェント機能の「Rimo Actions」は、会議の議事録から会議後のタスクを自動で抽出し、実行計画を立てます。
利用者が内容を確認して実行すると、提案資料・競合比較表・共有メールの下書きといった成果物を生成し、Gmail、Slackなどを使用して直接配信が可能です。人が議事録を読み返してタスクを洗い出し、資料に起こす作業を自動化します。
▼議事録からタスクを抽出

▼抽出したタスクをもとに成果物を生成

議事録の作成という入力から、タスク抽出・成果物づくりという出力までをつなぐ点が、単に文字起こしするツールとの違いです。会議や議事録の業務は職種を問わず発生するため、AIエージェントの効果を実感しやすい領域です。
2.営業の提案資料やフォローメールを自動で作成する
営業では、提案資料の作成や商談後のフォローメールにAIエージェントが活用されています。
たとえば商談メモを読み取り、CRMから顧客の取引履歴を集め、必要に応じて競合情報をWeb上で調べたうえで、相手に合わせた提案資料を作成します。
▼商談メモや取引履歴


▼情報をもとに提案資料を作成(イメージ)

さらに商談後のお礼メールの下書きまで用意します。人が一つひとつ指示しなくても、関連する複数の作業を自分でつないで進めます。
これにより、営業担当者が資料作成や事務作業に取られていた時間を減らし、顧客との対話の時間を増やすことにつながるでしょう。
出典:大和証券G・荻野明彦社長「対面営業、AIで提案の質高める」(日本経済新聞)
▼関連記事:AIは営業を不要にするのか?AI時代の営業職の役割と未来を徹底解説
3.問い合わせ対応を自動で完結する
カスタマーサポートでは、問い合わせへの一次対応をAIエージェントが自動で完結する活用が行われています。
よくある質問に答えるだけでなく、問い合わせ内容から必要な情報を社内のデータベースやFAQを横断して探し、回答を組み立て、対応履歴の記録まで一連の流れで処理します。
自分で判断できない複雑な問い合わせは担当者に引き継ぐなど、状況に応じて次の動きを選べる点が特徴です。
たとえば、弊社が提供する「Rimo Voice」では、蓄積した情報をもとに、AIが問い合わせへ自動で回答します。
※AIが回答できない場合は人による回答も可能です。
▼問い合わせをもとにAIが回答


こうした自動化により、人手が不足しがちな窓口業務を支えられ、かつ顧客にとっては良質な回答をスピーディーに得られるメリットがあります。
4.競合調査や市場分析を自動で実行する
マーケティングや企画では、競合調査や市場分析にAIエージェントが使われています。
「競合3社を調べて比較表を作って」と指示すると、調べるべき項目を自分で洗い出し、各社のサイトやニュースをWeb上で順に調べ、集めた情報を整理して比較表やレポートにまとめるところまで進めます。
情報収集から資料化までの工程を、人が指示しなくても自律的に実行します。
▼資料化のイメージ

調査の手間が減るぶん、分析や戦略の検討に時間を使えるようになります。
5.経費精算や請求書処理を自動で照合する
経理・バックオフィスでは、経費精算や請求書処理の照合作業にAIエージェントが活用されています。
届いた請求書を読み取り、会計システムの登録データと照合し、金額や日付に不備があれば検知して担当者に差し戻すところまで自律的に進めます。1件ずつ人が確認していた処理を受け取りから照合、振り分けまで一続きの流れで担います。
▼請求書処理のイメージ

経理業務でAIエージェントの効果が出やすいのは、請求書処理のように定型的で件数の多い作業です。毎月決まった形で繰り返される業務から導入すると、早い段階で効果を実感しやすくなります。
6.候補者の選定や面接日程の調整を自動化する
人事・採用業務では、候補者の選定や面接の日程調整にAIエージェントが使われています。
応募書類を解析して条件に合う候補者を抽出し、候補者と面接官のカレンダーを照らし合わせて日程を調整し、確定後のリマインド連絡までを自分で進めます。書類選考から日程確定までの一連のやり取りを、人が間に入らずにつないで処理します。
▼応募書類の解析から日程調整のイメージ

