【保存版】半構造化インタビュー完全ガイド!メリット・デメリットや分析方法を解説

「半構造化インタビューって何?」
「半構造化インタビューの分析方法を知りたい」
「半構造化インタビューで使える質問例を教えてほしい」
はじめて半構造化インタビューを行う場面で、こんなお悩みはありませんか?
半構造化インタビューとは、質的研究などでデータを集めるときに使われるインタビューの手法です。必ず聞く質問を事前に決めたうえで、回答に応じて掘り下げて聞きます。工程が多く、特にはじめてインタビューする方は難しく感じることがあります。
本記事では、半構造化インタビューの意味とメリット・デメリット、4ステップの進め方、質的データの分析方法を解説します。あわせて、採用面接・看護研究・卒業論文の場面を想定した質問例も紹介します。
【本記事でわかること】
半構造化インタビューの意味と、構造化・非構造化との違い、メリット・デメリット
インタビューの4ステップと、質的データの分析方法
採用面接・医療・看護研究・卒業論文の場面を想定した質問例

半構造化インタビューとは

半構造化インタビューは、必ず聞く質問を事前に決めておき、回答に応じて質問を足して掘り下げるインタビューです。質的研究などでデータを集めるときに使われます。質的研究とは、言葉や行動のように数値にしにくいデータ(質的データ)を集めて分析する研究のことです。
インタビューは、質問をどこまで決めておくかで「構造化」「半構造化」「非構造化」の3つの型に分けられ、半構造化はその真ん中にあたります。順番や聞き方は固定しません。質問も順番も決めておく構造化、質問を決めない非構造化との違いは、次の章で例とあわせて紹介します。
※インタビューする人を「インタビュアー」、受ける人を「インタビュイー」と呼びます。
たとえば、以下のような場面で使われます。
採用面接
マーケティング調査
医療・看護研究
卒業論文
半構造化インタビューと、構造化・非構造化インタビューの違い

質問の決め方で見ると、インタビューは「構造化」「半構造化」「非構造化」の3つの型に分けられます。全員に同じ質問をして回答を比べたいなら構造化、質問を決めずに会話の中から問題点を探りたいなら非構造化、必ず聞く質問を押さえつつ深掘りもしたいなら半構造化が向いています。
それぞれのインタビューの流れを、例で紹介します。3つの例は、どれも同じ採用面接の場面です。並べて読むと、質問の決め方の違いが分かります。
参考:日本放射線技術学会雑誌「第 7 回 質的研究方法論~質的データを科学的に分析するために~」
1. 決まった順番で質問する「構造化インタビュー」
構造化インタビューは、あらかじめ決めておいた質問を順番通りに聞く形式です。
相手の回答が何であれ、事前に決めた内容から脱線せずに必ず次の質問をします。全員に同じ質問を同じ順番でするので、回答をそろえて比べやすい一問一答形式のインタビュー方法です。
メリット | ・インタビュアーに高度なスキルが不要 |
デメリット | ・無機質で単調に感じる |
決まった質問を順番どおりに聞けばよいため、インタビュアーの経験が少なくても対応でき、回答に一貫性があるので分析もしやすくなります。一方で、質問から会話が膨らまず、その人ならではの興味深い回答は生まれにくい形式です。
構造化インタビューの例
Q「あなたの長所はなんですか?」
A「コミュニケーション能力が高く、誰とでもすぐに打ち解けられるところです。」
Q「あなたの短所はなんですか?」
A「完璧主義で、何事にも時間をかけすぎてしまうところです。」
Q「家族からどのような性格と言われますか?」
A「どんなときでもポジティブと言われたことがあります。」
2. 回答に応じて深掘りする「半構造化インタビュー」
半構造化インタビューは、必ず聞く質問をした上で、さらに詳しく聞きたい内容について深掘りする形式です。採用面接や看護研究などで、こちらの手法が用いられています。
メリット | ・回答を深掘りできる |
デメリット | ・その場で深掘りの質問を考える力が必要 |
