インフラ・電力業界向けナレッジマネジメントツール8選|ベテランのノウハウを継承

インフラ・電力業界では、設備を数十年にわたって使い続けるあいだに担当者が入れ替わります。
点検記録や図面、事故対応の報告書、会議で決めた経緯が、紙やファイルサーバー、担当者の記憶に分かれて残り、必要なときに探せないことが課題です。
ナレッジマネジメントツールを使えば、こうした記録や判断の理由を1か所から探せるようになり、ベテランの知識を次の担当者へ引き継ぎやすくなります。
本記事では、ナレッジマネジメントツールの「Rimo ナレッジAI」を開発しているRimo合同会社のメンバーである金城が以下の内容を解説します。
【本記事でわかること】
インフラ・電力業界向けのナレッジマネジメントツール8選
閉域網・オフライン・図面などを踏まえたツールの選び方
インフラ・電力業界でナレッジマネジメントツールが必要な理由と導入効果
停電・設備トラブル対応や巡視点検などでの具体的な活用シーン
本記事で紹介するなかでも、点検記録・図面・報告書・会議記録・チャットのやり取りなど、社内に散らばった情報をまとめて探したい企業には「Rimo ナレッジAI」がおすすめです。
質問するだけで、過去の対応や判断の経緯を、根拠となる資料とあわせて答えます。
無料トライアルも利用できるため、自社の資料から欲しい情報を引き出せるか試してみてください。
▶【無料トライアルあり】Rimo ナレッジAIのサービス概要をチェックする
【比較表】インフラ・電力業界向けナレッジマネジメントツールおすすめ8選
ここでは、インフラ・電力業界におすすめのナレッジマネジメントツール8選を紹介します。
サービス名 | 活用シーン | 提供形態(クラウド・オンプレミス) | オフライン対応 | 料金の目安 | 無料プラン・トライアル |
社内資料や会議記録から判断の経緯を探す | クラウド | 要問い合わせ | チームプラン6,000円/人・月、法人プラン50,000円〜/月 | 無料トライアルあり | |
過去の修理履歴から類似トラブルと初動対応を探す | クラウド | オフライン点検に対応 | 基本月額50,000円〜 | トライアルあり | |
点検計画・コスト最適化案・報告書の作成 | 要問い合わせ | 要問い合わせ | ベーシック120,000円/月、プロフェッショナル210,000円/月 | 要問い合わせ | |
現場映像を共有しながら遠隔で作業を支援 | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ | |
両手を使う作業中に熟練者から支援を受ける | 要問い合わせ | 低帯域環境に対応 | 要問い合わせ | 要問い合わせ | |
紙・Excel帳票をそのまま電子化する | クラウド/オンプレミス | 対応 | 要問い合わせ | 1ヶ月無料トライアルあり | |
設備・作業・契約情報を一元管理する | クラウド/クライアント管理型(オンプレミス相当) | 要問い合わせ | 要見積り | 無料評価版あり | |
図面と設備情報をひも付けて管理する | クラウド/オンプレミス | 要問い合わせ | パッケージ330万円〜 | 要問い合わせ |
幅広い製品から比較したい場合は、ナレッジ共有ツール16選の比較記事を参照してください。
1.『Rimo ナレッジAI』|点検記録や会議記録などを横断し、判断の経緯まで出典つきで答える

『Rimo ナレッジAI』は、社内資料・会議記録・チャットを横断して検索し、根拠となる資料を示しながら回答するAIエージェントです。
フォルダ単位でのアップロードやシステム連携で情報を取り込めるほか、AIが質問を重ねる「AIインタビュー」によって、ベテランが持つ暗黙知を言語化して残せます。
インフラ・電力業界では、作業履歴だけでは「なぜ交換ではなく補修を選んだのか」「なぜ点検周期を変更したのか」といった判断の経緯まではわからない場合があります。
Rimo ナレッジAIなら、報告書や技術検討会の記録などから、こうした判断の理由を探すことが可能です。
図面や点検表をPDFで取り込めば、赤ペンで書き込まれた変更点や余白のメモまで読み取って答えます。改訂版の図面が出る前の書き込みも、書いた人と日付までたどれるため、現場の最新の状態を前提に作業を進められます。
▼図面の赤字の書き込みから、変更後の設定値をAIが回答

