ChatGPTは非常に優れた自然言語処理能力を持っており、様々な分野で活用されています。その中でも、文章の要約は特に便利な機能の一つです。ChatGPTに長文を入力すると、核心部分を的確に要約してくれます。この要約機能を上手に活用することで、膨大な量の文書から重要な情報を効率的に抽出することができます。
しかし、単に長文を入力するだけでは、必ずしも望む要約結果が得られるとは限りません。ChatGPTの要約機能を最大限に生かすには、適切なプロンプトを用いることが重要です。本記事では、ChatGPTで高精度な文章要約を行うコツと、おすすめのプロンプト例を紹介します。ぜひ最後までご覧ください。
ChatGPTで文章を要約するのがおすすめな理由
ChatGPTは文章の要約のほか、どんな質問に対しても柔軟に返答したり、アイデアの提案を行ってくれたりするなど、大変便利なAIです。そんなChatGPTを文章要約に活用するのがおすすめな理由として、以下が挙げられます。
自然な文章に仕立ててくれる
要約する際の文字数や文体などを指定できる
文章全体の情報を端的にまとめられる
要約を行う際に、「だ・である調」か「です・ます調」かの文末表現の指定や、文字数の指定ができます。文章全体の情報を端的にまとめつつ、条件をつけながら要約できるため、慣れていない人間が行うよりも短時間で要約作業を終わらせることが可能です。
ChatGPTで要約できる文章
ChatGPTを活用して要約できる文章には以下のものが挙げられます。
ニュース記事
学術論文
議事録・レポート
講演やプレゼンテーション
インタビュー
レビューや評価
ここからはChatGPTで要約できる文章について解説していきます。
ニュース記事
ニュース記事をChatGPTに入力することで、記事の内容を要約してくれます。どんなニュースなのかを瞬時に知りたい場合におすすめです。
最近ではChatGPTが海外のニュースサイトと連携し、記事の要約を提供する動きが広まっている状況です。2023年12月にはChatGPTの運営元であるOpenAIが、ドイツに拠点があるメディアと協力して有料記事の要約サービスを行っていくことを発表しています。
出典:https://forbesjapan.com/articles/detail/67996?read_more=1
日本ではまだこうした動きは出ていませんが、今後はChatGPTを通じてニュースを知るケースが増えていくことが考えられます。
学術論文
学術論文はかなり多い文章量ですが、ChatGPTを活用することですぐに学術論文の要約が作られ、素早く内容の理解が可能になります。
ChatGPTで作られる要約では、研究目的・方法・結果・考察などが含まれており、要約を見るだけでおおよその内容理解が可能です。
議事録・レポート
ビジネスシーンでは、議事録やレポートなどの文書作成時に、会議内容を要約する必要があります。このような作業は、ChatGPTを活用すれば、素早くまとめることができるだけでなく、内容を簡潔に把握しやすくなります。
専門用語や社内用語などが多く含まれる場合、言葉の定義をあらかじめChatGPTに伝えることで、より文脈を踏まえた文書を効率的に作成できるようになります。
※関連記事:ChatGPTで議事録作成する方法・プロンプト・コツを徹底解説!おすすめのAI議事録ツールも紹介
講演やプレゼンテーション
長時間になることも多い講演やプレゼンテーションですが、ChatGPTを活用することで内容の要約が行えます。
音声認識技術を用いて録音・録画データの文字起こしを行ってテキスト化した後、ChatGPTで要約を行う流れです。
文字起こしは自分で対応することもできますが、AIツールを活用して自動化をすることができます。
こちら(https://rimo.app/blogs/audio-to-text)の記事で詳しくツールを紹介しているので、興味のある方はぜひご覧ください。
インタビュー
インタビューにおいてもChatGPTの活用ができます。
前述のように、一度文字起こしをした後にChatGPTで要約を作成する流れです。
