毎週の部署やチームでの定例会議に、無駄や非効率を感じた方も少なくないのではないでしょうか。実際に多くのビジネスパーソンが社内会議に無駄が多いと感じています。
弁護士ドットコム株式会社が、2023年に実施した社内会議に関する実態調査では、社内会議に無駄を感じたことがあると回答したビジネスパーソンは、全体の9割を占めることが明らかになっています。
出典:https://www.hrpro.co.jp/trend_news.php?news_no=3271
また同調査では、会議に無駄を感じる理由として「長時間の会議」や「議題が不明瞭」なことが理由として多く挙げられています。
そこで大きな役割を果たすのが、会議のアジェンダの存在です。
本記事では、アジェンダとは何かといった基礎知識からアジェンダの作成目的・メリット、会議を効率化するための正しい書き方について解説します。
テンプレート一覧は以下を参照ください。
会議におけるアジェンダとは
アジェンダ(agenda)とは、ラテン語で「実行すべきこと」を意味する言葉で、予定表や計画表のことを指します。
ビジネスシーンにおいては、会議を滞りなく進行するために作成するスケジュールや議題をまとめたもののことです。
一般的に会議の数日前までにアジェンダは、参加者全員に共有されます。
事前に目を通しておくことによって、会議の生産性向上や時間短縮に役立ちます。
議案や議事や議題との違い
アジェンダと混同しやすい言葉に「議案」「議事」「議題」があります。
それぞれの概要・違いは以下の通りです。
アジェンダ | 会議のスケジュールや議題をまとめたもの |
議案 | 会議で話し合うべきこと・決定すべき具体的な提案 |
議事 | 会議で話し合うこと自体や、話し合いの内容 |
議題 | 会議で話し合うべき具体的な題目 |
レジュメとの違い
レジュメ(resume)とは、会議や講演・大学の授業などで発表する内容を要約した資料のことです。
アジェンダが、会議でこれから話し合われる議題や議案について記載されるものなのに対して、レジュメは会議で実際に話される内容の肝心な部分をまとめた資料である点に違いがあります。
会議前にアジェンダを作成する目的
アジェンダを作成する目的として、以下の3点が挙げられます。
会議の開催場所や日程を周知するため
会議の目的や議題を事前に共有するため
効率的に会議を進行するため
目的を正しく理解した上でアジェンダを作成することで、より高い効果が期待できるでしょう。
会議の開催場所や日程を周知するため
アジェンダには、会議の開催場所や日程を記載するものです。
事前にアジェンダを共有することで時間を守って参加者に集まって貰いやすくなります。
逆に、直前になってから場所や日時を案内すると、十分な準備ができなかったり当日の遅刻者や欠席者が現れる恐れがあります。
会議に関する正しい情報を周知しておくことで、当日の予期せぬトラブルを防げるでしょう。
会議の目的や議題を事前に共有するため
一言で「会議」といっても、目的や議題はさまざまです。
会議が開始されてから目的・議題を共有する場合、参加者はその場で理解して意見を考えなければいけません。
議論そのものに十分な時間を割けないケースも想定されるでしょう。
その点、会議の目的宇や議題を記載したアジェンダをあらかじめ共有しておけば、自分の中で意見をまとめた上で参加できます。
結果として、濃い議論を展開できて生産性の高い会議を実現できるでしょう。
なお、会議の目的については、以下の記事もぜひ参考にしてください。
関連記事:会議の目的は何?効率的に意味のある会議にするためのポイントを解説
効率的に会議を進行するため
アジェンダには、会議当日のタイムスケジュールも記載します。
事前に時間配分を考案し、共有しておけば、当日になってスムーズに会議を進行できるでしょう。
参加者一人ひとりが「このテーマについては〇分で結論を出す必要がある」と認識することで、無駄な議論や冗長な発言を防ぎやすくなります。
会議の進行については、以下の記事もぜひ参考にしてください。
関連記事:【例文集あり】会議の司会進行はこれで完璧!一連の流れを完全解説
アジェンダを作成するメリット
アジェンダを作成・共有した上で会議に臨むと、以下のメリットを得られます。
会議の生産性を高められる
会議の時間短縮につながる
会議後の方向性が明確になる
どのようなメリットがあるか理解しておくことで、前向きな気持ちでアジェンダを作成・共有できるでしょう。
会議の生産性を高められる
アジェンダを作成することで、会議の生産性を高めることができます。
会議の参加者が事前にアジェンダを確認することによって「会議に誰が参加するのか」「何について話し合うべきなのか」「会議を通して何を決定すべきなのか」といったことを把握した上で、会議に臨むことができます。
あらかじめ自分が話したいことやデータ・資料などを用意できるので、各人がよいアウトプットをすることが可能になります。
会議の時間短縮につながる
アジェンダには、会議の終了時間や議題ごとの時間配分が記載されています。
アジェンダ通りの進行を心がけることで、だらだらと長時間にわたり会議を行うことが無くなり、時間を管理できてオーバーしにくくなります。
また参加者が事前に会議の準備をできるので、会議中に資料やデータを探すといったことを減らし、会議時間の短縮が期待できます。
会議後の方向性が明確になる
毎週月曜日など、定例で開催が決まっている会議の場合、何について話すのかが不明確になることがあります。
また、何を決めるべきなのか不明確なまま会議が開催されるといった経験がある方も少なくないでしょう。
アジェンダを作成することで、時間内に何を話すべきか・決定すべきかが明確になり、会議の方向性が明確になります。
参加者が同じ方向を向いて議論ができるので、質の高い会議を行うことができます。
関連記事:【テンプレートあり】会議次第の作り方とは?議題の収集から会議当日までの流れを徹底解説!