判断の理由まで残して探せるため、ベテランが退職したあとも、過去にその設備でどう判断したかを次の担当者が確かめられます。
【料金プラン】
チームプラン:6,000円/人・月(税抜・1名から契約可)
法人プラン:50,000円〜/月(税抜・利用人数無制限)
無料トライアル:あり
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2.『ミロクルAI保全ナビ』|過去の修理履歴から、似たトラブルの直し方をAIが探す

出典:ミロクルAI保全ナビ
『ミロクルAI保全ナビ』は、株式会社ミロクリエが提供する設備保全クラウドのAI機能です。過去の修理履歴や対応記録をAIが分析し、現在のトラブルに似た事例や初動対応のヒントを対話形式で探せます。
OEE(設備総合効率)・MTBF(平均故障間隔)・MTTR(平均修理時間)を自動で算出するAI分析レポートにも対応しています。
音声入力ではAIが内容を補正しながら入力を支援するため、手が汚れてキーボードを使いにくい作業中でも記録を残せる点が強みです。IT操作に慣れていないベテラン技術者でも扱いやすい設計です。
また、紙のフォーマットをAIで読み込んで利用するオフライン点検にも対応しています。
Rimo ナレッジAIが複数の社内資料や会議記録を横断して判断の経緯を探す型なのに対し、ミロクルAI保全ナビは設備の修理履歴や対応記録から類似トラブルを探したい現場に向いています。
【料金プラン】
基本月額:50,000円〜(税抜)
最低契約期間:6ヶ月
更新料:なし
オンライン無料相談会・トライアル:あり
【良い評判】
UIが見易い。システムというと堅いイメージがあり現場には浸透しにくいが、視覚的に見易い表現になっており、システムに慣れていない人でも抵抗感なく利用ができる。検索機能が秀逸。一文字でも入れると対象候補の情報が出てくるので、検索・絞り込みの際に時短となる。 |
【気になる評判】
作業ボードに登録した情報と作業計画がリンクして両画面で実施日、および保全内容が確認できるとよい。項目の名称がユーザーに合わせて変更できるとよい。 |
引用:ITreview「ミロクルカルテの評判・口コミ」
3.『EMLink』|生成AIが点検計画と報告書のドラフトを作る

出典:EMLink
『EMLink』は、株式会社設備保全総合研究所が提供する設備保全システムです。設備の台帳や点検・修理の記録をまとめて管理する仕組み(EAM)に、生成AIを組み合わせています。
過去の保全の記録や実際にかかった費用、自社の設備管理のルールをもとに、生成AIが点検計画や報告書の下書き、費用を抑える案を作ります。蓄積した記録を「探す」だけでなく、「次に何をするか」の案までAIが作る点が特徴です。
設備の台帳、現場の点検、作業の管理、不具合の報告に加え、図面と設備情報を画面上で結びつける機能や、複数の拠点をまとめて管理する機能もあります。設備の管理と保全計画作りを1つの仕組みで行いたい企業に向いています。
【料金プラン】
ベーシック:120,000円/月(税抜・1事業所)
プロフェッショナル:210,000円/月(税抜・1事業所)
エンタープライズ:要問い合わせ
初期費用:0円
契約期間:年間契約
4.『CareAR』|現場の映像に指示を重ね、過去の対応事例も引ける

