近年「生成AI」に注目が集まっていますが、そのきっかけの一つとなったのがOpenAI社の「ChatGPT」です。
ChatGPTは、今までのAIチャットボット以上に自然なコミュニケーションを取ることができ、文章生成・要約・表作成・プログラムコード作成等、チャットで指示をするだけで様々なタスクをすぐに実行できることから、利便性の高さに注目が集まりました。
また、2024年5月13日(現地時間)には、「GPT-4o」が公開され、無料版でも高性能なバージョンが利用できるようになったことで、今後更なる注目が期待されます。
そこで今回は、ChatGPTの魅力や特徴を詳しく紹介するとともに、基本的な使い方から発展的なビジネスでの活用方法・事例についてお伝えします。
まだChatGPTにほとんど触れたことがない初心者の方も、実践的な内容を知りたい上級者の方も、ぜひ最後までご覧ください。
ChatGPTを上手に活用することで、業務の効率化などに活かしていきましょう。
1. ChatGPTとは?
ChatGPTとは、Generative Pre-trained Transformer (GPT) と呼ばれる言語モデルを使用して開発されたAIチャットボットプラットフォームです。
メッセージアプリに似たインターフェースで、ユーザーが入力した質問や話題に対して、的確で詳細な回答を返してくれます。
膨大なインターネット情報や書籍等を学習し、幅広い知識を持っているため、追加学習をさせなくてもさまざまな分野で専門性の高い回答ができるのが特徴です。
1-1. ChatGPTが注目を集めている理由
ChatGPTは世間でかなり注目を集めていますが、その理由はいったいなんなのでしょうか?
ChatGPTの持つ魅力は、大きく分けて2つあります。
第一に、ChatGPTは人間とのコミュニケーションにおいて、驚くほど自然な対話を実現します。
まるで本物の人間が返事を書いているかのように、私たちの言葉や意図を理解し、状況に応じた最適な言葉で返答してくれるのです。
例えば、「取引先へのメールの書き方で悩んでいます」と相談すれば、的確なアドバイスをくれることでしょう。
実際に以下のように悩みを添えて質問してみると、メールの書き方について具体的なアドバイスをしてくれました。
例文も提示してくれるので、取引先に送るメールを作成する際に非常に参考になります。
回答が少し意図と異なると感じた場合は、「別のパターンも作成してください」など、追加での依頼も可能です。
二つ目に、ChatGPTは様々な分野に幅広い知識を持った頼れる相談相手でもあります。
例えば、「新規事業の企画書をどのように作成すればよいでしょうか?」と尋ねてみます。すると、以下のように企画書を作成する際のポイントを教えてくれます。
「効果的なプレゼンテーションの方法は?」と質問をしてみると、以下のようにアドバイスを提供してくれます。
より具体的な内容を知りたい場合、追加で質問することもできます。
1-2. ChatGPTの日本語対応について
ChatGPTは米国で開発されたサービスであるため、日本語より英語でチャットをした方が良いという話を聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。
日本語と英語で性能差があることは事実ですが、ChatGPTは日本語でのコミュニケーションにおいても、十分に実用できる能力を発揮します。
2024年4月にChatGPT開発元のOpenAI社から日本法人(OpenAI Japan)設立の発表があり、今後日本語に特化した開発が行われ、ChatGPTの日本語能力が向上していくことが期待できます。
1-3. 有料版と無料版それぞれでできること
ChatGPTには無料版と有料版がありますが、それぞれできることに違いがあります。主な違いを表にまとめました。
機能 | 無料版(Free) | 有料版(Plus) |
---|---|---|
利用可能モデル | GPT-3.5、GPT-4o | GPT-4o、GPT-4、GPT-3.5 |
入力文字数制限 | 約10,000文字 | 約25,000文字 |
回答文字数制限 | 約2,048文字 | 約2万5,000文字 |
回答スピード | 混雑状況により変動 | 優先処理されるため、高速 |
GPTsの検索・利用 | ○ ※ | ○ |
GPTsの作成・共有 | × | ○ |
画像読み込み | ○ ※ | ○ |
画像の作成 | × | ○ |
WEB検索 | ○ ※ | ○ |
URLの読み込み | ○ ※ | ○ |
※2024/5/14から無料版に開放された機能
2024/5/14のアップデートで無料版・有料版の機能差がかなり少なくなりました。
一方で、無料版の場合は高性能モデルGPT-4oの利用回数やGPTsの作成に制限がかかるため、本格的に利用をしたい場合は有料版も検討してみてください。
2. ChatGPTの始め方
