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稟議書の書き方完全ガイド!一発で承認されるコツと例文・テンプレート

「上司から稟議を上げといてと言われたけれど、稟議書を一度も書いたことがない」
「件名や目的、金額といった項目を、どう埋めれば通るのかわからない」
「何度も差し戻されず、一回で承認してもらいたい」
稟議書作成を任され、こうした不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
稟議書は、備品購入・新規契約・システム導入・採用など、自分の権限だけでは進められない案件について、社内の承認を得るための文書です。
ただ項目を埋めるだけでは、金額の根拠や導入効果が不足し、差し戻されることもあります。
そこで本記事では、稟議書に必要な項目と書き方、目的別の例文・テンプレート、承認されやすくするコツ、差し戻しを防ぐチェックポイントまで解説します。
はじめて稟議書を書く方でも、自社の案件に合わせて書き進められる内容です。
稟議書とは?書き方の前に押さえる基礎知識

稟議書とは、自分の権限だけでは決められない案件について、社内の関係者に回覧し、承認や決裁を得るための文書です。会議を開かずに関係者の確認を進められるため、意思決定の過程を残しながら承認を得られます。
書き方に入る前に、まずは次の3点を押さえておきましょう。
決裁書・起案書・申請書との違い
稟議の流れ(起案から決裁まで)
稟議書が必要になるケース
基礎を理解しておくと、自分の案件に稟議書が必要か、どの項目を重点的に書くべきかが判断しやすくなります。
決裁書・起案書・申請書との違い
稟議書と混同しやすい言葉に、決裁書・起案書・申請書があります。
用語 | 意味 |
稟議書 | 複数の関係者に回覧し、承認や決裁を得る文書 |
起案書 | 案件の原案や提案内容をまとめた文書。社内では稟議書と近い意味で使われることもある |
決裁書 | 最終的な承認の判断を記録する文書 |
申請書 | 休暇・経費・備品利用など、日常業務で許可を得るための手続きを行うための書類 |
なお、稟議書と混同しやすい書類に「企画書」もあります。企画書は新しい施策やアイデアを提案して合意を得るための文書で、案件の承認を得る稟議書とは目的が異なります。
両者の違いや企画書の具体的な書き方は、以下の記事で詳しく解説しています。
▼関連記事: 企画書の書き方を初心者向けに解説|決裁者の心を掴む構成とテンプレート
稟議の流れ(起案→回覧→承認→決裁)
稟議書は、提出して終わりではなく、上司や関係部署、決裁者の確認を経て承認されます。どのような流れで承認されるのかを知っておくと、誰が読んでも判断しやすい稟議書を作成しやすくなります。
一般的な流れは次の4ステップです。
起案:担当者が稟議書を作成し、提出する
回覧:一般的には、直属の上司から順に承認ルートへ回す
承認:各承認者が内容を確認し、承認していく
決裁:決定権を持つ決裁者が最終的な判断を下す
途中で内容に不備があると、この流れの途中で差し戻され、起案者に戻ってきます。直属の上司だけでなく、部長や役員など現場の事情を詳しく知らない人が確認するケースもあります。
稟議書が必要になるケース
稟議書は、費用が発生する案件、契約・採用・システム導入など個人の判断だけでは進められない案件で必要になります。
代表的なケースを挙げると、対象範囲がイメージしやすくなります。
備品やパソコンなど物品の購入
新規取引先との契約や業務委託
システム・ITツールの導入
人材の採用や人員の増員
出張、備品の修理、接待・会食
どの金額から稟議が必要になるかは、社内の稟議規程で定められています。例えば「10万円以上の支出は稟議書が必要」というように、金額の基準は会社ごとに異なります。
稟議書の書き方|7つの必須項目

稟議書の書き方で最初に押さえたいのが、記載する項目です。様式は会社によって異なりますが、書くべき内容は共通しています。
次の7項目を押さえれば、稟議書に必要な情報を整理できるので、チェックしてみてください。
件名・起案者・起案日などの基本情報
目的・背景・理由
金額・コスト
期待できる効果・メリット
想定リスクと対策
添付資料
承認者欄・押印欄
1. 件名・起案者・起案日などの基本情報
件名は、一目で内容が伝わるように具体的に書きます。「〇〇購入の件」「〇〇業務委託契約の締結について」のように、何についての稟議かが件名だけで判断できる状態が理想です。
確認者の後回しや確認漏れを防ぐためにも、件名は具体的に書きましょう。
起案者と起案日も忘れずに記載します。どの部署の誰がいつ作成したかを明確にしておくと、内容について質問が出たときに、すぐ担当者へ連絡が取れます。
2. 目的・背景・理由