出典:CareAR
『CareAR』は、米Xerox子会社が開発し、株式会社コミュニケーションビジネスアヴェニューが国内で提供するAR遠隔支援ツールです。現場のカメラ映像を遠隔地の担当者と共有し、映像上に直接マーキングして指示を重ねられます。
過去に発生した事象を検索して参照する機能もあり、文章だけでは伝えにくい「どこを確認するのか」といった知識を、映像や手順と組み合わせて共有可能です。
河川や道路などのインフラ設備の点検作業、通信設備の保守業務での利用実績もあります。
文書や会議記録を横断して判断理由を検索したい場合よりも、現場の状況を映像で共有し、その場で遠隔支援を受けたい業務に適しています。
【料金プラン】
料金:要問い合わせ
無料トライアル:要問い合わせ
5.『AceReal Assist』|スマートグラスで手を止めずにベテランと繋がる

『AceReal Assist』は、サン電子株式会社が提供するARスマートグラスを使った遠隔支援ツールです。
作業者の視界をそのまま遠隔地の熟練者と共有できるため、両手が塞がる作業でも手を止めずに指示を受けられます。音声で操作できるスマートグラスにも対応しているため、手を使わずに操作できます。
通信環境に応じて映像と音声を自動で最適化するため、電波が弱い現場でも接続を維持しやすい点が特徴です。
タブレットなどを介して映像に指示を書き込むCareARに対して、AceReal Assistはスマートグラスを装着し、両手を使いながら作業を続けたい場面に向いています。
熟練者の知識を文書として蓄積して検索するというより、その場でベテランの判断を受けながら作業を進めたい現場に適したサービスです。
【料金プラン】
料金:要問い合わせ
6.『XC-Gate』|通信が届かない現場でも、紙の帳票のまま記録をデータにする

出典:XC-Gate
『XC-Gate』は、株式会社テクノツリーが提供する現場帳票の電子化ツールです。今の紙の帳票をExcelで再現して、そのまま電子帳票にできるため、現場は見慣れたフォーマットのまま紙からデータへ移行できます。
入力された情報はデータベース化され、検索できる状態になります。
また、ブラウザのオフラインモードと専用アプリに対応しており、通信環境がない場所でも入力可能です。山間部の鉄塔や地下の管路など、電波が届かない設備でも、その場で記録を残せます。クラウド版に加え、オンプレミス版も選択できます。
【料金プラン】
クラウド版:月単位・年単位、具体的な金額は要問い合わせ
オンプレミス版:買い切り、具体的な金額は要問い合わせ
無料トライアル:1ヶ月
7.『IBM Maximo Application Suite』|大手電力が使う設備情報の土台を作る

出典:IBM Maximo Application Suite
『IBM Maximo Application Suite』は、日本アイ・ビー・エム株式会社が提供する統合資産管理製品です。資産管理・作業管理・契約管理を一元化し、AIによる異常予兆検知やドローン画像を使ったAI外観検査にも対応しています。
IBM Maximoが得意とするのは、設備・作業・点検の記録を1か所に集め、ナレッジの土台を整えることです。設備情報が拠点やシステムごとに分かれており、まず資産・作業情報を一元化したい企業に適しています。
【料金プラン】
AppPointsによる従量課金:要見積り
無料評価版:あり
8.『PLANTIA』|オンプレミス型も選べ、図面と設備情報をひも付ける

出典:PLANTIA
『PLANTIA』は、富士通グループが開発した設備保全管理システムです。
機器台帳・保全周期・保全計画・保全履歴・修理案件を管理できるほか、図面と設備情報をひも付けるビジュアル管理に対応しています。図面を起点に設備情報をたどれるため、「この図面に関係する設備や過去の工事情報を確認したい」といった探し方に適した仕組みです。
オンプレミスとSaaSの両方に対応しており、自社のサーバーに構築すれば、外部のクラウドサービスを使えない環境でも導入できます。
社内のネットワークの要件を守りながら、図面と設備情報をひも付けて設備保全の基盤を整えたい企業に向いています。
【料金プラン】
パッケージ:同時5ユーザー330万円〜(買い切り)
年間保守料:パッケージ価格の25%〜
SaaS版:要問い合わせ
インフラ・電力業界でナレッジマネジメントツールを選ぶ際の6つの基準