応募が集中する時期ほど、調整業務の自動化による負担軽減の効果は大きくなります。
採用活動におけるAI活用をさらに進めたい場合は、面接時の文字起こしや議事録作成に特化したツールを紹介している以下の記事もご覧ください。
▼関連記事:採用面接におすすめのAI文字起こし・議事録作成ツール6選!選び方や活用フローを解説
AIエージェントの活用例を業界別に6つ紹介
ここでは、AIエージェントの活用例を業界別に6つ紹介
自社の業界に近い事例を見つけてみてください。
1.製造:トヨタ自動車が9つの専門AIエージェントで開発を支援

出典:Microsoft「トヨタ自動車、エンジニアの知見をAIエージェントで継承へ」
トヨタ自動車は、エンジニアの知見を継承するAIエージェントシステム「O-Beya」を開発し、新型車の開発現場で活用しています。
O-Beyaには、振動・燃費など9つの専門分野に特化したAIエージェントが搭載されています。エンジニアがエンジン設計などの課題を入力すると、以下のような動作を実行します。
質問内容に応じて複数のエージェントが連携
過去の設計報告書や最新の法規制情報を横断的に検索
情報を統合して回答
従来はベテランに個別に問い合わせる必要があった複雑な課題に、一度で包括的な答えが得られるようになりました。
2024年1月の運用開始以降、パワートレーン開発(動力源から駆動輪へ力を伝え、最適な動力伝達を実現する駆動システムの設計・改良)に携わる約800人のエンジニアが利用しています。複数のAIエージェントが役割を分担し、専門知識を横断して答えを導く点が、単一の生成AIにはない特徴です。
2.小売:イオンリテールが商品情報の登録を90%削減
イオンリテールは、衣料品の商品情報を登録する業務にAIを導入しています。
商品情報の登録プロセス全体を半自動化する「Gemini Extract System」を開発し、工数を年間4,500人時から450人時へと90%削減しました。あわせて、人為的なミスもほぼゼロにまで改善しています。
手作業で発生していた負担と入力ミスを同時に解消した事例です。
参考:Google Cloud「最新生成 AI 活用事例 120 社を一挙公開! AI エージェントの最前線(2026 年 3 月更新)」
3.金融:大和証券が面談記録の作成を45%削減
大和証券グループ本社は、顧客との面談内容を自動で記録するシステムを導入しています。
生成AIと音声認識を組み合わせ、2025年1月に開始した自動記録システムにより、コンサルティング後の記録時間を45%削減しました。担当者が記録内容を確認・修正する運用を保ちつつ、入力の負担を減らしています。記録業務で生まれた時間を、顧客への提案など付加価値の高い業務に振り向ける狙いです。
同社は2025年7月にAIエージェント導入で日本マイクロソフトと提携し、活用を広げています。
参考:日刊工業新聞「大和証券グループ本社、顧客面談の内容を自動記録」
Microsoft「大和証券と日本マイクロソフトが戦略的枠組み締結。AI エージェント活用で「お客様の資産価値最大化」実現に貢献」
4.カスタマーサポート:IVRyが電話応答の認識精度を高める

出典:Google Cloud「IVRy、対話型音声AI SaaS「アイブリー」にGeminiを導入」
IVRyは、対話型の音声AI「アイブリー」で電話応答を自動化しています。
電話の一次対応をAIが担い、文字起こしや要約まで自動で行います。生成AIのGeminiを導入した結果、従来は精度が低かった肯定・否定表現の認識精度が97%まで向上しました。飲食業や宿泊業をはじめ、幅広い業種で導入が進んでいます。
人手不足が深刻な電話対応を自動化し、スタッフが接客などの中心業務に集中できる環境を整えた事例です。
5.行政:さいたま市が保育所の入所選考を数秒で実行