興味深い回答があった際に関連した質問ができるので、その人ならではの考えを聞け、内容に深みが増します。回答によって順番や内容を入れ替えられる反面、その場で深掘りの質問を考える機転が必要です。
半構造化インタビューの例
Q「あなたの長所はなんですか?」
A「コミュニケーション能力が高く、誰とでもすぐに打ち解けられるところです。」
Q「その長所を仕事で活かせた経験を教えてください。」
A「気難しいことで有名なクライアントと良好な関係を築けたので、その後のやり取りがスムーズになりました。」
Q「あなたの短所はなんですか?」
A「完璧主義で、何事にも時間をかけすぎてしまうところです。」
3. 質問を決めずに自由に聞く「非構造化インタビュー」
非構造化インタビューは、あらかじめ質問を決めずに、相手の話の流れに合わせて質問する形式です。会話の中から問題点を探っていくときに用いられます。
メリット | ・自由に質問できる |
デメリット | ・必ず聞く質問が無いため、聞き漏れが出やすい |
自由度が高く、「この質問を必ず聞かなければいけない」という義務感に囚われずに、自分のペースで雰囲気を作れます。
ただし、インタビュアーのスキルや経験による部分が大きく、聞きたいことだけを聞くと流れが不自然になって相手が話しにくくなる点にも注意が必要です。
非構造化インタビューの例
Q「これまでのお仕事について、自由にお聞かせください。」
A「前職では営業をしていて、取引先との関係づくりに力を入れていました。」
Q「関係づくりというと、どんなことをされていたのですか?」
A「毎月、取引先の現場に足を運んで、困りごとを聞いていました。」
Q「現場で聞いた困りごとで、印象に残っているものはありますか?」
A「納品の時間が合わないという声が多かったので、社内の配送の担当と一緒に見直しました。」
決めた質問は無く、相手の答えから次の質問が生まれています。長所や短所を聞くかどうかも、話の流れしだいです。
補足:人数による分け方(型とは別の軸)
インタビューは、質問の決め方とは別に、インタビュイーの人数でも分けられます。
デプスインタビュー(1対1):1人に時間をかけて聞けるので、本音を聞きやすいと言われる形式です。ただし、何人にも聞くときは1人ずつ時間を取る必要があり、効率が悪くなりやすい点はデメリットです。
グループインタビュー(1対複数人):座談会や商品レビューなどで用いられることがある形式です。まとめて質問でき、ほかの参加者の発言から予想外の回答が出ることもあります。ただし、1人あたりの時間が短く、回答をほかの人に聞かれるため、お金や家族、病気の話などセンシティブな内容は扱わないほうがよいでしょう。
半構造化インタビューの3つのメリット

半構造化インタビューのメリットは、以下の3つです。
1. インタビューの目的を達成しやすい
半構造化インタビューでは、必ず聞く質問をあらかじめ決めておくので、質問を決めない非構造化インタビューと比べて、聞き漏れが少なく、目的に沿った情報を集めやすいです。インタビューの目的、つまり得られた情報をどのように使いたいのかを先に決め、その目的に合わせて必ず聞く質問を選びましょう。
深掘りで話が広がっても、決めた質問に戻れば大筋から外れにくく、聞きたいことを押さえたインタビューができます。
2. 質的データを得やすい
決めた質問を順番どおりに聞く構造化インタビューと比べて、半構造化インタビューは、興味深い回答をその場で深掘りできる手法です。決まりきった回答だけでなく、その答えの理由や背景まで聞けるのがメリットです。
深掘りした質問からは、ニーズや課題を具体的に把握しやすくなります。
たとえばユーザーインタビューなら、既存商品の不満や、新サービスに活かせるヒントを聞き出せます。採用面接なら、応募書類だけでは分からない考え方を知る手がかりになります。
3. 規則性と自由度のバランスが良い
半構造化インタビューは、構造化インタビューのように全員に同じ質問をしながら、非構造化インタビューのようにその場で深掘りする質問もできるため、規則性と自由度のバランスが良い手法です。
インタビュイーが複数人いても、必ず聞く質問をそろえておけば、回答を同じ物差しで比べられます。そのうえで、一人ひとりの考えも深掘りできます。