目的・背景・理由は、稟議書の中身を支える中心の項目です。「何を実現したいのか」「なぜ今それが必要なのか」を、承認者が納得できる形で書きます。
ここで意識したいのは、決裁者が現場の事情を知らない前提で書くことです。直属の上司ほど身近でない決裁者は、現在の業務内容を把握していないことがほとんどです。
「知っているはず」という前提で書くと、説明不足と受け取られ、差し戻される原因になります。
例えば「市場調査の結果、新製品への需要が高いと判明したため」のように、背景や経緯まで添えると説得力が増します。
3. 金額・コスト
金額・コストは、承認者にとって重要な判断材料です。あらかじめ見積書を取り、できる限り正確な金額を記載します。
費用は、初期費用と継続してかかる費用を分けて書くと、決裁者が総額を把握しやすくなります。月額や年額で発生する費用は、年間でいくらになるかも添えておくと親切です。
予算内で実行できる場合は、予算残高や費用の内訳を示すと判断しやすくなります。予算外の場合は、追加予算が必要な理由も明記しましょう。
4. 期待できる効果・メリット
効果やメリットは、できる限り数値で示します。「業務が効率化する」という抽象的な表現より、「1週間あたり8時間の業務削減になる」と書いたほうが、効果をイメージしてもらえるためです。
どれだけの効果があるかを定量的に示すと、承認者は他の案件と比較・判断しやすくなります。結果として、承認者が判断しやすい稟議書になります。
数値の根拠となるデータがあれば、添付資料として添えておくと、さらに説得力が高まります。
5. 想定リスクと対策
メリットだけを並べると、承認者に「冷静な判断に基づいていない」という印象を与えかねません。想定されるリスクと対策をセットで書きましょう。
リスクを正直に示したうえで、それでも実施したい理由を添えると、客観的に検討した稟議書だと評価されます。リスクを隠すより、先回りして対策を提示するほうが信頼されるでしょう。
例えば導入後の運用負担が懸念される場合は、誰がどう運用するかまで書いておくと、承認者の不安を解消できます。
6. 添付資料(見積書・比較表など)
添付資料は、稟議書本体の判断を補足する役割を持ちます。見積書・契約書・比較表・カタログなど、決裁者の判断を助ける資料を添付します。
稟議書本体は要点を簡潔にまとめ、詳細は添付資料に任せると、読みやすい稟議書になります。本文に情報を詰め込みすぎず、役割を分けるのがポイントです。
また、複数の選択肢を比較した場合は、比較表を添えると、なぜその案を選んだのかが一目で伝わります。
7. 承認者欄・押印欄
承認者欄・押印欄は、誰が承認したかを記録する項目です。承認ルートに沿って、直属の上司から順に、承認ルートに沿って並べます。
会社指定の様式がある場合は、フォーマットに従います。独自に作成する場合は、「承認」「保留」「差し戻し」などの判断欄を設けると便利です。
また、稟議書の末尾には、承認をお願いする一文を添えます。「ご承認のほど、よろしくお願いいたします」「ご検討のうえ、ご決裁いただきますようお願い申し上げます」といった締めの言葉が一般的です。
【目的別】そのまま使える稟議書の例文とテンプレート

必須項目を理解したら、次は自分の案件に当てはめた例文を見ていきましょう。目的によって書くべき内容が少しずつ変わるため、近いケースを参考にすると書きやすくなります。
本記事で紹介する例文は次の通りです。
物品・備品購入の稟議書
新規取引・契約の稟議書
システム・IT導入の稟議書
人材採用・人員増員の稟議書
出張・修理・接待などその他の稟議書
物品・備品購入の稟議書(例文)
物品購入は、稟議書のなかで最も多いケースです。パソコンや備品の購入では、購入品名・費用・必要な理由を明確にします。
決裁者が判断しやすいのは、「なぜ今の備品ではだめなのか」と「購入による具体的な効果」がセットで書かれている稟議書です。既存品の不具合や老朽化を数字で示し、購入後にどう改善されるかまで書きましょう。
以下に、ノートパソコン購入を想定したテンプレートを提示しますので参考にしてください。
件名: 営業部ノートパソコン8台購入の件
起案日: 2026年6月27日
起案者: 営業部 第一課 山田太郎
起案部署: 営業部
1. 目的・背景
現在、営業部で使用しているノートパソコン(2020年導入・計8台)は、購入から6年が経過し、起動に平均5分以上かかる状態です。外出先でのプレゼンや見積作成に支障が出ており、商談中にフリーズが発生するケースも月に3〜4回報告されています。
業務効率の低下を解消し、営業活動の生産性を回復するため、ノートパソコンの買い替えを提案いたします。
2. 購入内容
項目 | 内容 |
品名 | ○○社製 ノートパソコン △△(型番:ABC-123) |
数量 | 8台 |
単価 | 120,000円(税込) |
合計金額 | 960,000円(税込) |