出典:富士通「最適な保育所入所選考を実現するAIを用いたマッチング技術を開発」
さいたま市は、保育所の入所選考業務にAIを導入しています。
従来は20〜30名の職員が多くの日数をかけて、約8,000人分の児童を希望や優先順位に沿って割り当てていました。ゲーム理論を応用したAIのマッチング技術により、この選考を数秒で算出できるようになりました。兄弟の同一入所希望など複雑な条件も考慮しながら、人手とほぼ同じ結果を導き出します。
膨大な人手と時間がかかっていた選考業務を自動化し、職員の負担軽減と結果通知の早期化を実現した事例です。
6.会計:1-800Accountantが確定申告期の問い合わせ70%を自律解決

出典:Salesforce「1-800Accountant will resolve 70% of inquiries with Agentforce.」
米国最大級のオンライン会計事務所1-800Accountantは、Salesforceの「Agentforce」を導入し、確定申告期の問い合わせ対応を自動化しています。
2025年の確定申告のピーク時に、事務的な問い合わせチャットの約70%をAIだけで解決しました。導入後24時間で1,000件を超える問い合わせに対応し、本来なら必要だった200人超の季節スタッフの採用を避けられています。AIは社内のナレッジやIRS(米国の税務当局)の公式情報をもとに回答し、対応範囲を超える専門的な相談は人の担当者へ引き継ぎます。
問い合わせが集中し、かつ定型的な内容が多い確定申告期という、AIに任せやすい条件がそろっていた事例です。国内の事例の多くが人の確認を前提とするなかで、定型業務に絞れば、ここまで自律的な運用も視野に入ります。
活用事例から学ぶAIエージェントが向いている業務の条件

AIエージェントは、すべての業務をいきなり任せられるわけではありません。重要なのは「向くか・向かないか」の二択で考えるのではなく、業務ごとに「どこまでAIに任せ、どこから人が判断するか」を段階的に切り分けることです。
この考え方を整理するうえで参考になるのが、cyber.fundのStepan Gershuni氏による実践ガイドです。同ガイドでは、AIに任せる業務を自律性のレベルで次の4段階に分けています。
レベル | 内容 | 人の関わり方 |
L1 | 人がすべて行う | AIは使わない |
L2 | AIが起案し、人が承認する | 出力を人が必ず確認して実行 |
L3 | AIが実行し、人が監督する | 進行を人が見ながら必要時に介入 |
L4 | 条件の範囲内でAIが完全に自律する | 例外時のみ人が対応 |
Gershuni氏は、最初に着手すべき業務として「頻度が高く、成果を測定でき、失敗しても取り返しがつく業務」を挙げています。見栄えのする花形業務ではなく、地味でも毎日繰り返される業務から始めるという考え方です。
なお、このガイドはスタートアップ向けで、特定の開発ツールの利用を前提とした内容です。企業の業務にそのまま当てはまるわけではありませんが「業務をレベルで切り分ける」「取り返しのつく業務から始める」という発想は、自社で自動化する業務を選ぶ際の参考になります。
こうした切り分けをふまえると、AIエージェントを最初に任せやすいのは、次の条件に当てはまる業務です。
任せやすい業務の条件 | 理由 |
繰り返し発生し、件数が多い | 自動化したときの削減効果が大きい |
手順や判断基準を説明できる | 出力が安定し、人が確認しやすい |
成果を数値で測れる | 効果を検証し、改善につなげやすい |
失敗しても取り返しがつく | 導入初期のリスクを抑えられる |
複数のツールやデータをまたぐ | 人が手作業でつないでいた工程を任せられる |
反対に、判断を一度誤ると影響が大きい業務や、手順が頻繁に変わって安定しない業務は、AIに任せきりにせず、人が判断を握る前提で設計する必要があります。まずは上の条件に多く当てはまる業務から、人が確認する形で小さく始めると、無理なく導入できます。
参考:cyber Fund「How to Build an AI-Native Startup」
AIエージェントの導入手順