以前はアカウント登録が必須だったChatGPTですが、2024年4月現在、ログインしなくてもChatGPTのURLを開くだけで利用開始できるようになりました。
チャット履歴を残し活用しながらやり取りしたい場合や有料版を使いたい場合は、ログインをする必要があります。
ここでは、PCでの始め方とスマホでの始め方をそれぞれ解説します。
2-1. PCでの始め方
まずはChatGPTのURLにアクセスします。
こちらの画面のチャット入力欄に質問を入力し、送信すれば回答が得られます。
過去の質問履歴を保存したい場合や、有料版を利用したい場合は、アカウントの登録とログインが必要です。
アカウントを登録する際は、画面左下の「Sign up」をクリックし、メールアドレスとパスワードを設定してください。
登録が完了するとログインが可能になります。
登録済みのアカウントでログインする場合は「Log in」をクリックし、登録時に設定したメールアドレスとパスワードを入力してください。
ログインが完了したら、ChatGPTへの質問や要求をテキストで入力しましょう。
このように、ChatGPTは入力された内容を解析し、適切な回答を生成します。
通常、回答は数秒以内に表示されます。
会話を続けるには、追加の質問や要求を入力してください。
ログインしている場合、過去のやり取りが保存されるため、それをベースにした会話も可能です。
すでにやり取りの履歴がある場合は、「先ほどの回答について質問があります」と伝えることで、以前のやり取りの内容を改めて入力せずとも、ChatGPTが理解してくれます。
このように以前の回答について聞きたい場合には、追加の質問をすると良いでしょう。
ただし、たくさんのやり取りを重ねると以前の会話内容を忘れてしまう場合もあるので、その際には再度内容を入力する必要があります。
2-2. スマホでの始め方
PCでChatGPTを使うときと同じ様に、ブラウザからアクセスすれば利用できます。
他には、ChatGPTのスマホアプリがリリースされているため、アプリをインストールすることでも利用可能です。
アプリを利用する場合は、まずGoogle PlayもしくはApple Storeで「ChatGPT」と検索しアプリをインストールします。
アプリを起動するとチャット画面が表示され、使える状態になります。
過去の会話履歴を保存しながらChatGPTを使用したい場合や、有料版の機能を利用したい場合は、アカウントにログインしてから利用しましょう。
3. GPT-4oへの切り替え方法
既にChatGPTのアカウントを持っている場合、ログインをすると以下のようにGPT-4oの案内が表示されます。
「今すぐお試しください」をクリックした後、通常通りチャットをすれば、自動でGPT-4oが適用されます。インターネットも適宜参照しながら回答をしてくれます。
今使われているモデルがGPT-4oかどうかを確認したい場合、チャット回答の下のアイコンから見ることができます。
なお、弊社で確かめたところ、Google Workspaceアカウント経由の場合はGPT-4oがアクティブにならないケースがあるようです。その場合は別のアカウントで試してみてください。
4. ChatGPTを活用するコツ・プロンプトテクニック
ChatGPTからより良い回答を引き出すためには、プロンプト(ChatGPTにして欲しいことを依頼するための文章)を工夫する必要があります。
プロンプトを考える上で心がけたいのは、以下の3点です。
4-1. AIが知り得ない前提条件を明確に伝える
4-2. 回答の形式や長さを指定する
4-3. 回答が不十分なら、追加の質問や修正を求める
これらを意識することで、ChatGPTとの対話がスムーズになり、目的に沿った有益な情報を引き出せます。
以下、具体的な例とともに詳細を説明します。
4-1. ChatGPTが知り得ない前提条件を明確に伝える
ChatGPTは膨大なデータを学習していますが、皆さんの置かれた状況や背景を把握することはできません。
そのため、ただタスクの指示をするだけではなく、背景や目的をしっかりと説明することで、より意図に沿った回答が期待できます。
例えば、取引先へのメールを作成する際、「取引先へのメールを書いてください」と漠然と依頼するとイメージとは全く違う回答が返ってくる可能性が高くなります。
そこで、「新製品XXXの発売日が○○日に決定したことを、取引先の担当者に通知するメールを書いてください。
製品の特徴や発売日、今後の販促計画について簡潔に説明し、400字程度でまとめてください」などと具体的に伝えることで、より実用的な回答を得られるでしょう。
なお、詳しくは後述しますが、ChatGPTに個人情報や機密情報をそのまま入力をするのは控え、該当箇所はXXXや仮名にするなどの工夫が大切です。
4-2. 回答の形式や長さを指定する
ChatGPTに求める回答の形式を指定するのも効果的です。
メールの件名と本文の案を3つ提示し、それぞれの特徴を示してください
企画書の構成を表形式で示してください
英語で箇条書きで要約してください