「Rimo Voice」などのAIによる文字起こし・要約がワンクリックで実行できるツールを活用すると、さらに効率化が期待できます。
株式会社Speeeでは、インタビュー記事の制作にあたって「Rimo Voice」を導入したことで、記事制作にかける時間が半分になりました。
参照サイト:https://rimo.app/case-studies/speee-success-50-percent-time-reduction
レビューや評価
レビューサイト・口コミサイトには大量の意見・評価がありますが、ChatGPTを利用することで何が書かれているのかを理解することができます。
例えば、何百件・何千件と存在するレビューについて、ChatGPTのシステムを通すことで良い点・悪い点が瞬時に示せるサービスが実際に出てきている状況です。
ChatGPTで文章を要約するやり方
実際にChatGPTを活用して文章を要約していくには、以下の方法で進めていきます。
1.要約させたい文章を準備する
2.ChatGPTにアクセスする
3.文章を貼り付ける
4.文章直下に「要約してください」と入力する
5.メッセージを送信する
6.改善点を指摘し調整する
ChatGPTで文章を要約する際のやり方についてご紹介します。
要約させたい文章を準備する
最初に、ChatGPTに要約させたい文章を準備します。メールやチャットツール、ニュースサイトなどにある文章をコピーしてからChatGPTに貼り付けるだけで準備完了です。
また、ChatGPTのプラグイン・拡張機能を利用することで、Webサイト上の文章を簡単に要約することも可能です。
ChatGPTにアクセスする
ChatGPTの画面を開きます。2024年4月1日からはログインをしなくてもチャットが開始できるようになりました。
一方で、ログインをすると、チャット履歴を保存したり、チャット内容を共有したりすることが可能です。
Googleアカウントがある場合には簡単にログイン可能ですので、後から振り返りたい方はログインをしておきましょう。
文章を貼り付ける
次に、要約したい文章をコピーし、入力画面に貼り付けます。PDF形式の場合にはPDFエディターを使ってテキスト化を行い、要約したい箇所をコピーして貼り付けてしまえば、要約が行えます。
文章直下に「要約してください」と入力する
文章の貼り付けが終わったら、「要約してください」もしくは「この文章を要約してください」と入力します。要約してほしいというプロンプトを書き込むことで、要約作成が行えるという流れです。
メッセージを送信する
要約したい文章と要約に関するプロンプトを入力したら、メッセージを送信します。出力された内容は残されるため、長い文章をいくつかに分けて送信してから、送信し終わった後に確認することも可能です。
改善点を指摘し調整する
プロンプトが「要約してください」だけでは、単に要約だけを指示しているため、様々な改善点が出てくる場合があります。要約の割に文字数が多い場合には文字数の指定を行えるほか、細かく指摘して調整を行うことも可能です。
ChatGPTで要約の精度を上げるコツ
ChatGPTで要約が行える一方で、長い文章を貼り付けて単に要約をお願いしても、求めているものが返ってこないことがほとんどです。この時、要約の精度を上げる4つのコツが存在します。
プロンプトを活用する
要約したい内容を明確にする
改善点を指摘し調整する
GPT-4を活用する
精度の高い要約をChatGPTにしてもらうためのコツについて解説します。
プロンプトを活用する
要約の精度を高めるには、プロンプトの活用が大切です。
単に要約するだけでは、要約のボリュームが定まらない可能性があります。例えば、以下のように具体的な数字を用いたプロンプトを活用することで、よりわかりやすい形での要約が可能です。
「この文章の内容を3行で要約しなさい」
「文章の要約を300~350字にまとめなさい」
「箇条書きで3点にまとめなさい。」
また、ChatGPTが知り得ない前提条件(例:ミーティングやインタビューの目的、参加者の役割等)をきちんとプロンプト内に入れていくのもポイントです。
以下、議事録作成の際に具体的なおすすめプロンプトの例を紹介します。