AIエージェントは、ただ導入するだけでは十分な成果につながりません。どの業務から、どこまで任せ、どう改善していくかを順を追って進めることが、活用の精度を左右します。
進め方を整理するうえで参考になるのが、前述したcyber.fundのStepan Gershuni氏による実践ガイドです。同ガイドは、AIネイティブな組織への移行を、業務の棚卸しから情報の整備、自動化手段の選択、改善の継続までの一連のステップとして体系化しています。
順に見ていきます。
参考:cyber Fund「How to Build an AI-Native Startup」
1.業務を棚卸しし、自律性のレベルで仕分ける
最初のステップは、AIに任せる候補となる業務を洗い出し、どこまで任せるかをレベルで仕分けることです。
前項でも解説したGershuni氏のガイドでは、直近2週間ほどの繰り返し業務を書き出し、自律性のレベルで分類することを勧めています。レベルは次の4段階です。
L1:人がすべて行う
L2:AIが起案し、人が承認する
L3:AIが実行し、人が監督する
L4:条件の範囲内でAIが自律する
そのうえで、仕分けた業務のうちどこから着手するかは、次の3点で見極めます。
見極める点 | 内容 |
頻度 | 毎日のように繰り返し発生するか |
測定 | 成果を数値で測れるか |
影響 | 失敗しても取り返しがつくか |
この3点に当てはまる業務から始めると、効果を検証しやすくなります。あれもこれもと広げず、まずは数件に絞って試すことが大切です。
2.AIが参照する自社の情報を整理する
次は、AIが自社のやり方を踏まえて動けるように、参照する情報を整理しておきましょう。
AIエージェントは、社内の文書やルールを読み込んで業務を進めます。参照する情報が古かったり、重複や誤りが含まれていたりすると、その内容をもとに誤った成果物を作ってしまいます。導入してもうまく使えなかった原因が、参照させたデータの不備にあるケースは少なくありません。
Gershuni氏のガイドでも、AIが自社について常に参照できるナレッジを整えることの重要性が説かれています。たとえば社内マニュアルや規程をAIに読み込ませて使う場合は、次のような準備をしておくと精度が上がります。
古い版や使われていない資料を取り除く
同じ内容が複数の文書に散らばっていないか整理する
表記のゆれや誤字を直しておく
あわせて、目的・前提・成果物の形式を具体的に指示すると、狙いどおりの成果物に近づきます。たとえば競合の比較表を作らせる場合、「どの営業資料に使うか」という目的、比較する3社と項目、出力形式まで伝えると、修正の手間を減らせます。
こうした情報整備の手間を抑えるため、整理した社内資料をアップロードするだけで、自社の業務に合ったAIエージェントを用意できるサービスも登場しています。
たとえばRimoの「ナレッジAIエージェント」は、マニュアルや過去の事例を取り込むと、AIが内容を解析し、情報の検索だけでなく資料作成やリサーチといったタスクの実行まで担うサービスです。
アップロードした情報をもとに動くため、一般的な回答しか返らない、現場のやり方に合わないといった課題を抑えられます。入力データが学習に使われない仕組みで、ISO27001・ISO27017の取得やSAML認証にも対応しています。
3.何でもエージェントに任せず、業務に合った手段を選ぶ
3つ目のステップは、業務の性質に合わせて自動化の手段を選ぶことです。
手順が完全に決まっている処理は通常の自動化で対応し、進め方が事前に決められない業務だけをAIエージェントに任せる、という切り分けです。何でもAIエージェント化すると、かえって制御が難しくなるためです。
たとえば、毎月決まった形式の請求書を処理するだけなら、従来の自動化でも対応できます。
一方、商談内容を読み取り、状況に応じて調べる項目を変えながら資料を作るような業務は、進め方が一定でないため、AIエージェントの強みが活きます。
4.制限を用意する
AIエージェントに業務を任せるときは、想定を超えた動きを防ぐ制限を仕組みとして用意しておくことが欠かせません。
Gershuni氏のガイドでは、エージェントに任せる前に次のような制限やルールを設けることを勧めています。
制限の種類 | 内容 |
費用の上限 | 1回ごと、1日ごとに使う費用の上限を決める |
やり直しの上限 | 同じ処理を繰り返す回数を制限する |
本番データの保護 | 重要なデータへの書き込みは禁止する |
人による承認 | 実行前に人が確認するステップを挟む |
重要なのは、こうした制限を「こう動いてほしい」と指示でお願いするだけでなく、止まる仕組みとして組み込んでおくことです。指示は守られないことがありますが、仕組みであれば確実に作用します。
5.評価基準を決めて改善を繰り返す
最後のステップは、出力の良し悪しを判断する基準を決め、それをもとに改善を繰り返すことです。
Gershuni氏のガイドでは、AIの出力を毎週振り返ることを勧めています。振り返るときの観点は、次のとおりです。
エージェントが何をしたか
人がどこで内容を上書きしたか
どの基準を満たせなかったか
どの情報が不足していたか
どのスキル(使い方)を絞り込むべきか
どのワークフローを止めるべきか