購入先 | 株式会社○○(既存取引先) |
納品希望日 | 2026年8月1日 |
3. 期待できる効果
起動時間が平均5分→約30秒に短縮され、1人あたり1日10分、月間で約27時間の業務時間を削減できる
フリーズによる商談中断がなくなり、顧客対応の品質が向上する
バッテリー持続時間が約12時間に延び、外出先での電源確保が不要になる
4. 想定リスクと対策
データ移行に伴う業務停止リスク → IT部門と連携し、週末に段階的に移行する計画を策定済み
操作方法の変更に伴う混乱 → 初回セットアップ時にIT部門が個別サポートを実施する
5. 添付資料
見積書(株式会社○○ 発行)
現行パソコンの不具合報告一覧
他社製品との比較表(3社)
6. 決裁区分
□ 承認 □ 条件付き承認 □ 保留 □ 差し戻し
ご承認のほど、よろしくお願いいたします。
新規取引・契約の稟議書(例文)
新規取引や業務委託、リース契約の稟議書では、取引先の情報と契約内容を具体的に記載します。決裁者が取引先を知らない前提で、信頼できる相手かどうかが伝わるように書きます。
取引先の企業規模や実績、契約条件を一覧で示すと、決裁者は「この取引先と契約して問題ないか」を短時間で確認できます。
件名: 株式会社△△とのWebサイト運用保守業務委託契約締結の件
起案日: 2026年6月27日
起案者: マーケティング部 佐藤花子
起案部署: マーケティング部
1. 目的・背景
自社コーポレートサイトの運用保守を、現在は社内のマーケティング部で対応しています。しかし、サイトの規模拡大に伴い、セキュリティ対応やCMS更新などの技術的な業務が増加し、本来のマーケティング施策に充てる時間が月あたり約20時間減少しています。
専門性の高い運用保守業務を外部に委託し、社内リソースをマーケティング施策に集中させるため、業務委託契約の締結を提案いたします。
2. 取引先情報
項目 | 内容 |
会社名 | 株式会社△△ |
所在地 | 東京都渋谷区○○ 1-2-3 |
設立 | 2015年4月 |
資本金 | 5,000万円 |
従業員数 | 85名 |
主な実績 | 上場企業を含む50社以上のWebサイト運用実績あり |
選定理由 | 3社比較の結果、対応範囲・費用・実績のバランスが最も優れていたため |
3. 契約内容
項目 | 内容 |
業務内容 | Webサイトの運用保守(セキュリティ対応・CMS更新・コンテンツ修正) |
契約期間 | 2026年8月1日〜2027年7月31日(1年間・自動更新) |
月額費用 | 250,000円(税別) |
年間費用 | 3,000,000円(税別) |
支払条件 | 月末締め翌月末払い |
解約条件 | 3ヶ月前の書面通知により解約可能 |
4. 期待できる効果
マーケティング部の技術業務を月20時間削減し、施策立案に集中できる
セキュリティ対応の専門性が向上し、サイト改ざんや情報漏えいのリスクを低減できる
夜間・休日のサーバー障害にも委託先が対応するため、社員の負担が軽減される
5. 想定リスクと対策
委託先への依存リスク → 運用マニュアルを共同で作成し、社内にも手順を残す
品質が期待を下回る可能性 → 初回3ヶ月はトライアル期間とし、KPIを設定して評価する
6. 添付資料
見積書(株式会社△△ 発行)
委託先3社の比較表
契約書案
取引先の会社概要資料
7. 決裁区分
□ 承認 □ 条件付き承認 □ 保留 □ 差し戻し
ご検討のうえ、ご決裁いただきますようお願い申し上げます。
新規取引先との契約では、「なぜこの会社を選んだのか」を比較の結果として示すことが重要です。3社以上を比較し、選定理由を明記すると、決裁者は「他に良い選択肢がなかったか」という疑問を持たずに済みます。
システム・ITツール導入の稟議書(例文)
システムやITツールの導入は、費用が高額になりやすく、決裁者が導入の意義を厳しく確認します。初期費用とランニングコストを分けて記載し、導入効果を定量的に示しましょう。
IT製品の稟議書で差し戻される原因の多くは、「技術的な説明に偏り、経営上のメリットが見えない」ことです。
スペックや機能をそのまま並べるのではなく、「導入によって年間いくらのコストが削減されるか」「何時間の業務が自動化されるか」など、経営上の数字に置き換えて伝えましょう。
件名: 経理部向け請求書処理システム「○○クラウド」導入の件
起案日: 2026年6月27日
起案者: 経理部 鈴木一郎
起案部署: 経理部
1. 目的・背景
現在、請求書の受領から支払処理までを手作業で行っており、毎月の処理件数は約300件です。1件あたり平均15分を要し、月間で約75時間を請求書処理に費やしています。入力ミスによる差し戻しが月に5〜8件発生しており、月末の残業時間も平均20時間に達しています。