上記のように具体的に伝えることで、より的確な回答が得られます。
4-3. 回答が不十分なら、追加の質問や修正を求める
ChatGPTに質問をした結果、回答が的外れだったり、イメージとはずれた内容だったりする場合があるでしょう。
その場合は追加で質問するようにしましょう。
例えば、「会議の議事録はどのように書きますか?」と聞いた際に、「議事録には、会議の日時、場所、出席者、議題、決定事項を記載します。」といった一般的な答えが返ってきたとします。
これだけだと情報が足りないと感じた場合、「優れた議事録の具体的な書式や文例を示していただけますか?」などと追加質問をすれば、必要な回答をしてもらえます。
これらのポイントを押さえることで、イメージ通りの回答が得られるようになるでしょう。
5. ChatGPTの活用方法
ChatGPTは機能が豊富なので、以下のように様々な場面で活用できます。
企画案ブレスト・企画書の作成
プレゼンテーションの構成作成
ペルソナやサンプルデータの作成
文章の校正
データ分析
ビジネススキルの習得支援
翻訳
要約・議事録の作成
それぞれの例を見ていきましょう。
5-1. 企画案ブレスト・企画書の作成
新商品やサービスの企画が思い浮かばなかったり、事業計画のアイデアが湧いてこなかったりした場合に、ChatGPTが役立つ可能性があります。
例えば、新規事業の企画書を作成している最中にコンセプトの作り方について質問すると、以下のような返答を得られます。
コンセプト作成にあたって考慮すべきことを箇条書きで提示してくれるため、自力で行うよりもスムーズに進められるでしょう。
他の例でいえば、事業計画の作成の際にも、ChatGPTに相談してみる価値は十分にあります。
5年後の売上目標を達成するにあたり、事業拡大のためのアイデアやポイントを尋ねると、以下のような反応が返ってきます。
このように、ChatGPTは事業成長のヒントをいくつも提案してくれます。
文書作成に頭を悩ませている場合も、ChatGPTを使うことで効率化できる場合があります。
会社の企画書から取引先への提案書まで、様々な場面であなたの助けとなるのです。
例えば、以下のように提案書の内容を質問すると、「A4用紙5ページ程度」を前提とした構成案を提示してくれます。
このように、ChatGPTは効果的な提案書の構成案を提示してくれるので、自力で提案書を作成するよりも大幅に時間を短縮できます。
さらに、作成後にChatGPTに完成した提案書の添削を依頼すれば、改善点が明確になり、提案書の完成度をより高めることができるでしょう。
このように、ChatGPTを活用することであなたの文章作成のお悩みを解決できます。
5-2. プレゼンテーションの構成作成
プレゼンテーション資料の作成にもChatGPTは非常に役に立ちます。効果的な資料の構成から、説得力のある表現までのアドバイスが可能です。
例えば、こんな風に質問してみましょう。
すると、ChatGPTはプレゼンテーションの構成案を7項目に分けて教えてくれます。
さらに、各セクションで押さえるべきポイントや、効果的な表現方法のアドバイスも聞き出すことも可能です。
また、自分で作成したプレゼンテーションのアウトラインをChatGPTに送り、改善のためのフィードバックをもらうといった使い方もあります。
5-3. ブログ記事の執筆
ChatGPTはブログ記事の執筆にも便利です。企業のオウンドメディアには、会社の雰囲気を伝えたり採用活動の一環としてブログ記事を掲載している企業も多いため、活用すれば効率化につながるでしょう。
例えば以下のようにターゲットや目的を指定することで、目次や見出しをを自動作成して提示してくれます。
アイデア出しもしてくれるので、ネタに困った時などは非常に心強い相棒になってくれますが、その一方でAIによる推論に基づいた執筆のため、不正確な情報が含まれることがあります。掲載前には必ずファクトチェックを行いましょう。
画像・プロンプト引用元:https://xrcloud.jp/blog/articles/business/13274/(メタバース相談室)
5-4. 文章の校正
普段のビジネスの現場で、「チームメンバーから提出された文章に違和感があるが、どこを指摘すればわからない」「自分で文章を作成したものの、分かりやすくまとまっているか不安だ」といった文章に関するお悩みもあるかと思います。
そんな時には、以下の流れに沿ってChatGPTに相談してみましょう。
【違和感のある文章を校正したい場合】
校正したい文章をChatGPTに貼り付ける
「不自然な日本語を修正してください」「文章を校正してください」などの指示を入れ送信する
改善が必要な場合は指摘し再度送信する
【文章を分かりやすくしたい場合】
校正したい文章をChatGPTに貼り付ける
「分かりにくい箇所をピックアップし、分かりやすくするための代替案を作成してください」などの指示を入れ送信する
改善が必要な場合は指摘し再度送信する
なお、1度の指示ですべての修正ができるとは限らないため、具体的な指示出しを繰り返し行う必要があります。