どの業務なら任せる範囲を一段階広げられるか
上書きが多い箇所や満たせなかった基準を見れば、どこを直すべきかが見えてきます。
改善する際、出力の精度が低いからといって、すぐに指示文を書き直す必要はありません。
Gershuni氏は、多くの場合の対処法として、以下の4つを挙げています。
参照させる情報を足す
任せる範囲を狭める
具体例を増やす
対応すべきでないケースの線引きを明確にする
指示そのものより、AIに渡す材料や範囲を見直すほうが効くという考え方です。
あわせて、良し悪しを判定する基準をあらかじめ決めておくと、確認の精度が上がります。たとえば、人が正解の例を用意し、数値や形式が合っているかを機械的に確かめ、文章の質は人やAIが確認する、といった具合に段階を分けて評価します。
AIエージェントの導入で失敗しないための注意点
ここでは、導入で失敗しないための2つの注意点を紹介します。
1.最終的な判断は人が行う体制をつくる
AIは事実と異なる内容を生成することがあり、出力内容をそのまま使うとリスクが生じます。そのため、AIエージェントを導入する際は、最終的な判断を人が行う体制をつくることが欠かせません。
たとえば請求書の照合や提案資料の作成をAIに任せる場合でも、金額や宛先、提案内容が正しいかを人が確認してから確定する流れにしておくと、誤りをそのまま通すリスクを抑えられます。
実行前に人が内容を確認するステップを挟む設計のサービスを選ぶと、こうした体制を組みやすくなります。AIに任せる範囲と人が確認する範囲をあらかじめ分けておくことが重要です。
2.アクセス権限とセキュリティを設計する
AIエージェントを使う際は、アクセス権限とセキュリティの設計が欠かせません。
AIエージェントは社内のデータを参照しながら動くため、設計を誤ると情報漏えいにつながります。注意したいリスクは次の3つです。
リスク | 内容 | 対策の方向性 |
権限の超過 | 閲覧権限のない情報までAIが参照してしまう | AIにも人と同じ権限の範囲を適用する |
シャドーAI | 会社が許可していないAIを社員が無断で業務に使う | 利用してよいツールと範囲を社内で定める |
不正な指示 | 外部から紛れ込んだ指示でAIが意図しない動作をする | 参照先や入力データの信頼性を確認する |
なかでも注意したいのが、社員が個人の判断でAIを使い始める「シャドーAI」です。ある調査では、回答者の54%が会社の許可がなくてもAIツールを使うと答えており、知らないうちに社内情報が外部に渡るリスクがあります。
BCG「生成AIを日常的に使う人の割合は70%超の一方、従業員の利用率は51%にとどまる~BCG調査」
対策として、AIにも人と同じ権限の範囲を適用しましょう。閲覧権限のない情報には、AIに問い合わせても答えられない仕組みにしておくと、権限を超えた参照を防げます。
また社内資料を読み込ませて使うサービスを選ぶ際は、入力データを学習に使わない設計や、認証基盤との連携など、情報を保護する仕組みが用意されているかを確認するとよいでしょう。
ツールを社内導入する際の情報漏洩リスクや、具体的なセキュリティ対策については、以下の記事で詳しく解説しています。
ChatGPTのセキュリティ・情報漏洩リスクは?安全に利用する5つの対策を紹介
AIエージェントに関するよくある質問
最後に、AIエージェントについてよく寄せられる質問に回答します。
AIエージェントにできることは?
AIエージェントにできることは以下のとおりです。
できること | 内容 | 対応する業務例 |
定型業務の自動化 | 決まった手順の作業を自律的に処理する | 議事録作成、請求書照合 |
データの収集・分析 | Web上や社内の情報を集めて整理する | 競合調査、市場分析 |
複数ツールの連携 | 異なるツールをまたいで作業をつなぐ | 資料作成から共有まで |
成果物の自動生成 | 目標から逆算して資料や文書を作る | 提案資料、比較表、レポート |
これらを組み合わせることで、人が複数の工程に分けて行っていた業務を、AIエージェントが目標から逆算して進められます。
ChatGPTはAIエージェントですか?
ChatGPTそのものは、基本的には生成AIに分類されます。
指示に応じて文章を生成するのが本来の役割で、自律的にタスクを計画・実行するAIエージェントとは異なります。
ただし近年は、ChatGPTにも自律的に作業を進めるエージェント機能が追加されており、使い方によってはAIエージェントとして動作します。
AIエージェントと生成AIの違いは何ですか?
生成AIは指示に応じて文章や画像を生成するのに対し、AIエージェントは目標に向けて自分で計画を立て、実行まで行う点が違います。
生成AIが答えを返すAIだとすれば、AIエージェントは作業を進めるAIといえます。
個人でもAIエージェントは使えますか?
個人でもAIエージェントは利用できます。
スケジュール調整やリマインド、情報収集など、個人の業務を支援するサービスが増えています。社員が個人単位で試す場合も、業務データを扱うときは会社のルールやセキュリティの範囲を確認しておくと安心です。
社内のナレッジを活用してAIに業務を任せるならナレッジAIエージェント

