「議事録作成は重要な業務だけど時間がかかりすぎる」
「ChatGPTで議事録作成したいけど手順がわからない」
「ChatGPTの議事録作成プロンプトを知りたい」
こんなお悩みを持った方は多いのではないでしょうか。
こうした課題はChatGPTによって改善可能です。ChatGPTを活用することで、作成者による情報のバラツキやミスを無くし、あっという間に議事録を作成できます。
本記事では、ChatGPTで議事録作成する方法や、各種AIによる議事録作成の差を比較しています。コピペで使用できるプロンプトを紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
ChatGPTで会議の議事録をサクサク作れる
ChatGPTの技術を活用すると、これまで大変な作業だった会議の議事録が簡単に作成できるようになります。
まずはChatGPTの概要と、議事録作成の流れについて簡単に解説します。
ChatGPTとは高度な対話が可能なAIチャットサービス
ChatGPTとは、アメリカのOpenAI社が開発した高度な自然言語処理モデルで、ユーザーと自然な会話ができるチャット型のAIサービスです。インターネット上の大量の情報を学習しており、教育、ビジネス、エンターテインメントなど多岐にわたる用途で利用されています。
また、ユーザーからの質問に回答するだけでなく、文章の執筆やプログラムのコード生成など、さまざまなテキストを生成する能力を持っています。
2024年5月に「GPT-4o」が無料で利用可能に
2024年5月には「GPT-4o」が利用可能になりました。
「o」は「すべての」という意味の「Omni(オムニ)」に由来しており、その名の通り文字・画像・音声などすべてのデータを一括で処理できるため、速度や精度が向上しています。
本記事では、GPT-3.5とGPT-4oについても、同じプロンプトを用いた性能比較を実施しています。
GPT-4oやChatGPTの一般的な使い方について知りたい方は、以下記事をご覧ください。
■ChatGPT最新モデルGPT-4oの使い方を徹底解説!基礎知識から実践的な活用法・コツ・事例も紹介
会議のデータを読み込ませて議事録が作成できる
ChatGPTを活用した議事録作成の大まかな流れは以下の通りです。
1.会議の内容を録画/録音・メモする
2.録画/録音データをテキストデータに変換する
3.テキストデータをChatGPTで議事録にする
4.作成された議事録を確認・修正する
ChatGPTは自然言語処理能力を使って単にまとめるだけでなく、発言者の意図をくみ取ったり、話の流れから推察したりしながら議事録を作成します。
また、プロンプトを使ってChatGPTに議事録のフォーマットやまとめ方などを指示ができ、細かい調整も可能です。
ChatGPTによる議事録作成でできること
ChatGPTが持つさまざまな技術の中でも、議事録作成時に活かせるポイントを簡単に解説します。
文章を要約する
要点を強調する
口語を文語に変換する
よくある質問(FAQ)を作成する
一つずつ見ていきましょう。
文章を要約する
ChatGPTの得意なことのひとつが、長い文章の要約です。大量のデータから必要な部分を抽出し、自然な表現に変換してくれます。文章の長さやまとめ方などの要約方法をプロンプトで細かく指示することによって、出力方法は自由自在です。
ChatGPTに会議メモや議事録データから要約してもらえば、簡単に内容を把握できます。
■関連:ChatGPTで文章を要約するやり方は?精度を上げるコツやおすすめプロンプトも紹介
要点を強調する
ChatGPTは文章を要約するだけでなく、要点を箇条書きで抽出できます。
抽出する条件を以下のように指示すると、長い文章の中から合致した部分をリストアップしてくれます。
「課題を抽出してください」
「決定事項を教えてください」
「今回の会議で宿題となった点と担当者、期限を一覧出力してください」
長い文章から要点を抜き出したい場合に有効な機能です。
口語を文語に変換する
文字起こしソフトやオンライン会議ツールの文字起こし機能で作成されたテキストデータには、会話がそのままの形で記録されています。
はなし言葉(口語体)は議事録にふさわしくないですが、「です、ます」(文語体)に変換するのは、前後の文脈や正しい表現を考えなければならず、単純なように見えて大変な労力がかかる作業です。
ChatGPTに「口語体を文語体に変換して」と指示するだけで、あっという間に文語体の自然な文章に変換してくれます。
よくある質問(FAQ)を作成する
会議ではさまざまな質問が飛び交いますが、同じ質問が何度も繰り返されると無駄に会議が長引きます。
ChatGPTに議事録からよく出る質問や重要な解説を抽出させ「質問と回答」の形にさせると「よくある質問(FAQ)」が一瞬で作成できます。