複数回指示を出すことで、より精度の高い校正を実現できるでしょう。
5-5. ペルソナやサンプルデータの作成
自社商材を販売する具体的なターゲット像であるペルソナの設定や、商談などで顧客に提示するサンプルデータの作成にも、ChatGPTの利用が有効です。
例えば、以下のようにペルソナ設定に関する質問を投げかけると、ペルソナの名前・年齢・職業・趣味など幅広い項目を提案してくれます。
「ペルソナを3パターン設定してください」といった指示し、複数の案を出してもらうことも可能です。
また、自社商材の営業資料などに盛り込むサンプルデータを作成する際にも、ChatGPTを活用することで効率化を図れます。
人間の手で1から作成するとなると時間や手間がかかりますが、ChatGPTを頼れば数秒で上記のようなサンプルデータが完成します。
数量や合計金額の他にも、支払い方法やイートイン・テイクアウトなどの細かな項目を指示することももちろん可能です。
5-6. データ分析
ChatGPTを活用したデータ分析は、ビジネスの現場で大きな力を発揮します。
売上データの傾向を知りたい、顧客の行動パターンを分析したいなど、様々な場面で役立つでしょう。
例えば、小売店の店長が日別の来客数データをChatGPTに入力し、こんな風に質問したとします。
「2023年1月の日別来客数データです。曜日ごとの平均来客数と、前年同月比の増減率を教えてください。また、来客数が特に多かった日や少なかった日について、その理由を考察してもらえますか。」
するとChatGPTは、データを瞬時に集計し、以下のような分析結果を提示してくれます。
月曜から木曜の平均来客数は1,250人、金曜から日曜は1,650人で、週末は平日の1.32倍の来客数だった。
前年同月比では、平均来客数が8.2%増加した。特に土曜日の伸び率が高く、前年比15.3%増となった。
1月5日(木)の来客数が2,120人と突出して多かった。この日は初売りセールを実施しており、セールの効果が大きかったと推測される。
こうした分析結果を手がかりに、店長は来客数を増やすための施策を検討できます。
ChatGPTを賢く活用することで、データに基づく意思決定を速やかに行えるでしょう。
5-7. ビジネススキルの習得支援
ビジネススキルを身につける過程では、壁にぶつかることもあります。独力で学ぶのは大変だと感じる人も多いでしょう。そんな時は、ChatGPTをあなたの頼れる先生だと思ってみてください。
財務諸表の読み方が分からない
マーケティング戦略の立て方が知りたい
プロジェクト管理の手法を学びたい
学習でつまずいた時は、遠慮せずChatGPTに質問しましょう。ChatGPTはあなたの疑問に、分かりやすく答えてくれるはずです。
キャッシュフロー計算書の見方
ガントチャートの作成方法
SWOT分析の進め方
ChatGPTは初心者向けの説明が得意なので、上記のような基礎的な質問でも大丈夫です。
あなたのペースに合わせて丁寧に教えてくれます。
例えば「マーケティング4Pとは何ですか?」と尋ねると、以下のようにレクチャーしてくれます。
もしも回答が難解で分かりにくい場合には、「もっと分かりやすく教えて」や「初心者でも分かるように説明して」などと依頼すれば、より理解しやすい回答にしてくれます。
このように、ビジネススキルの習得においてもChatGPTは心強い味方となってくれます。
専門用語の意味から実務への活用方法まで、幅広く学ぶことができるでしょう。
5-8. 翻訳
海外の取引先とのやり取りで、英語でのコミュニケーションが必要な場面でも、ChatGPTに相談をすれば、単純な翻訳ではなく、各文化圏のルールにあわせた文章を提案してくれます。
例えば、英語圏の取引先にミーティング後の御礼メールを送りたい場合、まず日本語でChatGPTにメール文作成を依頼し、内容に問題なければ「アメリカの取引先にも送りたいので、英語のメール文を作成してください」といった指示を出すことで、英語のメール文を作成してくれます。
Google翻訳で日本語のメール文を翻訳する場合、「よろしくお願いいたします」などの日本語独特の表現が直訳されてしまい、やや不自然な英訳になることがありますが、ChatGPTであれば背景をくみ取った翻訳が可能です。
5-9. 要約・議事録の作成
ビジネスシーンにおける会議の内容を要約したり、議事録を作成したりする際にも、ChatGPTが使えます。具体的には、以下の手順に沿って指示を出せば、会議の要約をスピーディーに出してくれます。
ChatGPTに要約したい文章を貼り付ける
貼り付けた文章の下に「要約してください」「議事録を作成してください」という指示を入れる
改善が必要な場合は指摘し再度送信する
詳しい手順は、以下記事をご覧ください。
■ChatGPTで議事録作成する方法・プロンプト・コツを徹底解説!おすすめのAI議事録ツールも紹介
■ChatGPTで文章を要約するやり方は?精度を上げるコツやおすすめプロンプトも紹介