インフラ・電力業界では、汎用的なツールの選定基準として挙げられる「使いやすさ」「料金」「サポート」だけで選ぶと、実際の現場で使いにくいケースがあります。
自社の設備やネットワーク環境、現場の働き方に合わせて、次の6つの基準で候補を絞り込みましょう。
閉域網やセキュリティの要件を満たせるか
通信が届かない現場でも記録・参照できるか
図面・設備台帳・点検記録を横断して探せるか
点検や保安の記録を、長く確実に残せるか
協力会社や部署ごとに、閲覧権限を細かく設定できるか
現場のベテランが入力の手間なく使えるか
閉域網やセキュリティの要件を満たせるか
重要インフラ事業者では、設備を動かすためのネットワーク(制御系)と、メールや書類作成など普段の事務に使う社内のネットワーク(情報系)を切り離して運用していることがあります。
この場合、社内の規程でクラウドのツールを使えないことがあります。クラウド型のツールは機能が優れていても候補から外れるため、まずネットワークの条件で候補を絞りましょう。
また、ツールには設備や顧客に関わる情報を預けることになります。2026年10月時点では、国内の企業や団体で不正アクセスによる個人情報などの漏えいが相次いでおり、各機関から注意喚起が出されています。
参考:国家サイバー統括室「不正アクセスによる漏えい等の事案を踏まえた各機関による注意喚起等について」
だからこそ、ネットワークの条件とあわせて、次の3点を確かめておきましょう。
オンプレミス版(自社のサーバーに置く形)を選べるか
データがどこに保管されるか
ISO27001などの第三者認証を取得しているか
事務用のネットワーク(情報系)から外部のクラウドサービスを使って良いかを、情報システム部門やセキュリティ担当に先に確認しておくと、候補を早く絞れます。
通信が届かない現場でも記録・参照できるか
変電所・鉄塔・管路・地下設備などでは、通信が安定しない現場もあります。オンライン接続を前提とするツールでは、その場で気付いたことを入力できず、事務所へ戻ってから記憶を頼りに記録する運用になりかねません。
確認したいのは次の3点です。
スマートフォンやタブレットで入力・閲覧できるか
電波が届かない場所で記録を残し、通信が戻ったあとに同期できるか
電波が弱い場所でも写真・音声・映像を送れるか
導入前のトライアルでは、通信環境の良い会議室だけで試さず、実際に電波が弱い現場を1か所選び、入力と参照が問題なく行えるかを確認しましょう。
図面・設備台帳・点検記録を横断して探せるか
インフラ・電力業界では、図面・設備台帳・巡視点検記録・事故対応履歴などが、別々のシステムやファイルサーバーに保存されていることが少なくありません。
ファイル名やフォルダだけを手がかりに探す仕組みでは、「過去に同じ設備でどう判断したか」といった中身までは見つけにくいでしょう。
資料の中身や会議の記録まで横断して探せるかを、次の点で確認しましょう。
図面の寸法・記号・手書きの書き込みまで読み取れるか
設備保全システムやファイルサーバー、チャットツールと連携できるか
資料を別の場所へ移し替えずに検索できるか
事前に「普段よく探す情報」を3つほど挙げ、それぞれが現在どこに保存されているか整理しておくと、どこまで連携すべきかを判断しやすくなります。
点検や保安の記録を、長く確実に残せるか
インフラ・電力業界では、設備を何十年も使い続けるため、点検や検査の結果、補修の履歴、事故対応の記録を長く残し、「いつ・誰が・何をしたか」をあとから確かめられることが欠かせません。
そのため、記録をツールで扱う場合は、次の点を確認しましょう。
保存期間を設定できるか
更新の履歴が残るか
誰がいつ見たり直したりしたかの記録(操作ログ)が残るか
監査のときに求められる記録だけを取り出せるか
ツールに入れた記録を正式な記録(正本)として扱うか、検索用の写しとして使うかは、会社ごとの規程で決まります。先に正本をどこに置くかを決めてから、求める機能を確かめましょう。
協力会社や部署ごとに、閲覧権限を細かく設定できるか
インフラ設備の保守や点検では、一部の業務を協力会社へ委託するケースがあります。作業に使う情報を共有しなければ現場が回らない一方で、社内ナレッジを広く開放すると重要インフラとしての情報管理上のリスクが高まります。
そのため、閲覧権限を次のように細かく設定・変更できるかを確認しましょう。
会社・部署・現場ごとに、見られる範囲を分けられるか
期間を限ってアクセスを許可できるか
委託が終わったら、すぐにアクセスを止められるか
AIの回答にも閲覧権限が反映されるか
たとえば「Rimo ナレッジAI」は、公開範囲を組織全体・部署単位・特定の個人のみと設定でき、AIが参照する範囲も各ユーザーが閲覧できる範囲に合わせます。
ナレッジを1か所にまとめながら、見るべき人にだけ、その人に関係する範囲を見せられる仕組みです。
現場のベテランが入力の手間なく使えるか
ナレッジマネジメントツールが現場に定着するかは、次の2つで決まります。
入力の手間:音声・写真・動画のまま残せるか、AIが質問して判断の背景を引き出せるか、今の帳票のまま使えるか
操作のわかりやすさ:ITに慣れていない人でも説明を受けずに記録・検索まで進められる画面か
特にベテランの知識を残す場合は、新しい記録作業を増やすのではなく、普段の業務の延長で情報を貯められる仕組みが向いています。
トライアルでは、情報システム部門だけで操作を確認せず、実際に使うベテラン技術者にも触ってもらいましょう。説明を受けなくても記録や検索を進められるかを見ると、導入後に定着するか判断しやすくなります。
インフラ・電力業界にナレッジマネジメントツールが必要な理由と導入効果