過去からの議事録を元にChatGPTが作成したFAQデータは、この先もずっと活用できる企業の資産となるでしょう。
ChatGPTで議事録を作成する方法
ここではChatGPTを活用した議事録作成手順について、それぞれ詳しく解説します。
1.会議の内容を録画/録音・メモする
2.録画/録音データをテキストデータに変換する(文字起こし)
3.テキストデータをChatGPTで議事録にする
4.作成された議事録を確認・修正する
うまく議事録を作成するコツや注意点なども紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
1. 会議の内容を録画/録音・メモする
ChatGPTで議事録を作成するためには、元となる会議内容の情報が必要です。
例えば、以下の方法で記録します。
会議中にメモを取る
オンライン会議の場合、オンライン会議ツールの機能で録画する
オフライン会議の場合、ボイスレコーダーやスマホで録音する
オフライン・オンラインそれぞれの方法について紹介していきます。
会議中にメモを取る
会議中にメモを取る記録方法としては、手書きやパソコンの使用があり、オンライン・オフラインどちらでも対応可能です。手書きの場合は、一度パソコンでテキストファイルにしなければいけませんが、パソコンで入力したメモは、テキストデータとしてそのまま使用できます。
ただし、メモを取るのは人であるため、重要な話を聞き逃したり、作成者の主観や勘違いなどが入ったり、後から読めなかったりといったトラブルを生じやすい方法です。可能ならば録音しておきましょう。
オンライン会議の場合
コロナ以降オンライン会議が定着し、ツールの録画機能を使用している方は多いでしょう。オンライン会議ツールの中には、録画と同時に文字起こしの機能もあります。
代表的なオンライン会議ツールの録画・自動文字起こし機能について、以下にまとめました。
ツール名 | 録画機能 | 自動文字起こし機能 | 自動文字起こし機能が使用できる条件 |
---|---|---|---|
Zoom | あり | フルトランスクリプト機能 | Web管理画面から設定変更が必要 |
Teams | あり | トランスクリプション機能 | Microsoftのライセンス契約による、管理者センターでの設定変更が必要 |
Google Meet | あり | なし(日本語対応していない) | ー |
Webex | あり | 字幕機能 | 有料プランのみ、事前設定が難しい |
Chatwork Live | なし | ー | ー |
オンライン会議ツールを使用する際、マイクの性能によっては明瞭な音声・音量にならない点に注意が必要です。
また、オンライン会議ツールに録画機能がない場合、Windows 10/11であれば、OSに付属の機能であるGameBarを使用して録画できます。ただし、GameBarは録画していることが会議参加者に伝わらないため、録画開始時に伝えることをおすすめします。
オフライン会議の場合
オフライン会議では、録音するためにボイスレコーダーやスマホといった器材が必要です。
会議室の広さや器材の性能によっては、音声が明瞭に録音できない場合があるため、複数の器材を配備したり、会議の中心人物の近くに器材を置いたりして工夫しましょう。
2. 録画/録音データをテキストデータに変換する(文字起こし)
ChatGPTに議事録を作成してもらうためには、録画/録音データから文字起こししたテキストデータが必要です。なぜならChatGPTは音声データのままでは認識できないためです。
録画/録音データを聞きながら手作業で文字起こしする方法もありますが、文字起こしツールを使用すれば時間短縮ができ、手間もかかりません。
ツールによっては文字起こしの精度に差が出るので、自分の使いやすいものを選びましょう。
文字起こしツールとしては、以下のものがあります。
LINE CLOVA Note:会議の録音から文字起こしまでスピーディーに自動化できる
文字起こしさん:Web上のフォームにデータをアップロードするだけで利用できる
TextFromToSpeech:音声以外にも動画の読み込みができる
「えー」「あー」などの不要なケバも、ChatGPTに適切に指示すればカットしてくれます。
おすすめ文字起こしツールについては、以下をご覧ください。
■【2024年最新】音声の文字起こし(書き起こし)アプリ・ソフトおすすめ25選!選び方のコツも解説
3. テキストデータをChatGPTで議事録にする
作成したテキストデータをChatGPTに入力して議事録を作成します。