なお、弊社が提供しているAI文字起こしツールのRimo Voice(リモボイス)を活用すれば、音声・動画の文字起こし~要約・議事録作成の作業まで全て自動化することができます。
こちらから無料トライアルに登録できるので、議事録作成に課題がある方は、ぜひ利用を検討してみてください。
6. 業界別のChatGPT活用事例
ChatGPTは以下のように様々な業界において実用化されています。
不動産
教育
医療
旅行
金融
就職
マーケティング
法律
それぞれの業界での活用事例について詳しく解説します。
6-1. 不動産
不動産業界では、ChatGPTを活用したAIアシスタントが登場しています。
例えば、株式会社RealtyBankが開発した「不動産AIチャット」は、不動産に関する様々な質問に答えられるチャットボットです。
以下のような機能を提供しています。
住宅ローン計算
収益不動産の初期分析
不動産用語の説明
市町村の概要や平均利回り、賃料、土地価格の提示
このようなAIアシスタントを活用することで、不動産業者では業務の効率化や顧客サービスの向上が図られています。
今後不動産業界の他社においても、ChatGPTの利用が広がっていく可能性が高いです。
※参照 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000107866.html
6-2. 教育
立命館大学では、ChatGPTと機械翻訳を組み合わせた英語学習ツール「Transable」を英語授業の一部で試験的に導入しています。
この取り組みは、AIを活用した英語教育の可能性を探るためのものです。
「Transable」の特徴は以下の通りです。
学生が日本語で書いた文章を適切な英語に翻訳
AIが提案した英語表現の妥当性を解説
学生の英語ライティング力向上を支援
約150人の学生が利用する予定で、AIを用いた英作文の添削や解説を通して、英語で発信する力を楽しみながら身につけられます。
また、教員にとっても、AIを授業にどう活かせば学習効果が高まるのか、貴重な知見が得られるでしょう。
今後、「Transable」のような先進的なツールが他大学にも広がり、日本の大学英語教育が大きく変わっていく可能性があります。
※参照 https://www.ritsumei.ac.jp/news/detail/?id=3103
6-3. 医療
医療分野でも、ChatGPTを活用したサービスが登場しています。
Flora株式会社が開発した「Flora AI」は、女性の健康課題に特化したチャットアシスタントです。
以下のような特徴があります。
女性の健康に関する正確で安全な情報提供・アドバイス
健康上の問題・解決策の提示
オンライン診療やセルフチェックとの連携
24時間いつでも利用可能
このようなAIアシスタントを活用することで、女性は気軽に健康相談ができ、適切なサポートを受けられます。
また、医療機関は効率的に患者をサポートできるようになります。
今後医療の分野でのChatGPTの利用も広がっていきそうですね。
※参照 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000021.000072971.html
6-4. 旅行
旅行業界では、ChatGPTを活用した多言語対応のサービスが登場しています。
株式会社ObotAIが提供する「多言語チャットコマース」は、インバウンド施設や越境ECサイトに寄せられる外国人からの問い合わせに、多言語AIチャットボットやライブチャットで対応します。
この「多言語チャットコマース」は以下のような特徴があります。
8言語(日本語、英語、韓国語、中国語など)に対応
AIとシナリオのハイブリット型で、精度の高い回答が可能
自動翻訳機能付きのライブチャットで、リアルタイムのコミュニケーションを実現
バーチャルストアとの連携で、チャット上での商品購入も可能
このようなサービスを活用することで、インバウンド事業者は人材不足の課題解消や、多言語でのスムーズなコミュニケーションによる売上アップが期待できます。
※参照 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000094.000036236.html
6-5. 金融
大和証券では、2023年4月中に全社員約9,000人を対象にChatGPTの利用を開始する予定です。
セキュアな環境で全ての業務に利用可能となり、以下のような効果が期待されています。
英語等での情報収集や資料作成の効率化
各種書類や企画書等の文章、プログラミングの素案作成による本来業務への時間創出
幅広い社員の利用によるさらなる活用アイデアの創出
大和証券では、ChatGPTを早期に導入し、新たな活用方法のアイデアを探ることで、社会に対して新たな価値提供に取り組んでいく方針です。
※参照 https://www.nikkei.com/article/DGXZRSP653467_Y3A410C2000000/
6-6. 就職