アジェンダの正しい書き方
ここでは、実際にアジェンダに含めるべき内容と、作成例・テンプレートを紹介します。
アジェンダに含めるべき内容
アジェンダに記載すべき項目・基本的な構成は、以下のとおりです。
会議名
開催日時・場所・参加者名
会議を開催する目的・議題
タイムスケジュール
参考資料
各項目について詳しく解説します。
会議名
最初に、会議の名称を記載しましょう。
参加者がアジェンダを見てすぐに、どのような会議なのか理解できる適切な名前にするのが理想です。
開催日時・場所・参加者名
開催日時・場所・参加者名を簡潔に記載します。
場所に関しては、参加者が迷うことのないよう、フロアや会議室名も明記してください。
なお、オンライン会議を実施する場合は、場所の代わりにURLを記載しましょう。
初めて参加するメンバーがいる場合、接続方法も案内すると親切です。
会議を開催する目的・議題
会議を何のために開催するかや、主な議題を記載しましょう。
曖昧な目的だと会議中に「何のための時間なんだろう」といった不信感を抱かれかねません。
以下のように、具体的に記載することで参加者一人ひとりが目的意識を持って会議に臨めます。
〇〇の方針を決定する
〇〇の現状を洗い出して可視化する
〇〇の企画に関するアイデア出しを行う
あとから議事録を作成するときに、目的を達成できたか振り返りやすくなるのも嬉しいポイントです。
関連記事:会議の議題やネタが思いつかない!具体的な決め方や議題例を紹介
タイムスケジュール
会議をどのような時間配分で進行するか理解できるように、タイムスケジュールを記載します。
アイデア出し・議論・意思決定など、項目ごとにどれだけの時間をかけるかあらかじめ決めておきましょう。
時間制限が設けられていることを意識して会議に参加できるため、内容の濃い議論を展開できます。
参考資料
アジェンダの他にも事前に配布すべき資料がある場合は、資料名を列挙しましょう。
参加者全員に資料を行き渡らせるために、抜け漏れが生じないよう注意する必要があります。
この際、資料の量が多すぎると参加者に負担がかかるため、極力簡潔にまとめてください。
どうしてもボリューミーな資料となってしまう場合は、最低限確認すべき箇所を明記しておきましょう。
アジェンダの作成例(テンプレート)
アジェンダを作りたいもののどのように作成すれば良いかわからない方は、ぜひ以下のテンプレートを活用してみてください。
<〇〇会議のアジェンダ> 開催日時:2024年◯月◯日(月)14:00〜15:00 開催場所:7F会議室B 開催目的:第二営業部 四半期予算決め 議題内容: 上半期の営業成績報告(10分) 下半期の営業目標(10分) 下半期のチームごとの予算(10分) 下半期のチームごとの目標(10分) 個人成績の目標(10分) 総括(10分) 参加メンバー:○◯ / △△ / □□ 配布資料:上半期営業成績PDFファイル |
上記を参考にしつつ、会議ごとにカスタマイズすることでより質の高いアジェンダを作成できます。
その他のテンプレートも知りたい!という方は、ぜひ以下をご覧ください。
アジェンダを作成・共有する際の6つのポイント
アジェンダを作成する際には、以下の6つのポイント・コツを押さえましょう。
議題の背景や現状を共有する時間を設ける
質疑応答の時間も確保する
1~5分刻みでスケジュールを設定する
アジェンダ通りに進まない可能性も想定する
会議の24時間前には参加者に共有する
アジェンダに修正・変更が生じたらすぐに周知する
それぞれについて詳しく解説します。
議題の背景や現状を共有する時間を設ける
タイムスケジュールを組む際には、実際に議論を実施する前に議題の背景や現状を共有するための時間を設けましょう。
参加者によって議題に対する理解度や知識量が異なるため、まずは情報格差を埋める必要があります。
必要な情報を全員が理解した状態で議論に進めば、より質の高い意思決定に繋がるでしょう。
質疑応答の時間も確保する
会議のタイムスケジュールには、質疑応答のための時間も盛り込むようにしましょう。
参加者の中に疑問や不安が残ったまま会議を終了させてしまうと、会議で決定した事項を行動に移しにくくなるためです。
「会議の内容に納得した上で意思決定に合意した」と感じてもらうことが理想です。
とはいえ使える時間に限りがあるため、当日すべての質問に回答できない場合は、別途個別で対応するなどの手段を取りましょう。
5分などの短時間で良いので、会議中にも質疑応答を取り入れる姿勢が重要となります。
1~5分刻みでスケジュールを設定する
アジェンダにタイムスケジュールを掲載する際には、1~5分刻みで時間配分を細かく設定しましょう。