実は、ChatGPTに「議事録にして」と指示するだけでも、それなりの議事録が作成できます。とはいえ、ChatGPTにすべておまかせでは必要な内容やフォーマットになりません。
思い通りの議事録を作成するためには、プロンプトでの指示が必要になります。ChatGPTを使用するための手順は以下の通りです。
1.ChatGPTに登録・ログインする(登録方法の詳細はこちら)
2.ChatGPTにどんな議事録を作成したいか、細かく指示する
例えば、会議の重要事項を箇条書きでまとめたい、アクションプランを冒頭に記載したいなど、目的の形式になるようなプロンプトを作って指示してみましょう。
4. 作成された議事録を確認・修正する
ChatGPTが生成した議事録は、必ず人間の目でチェックし修正しましょう。
ChatGPTの技術の進化はすさまじいですが、まだまだ完璧な要約や重要ポイントの洗い出しはできません。ニュアンスが違ったり、誤った情報に加工されたりします。
議事録は「正しい情報を共有する」「誤解を避ける」ためのものです。同じミスを犯さないよう、必要に応じてプロンプトを修正することも忘れないようにしましょう。
ChatGPT・Gemini・Claude・Copilotで議事録作成を比較
実際に同じプロンプトと文字起こしテキストを使用して、主要な4つのAIサービス(全て無料版)にて議事録を作成してみました。
ChatGPTについては、無料で2種類のバージョンを利用できるため、それぞれ作成しています。
ChatGPT GPT-4o
ChatGPT3.5
Gemini
Claude
Copilot
簡単な結果一覧がこちらです。
AIサービス名 | ChatGPT4o | ChatGPT3.5 | Gemini | Claude | Copilot |
---|---|---|---|---|---|
会議基本情報の認識 出席者や日時情報 | 〇 | 〇 | △ | 〇 | 〇 |
指示された構成になっているか | 〇 | 〇 | △ | 〇 | △ |
議論の中心を捉えて要約しているか | ◎ | 〇 | △ | ◎ | ✖ |
議事内容 発言者と発言内容が明確か | 〇 | 〇 | ✖ | 〇 | ✖ |
弊社が各社の無料版モデルで複数試した範囲では、ChatGPTとClaudeのクオリティが安定しているという結果になりました。
以下、具体的にサンプルデータでそれぞれ実行した例をご紹介します。
使用したプロンプト・サンプルデータ
使用したプロンプトは、以下の通りです。発言者ごとに発言を記述するタイプの議事録になっています。
※「#入力文」の下に文字起こしテキストをコピペしてから実行してください
# 命令文
あなたは議事録作成のプロフェッショナルです。[化粧品会社]の会議議事録を作成します。以下の[#入力文] から、指定された制約条件に従い、
効果的な議事録を作成してください。
#前提条件
以下の[#入力文]の内容は、会議の文字起こしデータです。
# 制約条件
・文字起こしデータはAIによるもので、一部の書き起こしミスが含まれています。この点を考慮して、文脈を理解し、内容を整理してください
・会議の基本情報(日時、場所、出席者など)を最初に記載してください。
・会議での主要な「決定事項」を冒頭でまとめてください。
・次に、「アクションアイテム」をまとめてください。
・その後、各議題の見出しを設け、議題ごとに誰が行った発言かを記録し、発言内容を詳述してください。
・見出しや箇条書きを活用し、情報が検索しやすく、読みやすい構造で記述してください。
・文書は簡潔かつ明瞭に記述してください。
・公開可能な情報と非公開情報を区別し、適切に扱ってください。
・専門用語や略語を使用する場合は、初回の使用時に定義を明記してください。
・ケバ取りしてください。
・文脈として意味が不明な箇所は、文脈的に相応しいと合理的に推測される内容に修正、または削除してください。
# 出力形式 ・議事録はテキスト形式とします。
・議論の要点は箇条書きで、発言者ごとに整理された形式とします。
#入力文
(ここにテキストを入力)
今回出力例をご紹介するサンプルの文字起こしテキストは以下の通りです。オンライン会議ツールから自動文字起こししたイメージで作成しました。
戦略会議-20240319_145038-会議の録音
2024年3月19日, 5:50
21 分 55 秒
進行係Z: それでは新製品Aの販売チャネルの選定についての議題に入ります。
報告者A: 新製品Aの販売チャネルについては、百貨店とドラッグストアが候補として挙がっております。
両チャネルにはそれぞれメリットとデメリットがあり、慎重に検討を進める必要があります。
部長C: 百貨店とドラッグストアでは、客層や価格帯が大きく異なりますね。
それぞれのチャネルの特徴を踏まえ、当社の製品にはどちらがより適しているとお考えですか?