就職の分野でもChatGPTが活用され始めています。
転職口コミサイト『転職会議』では、ChatGPTを活用した企業口コミの要約情報の提供を開始しました。
膨大な口コミ情報をChatGPTで短くわかりやすく要約することで、ユーザーは短時間で的確に企業の特徴や社風のイメージを読み取ることができます。
この取り組みには以下のようなメリットがあります。
大量の口コミを読み込む負担の軽減
効率的な企業情報の収集による、よりよい仕事選びへの貢献
要約文のスピーディな生成と情報のサマリー提供
『転職会議』では今後も要約文の掲載社数を増やすとともに、さらなる精度向上に取り組んでいく予定です。
※参照 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000156.000015443.html
6-7. マーケティング
マーケティング業界では、ChatGPTを活用したシステムが登場しています。
FunTre株式会社が開発したマーケティングオートメーションシステム「Boken」は、日本で初めてChatGPTによる自動文章生成機能を搭載しました。
「Boken」は以下のような特徴を持っています。
LINEとメルマガの配信が1システムで可能
ChatGPTによる高度な自動文章生成機能
顧客属性を管理しやすいタグ機能
効果的な配信シナリオのテンプレートやカスタマイズ機能
この自動文章生成機能により、ユーザーは配信テーマやキーワードを入力するだけで、魅力的な配信文書を自動で作成できます。
また、配信業務の自動化により、中小企業は文書作成の手間やマーケティングにかける時間を大幅に削減可能です。
ChatGPTの活用によって業務効率化が可能になり、仕事のやり方に変革を起こしていると言えるでしょう。
※参照 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000069515.html
6-8. 法律
法律業界でも、ChatGPTを活用したサービスが登場しています。
弁護士ドットコム株式会社は、世界初の日本語版AI法律相談チャットサービス「弁護士ドットコム チャット法律相談(α版)」の試験提供を開始しました。
「弁護士ドットコム チャット法律相談(α版)」は以下のような特徴があります。
無料法律相談サービス「みんなの法律相談」の125万件以上のデータを活用
誰でも24時間無料で相談可能(1日5回まで)
男女問題(離婚、浮気、金銭トラブルなど)のカテゴリからスタート
交通事故、相続、労働問題などのカテゴリを順次追加予定
このサービスにより、法的トラブルを抱える人は気軽に相談できるようになります。
また、弁護士ドットコムは「2割司法」の解決に向けて、AIを活用した法務相談の未来を切り開いていく方針です。
※参照 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000309.000044347.html
7. ChatGPTを使ううえでの注意点
ChatGPTは便利なツールですが、利用する際には注意すべき点がいくつかあります。
ここでは、ChatGPTを適切かつ安全に活用するための留意事項について詳しく説明します。
7-1. 情報が常に正確とは限らない
ChatGPTは膨大なデータを学習していますが、提供する情報が常に正確であるとは限りません。
時には誤った情報や不完全な回答が返ってくることもあるので、重要な事実関係については信頼できる情報源で改めて確認することが大切です。
ChatGPTの回答はあくまで参考程度に捉え、鵜呑みにしないよう注意しましょう。
7-2. 最新の情報に対応していない場合がある
ChatGPTの知識は、GPT-3.5が2021年9月まで・GPT-4 Turboが2023年4月までのデータに基づいているため、それ以降の出来事や変更点が反映されていません。
特に、AI技術や国際情勢、株価や為替など、頻繁に変化する分野に関する質問には注意が必要です。
最新情報が必要な場合は、他の情報源も合わせてチェックすることをおすすめします。
※参照 https://help.openai.com/en/articles/8555514-gpt-3-5-turbo-updates
7-3. 入力した機密情報・個人情報がAIに学習されて流出するリスクがある
ChatGPTに個人情報や機密情報を入力すると、その情報が保存・AIにより学習され、外部流出するリスクがあります。
外部流出の例として、他のユーザーの質問に対する回答に、その情報が含まれてしまうケースなどが挙げられます。
2023年4月に追加された履歴を残さずに利用する機能を使えば、入力情報が学習データとして蓄積されることはありませんが、念のため重要な個人情報や機密情報はXXXなどでマスキングして利用するのが安心です。
※参照 https://openai.com/blog/new-ways-to-manage-your-data-in-chatgpt