ここでは、インフラ・電力業界でナレッジマネジメントツールが求められる理由と、導入して変わることを解説します。
設備は数十年使うのに、建設時を知る技術者が先に退職する
資料が紙やファイルサーバーに分かれ、技術継承も情報共有も進まない
ナレッジマネジメントツールを導入して変わること
設備は数十年使うのに、建設時を知る技術者が先に退職する
電力インフラでは、高度経済成長期に大量に建設された設備の高経年化が進んでいます。
関西電力送配電も、点検結果や劣化診断をもとに、補修や取替えの時期を見極めながら設備を使い続けています。
一方で、建設や過去の改修に携わった技術者は、設備より先に退職するのが現実です。工事の記録は残っても、「なぜこの構造にしたのか」「なぜこの時点では交換しなかったのか」を説明できる人がいなくなります。
設備を使い続ける限り、判断の理由は次の担当者にも欠かせません。だからこそ、作業手順だけでなく判断の理由まで残して探せるナレッジマネジメントツールが求められています。
資料が紙やファイルサーバーに分かれ、技術継承も情報共有も進まない
インフラ・電力業界のナレッジマネジメントには、ベテランの知識を次の世代へ引き継ぐ「技術継承」と、現場と本社、拠点どうしで同じ情報を使う「情報共有」の2つの目的があります。
しかし、点検記録や報告書、図面が紙やファイルサーバーに分かれたままでは、後任者が必要な記録を探し出せず、拠点どうしで同じ情報を参照することもできません。
エネルギー業界の情報共有でも、紙の資料が多く検索や更新がしにくいことや、現場と本社で情報を共有しにくいことが課題として挙げられています。
そのため、引き継ぎのために新しい資料を書いてもらうだけでなく、すでにある記録を、次の担当者やほかの拠点の人がすぐ探せる状態に変えることが重要です。
ナレッジマネジメントツールを導入して変わること
ここまで、ナレッジマネジメントツールが求められる理由を説明してきました。導入すると、現場では次のように変わります。
今の困りごと | 導入後に変わること |
復旧のたびに過去の事故対応を探し回る | 現象から関連する対応履歴を引ける |
ベテラン社員の退職とともに判断の理由が消える | 判断の根拠を記録として残せる |
現場と本社で見ている資料が違う | 同じ資料を同じ検索から引ける |
自社でどこまで検索時間を減らせるか、欲しい判断材料を引き出せるかは、実際の資料を使ったトライアルで確かめましょう。
インフラ・電力業界でのナレッジマネジメントツールの活用シーン8選