課長B: 百貨店は高級感のあるブランドイメージと合致しますが、価格設定が高くなるため、販売数量が限定的に
なる可能性があります。一方、ドラッグストアは手頃な価格帯で販売できますが、他社製品との差別化が課題となります。
当社の製品は品質と価格のバランスが取れているため、両チャネルを戦略的に活用することが望ましいと考えます。
進行係Z: はいでは、次は新製品Aの広告宣伝戦略についてです。
報告者A: えーっと、そうですね、うーん、新製品Aの広告宣伝については、テレビCMとSNS広告を中心に展開していく予定です。
ただし、予算配分や広告内容の決定には課題があります。
部長C: あれあれ、テレビCMとSNS広告では、ターゲット層や広告の目的が異なりますね。
それぞれの媒体の特性を生かすために、どのような戦略が必要でしょうか?
課長B: うーん、そうですね、テレビCMは幅広い年齢層に対する認知度向上に効果的ですが、制作費や放映料が高額になるため、
出稿計画を慎重に策定する必要があります。
SNS広告は若年層へのアプローチに有効で、比較的低コストで実施できます。
インフルエンサーとのタイアップ企画なども検討し、ターゲット層に合わせた広告戦略を練ることが重要です。
進行係Z: 最後になりますが、新製品Aの製造コストの削減についてお願いします。
報告者A: えっと、では、新製品Aの製造コストについては、原材料の調達先見直しによるコスト削減を進めています。
しかし、品質の維持と両立させることが課題となっております。
部長C: はぁー、製造コストの削減は利益率に直結する重要な課題ですね。
原材料の調達以外にも、製造工程の効率化など、検討すべき点はありますか?おいおい。
課長B: まあまあ、仰る通りです。原材料の調達先見直しと並行して、製造工程の自動化や外部委託の活用など、
様々な角度から効率化を図ることが必要です。
ただし、品質の維持が大前提となりますので、コスト削減と品質確保のバランスを慎重に見極めながら、
取り組んでいく必要があります。
ChatGPT3.5で作成した議事録
(1枚目)
(2枚目)
ChatGPTはプロンプトで指示した構成で作成されており、発言者ごとの内容もうまくまとめられていました。
気になる点としては、会議場所を「会議室A」と勝手に記述しているところ。文字起こしデータではわからない場合は「不明」と記載してほしいところです。
一方で、開始時間と経過時間から終了時間を計算して記載してくれている点は非常に気が利いています。
全体的にバランスが良く質の高い議事録を作成してくれました。
ChatGPT4oで作成した議事録
(1枚目)
(2枚目)
(3枚目)
2024年5月から利用できるようになった「GPT-4o」でも同様に比較しています。
GPT-3.5と比較して、発言者ごとに内容が整理されているものの、今回の結果においては差は軽微でした。
ただし長い会議の文字起こしデータを処理する場合には、精度の差が現れる可能性があります。
また今回の結果では、GPT-4oはGPT-3.5の2倍程度の速さで文章生成ができたため、議事録のような長文を生成する際にはGPT-4oの方が使い勝手が良いと言えるでしょう。
Geminiで作成した議事録
(1枚目)
(2枚目)
(3枚目)
Geminiは、指示にはなかった「その他、備考、改版履歴、作成者」の見出しを記載しています。「備考」にはプロンプトで指示した内容を、「改定履歴」にはプロンプトを実行した日を記載しており、とても気が利いた印象です。
文字起こしデータからわからなかった情報については、「会議室名、ここに記載する、Your Name」など、後から追記してほしい旨を表現しています。
一方で、基本情報の会議日時のうち、時間が出力されませんでした。また、発言者がわかるようにと指示しているにもかかわらず、だれが発言したのかわからないまとめ方となっていました。
特徴としては、とても気が利く一方でプロンプトの指示はあまり気にしていない感じです。
Claudeで作成した議事録
(1枚目)
(2枚目)
Claudeはプロンプトに忠実で、文脈の把握に優れている結果になりました。
特徴としては、プロンプトに忠実に守ろうとする傾向があり、ちょっとプロンプトを修正しただけで議事録がガラッと変わってしまうことがありました。
「議論の要点は箇条書きで、発言者ごとに整理された形式とします」を守るためなのか、発言者ごとに箇条書きでまとめられた文章が記述されています。
一方で、進行役を発言者から除外できている点は他のAIにはない特徴です。文脈から要否を判断して自然な議事録を作成できています。