請求書処理システムを導入し、受領・照合・仕訳の自動化によって業務時間を削減するとともに、処理精度の向上を図ることを提案いたします。
2. 導入内容
項目 | 内容 |
システム名 | ○○クラウド(株式会社□□ 提供) |
初期費用 | 500,000円(導入支援・初期設定含む) |
月額費用 | 80,000円(税別)× 12ヶ月 = 年間960,000円 |
年間総コスト | 初年度 1,460,000円 / 2年目以降 960,000円 |
利用人数 | 経理部5名 |
導入スケジュール | 契約後1ヶ月で初期設定、2ヶ月目にテスト運用、3ヶ月目から本番稼働 |
3. 期待できる効果
請求書処理時間を月75時間→月15時間に短縮(約80%削減)
入力ミスによる差し戻しがほぼゼロになり、月末の残業時間を平均20時間→5時間に削減
削減される60時間分の人件費は年間約180万円に相当し、初年度で投資回収が見込める
電子帳簿保存法への対応が完了し、法改正リスクを解消できる
4. 他社製品との比較
比較項目 | ○○クラウド(採用案) | △△システム | □□ツール |
月額費用 | 80,000円 | 120,000円 | 50,000円 |
AI-OCR精度 | 99.2% | 98.5% | 96.0% |
会計ソフト連携 | ○(自社利用の△△会計と連携済み) | ○ | × |
サポート体制 | 専任担当制 | メール対応のみ | チャット対応 |
選定理由 | 精度・連携・サポートの総合評価が最も高い | — | — |
5. 想定リスクと対策
導入直後の業務混乱 → テスト運用期間を1ヶ月設け、旧フローと並行稼働する
システム障害時の業務停止 → ベンダーのSLA(稼働率99.9%保証)を契約書に明記する
社員の操作習熟 → ベンダーによる操作研修を2回実施する(導入時・本番稼働後)
6. 添付資料
見積書(株式会社□□ 発行)
他社製品との比較表(3社)
導入スケジュール表
○○クラウドのサービス概要資料
7. 決裁区分
□ 承認 □ 条件付き承認 □ 保留 □ 差し戻し
ご承認のほど、よろしくお願いいたします。
システム導入の稟議書では、他社製品との比較表を添えることで「なぜこの製品なのか」を示せます。費用だけでなく、精度・連携・サポートなど複数の軸で比較し、総合的な判断であることを伝えましょう。
初年度の投資回収が可能かどうかは、決裁者が最も気にするポイントです。削減できる工数を人件費に換算し、投資額と並べて示すと、判断材料がそろいます。
人材採用・人員増員の稟議書(例文)
採用や人員増員、正社員登用の稟議書では、なぜ人手が必要かを業務量の観点から説明します。増員によって何が解決するかを具体的に示すのがポイントです。
「人が足りない」という感覚的な訴えでは、決裁者は判断できません。現在の業務量と人員のギャップを数字で示し、増員しない場合に生じるリスクまで書くと、説得力が増します。
件名: カスタマーサポート部 中途社員1名の採用の件
起案日: 2026年6月27日
起案者: カスタマーサポート部 部長 田中裕子
起案部署: カスタマーサポート部
1. 目的・背景
カスタマーサポート部では、現在4名体制で顧客対応を行っています。直近6ヶ月の問い合わせ件数は月平均450件に増加しており(前年同期比130%)、1人あたりの対応件数は月112件に達しています。
対応の遅延により、初回回答までの平均時間が24時間から36時間に延びており、顧客満足度調査でも前年比マイナス8ポイントとなっています。サービス品質を維持し、顧客離れを防ぐため、中途社員1名の増員を提案いたします。
2. 採用内容
項目 | 内容 |
採用区分 | 中途採用(正社員) |
募集人数 | 1名 |
配属先 | カスタマーサポート部 |
求める経験 | カスタマーサポートまたはコールセンター経験2年以上 |
想定年収 | 400万〜450万円 |
採用予算 | 採用費 約80万円(人材紹介手数料) |
入社希望時期 | 2026年9月1日 |
3. 期待できる効果
1人あたりの月間対応件数が112件→90件に適正化され、対応品質が安定する
初回回答までの平均時間を36時間→24時間以内に戻し、顧客満足度の回復を見込める
既存メンバーの月間残業時間が平均25時間→15時間に減少し、離職リスクが低減する
4. 増員しない場合のリスク
対応遅延がさらに拡大し、解約率が上昇する(現在の解約率:月1.2% → 放置すれば1.8%以上に悪化する見込み)
既存メンバーの過重負担により、今後6ヶ月以内に退職者が出る可能性がある(直近の1on1で2名が負担増を訴えている)
5. 選考方法
ステップ | 内容 | 担当 |
書類選考 | 履歴書・職務経歴書の確認 | 部長 |
一次面接 | 実務経験・スキルの確認 | 部長+課長 |
二次面接 | カルチャーフィット・条件のすり合わせ | 人事部+部長 |