あなたは、議事録作成のプロフェッショナルです。
以下の「文字起こし結果」は[XXを決めることを目的としたYYに関する]会議の内容で、
参加者は[名前と会議での役割を書く。例:鈴木(開発部長)、佐藤(マーケティングマネー
ジャー)、吉岡(フロントエンド担当開発メンバー)]です。
以下の制約条件に従い、最高の議事録を出力してください。
# 制約条件:
・文字起こし結果は、AIによるものなので一部書き起こしのミスがあります。
その前提で会話の流れを汲んでください。
・会議での主要な「決定事項」、「アクションアイテム」をそれぞれ冒頭にまとめてください。
・その後、議論のポイントをまとめてください。議題が分かれている場合は、議題ごとにまとめ
てください。
・文書の形式は、見出しや箇条書きを用いて、情報が探しやすい構造で簡潔かつ明瞭に書いてく
ださい。
# 文字起こし結果:
[ここに文字起こしをコピペ]
※関連記事:プロンプトの書き方で差をつける!ChatGPTを効果的に使うコツを紹介
要約したい内容を明確にする
要約の精度を高めるには、要約したい内容を明確にすることが求められます。何をメインに要約してほしいのかをプロンプトにまとめることで、プロンプトで指示された部分にフォーカスした要約が可能です。
また、かなり長い文章の場合はプロンプトで段落の数を指定してから要約するようにすれば、指定された範囲の中で要約が行えます。
何の指示も与えずに単に要約を求めるよりも、要約したい部分をはっきりとさせるプロンプトを少しでも多く入力すれば、その分、しっかりとした要約になりやすいです。
改善点を指摘し調整する
要約をChatGPTに求めると、少し物足りないと感じることもあるはずです。この場合、どのような点に物足りなさを感じたのかをリストにまとめることをおすすめします。要約を求めたのに文字数が多すぎれば、具体的な文字数を指定してコンパクトにまとめることが可能です。
いくつも改善点があれば、その都度改善点をプロンプトで指摘していき、調整をかけていきます。様々な角度から要約に関する指摘を行う中で段々とクオリティが高まっていくことがあります。
文字数の指定も短ければ短いほどいいわけではなく、指定する条件次第では適した文字数が異なることもあるでしょう。微調整を行っていきながら、わかりやすい要約を作り出せます。
GPT-4を活用する
ChatGPTで要約を行う際におすすめなのが、GPT-4の活用です。GPT-4はChatGPTの最新バージョンにあたり、ChatGPT-3.5よりも新しい学習データを用いています。
ChatGPTを無料で利用する際にはGPT-3.5しか使えませんが、有料版であればGPT-4を利用できます。3.5から4にかけてバージョンアップをしているので、当然AIとしてのレベルも3.5より4の方が高いです。3.5から4にかけて20%ほど精度のアップに期待が持てるとされています。
ChatGPTの有料版は2024年4月時点で月額20ドル、日本円でだいたい3,000円ほどとなっていますが、ChatGPT-4で行えることは要約以外にもあります。代表的なものは以下の通りです。
画像から情報を読み取れる
画像に関連した質問に対して対処する
GPTsを用いてオリジナルなチャットボットを作る
画像を見た上で質問を行い、情報をテキストにまとめられます。無料版ではできないことが有料版で行えるため、要約以外にもChatGPTをフル活用したい場合におすすめです。
以下記事なども是非ご参考にしてみてください。
※ ChatGPT最新モデルGPT-4oの使い方を徹底解説!基礎知識から実践的な活用法・コツ・事例も紹介
※ ChatGPTの有料版と無料版の違いは?GPT4o後の有料版切り替えメリットについても解説!
また、ChatGPTに似たAIチャットツールとして、Anthropic社によるClaude(クロード)があります。
Claudeでは、無料版でもPDFアップロードで入力が出来る他、文字数上限も約15万文字と長いです。
以下記事で詳細を紹介していますので、是非ご覧ください。
※【2024年10月最新】最強AI Claude(クロード)とは?Artifactsの活用方法も徹底解説!