ここからは、弊社が提供するナレッジマネジメントツール「Rimo ナレッジAI」を使いながら、インフラ・電力業界での具体的な活用シーンを紹介します。
前半は復旧・点検・図面など現場での場面、後半は拠点間の共有や技術継承、書類作り、新任者の育成といった組織での場面です。
停電・設備トラブルの復旧で、過去の対応を即座に引く
巡視点検で気付いた異常を、その場で記録してナレッジにする
図面や点検表に手書きされた書き込みまで、AIに聞いて確認する
一部の事業所の改善を、ほかの拠点でも探せるようにする
ベテランの判断基準をAIインタビューで言語化する
協力会社との打ち合わせ記録を、次の工事で引けるようにする
報告書や申請書類の下書きを、過去の文書の体裁のまま作る
新任の電気主任技術者が、自分で調べて立ち上がれるようにする
停電・設備トラブルの復旧で、過去の対応を即座に引く
停電や設備トラブルの復旧は時間との勝負ですが、過去の事故対応記録がファイルサーバーに保存されているだけでは、目当ての情報をすぐに見つけられません。似た事故が過去に起きていても、担当者がファイル名や保存場所を知らなければ、復旧時の判断材料として使いにくくなります。
Rimo ナレッジAIに過去の事故報告書・復旧手順・技術検討会の記録を取り込んでおけば、発生している現象から関連する対応履歴を探せる点が強みです。事故名や正確なファイル名を知らなくても、現場で起きている状況を質問として入力し、関連する記録を確認できます。
質問例
「同じ系統で過去に起きた事故と、そのときの復旧手順を教えて」
「この設備で保護継電器が動作した事例はある?」
「復旧後に必要な報告と届出をまとめて」
▼同じ系統の過去の事故と、復旧手順書にある再閉路失敗時の手順を確認

初動段階で見るべき資料や確認項目を把握しやすくなり、過去の対応を探す時間を減らせます。
巡視点検で気付いた異常を、その場で記録してナレッジにする
巡視点検では、「いつもと違う音がする」「この部分だけ錆が早い」といった小さな変化に気付くことがあります。しかし、こうした観察は帳票の決められた入力項目に収まらず、担当者の記憶だけに残ってしまいがちです。
Rimo ナレッジAIでは、点検記録に加えて写真や音声メモも取り込み、あとから言葉で探せる状態にできます。定型項目では表現しにくい現場の気付きも、次回の点検や類似設備の確認時に参照できます。
質問例
「この変電所で過去に異音の報告があった箇所は?」
「同じ型式の機器で似た劣化が出た事例を教えて」
「前回の点検からの変化をまとめて」
▼異常兆候台帳から、変電所で異音の報告があった箇所を一覧で確認

点検項目に含まれていない兆候も記録として残るため、担当者が交代しても次の点検へ引き継ぎやすくなります。個人の記憶だけに頼らず、過去の気付きを判断材料にできるのも利点です。
図面や点検表に手書きされた書き込みまで、AIに聞いて確認する
単線結線図や盤面図には、改修後の変更や注意点が赤ペンで書き込まれ、正式な改訂版が出るまでそのまま使われることがあります。紙の巡視点検表の余白に書かれた測定値や申し送りも、帳票の入力項目には残りません。
図面や点検表をPDF・画像でRimo ナレッジAIへ取り込めば、印字された情報に加えて手書きの書き込みも読み取って回答します。
質問例
「このフィーダのCT比と地絡方向継電器の整定値は?赤字の訂正も含めて教えて」
「単線結線図に手書きで追記された変更点を、記載者と日付つきで一覧にして」
「インターロック解除キーの保管場所は、どの図面に書かれている?」
▼図面に赤字で書き込まれた設定値の変更まで読み取って回答