6. 添付資料
月間問い合わせ件数の推移表(過去12ヶ月)
顧客満足度調査の結果
採用コストの見積り(人材紹介会社の手数料)
7. 決裁区分
□ 承認 □ 条件付き承認 □ 保留 □ 差し戻し
ご検討のうえ、ご決裁いただきますようお願い申し上げます。
採用の稟議書で効果的なのは、「増員しない場合のリスク」をあわせて示すことです。増員の効果だけを並べるより、「このまま放置するとどうなるか」を数字で見せると、決裁者は判断を先送りしにくくなります。
出張・修理・接待などその他の稟議書(例文)
出張・修理・接待は、それぞれ目的が異なりますが、共通するのは「なぜこの費用が必要か」を端的に示す点です。
ここでは、出張の稟議書テンプレートを紹介します。修理や接待の場合も、目的・費用・期待効果の構成は同じです。
件名: 大阪支社での新規顧客向け提案活動に伴う出張の件
起案日: 2026年6月27日
起案者: 営業部 第二課 高橋健一
起案部署: 営業部
1. 目的・背景
大阪支社の管轄エリアで新規顧客3社との商談が確定しており、対面でのプレゼンテーションと現地ヒアリングが必要です。3社の訪問を1回の出張にまとめることで、交通費と宿泊費を最小限に抑えます。
2. 出張内容
項目 | 内容 |
出張先 | 大阪府大阪市(大阪支社および顧客3社) |
出張期間 | 2026年7月14日(月)〜7月16日(水) 2泊3日 |
出張者 | 営業部 高橋健一、営業部 中村美咲(計2名) |
訪問予定先 | 株式会社A(7/14午後)、株式会社B(7/15午前)、株式会社C(7/15午後) |
7/16の予定 | 大阪支社にて報告・振り返りミーティング |
3. 費用概算
費目 | 金額(1人あたり) | 合計(2名分) |
交通費(新幹線往復) | 28,000円 | 56,000円 |
宿泊費(2泊) | 20,000円 | 40,000円 |
日当(3日分) | 7,500円 | 15,000円 |
合計 | 55,500円 | 111,000円 |
4. 期待できる効果
3社への対面提案により、合計年間売上約1,200万円の受注見込みがある
オンラインでは難しい現場の課題ヒアリングを実施し、提案精度を高められる
大阪支社との情報共有により、今後のエリア連携が強化される
5. 添付資料
訪問先3社の概要と商談進捗表
出張行程表
6. 決裁区分
□ 承認 □ 条件付き承認 □ 保留 □ 差し戻し
ご承認のほど、よろしくお願いいたします。
出張の稟議書では、複数の訪問先を1回の出張にまとめていることを示すと、費用を抑える意識が伝わります。
接待の場合は、接待の目的と相手先の役職、期待できるビジネス上の成果を記載してください。修理の場合は、修理費用と新規購入費用を比較し、修理が合理的である根拠を添えると承認されやすくなります。
承認される稟議書の書き方6つのコツ
必須項目を埋めるだけでは、稟議が一回で通るとは限りません。承認される稟議書には、決裁者の判断を後押しする書き方のコツがあります。
押さえておきたいコツは次の6つです。
結論を先に書き、簡潔にまとめる
課題→提案→効果を論理的につなげる
効果は数値で、リスクは対策とセットで示す
決裁者目線で組織のメリットを前面に出す
事前の根回しで決裁者の懸念を先回りする
提出前にNG表現がないかチェックする
一つずつ解説します。
1. 結論を先に書き、簡潔にまとめる
決裁者は多くの書類を限られた時間で確認するため、最初の数行で判断する傾向があります。何を承認してほしいのかを、冒頭で明確に示しましょう。
承認を得たい一心で詳しく書きたくなりますが、情報が多すぎると承認者の確認負担が増え、かえって承認が遅れます。
また、必要に応じて箇条書きを使うと、承認者が内容を理解しやすくなります。
2. 課題→提案→効果を論理的につなげる
稟議書では、「現状の課題」「提案内容」「期待できる効果」を順番につなげて説明することが大切です。
例えば、いきなり「このツールを導入したい」と書いても、決裁者はなぜ必要なのかを判断できません。「現在どのような課題があるのか」「その課題を解決するために何を導入・実施したいのか」「実施するとどのような効果が見込めるのか」をセットで伝える必要があります。
以下のように、課題から効果までを一つの流れで示すと、承認者が判断しやすくなります。
請求書処理に月15時間かかっているため、作業を自動化できるツールを導入したい。導入後は月10時間程度の削減が見込める |
説明が不足しそうな場合は、5W2H(いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どのように・いくらで)を意識して、必要な情報が抜けていないか確認しましょう。
3. 効果は数値で、リスクは対策とセットで示す