半構造化インタビューの3つのデメリット

半構造化インタビューにはメリットがある一方で、以下のようなデメリットもあります。
少し難易度の高いインタビュー方法なので、それぞれの備え方とあわせて押さえておきましょう。
1. 調査準備や質問設計に手間がかかる
半構造化インタビューは、質問内容を洗い出し、インタビューする順番を考えるうえ、深掘りの方向も想定しておく必要があるため、決めた質問を聞くだけの構造化インタビューより準備に時間がかかります。
なぜインタビューするのか目的を決定した上で、目的にあった質問内容を考えましょう。必ず聞きたい質問を用意するのはもちろんですが、そこから深掘りすることによってインタビューはどのような方向に進むか分かりません。
準備では、以下の3つをしておくと当日に慌てにくくなります。
質問をカテゴリ別に分類しておく:経歴・仕事の進め方・今後の希望のように分けておくと、話が飛んでも次に聞くことを探しやすくなります
事前にシミュレーションしておく:同僚に相手役を頼み、質問から深掘りまで一度通しておきます
過去・現在・未来の順で聞く:これまでの経験→今の状況→これからの考え、の順に聞くと、相手も話を組み立てやすくなります
関連記事:
インタビューの質問リスト120個を公開!質問の作り方やコツも紹介します
ヒアリングシートの作り方は?必須項目やシーン別フォーマットを紹介
営業ヒアリングのコツは?商談で使える質問例と確認項目・流れ5ステップ
2. インタビューの難易度が高い
決めた質問を順番どおりに聞く構造化インタビューなら淡々と進められますが、半構造化インタビューでは回答からさらに深掘りする能力が求められます。話が膨らみそうな回答を見抜き、そこからさらに興味深い内容を引き出せるかはインタビュアーにかかっています。
そのため、インタビュアーの経験やスキルによるところが大きく、はじめてのうちは難しく感じやすいでしょう。誰にでも当てはまる答えで終わってしまうと、その人ならではの考えや経験は聞けません。
経験を積むまでは、思うように深掘りできないことがあるのがデメリットです。
はじめのうちは、深掘りの質問を事前にいくつか想定しておき、「なぜ」「どのように」で聞き返すことから始めると進めやすくなります。
3. 必ず聞く質問と深掘りの質問の塩梅が難しい
半構造化インタビューでは、どの程度まで質問を決めておくのか、どこまで深掘りするのかに決まりが無く、自分で決める必要があります。あらかじめ決めておいた質問に偏ると単調なインタビューになってしまいます。
一方で自由に深掘りしすぎると、人によって聞いた中身がそろわず、回答を比べて分析しにくくなります。半構造化インタビューの醍醐味ではありますが、ある程度の経験がないとアンバランスなインタビューとなってしまいます。
迷ったときは、必ず聞く質問を全員に聞き終えることを優先し、残りの時間で深掘りするとバランスを取りやすくなります。
半構造化インタビューの方法を具体的に4ステップで解説

半構造化インタビューは、次の4ステップで進めます。①信頼関係をつくってから始める、②必ず聞く質問をする、③興味深い回答を深掘りする、④要点をまとめて総括する。流れを先に頭に入れておくと、当日に慌てにくくなります。
1. 信頼関係を構築してからインタビューを始める
事前に、相手について分かっている情報に目を通しておきましょう。採用面接なら応募書類、ユーザーインタビューなら申し込み時の回答、取材なら相手の著書や発信している記事などです。
インタビューの雰囲気づくりには、信頼関係づくりが大切です。まずは自己紹介から始めましょう。
明るい雰囲気でインタビューが進むと、話が盛り上がり有益な話を聞きやすくなります。
自己紹介の後は、いきなりインタビューの本題に入るのではなく、アイスブレイクと呼ばれる雑談から始めて場の雰囲気を作るのもおすすめです。
最近一気に暑くなってきましたね
昨晩話題になった○○というニュース、ご覧になりましたか?
今日はこちらまで迷わず来られましたか?
(オンラインの場合)音声は聞こえにくくないですか?