7-4. 利用規約に反する行為は控える必要がある
ChatGPTの利用規約では、以下のような行為が禁止されています。
他者の権利を侵害したり、悪用したりする利用方法
サービスの仕組みを不正に解析・復元しようとする行為
自動的な方法でのデータ抽出(一部の例外を除く)
これらに反する行為は避け、適切な利用を心がけることが大切です。
利用規約を確認せずに使用すると、思わぬトラブルや違反につながるおそれがあるため、注意が必要です。
※参照 https://openai.com/policies/terms-of-use
7-5. 偏見や差別的な発言が含まれる可能性がある
ChatGPTは大量のデータから学習しているため、学習データに含まれる偏見や差別的な表現が生成されるリスクがあります。
ChatGPTにより生成されたコンテンツが、プライバシーを侵害したり、人種差別的な内容や表現により人権を侵害するケースも考えられます。
違和感を覚えた場合は、その内容を鵜呑みにしないようにしましょう。
8. ChatGPTと他のAIツールの比較・紹介
AIチャットツールの分野では、OpenAI社のChatGPTが大きな注目を集めていますが、他にも優れた機能を持つAIツールが存在します。
ここでは、ChatGPTと比較されることの多いGemini・Copilot・Claudeについて、それぞれの特徴や違いを見ていきましょう。
8-1. ChatGPTとGemini(旧Bard)との比較
ChatGPTとGeminiは、どちらも自然な会話ができる高性能なAIチャットツールです。
両者の主な違いは以下のとおりです。
比較項目 | ChatGPT | Gemini |
開発企業 | OpenAI | |
得意分野 | 文章生成、翻訳、要約 | 情報検索、質問応答 |
情報源 | 特定期間までのデータ | 最新のウェブ情報 |
ChatGPTは文章生成に優れ、Geminiは最新の情報検索に強みを持っています。
最新情報のリサーチの際には、Geminiを利用するのも手段のひとつです。
8-2. ChatGPTとCopilot(旧BingAI)との比較
ChatGPTとCopilotの主な違いは以下のとおりです。
比較項目 | ChatGPT | Copilot |
開発企業 | OpenAI | Microsoft |
連携サービス | なし | Bing、Office |
追加機能 | なし | 画像生成 |
得意分野 | プログラミング支援 | 最新情報検索、文書作成 |
CopilotはBingやOfficeと連携し、最新情報の検索や文書・画像作成に優れています。
一方、Microsoftアカウントログインをしない場合は利用制限があるので、ログイン無しで利用したい場合等にはChatGPTが便利でしょう。
※参照 https://copilot.microsoft.com/
8-3. ChatGPTとClaudeとの比較
ChatGPTとClaudeの主な違いは以下のとおりです。
比較項目 | ChatGPT | Claude |
開発企業 | OpenAI | Anthropic |
得意分野 | 汎用的なタスク | 文書処理、コード生成 |
文章の品質 | 高品質 | より人間らしい自然な文章 |
読込可能な文章量 | 制限あり | 大量の文章に対応 |
Claudeは文章処理やコード生成に特化しており、大量の文章を読み込んで要約できます。
より自然な日本語の作成やプログラミングに活用したい場合は、Claudeを使ってみるのもおすすめです。
一方、ChatGPTは汎用性が高く様々な分野で活用できます。
有料版のChatGPT4であれば画像生成やURLの読み込みなど、Claudeにはできないことができるため、広い用途で使いたい場合はChatGPTを選ぶと良いでしょう。
9. ChatGPTの使い方についてFAQ
ここではChatGPTの使い方について、よくある質問とその回答を紹介しています。
9-1. ChatGPTには利用回数の制限はある?
ChatGPTの利用回数の制限は以下のとおりです。
プラン | 1日あたりの利用回数 |
無料版(ChatGPT-3.5) | 無制限 |
有料版(ChatGPT-4) |
有料版に利用回数の制限が存在する理由は公表されていません。
おそらく、回答のクオリティの高さにこだわっているため、サーバーの負荷を減らすために制限が設けられていると考えられています。
特にビジネスでChatGPTを頻繁に利用する場合、有料版の利用制限の影響で業務に支障が出る可能性があります。
そのため、仕事でChatGPTを活用する際は、簡単な質問は無料版(ChatGPT-3.5)を使い、高度な機能が必要なタスクは有料版(ChatGPT-4)を使うなど、用途に応じて使い分けることをおすすめします。
このように、業務でChatGPTを効果的に活用するためには、利用回数の制限を考慮し、適切なプランを選択することが重要です。
9-2. ChatGPTで生成された文章の著作権はどうなりますか?