効果を伝えるときは、主観ではなく具体的な数値を使います。「コストを削減できる」より「年間の人件費を500万円削減できる」と書いたほうが、説得力が生まれます。
また、決裁者が特に気にするのが、投資した費用をどれくらいの期間で回収できるかです。導入効果と回収の見込みをあわせて示すと、判断材料がそろいます。
あわせてリスクと対策をセットで提示すると、承認者が懸念点を確認しやすくなり、実施可否を判断しやすくなります。
4. 決裁者目線で「組織のメリット」を前面に出す
稟議書は、自分や一部署の都合ではなく、組織にとっての利益を前面に出すと通りやすくなります。
この点は、デジタル情報メディア ASCII(アスキー)のYouTubeチャンネルでも強調されています。
例えばパソコン導入の稟議では、スペックや機能を並べるだけでは承認されにくい場合があります。処理速度の低下による作業時間の増加や、故障リスクなどを示し、導入によってどのような経営上のメリットがあるのかまで伝えることが大切です。
引用:YouTube「アスキー「上司の気持ちをつかめ!稟議書の書き方講座」」
決裁者は現場の細かい事情を把握していないことが多いため、その案件が会社にどう貢献するかを、誰が読んでもわかるレベルで説明してください。
5. 事前の根回しで決裁者の懸念を先回りする
稟議書は提出して終わりではなく、提出前の準備が承認率を左右します。承認ルート上の決裁者に、事前に概要を伝えておく根回しが有効です。
新しい案件ほど、いきなり書類で提示すると警戒されやすいものです。事前に立ち話レベルで要件を共有し、懸念点を引き出しておくと、ヒアリングした内容を稟議書本文に反映できます。
6. 提出前にNG表現がないかチェックする
誤字脱字や情報の誤りは、それだけで差し戻しや修正の原因になります。決裁者は細部まで確認するため、提出前のチェックを欠かさないようにしましょう。
確認したいポイントは次の通りです。
誤字脱字がないか
金額や日付に誤りがないか
主観的な表現になっていないか
専門用語に注釈をつけているか
WordやGoogleドキュメントの校正機能、文章校正ツールなどを使うと、誤字脱字や表記ゆれを見つけやすくなります。
ただし、金額・日付・見積書との整合性までは自動で判断しにくいため、最後は必ず目視で確認しましょう。声に出して読み返すと、不自然な表現にも気づきやすくなります。
稟議書が差し戻される理由とNG例・OK例
ここでは、稟議書が差し戻される理由やNG例・OK例を解説します。
実例を見ながら、稟議書作成にお役立てください。
差し戻される主な4つの理由
稟議書が差し戻される理由は、大きく4つに分けられます。自分の書類が当てはまっていないか確認しましょう。
差し戻しの理由 | 内容 | 解決策 |
判断材料の不足 | 承認に必要な情報が足りず、決裁者が判断できない | 目的・背景・金額・効果・実施時期・担当者を明記する |
根拠の不足 | 数字やデータがなく、主張に説得力がない | 見積書・比較表・過去実績・削減見込みなどを添える |
承認基準とのズレ | 社内の予算ルールや稟議規程に沿っていない | 事前に稟議規程や承認ルート、金額基準を確認する |
書式の不統一 | フォーマットがバラバラで、内容を理解しづらい | 自社指定のテンプレートを使い、項目名や記載順をそろえる |
【Before/After】よくある差し戻し例と改善例
差し戻される稟議書には、共通した特徴があります。
以下で、差し戻される稟議書の例と承認される例を紹介します。
【Before(差し戻される例)】
件名: 新システム導入の件 目的・背景: 業務を効率化するため、新しいシステムを導入したいと考えています。現在の業務フローには課題が多く、システム化することで改善が見込めます。導入すれば業務がスムーズになり、社員の負担も軽減されると思います。ご承認をお願いいたします。 |
差し戻しの理由:
「どの業務」を「どう効率化」するのかが書かれておらず、決裁者は何を判断すればよいかわかりません。「課題が多く」「スムーズになり」といった表現も抽象的で、具体的な根拠がありません。
【After(承認される例)】
件名: 経理部向け請求書処理システム「○○クラウド」導入の件 目的・背景: 経理部では、請求書の受領から支払処理までを手作業で行っています。毎月の処理件数は約300件で、1件あたり平均15分、月間で約75時間を請求書処理に費やしている状況です。入力ミスによる差し戻しが月に5〜8件発生しており、月末の残業時間も平均20時間に達しています。 請求書処理システム「○○クラウド」を導入し、受領・照合・仕訳を自動化することで、月間の処理時間を75時間から15時間に短縮できる見込みです。 |
改善のポイント:
件名で「何のシステムか」を具体的に示している
現状の課題を件数・時間・ミスの発生回数で定量化している