「〇時〇分ごろ」「〇分程度」のような、曖昧な表現は良くありません。
細かすぎるくらいにタイムスケジュールを組んでおき、時間厳守の意識を参加者にも植え付けることが大切です。
ただし、余裕のない無理なタイムスケジュールにしてしまうと、十分に議論されないまま結論を出すことになりかねないため、バッファの時間を設けるのもおすすめです。
アジェンダ通りに進まない可能性も想定する
丁寧にアジェンダを作成して事前に配布したからと言って、会議が想定通りに進むとは限りません。
人が集まって実施する会議には、予期せぬトラブルがつきものです。
例えば、重要な参加者が急遽欠席となったり、事前に案内したはずの資料に目を通していないメンバーがいたりすることもあるでしょう。
そのような時にも柔軟に対応して、出来る限り会議を有意義にするスタンスが求められます。
会議の24時間前には参加者に共有する
会議の24時間前には、メールやチャットツールなどを用いて、アジェンダを参加者全員に共有しましょう。
あらかじめ会議で何が話されるのかを共有しておくことによって、参加者も自分の意見や話すことをまとめた上で会議に参加することができます。
アジェンダを共有しておくことで、会議の生産性アップや時間短縮につながるだけでなく、参加者の心理的な負担の軽減にも寄与します。
また、確認したらリアクションをしてもらうことをルール化することで、確認漏れを防げるでしょう。
アジェンダに修正・変更が生じたらすぐに周知する
アジェンダを配布した後で修正や変更が生じた場合は、なるべくスピーディーに周知しましょう。
修正や変更があるのにも関わらず案内されないと、参加者の混乱を招きます。
特に、時間・場所・メンバーの変更は、会議を円滑に進行するためにも必ず共有してください。
会議のアジェンダに関するよくある質問
会議のアジェンダに関して寄せられることの多い、よくある質問に回答します。
アジェンダは誰が作成するべきですか?
アジェンダを共有せずに会議を実施するのは良くありませんか?
事前に回答を理解しておけば、スムーズにアジェンダを作成・共有できるでしょう。
アジェンダは誰が作成するべきですか?
ケースバイケースではありますが、基本的にはファシリテーターがアジェンダを作成するのが望ましいです。
アジェンダを作成する際には、招集するメンバーやタイムスケジュールも考えることになるため、当日の進行役を担うファシリテーターが担当するのが自然だと言えます。
アジェンダを共有せずに会議を実施するのは良くありませんか?
会議前にアジェンダを共有しない場合、日時や場所が正しく案内されない・ゴールが曖昧なまま議論が進められる、といった支障を来します。
時間やコストを無駄にしないためにも、会議を開催する際には事前にアジェンダを作成し、24時間以内には参加者に共有しましょう。
会議の効率化には『Rimo Voice』もおすすめ!
会議を効率化するためには、事前のアジェンダの準備だけでなく、会議が終了した後の振り返りの作業も重要です。
会議の振り返りに役立つのがAI文字起こしツール『Rimo Voice』を使用した議事録の作成です。
AIを活用した音声・動画の文字起こしツール『Rimo Voice』では、会議中に録音した音声データをアップロードすることで、1時間の音声をわずか5分でテキストに変換することができます。
雑音や意味のない発声を自動で取り除くことができるほか、ChatGPTを利用して議事録の要約を出力できます。
そのため、時間をかけずに会議の振り返りをすることが可能です。
作成した議事録をURLで簡単に共有できるため、アジェンダと照らし合わせて実際に会議でどのようなことが話し合われたか・決定事項は何かを確認することで、会議後の行動や施策実行に役立ちます。
『Rimo Voice』では、無料トライアルを実施していますので、会議やミーティングの効率化を検討している方はぜひお試しください。
まとめ:事前にアジェンダを作成・共有して会議を効率化しよう
本記事では、アジェンダとは何かといった基本事項からアジェンダを作成する目的・メリット、そして具体的な書き方について解説しました。
アジェンダは正しく作成し、事前に参加者に共有しておくことで、会議の生産性を高めたり、会議が所定の時間をオーバーすることを防ぐことができます。
質の高い会議を実現しつつ、コストや時間を削減してコア業務に充てたいと考えている方は、ぜひ本記事を参考にしてください。
最終更新日: 2024 / 10 / 15
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