今回のサンプルデータの場合はあまりChatGPTと大きな差はありませんが、弊社内で複数調べたところ、より長い会議の場合、Claudeの方が議論の趣旨をつかんで要約する力に優れている傾向にありました。
プロンプト次第で変化はあるものの、非常にバランス良く議事録を作成してくれました。
Copilotで作成した議事録
(1枚目)
(2枚目)
Copilotは、構成として指示した「決定事項」「アクションアイテム」が記述されず、指定したフォーマットが守られませんでした。
また、発言者がわかるようにと指示しているにもかかわらず、だれが発言したのかわからないまとめ方となっています。まとめ方が簡単すぎて、後から見た時に意味がわからない議事録となりました。
今回の調査の中では、最も要求から遠い議事録になっていました。
同じプロンプトと文字起こしテキストを使用しているにもかかわらず、AIサービスによって作成された議事録は全く違ったものになりました。
今回の結果から、無料のAIで議事録を作成したいならば「ChatGPT」あるいは「Claude」を選べば間違いはないでしょう。自社が求める議事録に近いのはどれか、比較してみてください。
■関連:【2024年最新】AI議事録自動作成ツール30選!おすすめの定番・新規ツールや選び方を徹底紹介
ChatGPTで議事録を作成するメリット3選
ChatGPTで議事録を作成すると、次のようなメリットがあります。
議事録作成の手間を減らせる
作成者によるバラツキがなくなる
迅速に作成して共有できる
各ポイントについて解説します。
議事録作成の手間を減らせる
ChatGPTを活用することで、議事録作成に関連する作業を自動化でき、作成者の手間を大幅に減らせます。
議事録は企業にとって重要な資産となるものなので、誰かがやらなければなりません。とはいえ、会議中のメモや会議後の議事録作成は、多くの担当者にとって負担の大きい作業です。
会議内容の整理、要旨の抽出、文章の調整など、AIが得意な作業をChatGPTにまかせてしまえば、担当者はより高度な仕事に注力できます。
作成者によるバラツキがなくなる
議事録は作成する人によって品質に違いが生じるという欠点がありますが、ChatGPTを使用すると品質の平準化が図れます。
バラツキが出るポイントとしては、以下の通りです。
メモの取り忘れ、聞き逃し
誤字脱字
内容の重要度を判断できるか
専門用語を理解しているか
勘違いをしていないか
発言者の意図を読み取れるか
特に「内容の重要度の判断」は人や経験、スキルによって基準が違うため、議事録の品質低下につながります。
ChatGPTの議事録作成プロンプトを使うことで、一定の判断基準をもって発言内容や文脈より重要度を判断し、バラツキのない議事録が作成できるでしょう。
なお、議事録作成のベースとなる会議メモの取り忘れ・聞き逃しについては、録画/録音からの文字起こしを利用すれば回避できます。より正確な議事録を作成するために、文字起こしツールを積極的に活用することをおすすめします。
迅速に作成して共有できる
議事録は会議での決定事項を共有するための重要な資料です。
決定事項を企業内に素早く周知するためには一刻も早く議事録を作成する必要があります。
手間と時間がかかっていた議事録をChatGPTが迅速に作成することで、情報共有がスピーディーに行えます。
また、決定事項や具体的なアクションアイテムなどの重要な情報について、要約してわかりやすい表現で記載してくれるため、スピーディな業務遂行につながるでしょう。
ChatGPTで議事録を作成するデメリット3選
ChatGPTを活用した議事録作成は多くのメリットがある一方、注意する点もあります。
セキュリティに注意が必要
文字起こしができない
文字数制限がある
デメリットを理解しておかないと、大事な会議の議事録で失敗する危険性もあります。一つずつ見ていきましょう。
セキュリティに注意が必要
ChatGPTに入力した情報は、無料版の初期設定のままだと外部に流出する可能性があります。
なぜならChatGPTは利用者が入力した情報をデータベースに記録し学習しており、その情報を第三者への回答に使う可能性があるからです。
過去にはChatGPTに入力した企業の機密情報が流出したとのニュースが話題になりました。実際、多くの企業がChatGPTに機密情報や個人情報を入力することを禁止しています。
対策としては、入力した情報がChatGPTの学習に使用されないような対応を取ることです。
ChatGPT APIを使用する(プログラミングスキルが必要)