採用面接では、出身地や家族のことなど、仕事に関係のないことは話題にしないようにしましょう。
参考:厚生労働省「公正な採用選考の基本」
アイスブレイクは身構えなくても回答できる、簡単なものとしてください。場が和んでから、インタビューの目的と流れを共有します。
録音の了承は、目的を添えて取る
インタビューを録音するときは、目的と流れを共有するタイミングで、録音を始める前に確認します。
「あとで内容を正確に確認するため、録音させていただいてもよろしいでしょうか」のように、目的を添えて頼むのがポイントです。
無断で録音することは、せっかく築いた信頼を損ないかねません。了承を得たら録音を始め、録音を始めたことをもう一度伝えて返事を残しておけば、同意を得た記録にもなります。
断られたときは無理に録らず、メモを取る形に切り替えましょう。研究や卒業論文の場合は、所属先で同意の取り方が決まっていればそれに従います。
2. 必ず聞く質問をする
本題に入る前に、インタビュイーのバックグラウンドや現在の状況を軽く聞いておくと進めやすくなります。そのうえで、あらかじめ決めておいた必ず聞くべき質問をします。
必ず聞く質問は、インタビュイーが複数人いる場合、日時や聞き手が変わっても全員に聞いてください。インタビュー中は、以下のポイントに気を付けるとスムーズに進行できます。
オープン・クエスチョンを心がける
質問は簡潔に、わかりやすく
専門用語はなるべく使わない
質問には自由に回答してもらう「オープン・クエスチョン」と、はいorいいえで簡単に答えられる「クローズド・クエスチョン」の2種類があります。
クローズド・クエスチョンでは話が広がりにくいため、できるだけオープン・クエスチョンを使い、インタビュイーに自由に語ってもらいましょう。
関連記事:インタビューを成功させるコツ35選!現役ライター&広報担当者監修
3. 興味深い回答を深掘りする
半構造化インタビューでは、必ず聞く質問以外にも、さらに詳しく聞きたい回答を深掘りします。半構造化インタビューの醍醐味はこのパートにあるため「なぜ」「どのように」と具体的に掘り下げていきましょう。
インタビュイーの反応に合わせて、質問の順序や内容を柔軟に調整する能力も必要です。たとえ沈黙があったとしてもじっくりと耳を傾け、インタビュイーが考えを深めるための時間を与えましょう。
インタビュイーの「もっと話したい」「聞いてほしい」を逃さないよう、細かく様子を観察してください。
メモは要点だけにして、聞くことに集中する
インタビュー中のメモは、深掘りしたい言葉だけを短く書き留める程度にとどめましょう。深掘りは、相手の言葉から「なぜ」「どのように」を拾い上げる作業です。
書くことに意識を取られると、表情や間を見逃し、聞き返すタイミングを逃しがちです。
詳しい内容は、あとから録音を聞き返して確かめます。メモをほとんど取らず、録音に任せるという進め方もあります。
4. インタビューをまとめて総括する
インタビューの時間が終わりに差し掛かったら、まとめの準備に入りましょう。インタビューの要点をおさらいし、インタビュイーに確認します。
追加の情報や、言い残したことは最後にすべて聞いておきましょう。また、貴重な時間を使ってインタビューに協力していただいたお礼は必ず伝えてください。
あとから内容を確かめたり、まとめたものを見てもらったりする場面もあるので、連絡方法がまだ分からなければ、その場で聞いておきます。インタビュー後はできるだけ早くインタビュー内容を文字起こしし、印象に残った内容をメモしておきましょう。
関連記事:インタビューを効率的に文字起こしする方法は?おすすめAIツール・アプリを紹介
半構造化インタビューで質的データ分析をする方法

質的研究や調査では、半構造化インタビューはデータを集める手段として使われます。集めたデータを分析する方法が「質的データ分析」です。この章は、研究や調査のためにインタビューをする方に向けた内容です。採用面接や、インタビュー記事にまとめるためのインタビューなら、この章は読み飛ばしてかまいません。
例えば経営者10人に半構造化インタビューして得られた感覚的なノウハウや経験といったデータを集めて質的データ分析すれば、成功する人の共通点を導き出せる可能性があります。
マーケティング調査や学術研究のためのインタビューでは、インタビューの前に、集めたデータをどう分析するかまで決めておきましょう。
質的データの分析は、一般に次の6つの工程で進めます。『MAXQDA』や『ATLAS.ti』などの専用ツールを使って進めることもできます。
データの準備
データのコーディング
カテゴリー化
解釈と説明
信頼性と妥当性の確保
結果の報告
それぞれの工程について解説します。
1. データの準備
インタビュー時の音声を文字起こしして、データにします。文字起こしの方法は以下の2通りです。
人の耳で聞いて手動で書き起こす
文字起こしツールを利用して自動で書き起こす