導入後の効果を数値で比較している(75時間→15時間)
差し戻されたときのリカバリー方法
差し戻されても、慌てる必要はありません。大切なのは、どこが不足しているのかを正確に把握することです。
差し戻した承認者に、何が判断の妨げになったのかを確認しましょう。理由が曖昧なまま再提出すると、同じ箇所でまた差し戻されてしまいます。
差し戻しの理由を確認したら、不足していた情報を補い、指摘された点を修正したうえで、できるだけ早く再提出しましょう。途中で金額や内容が変わった場合は、変更点がわかるように明記しておくと、再確認がスムーズです。
稟議書作成を効率化する方法|電子化とAI活用

稟議書は、作成に時間がかかるだけでなく、承認までの進捗が見えにくい点も課題です。紙やExcelで管理している場合、書類がどこで止まっているのか把握しづらく、確認や差し戻しに時間がかかることもあります。
ここでは、稟議書の作成と承認を効率化する方法として、ワークフローの電子化と生成AIの活用を紹介します。
ワークフローを電子化する
紙やExcelで稟議書を回す場合、承認状況を確認しづらく、紛失や確認漏れが起こることがあります。リモートワーク中に、押印や承認のためだけに出社が必要になるケースもあるでしょう。
ワークフローシステムを導入すると、申請から承認までをオンラインで完結できます。承認状況も画面上で確認できるため、誰の確認待ちなのかがわかりやすくなります。
稟議書の回覧や承認に時間がかかっている場合は、紙やExcelでの運用を見直し、電子化を検討するのも一つの方法です。
ワークフローの電子化をはじめとする業務フローの見直しや、効率的な改善アイデアについて知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
▼関連記事: 業務プロセス改善とは?効率的な進め方や施策のアイデア・ポイントについて詳しく解説!
生成AIで稟議書のたたき台を作る
稟議書の下書き作成には、生成AIも活用できます。目的・背景・金額・期待できる効果などを入力すれば、稟議書のたたき台を短時間で作成できます。
実際に、宮崎銀行は日本IBMと共同で、融資の稟議書を生成AIで作成するアプリを導入しました。その結果、作業時間を95%削減しています。
出典:日本アイ・ビー・エム株式会社「宮崎銀行と日本IBM、融資業務における生成AIの活用を開始(2024年6月13日)」
生成AIを使う場合は、いきなり「稟議書を書いて」と依頼するのではなく、承認者が判断するための情報を整理してから入力しましょう。最低限、目的・背景・金額・期待できる効果・想定リスクを伝えると、実務で使いやすいたたき台を作りやすくなります。
例えば、次のように依頼します。
【稟議書作成プロンプト(コピーして使えます)】
あなたは社内稟議書の作成を支援するアシスタントです。 以下の情報をもとに、稟議書のたたき台を作成してください。 【入力情報】 ・件名:(例:経理部向け請求書処理システム導入の件) ・起案部署・起案者:(例:経理部 鈴木一郎) ・目的・背景:(現状の課題を具体的に。数字があれば含めてください) ・希望する解決策:(導入したいツール・サービス・購入したい物品など) ・金額:(見積額、初期費用・月額費用がわかれば記載) ・期待できる効果:(数値で示せる効果があれば含めてください) ・想定リスク:(思いつくリスクがあれば記載。なければ「なし」でOK) ・添付予定の資料:(見積書・比較表などがあれば記載) 【出力形式】 以下の構成で稟議書を出力してください。 1. 件名 2. 起案日・起案者・起案部署 3. 目的・背景(3〜5文) 4. 内容(表形式で整理) 5. 期待できる効果(箇条書き・数値を含める) 6. 想定リスクと対策(リスクと対策をセットで記載) 7. 添付資料の一覧 8. 決裁区分欄 9. 締めの一文(「ご承認のほど、よろしくお願いいたします。」) 【注意事項】 ・結論(何を承認してほしいか)を冒頭に明記してください ・効果は具体的な数値で示してください ・想定リスクには必ず対策をセットで書いてください ・一文は60字以内を目安にしてください |
生成された文章は、そのまま提出せず、自社の様式や稟議規程に合わせて修正しましょう。特に、金額・日付・見積書の内容・承認ルートは、AIだけで判断しにくい部分です。提出前に必ず目視で確認してください。
AIを使った効率的な文章の作成方法や、意図通りのテキストを出力させるプロンプトのコツについてさらに知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
▼関連記事: AIで文章作成する方法を完全解説| 要約・構成・リライトを失敗なく進める方法
過去の稟議書を学習させたAIエージェント「ナレッジAIエージェント」で効率化しよう!