企業向けプランであるChatGPT Enterpriseを利用する(費用は非公開)
ChatGPTで履歴を残さない設定にする(過去の会話からの最適化や連続性が失われる)
情報漏洩対策済のAI議事録作成サービスを利用する
自社の課題や状況にあった対策を検討してください。
文字起こしができない
会議で録画/録音したデータは、文字起こしをしてテキストデータにしなければChatGPTで議事録作成はできません。
文字起こしについては、別の機能を使用する必要があります。
ChatGPTには「Whisper」という文字起こしAPIがありますが、プログラミング知識が必要となります。
複数の機能を使って順番に実行していく手順が煩雑な場合は、録画/録音から文字起こし、議事録作成まで一気通貫で行ってくれるAI議事録作成サービスがおすすめです。
文字数制限がある
ChatGPTのプロンプトは1回で入力できる文字数に制限があります。
会議が長くなると文字数が多くなる傾向があるので、無料版ではあっという間に文字数オーバーしてしまいます。
2024年5月現在、実際にやってみると、ChatGPT-3.5(無料版)で最大約5,000文字、ChatGPT-4(有料版)では最大約22,000文字です。
実際にTeamsのトランスクリプト機能で文字起こしをしたところ、約20分の会議で7,000文字となりました。会議の内容や発言状況により変動しますが、参考にしてください。
1プロンプトあたりの文字数が制限を超える場合は、テキストデータを複数回に分けて入力するようChatGPTに指示することもできます。
さらに、2023年9月のアップデートでChatGPT-4(有料版)はテキストデータ、画像データ、その他ファイルをアップロードして、これらの内容に基づいた対話や分析ができるようになりました。
アップロード方式では100MB(全角文字で5,000万文字)のデータを扱えるようになり、より柔軟な使い方ができるように進化しています。
文字数を気にしないでChatGPTにテキストデータを渡したい場合は、ChatGPT有料版の契約を検討することをおすすめします。
ChatGPTの文字数制限については以下記事で詳しく解説しています。
■【2024年最新】ChatGPTの文字数制限は1万字弱!無料・有料の違いや対処法を解説
ChatGPTで議事録作成の精度を上げるコツ
より良い議事録にするためのコツは以下の通りです。
プロンプトを活用する
文字起こしデータを正確にする
改善点を指摘し調整する
GPT-4(有料)を活用する
それぞれ詳しく解説します。
プロンプトを活用する
今回サンプルとして提示したプロンプトでは制約条件として細かく指示しましたが、出力フォーマットを提示し、それに合わせてまとめるといった方法もあります。
定例会議では、定型フォーマットに落とし込めば完成する議事録も多いでしょう。例えば、進捗報告会議議事録、戦略計画会議議事録、緊急事態対応会議議事録、年次総会議事録などです。
こうした会議の場合は、フォーマットの項目に合わせてChatGPTが情報を抽出・整理し、はめ込んでくれます。
例:進捗報告会議議事録
# 命令文
あなたは議事録作成のプロフェッショナルです。
[化粧品会社]の会議議事録を作成します。
以下の[#入力文] から、指定された制約条件に従い、[#出力形式]に従って効果的な議事録を作成してください。
#前提条件
以下の[#入力文]の内容は、会議の文字起こしデータです。
# 制約条件
・文字起こしデータはAIによるもので、一部の書き起こしミスが含まれています。この点を考慮して、文脈を理解し、内容を整理してください。
・見出しや箇条書きを活用し、情報が検索しやすく、読みやすい構造で記述してください。
・文書は簡潔かつ明瞭に記述してください。
・公開可能な情報と非公開情報を区別し、適切に扱ってください。
・専門用語や略語を使用する場合は、初回の使用時に定義を明記してください。
・ケバ取りしてください。
・文脈として意味が不明な箇所は、文脈的に相応しいと合理的に推測される内容に修正、または削除してください。
# 出力形式
進捗報告会議議事録
日付:
時間:
場所:
出席者:
欠席者:
議題:
1. 各チームメンバーの進捗報告
2. 遭遇している課題と対処法
3. 次週の目標
詳細:
- [名前]: [タスクの進捗状況、達成度合い、遭遇した課題、求めている支援]
- [名前]: [同上]
決定事項:
- [具体的な決定事項]
アクションポイント:
- [誰が] [何を] [いつまでに]