ChatGPTで要約する際の注意点
ChatGPTは便利で使い勝手のいいAIです。一方で、活用する際には以下の点に気を付けることをおすすめします。
入力文字数に制限がある
誤った情報が生成される可能性がある
著作権の問題が起こるかもしれない
ChatGPTで要約する際の注意点についてまとめました。
入力文字数に制限がある
ChatGPTで要約をする場合に注意したいのが、入力文字数に制限があることです。厳密には文字数制限ではなく、「トークン数制限」が行われています。トークン数は単語の数と比例し、英語の場合は1つの英単語で1トークン、日本語の場合はひらがなで1文字1ないし2トークン、漢字だと1文字1~3トークンが必要です。
無料で利用できるGPT-3.5では1万トークンが上限とされ、日本語の文字数にするとおよそ1万字前後で上限を迎える可能性があります。したがって、1万字以上の文章を使って要約を行う場合に注意が必要です。
この場合の対策には、以下のことが挙げられます。
文章を1万字未満に分割する
有料版にアップグレードする
無料で利用し続けたい場合には、文章を1万字未満に分割して要約を行うのがおすすめです。また有料版であれば上限が32,768トークンになるため、1万字以上の要約が可能になります。長い文章を要約する機会が多い場合には有料版がおすすめです。
以下記事でもChatGPTの文字数制限について詳しく解説していますので、是非ご覧ください。
※【2024年最新】ChatGPTの文字数制限は1万字弱!無料・有料の違いや対処法を解説
誤った情報が生成される可能性(ハルシネーション)がある
ChatGPTに要約を任せる場合、謝った情報が生成される可能性(ハルシネーション)があるため、その点にも注意が必要です。無料で利用可能なGPT-3.5は2021年9月までの学習データが用いられているため、要約の内容に最新情報が含まれている場合にうまく要約できない可能性があります。
特に最新の固有名詞などは学習データにないため、間違った情報の生成につながる恐れがあり、気を付けるべき点です。そのため、要約を行う際には必ず人間の目でチェックを行うことが求められます。
ニュース記事の要約では、最新のニュースを誤った情報で生成する可能性が想定できます。決して鵜呑みにすることなく、本当に正しく要約されているのかを確認することをおすすめします。
著作権の問題が起こるかもしれない
ChatGPTは生成AIの1つですが、生成AIの利用で注目されているのが著作権の問題です。本来ChatGPTは商用利用が認められており、例えば、自分が書いた文章を要約するなどの使い方であれば、問題ありません。
一方で、著作権で守られている第三者の著作物を利用した場合、著作権の侵害にあたる可能性があります。例えば、新聞社が配信するニュース記事をChatGPTを使って要約したものを許可なく自分のブログで配信した場合、著作権の侵害や無断転載であると新聞社に訴えられる可能性はあるかもしれません。
第三者の著作物を要約して公開する場合、引用部分を明示するなど、通常の引用ルールに基づいてまとめるようにしましょう。
※関連記事:効率的な文章要約の書き方・テクニック徹底解説ーAIのプロがお伝え!
【まとめ】音声データの要約ならRimo Voiceがおすすめ
ChatGPTでは、文章を簡単に要約することができます。ハルシネーションや著作権侵害の問題には気を付ける必要がありますが、それさえ意識すれば普段の要約作業を効率化することが可能です。
一方で、長いインタビューや会議の要約をしたい場合、「そもそも音声データをテキスト化するのに苦労する」「ChatGPTの文字数制限に引っかかってしまい全てを要約出来ない」といった課題もあるかと思います。
そこでおすすめなのが「Rimo Voice」です。
■ChatGPTだけじゃない!2024年にビジネスパーソンが注目すべき生成AI紹介レポート公開中!■
文字数制限がなく、2~3時間など長時間の会議・インタビューでも1クリックで簡単に文字起こしや要約作成ができます。
こちらから無料トライアルの登録ができるので、会議等の音声文字起こし・要約にお困りの方は、ぜひ一度Rimo Voiceをお試しください。
最終更新日: 2024 / 10 / 17
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