稟議書の基本項目や書き方を理解しても、実際に書こうとすると「自社の書き方に合っているか不安」と感じることがあります。
例えば、次のような悩みです。
項目の埋め方はわかっても、自社の書き方に合っているか自信がない
過去の稟議書を見せてもらっても、自分の案件にどう当てはめればいいかわからない
一般的なAIに頼ると、自社の基準に合わない汎用的な文章しか出てこない
このような場合に参考になるのが、過去に承認された自社の稟議書です。承認された稟議書には、必要な情報の粒度や、決裁者が重視する観点が反映されています。
ただし、過去の稟議書を一件ずつ探し、自分の案件に近いものを見つけて書き方をまねるのは手間がかかります。そのため、過去の稟議書を単に保管しておくだけでなく、必要なときに探し出し、自分の案件に合わせて活用できる仕組みがあると便利です。
RimoのナレッジAIエージェントは、社内資料や過去の稟議書、マニュアルをアップロードすることで、自社の情報をもとに回答できるAIエージェントを作成できるサービスです。
例えば、「過去に承認された設備投資の稟議を参考に、今回のパソコン購入稟議のたたき台を作って」と相談すれば、自社の様式や過去の書き方を踏まえた下書き作成を支援できます。
一般的なテンプレートだけでは自社のルールに合わせにくい場合でも、過去の稟議書や社内ルールを活用すれば、より実務に合った稟議書を作成しやすくなります。
ナレッジAIエージェントは、情報セキュリティの国際規格であるISO27001とISO27017を取得しており、入力データがAIの学習に使われることもありません。社外秘の予算や契約情報を扱う稟議書でも、安心して活用しやすい環境が整っています。
稟議書の書き方に関するよくある質問

ここでは、稟議書に関する質問と回答を紹介します。
提出のタイミングはいつが最適ですか?
稟議書は、案件の実行に間に合うよう、余裕を持って提出します。承認完了までに1日以上かかるケースが多いためです。
特に金額が大きい案件は、決裁者が慎重に検討するため、想定より日数がかかります。実行希望日から逆算し、数日から1週間程度の余裕を見て提出しましょう。
出典:弁護士ドットコム株式会社「社内稟議の実態調査(2025年1月)」
事後申請(事後報告)になった場合はどうすればいいですか?
緊急の対応で、先に支出や契約を進めてしまうケースもあります。その場合は、事後申請として、なぜ事前に稟議を上げられなかったのかを正直に説明します。
また、事後になった経緯と、緊急性の根拠を明確に書きましょう。理由が曖昧だと、手続きを軽視したと受け取られかねません。
途中で金額や内容が変わったらどうしますか?
承認の途中や承認後に、金額や内容が変わることもあります。その場合は、変更内容を反映した稟議書を改めて提出するのが基本です。
すでに承認を得ていても、当初の内容から大きく変わるなら再申請が必要です。変更点がどこかを明記しておくと、承認者が差分を確認しやすくなります。
まとめ|承認される稟議書を書こう

稟議書を書くときは、件名・目的・金額・効果・リスク・添付資料・承認者欄など、必要な項目を漏れなく整理することが大切です。
ただ項目を埋めるだけでなく、結論を先に示し、導入の背景や期待できる効果を具体的に書くことで、決裁者が判断しやすい稟議書になります。
効果はできる限り数値で示し、想定されるリスクには対策を添えておきましょう。
また、差し戻しを防ぐには、情報不足や根拠不足をなくし、社内の稟議規程や承認ルートに沿って作成することも重要です。目的別の例文やテンプレートを参考にすれば、はじめて稟議書を書く場合でも、作成を進めやすくなります。
とはいえ、自社の様式や過去の承認事例に合わせて稟議書を仕上げるには、時間がかかることもあります。過去の稟議書や社内ルールを活用できるRimoのナレッジAIエージェントを使えば、自社の書き方に沿ったたたき台を作成しやすくなります。
稟議書作成にかかる手間を減らしながら、承認者が判断しやすい文書を作りたい方は、ナレッジAIエージェントの活用も検討してみてください。
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