AIエージェントを業務に活かす鍵は、自社のやり方をAIに正しく参照させることにあります。
とはいえ、いざ導入を進めると、次のような壁に突き当たる担当者は少なくありません。
一般的な回答ばかりで、自社の前提に当てはまらない
社内のルールやマニュアルが反映されず、現場のやり方に合わない
いつ、どう使えばいいのか社内に浸透せず、定着しない
原因の多くは、AIが現場ごとのやり方を知らないまま動いていることにあります。せっかく導入しても、現場が使わなければ成果は出ません。
こうした課題を解決するのが、Rimoの「ナレッジAIエージェント」です。マニュアルや過去の事例といった社内資料をアップロードするだけで「社内のやり方」を反映したAIエージェントが完成します。AIが内容を解析し、情報の検索だけでなく、資料作成やリサーチといったタスクの実行まで担います。
プロンプトを細かく書き込んだり、設定を作り込んだりする手間をかけずに、資料を取り込むだけで自社仕様のAIが使えます。現場のやり方に沿って回答するため、一般的なAIにありがちな「使ってもらえない」という状態を避けられるでしょう。
セキュリティ面の備えもあります。入力データが学習に使われない仕組みで、ISO27001・ISO27017の取得やSAML認証にも対応しています。社内の認証基盤と連携できるため、情報を保護したまま組織で安全に運用できます。
一般的なAIに自社の情報が伝わらず、導入しても定着しなかった経験があるなら、自社のナレッジに沿って動くAIエージェントから試してみてください。
AIエージェントの活用例を知り、自社の業務に取り入れよう

AIエージェントの活用例は、議事録の作成や営業資料の準備、問い合わせ対応など、職種を問わず幅広い業務に広がっています。
取り組む際は、いきなり完全に任せようとせず、以下の内容を参考にして任せる業務を決めてみてください。
L1:人がすべて行う
L2:AIが起案し、人が承認する
L3:AIが実行し、人が監督する
L4:条件の範囲内でAIが自律する
まずは効果の出やすい定型業務をL2やL3から小さく始め、成果を確かめながら任せる範囲を広げると、活用の精度が高まります。
本記事で紹介した活用例を手がかりに、自社のどの業務から始められるかを考えてみてください。
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