次回会議予定:
- 日時: [日付と時間]
- 議題: [主要議題]
#入力文
(ここにテキストを入力)
このプロンプトをベースに、自社の会議に合わせてカスタマイズしてみてください。
文字起こしデータを正確にする
文字起こしテキストデータは、ChatGPTに入力前に必ずチェックすることをおすすめします。ChatGPTは多少の誤りや誤字は補正してくれますが、文脈が伝わらないような文章では正しく認識せずに議事録に反映されません。
特にメモの場合、単語や省略した文章での記述になりやすく、話の流れやポイントを把握しにくいでしょう。また同音異義語の誤字の場合、ChatGPTが正しく理解できない可能性もあります。
ChatGPTが誤認識しそうな点をあらかじめ修正しておくと、グッと精度が上がるでしょう。
この作業は、オンライン会議ツールや文字起こしツール、自分で取ったメモなど、どの方法で作成した場合でも同様です。
改善点を指摘し調整する
プロンプトは作って終わりではなく、育てるものです。1度作成しただけでは思ったような結果にはなりません。
制約条件を追加・修正・削除したり、出力形式を変更したりして、自社に合う議事録になるように調整しましょう。
改良したプロンプトを自社内で共有することで、さらに議事録の正確性や作成時間の短縮につながります。
一方、どの議事録もいい形で作成できるようになったプロンプトでも、会議によってはうまくいかない場合もあります。そのような時は、個別に議事録の改善点を指摘して、ChatGPTに修正してもらいましょう。
例えば、発言者に注目しない会議の場合は、「発言者ごとの記述は不要です。議事ごとに要点をまとめてください。」と指示すると、議事録が以下のようになります。
指示通りに、発言者が記載されずに要点のみがまとめられました。
GPT-4o(有料)を活用する
議事録をより正確で高品質なものにしたい場合は、GPT-3.5(無料版)からGPT-4o(有料版)への切り替えを検討しましょう。
GPT-4oはGPT3.5に比べて、言語理解の精度が非常に高く、大幅に能力が向上しています。文章要約などで正確性が高くなり、より自然な文章を作れるようになったため、議事録作成には効果的です。
ChatGPTでGPT-4oを使用する場合は、以下のようなChatGPTにアップグレードする必要があります。
ChatGPT Plus:月額20$
ChatGPT Team:月額25$(1人当たり)
企業向けプランChatGPT Enterprise:費用は非公開
GPT-4の費用を気にせず使いたい方は、全ての費用を含んでいるAI議事録作成サービスも選択肢となります。自社の課題に合わせて、費用対効果を考慮して選択しましょう。
議事録作成するなら『Rimo Voice』がおすすめ
ChatGPTを活用した議事録作成は、業務効率化・品質向上・情報共有の迅速化などのメリットが多い反面、セキュリティ・文字起こし・文字数制限といった注意点もあります。
この注意点については、ChatGPT4(有料版)やAPIを使うと、それぞれ解消できます。
とはいえ、APIを使用した文字起こしプログラムを作成したり、プロンプトにテキストデータをコピペしたりアップロードしたりといった煩雑な手順に変わりはありません。
これらの課題を解消し、より良い議事録を作成するためにおすすめなのがAI議事録作成サービスです。
特に「Rimo Voice」は、録画/録音データをアップロード後、ワンクリックだけで文字起こしから議事録作成まで一気通貫で行えます。プロンプトを作成したり調整したりする必要もありません。
Rimo Voiceの特徴は以下の通り。
クラウドサービスのセキュリティ第三者認証であるISO27017認証取得で安心
録画・録音データから直接議事録が作成可能
文字数制限がないため、2時間以上の長時間の会議でも対応可能
日本語に特化した文字起こしエンジンを採用
オンライン会議ツール(Zoom・Teams等)から自動取り込みも可能
こちらから無料トライアルの登録ができます。
ChatGPTを活用した議事録作成をさらに手軽で安心に行いたい方は、ぜひRimo Voiceを使ってみてください。
最終更新日: 2024 / 11 / 19
関連記事
Zoomの議事録を自動作成したい!業務効率化の方法やおすすめツールを紹介【文字起こし】
業務効率アップ!Teamsで文字起こしをする方法を徹底解説【会議・議事録】
【実践】議事録の書き方が上手い人の特徴は?議事録作成のコツ10選
タグ
- AI
- 議事録
- 会議関連
一覧に戻る