ChatGPTで生成された文章の著作権は、基本的に利用者に帰属します。つまり、生成された文章を自由に使うことができるのです。
ただし、以下の点に注意が必要です。
生成された文章をそのまま公開することは控えましょう
事実関係や引用の正確性は自分で確認する必要があります
著作権侵害やプライバシー侵害などの違法行為に利用してはいけません
ChatGPTの出力は一意のものではありませんが、他のユーザーが同様の出力を受け取る可能性があります。
ChatGPTの出力文章をそのまま公開することで、先行して公開していた他社のコピーをしたと判定されてしまうリスクもあるため、原則手を加えてから公開するようにしましょう。
適切に利用すれば、ChatGPTで生成された文章を活用して、業務の効率化を図ることができます。
ただし、最終的な責任は利用者自身にあることを忘れずに、適切に活用することが大切です。
※参照 https://openai.com/policies/terms-of-use#3-content
9-3. ChatGPTの利用に年齢制限はありますか?
ChatGPTの利用に明確な年齢制限はありません。
ただし、13歳未満の子どもが利用する場合は、保護者の同意と監督が必要です。
また、年齢に関わらず、以下の点に気をつけて利用しましょう。
個人情報を入力しない
違法行為や危険な行為を助長するような利用はしない
生成された情報をそのまま鵜呑みにせず、自分で確認する
年齢に関係なく、適切かつ安全にChatGPTを利用することが大切です。
※参照 https://help.openai.com/en/articles/8313401-is-chatgpt-safe-for-all-ages
9-4. ファイルのアップロードサイズに制限はある?
ChatGPTの有料版(GPT-4)では、ファイルをアップロードして読み込ませることができます。
1ファイルあたり512MBの上限があります。
テキストおよびドキュメントファイルの上限は2Mトークンです。
2Mトークンは200万単語に相当します。
画像の場合は、1画像ごとに20MBを超えるとアップロードできません。
また、使用量の上限は以下の通りです。
エンドユーザーの上限:10GB組織の上限:100GB
※参照 https://help.openai.com/en/articles/8555545-file-uploads-faq
10. まとめ
ChatGPTは、自然な会話ができる優れたAIチャットサービスです。
さまざまな質問に対して的確な回答をしてくれるため、分からないことを素早く調べたり、新しいアイデアを得たりするのに非常に役立ちます。
もともとは英語圏で開発されましたが、現在では日本語にもかなり対応しており、日本語での利用も十分に可能です。
仕事での活用方法としては、以下のようなものが挙げられます。
文章作成や校正
アイデア出し
プログラミングの支援
データ分析のサポート
ただし、プロンプトの内容によって得られる回答が大きく変わってくる場合があります。
そのため、どのような質問をするとイメージ通りの返答が返ってくるか、色々と試してみることをおすすめします。
また、ChatGPTは不動産・教育・医療など、すでにさまざまな業種で実用化が進んでいます。
ChatGPTはどのような業種でも活用できるツールです。
この機会に仕事に取り入れてみることで、業務の効率化やクオリティアップが可能になるかもしれません。
ぜひこの記事を参考に、ChatGPTの使い方を研究し、AIを上手に活用できるようになってみてください。
11. 【業務効率化】AI文字起こしツール・AI議事録ツールで生産性をアップしよう!
ChatGPTの活用方法を紹介してきましたが、ChatGPTを効果的に使うことで仕事の生産性を上げることができます。
特に会議の議事録作成用途でChatGPTを利用すると業務効率化が見込めますが、ChatGPTを使うための前提として、「文字起こし」をしなければなりません。
そこでおすすめなのが、AI文字起こしツールのRimo Voice(リモボイス)です。
Rimo Voiceは音声・動画ファイルをアップロードするだけで、自動で文字起こし・要約の作成ができます。
文字起こし→ChatGPTに要約指示といったプロセスを踏まずに、Rimo Voiceひとつで議事録作成が完了します。
こちらから無料トライアルの登録もできるので、ChatGPTを業務に取り入れたい方・会議の生産性アップをしたい方は、ぜひ一度、Rimo Voiceをお試しください。
最終更新日: 2024 / 6 / 26
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