改訂版の図面が出る前でも、現場で書き込まれた最新の状態を前提に作業計画を立てられます。書き込んだ本人が不在のときも、記載者と日付までたどれます。
一部の事業所の改善を、ほかの拠点でも探せるようにする
一部の事業所で設備トラブルへの有効な対策や点検方法の改善が見つかっても、その事業所の報告書に残るだけではほかの拠点へ広がりません。同じ設備を使っている別の事業所で、同じ試行錯誤を繰り返す可能性があります。
各拠点の改善提案・対策報告・安全衛生委員会の記録をRimo ナレッジAIへ取り込めば、設備名や事象から拠点をまたいで情報を探せます。自分の事業所だけではなく、ほかの拠点で実施された対策や改善結果も確認できるのが特徴です。
質問例
「同じ型式のポンプで振動対策をした事例はある?」
「他拠点で効果が出た点検周期の見直しを教えて」
「同じ原因の不具合が他の事業所でも起きていないか」
▼同じ型式のポンプで振動対策をした他拠点の改善提案を探す

各拠点が同じ問題を一から検討せずに済み、すでに効果が出た方法を別の現場でも検討しやすくなります。個別の報告書に閉じていた改善の知見を、組織全体へ横展開することも可能です。
ベテランの判断基準をAIインタビューで言語化する
ベテランの退職が決まってから引き継ぎ資料の作成を依頼しても、本人にとって当たり前になっている判断基準までは書き出されない場合があります。
手順は残っても、「どの状態なら前倒しで交換するか」といった経験にもとづく判断が抜け落ちやすい点が課題です。
Rimo ナレッジAIのAIインタビューでは、AIが質問を重ねながら、ベテランが何を見て、どのように判断しているのかを言葉にして残せます。本人が白紙の状態から引き継ぎ資料を書くのではなく、質問へ回答する形で暗黙知を整理できます。
▼AIがベテランに質問を重ねるAIインタビュー(イメージ)

質問例
「この設備で交換を前倒しすると判断する目安は?」
「数値が基準内でも手を入れるのはどんなときか」
「新任者が最初に覚えるべき確認箇所は?」
▼交換を前倒しする目安を、ベテランへのAIインタビュー記録から引き出す

ベテランが新たに長い文書を作成する負担を減らしながら、手順書には載りにくい判断の理由を残せます。後任者も「何をするか」だけではなく、「なぜそう判断するのか」まで確認しやすくなります。
協力会社との打ち合わせ記録を、次の工事で引けるようにする
工事や設備改修では、協力会社との打ち合わせで作業条件や制約を細かく決めるのが一般的です。しかし、決定の経緯が担当者の記憶や個別の議事録に残っているだけでは、担当者が交代した際に同じ確認をやり直すことになります。
協力会社との打ち合わせの議事録や申し送りをRimo ナレッジAIに取り込んでおけば、過去の決定事項だけでなく、その結論に至った経緯も探せます。
質問例
「この区間の工事で、停電作業の時間帯をどう決めたか」
「前回の改修で見送った工事と、その理由を教えて」
「協力会社から出ていた申し送りをまとめて」
▼前回の改修で見送った工事と理由を、打ち合わせ議事録から探す

担当者が代わるたびに同じ検討をやり直す手間を減らし、以前決めた条件とその根拠を確認したうえで次の工事へ進めます。申し送りだけでは抜けやすい検討の経緯も引き継げます。
報告書や申請書類の下書きを、過去の文書の体裁のまま作る
事故報告書、工事計画届、保安規程に関する書類などは、決まった様式に沿って作成しなければなりません。過去に同種の文書を提出していても、毎回ファイルを探し、内容を確認しながら一から下書きを作ると時間がかかります。
過去の報告書と今回の案件に関する記録をRimo ナレッジAIへ取り込んでおけば、以前の文書の体裁を踏襲した下書きを作れる点がメリットです。Rimo ナレッジAIのAIエージェントは社内情報の検索だけでなく、参照した資料をもとにした資料の下書き作成にも対応しています。
質問例
「前回の同種トラブルの事故報告書と同じ構成で下書きを作って」
「この工事で必要な届出の様式と記載項目を教えて」
「過去の申請で指摘を受けた箇所をまとめて」
▼前回の事故報告書と同じ構成で、下書きを作成