半構造化インタビューの分析では、文字起こしされた文章をデータとして扱います。あとで発言を正確に引用できるよう、聞き取れた言葉はそのまま書き起こしましょう。
2. データのコーディング
文章を構成する概念をコードと言い、文字データ(発言)にコードを割り当てていく作業がコーディングです。
たとえば、「上司に相談しやすいとうれしい」という発言には、「相談のしやすさ」というコード(小見出し)を付けます。
必要に応じてサブコードを作成し、より詳細な分類を行う場合もあります。
参考:日本放射線技術学会雑誌「第 7 回 質的研究方法論~質的データを科学的に分析するために~」
3. カテゴリー化
コーディングできたら、次はカテゴリー化です。
それぞれのコードを見比べて、類似点や関連性ごとにカテゴリーを作ります。各カテゴリーは名前を付けて区別しておいてください。
各コードを印刷したり付箋に書き出したりしてみて、カテゴリーに分けましょう。カテゴリーにまとめると、一人ひとりの発言から、何人かに共通する考えが見えてきます。
コーディングとカテゴリー化は、発言に小見出しを付けて、含まれる情報を失わずに短く圧縮する作業ともいえます。
カテゴリー化は何度か行い、目的をいちばん説明しやすい分け方を探しましょう。
4. 解釈と説明
目的に沿って説明できるレベルまで、カテゴリーの意味を解釈します。
インタビュイーの発言の意味や理由を推察する工程です。カテゴリーごとの関係性を追究し、理論的に説明できるようにしましょう。
複数人で議論しながら行うと、自分では気づけなかった解釈や気付きを得られます。積極的に意見を出し合いましょう。
5. 信頼性と妥当性の確保
分析の結果は、偏っていないか(信頼性)、解釈が合っているか(妥当性)を確かめる必要があります。確認する方法は以下の通りです。
分析方法を記録に残す
何度も反復して確認する
何人かで議論する
解釈が正しいか、インタビュイーに確認する
分析の過程を記録に残しておかないと、不備があった際に立ち返れません。手法や手順は正確に記録しておきましょう。
複数人で何度も確認や議論をすると、解釈の一致度が高まりやすくなります。
インタビュイーに結果を伝え、解釈が本人の意図と合っているかを確かめると、思い違いに気づけます。もらった意見はそのまま結論にせず、ほかのデータと照らし合わせて扱いましょう。
6. 結果の報告
最後に、分析結果を報告します。
カテゴリーや概念の関係性を、図式化あるいは文章化する作業です。パワーポイントや報告書、論文の形式が主となります。
データの具体例を引用すると、解釈や分析結果の裏付けとなるので、根拠を提示することが大切です。分析結果を明確に伝えられるよう、簡単な言葉を使うように意識し、図表も多く取り入れて見やすさを意識しましょう。
半構造化インタビューが用いられる3つのシチュエーションと質問例

半構造化インタビューは、以下のシチュエーションでよく用いられます。
採用面接
医療・看護研究
卒業論文
それぞれの場面で、1つの質問と回答に対して、半構造化インタビューの肝となる「回答からさらに掘り下げた質問」を3つずつ示しました。実践的なテーマを想定して作成したので、ぜひ参考にしてください。
1. 採用面接
採用面接では、候補者を対等に比べられる必ず聞く質問と、人柄をより理解するための深掘りの質問を用意します。半構造化インタビューの手法を用いて、採用面接を進めていきましょう。
●シチュエーション:面接官として採用面接を行う
●目的:中途社員の採用において、仕事への姿勢やモチベーションなどを確認する
Q「仕事に対する、あなたの姿勢やモチベーションについて教えてください。」
A「私は常に自分のベストを尽くすことを目指しています。仕事に対する情熱を持ち、常に新しいスキルや知識を習得しようと努めています。」
深掘りの質問
Q1「これまでの仕事で、自分のベストを尽くしたプロジェクトについて教えてください。」
Q2「仕事に対する情熱を持つようになったきっかけや、影響を受けた出来事があれば教えてください。」
Q3「新しいスキルや知識を習得しようとするモチベーションを維持するために、どのような工夫をしていますか?」
これまでに携わってきたプロジェクトや、応募者の人となりを詳しく知れるような回答があった際に、積極的に深掘りしてみましょう。
採用面接の記録は、正確な文字起こしを土台にする
あとから見直せるよう、応募者の言葉をそのまま残した文字起こしを土台にしておくと便利です。
別の面接官があとから見直せる:必ず聞く質問をそろえて記録しておけば、部門長など別の面接官も同じ基準で確認できます。
合否は人が決める:AIの文字起こしや要約を使う場合も、あくまで補助です。最終的な判断は面接官が行いましょう。
関連記事:採用面接におすすめのAI文字起こし・議事録作成ツール6選!選び方や活用フローを解説
2. 医療・看護研究
医療・看護研究では、半構造化インタビューが用いられることがあります。医療者それぞれの視点や個人的な考え、取り組みをインタビューしましょう。