過去文書の検索や書式を整える作業に使っていた時間を減らし、原因分析や再発防止策の検討に時間を使いやすくなります。ただし、生成した内容はたたき台として扱い、提出前に担当者が事実や数値を確認してください。
新任の電気主任技術者が、自分で調べて立ち上がれるようにする
電気主任技術者の資格を取得していても、自社設備に関する実務上の判断まで最初からわかるわけではありません。わからないことがあるたびに先輩へ質問する状態では、新任者だけでなく教育を担当する技術者の業務も止まります。
保安規程・社内基準・過去の判断事例をRimo ナレッジAIへ取り込めば、新任者が知りたい情報を自分で調べられる状態を作れます。一般的な知識だけではなく、自社でこれまでどのように対応してきたかを参照しながら確認できる点が魅力です。
質問例
「この作業で必要な届出と期限を教えて」
「停電作業の手順と、確認すべき安全措置は?」
「この用語を現場の言葉で説明して」
▼作業で求められる届出と期限を、新任者向けFAQから確認

新任者が自分で調べて進められる範囲が広がるため、教育担当者が同じ質問へ繰り返し対応する負担を減らせます。知りたい情報へ自力でたどり着く経験を重ねることで、実務への立ち上がりも進めやすいでしょう。
ここで紹介した8つの使い方は、どれも今ある点検記録や報告書、会議記録を取り込むところから始められます。
まずは復旧時によく探す資料や、新任者からよく聞かれる質問など、1つの業務から試してみてください。
インフラ・電力業界のナレッジマネジメントツールに関するよくある質問
ここでは、インフラ・電力業界向けのナレッジマネジメントツールに関するよくある質問に回答します。
閉域網のためクラウド型が使えません。選択肢はありますか?
現場は紙とExcelです。いきなりツールを入れて使われますか?
閉域網のためクラウド型が使えません。選択肢はありますか?
選択肢はあります。オンプレミス版を提供する製品や、通信がない環境でも利用できる製品から候補を絞るのが近道です。
本記事で紹介した製品では、PLANTIAやIBM Maximo Application Suiteはオンプレミスでの導入に対応しています。また、XC-Gateはオフライン環境でも入力できるため、通信が届かない現場で記録を残す用途に使えます。
現場は紙とExcelです。いきなりツールを入れて使われますか?
紙やExcelを使っている現場では、最初から高度なナレッジ検索へ移行するのではなく、現在の帳票を電子化するところから始める方法があります。
たとえば、XC-Gateのように既存のExcel帳票の見た目を大きく変えずに電子化できる製品を使えば、現場の運用を変える範囲を抑えながら記録をデータ化できます。
ナレッジを検索するには、まず記録がデータになっていなければなりません。そのため、「紙をデータにする」「蓄積したデータを探せるようにする」という順番で考えると、自社に合う製品を整理しやすくなります。
導入時も全社一斉に切り替えるのではなく、1つの事業所・1つの業務から試し、現場で入力が続くかを確認してから範囲を広げる方法が適しています。
インフラ・電力業界のナレッジマネジメントツールならRimo ナレッジAI

本記事では、インフラ・電力業界向けのナレッジマネジメントツール8選と、選び方、活用シーンを紹介してきました。
なかでも、社内資料や会議記録に残っている判断の理由を横断して探したい企業には「Rimo ナレッジAI」がおすすめです。
図面に手書きされた書き込みまで読み取れるほか、AIインタビューでベテランの判断基準を言葉にして残せるため、技術継承にも役立ちます。
まずは無料トライアルで、自社の資料から欲しい情報を引き出せるか試してみてください。
【料金プラン】
チームプラン:6,000円/人・月(税抜・1名から契約可)
法人プラン:50,000円〜/月(税抜・利用人数無制限)
無料トライアル:あり
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