●シチュエーション:医療・看護研究のため、看護師にインタビュー
●目的:チーム医療で、看護師がほかの医療スタッフと協力するためにしている工夫を明らかにする
Q「チーム医療の中で、他の医療スタッフと協力するために心がけていることは何ですか?」
A「私は常に他のスタッフと情報を共有することを大切にしています。どんなに忙しくても短いミーティングを行い、患者さんの状態や必要なケアについて話し合うようにしています。」
深掘りの質問
Q1「最近、他の医療スタッフとの協力が功を奏した状況について教えてください。」
Q2「忙しい時でもミーティングを行うために、どのような工夫や対策をしていますか?」
Q3「情報共有を徹底することで、実際にどのような成果や改善が見られましたか?」
医療現場では理想と現実の狭間で思い悩む医療者もいて、実体験は貴重なデータになります。
3. 卒業論文
卒業論文では、既存の研究にない知見が求められることがあります。半構造化インタビューで意見を深掘りし、考え方を探ってみましょう。
●シチュエーション:卒業論文に向け、学生にインタビュー
●目的:ソーシャルメディアで他人の投稿を見ることが、自己評価や幸福感にどう影響するかを探る
Q「ソーシャルメディアで他人の投稿を見ると、どんな気持ちになりますか?」
A「正直、友達の成功や幸せな瞬間を見ると少し羨ましく感じることがあります。同時に自分の生活と比較してしまい、自信を失うこともあります。」
深掘りの質問
Q1「他人の幸せな投稿を見た後に、自分の幸福感はどう変わりますか?」
Q2「友達の投稿を見て自信を失ったとき、どのように気持ちを立て直していますか?」
Q3「ソーシャルメディアでの友達の成功や幸せな瞬間を見ることが、あなたの自己評価にどのような影響を与えていると思いますか?」
自分では思いつかない興味深い発見をまとめると、オリジナリティのある卒業論文となるでしょう。
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半構造化インタビューは、質問内容の検討や文字起こし、分析といくつもの過程がある大変な作業です。工程が多く「すべてを自力で行うには時間が足りない……。」と思った方は、任せたい工程に合わせて、次の2つから選べます。
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質問づくりから、AIによるインタビューの実施、記事化まで任せたい:『Rimo Interviewer』
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半構造化インタビューに関するよくある質問
Q. 構造化インタビュー・非構造化インタビューとの違いは何ですか?
質問の決め方が違います。構造化インタビューは、決めた質問を順番どおりに聞く一問一答の形式です。
非構造化インタビューは、質問を決めずにその場で自由に聞きます。半構造化インタビューは、決めた質問に加えて、興味深い回答を深掘りするのが特徴です。
Q. 初心者でも半構造化インタビューはできますか?
できますが、深掘りの力が求められるため、はじめは難しく感じやすい手法です。質問をカテゴリ別に分けておく、事前にシミュレーションしておくなど、準備に時間をかけておくと、当日に慌てにくくなります。
Q. インタビューは録音したほうがよいですか?
録音しておくと、メモを最小限にして聞くことに集中でき、あとから聞き返して確かめられます。質的データ分析では、音声を文字起こししたものをデータとして使います。
録音するときは、録音を始める前に目的を添えて了承を取り、断られたら無理に録らずメモに切り替えましょう。研究や卒業論文では、所属先の決まりに従います。
Q. 質的データ分析は必ず必要ですか?
採用面接や記事のためのインタビューなら、質的データ分析まで進める必要はありません。ただし、マーケティングや学術の目的で行うインタビューでは、結果を市場分析や研究に活かすために、質的データ分析が必要になることがあります。
まとめ|質問を用意して深掘りすれば、半構造化インタビューは進められる
半構造化インタビューは、あらかじめ決めた質問に沿って聞きながら、興味深い回答を深掘りする手法です。準備や質問設計に手間がかかるぶん、進め方と分析の流れを先に押さえておくと、当日に迷いにくくなります。
違い:構造化は一問一答、非構造化は質問を決めない。半構造化は、決めた質問に深掘りを加える
進め方:信頼関係づくり・必ず聞く質問・深掘り・総括の4ステップ
分析:文字起こしをデータにして、準備から結果の報告まで6つの工程で整理する
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まずは、インタビューの目的を決めて、必ず聞く質問を書き出すところから始めてみませんか。
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