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"現場の声"から始まった変革 ― 清水建設が語る、AI導入で見えた新たな可能性|清水建設株式会社東北支店様

今回の事例インタビューは、清水建設株式会社東北支店様です。支店全体でお使いになっていただいている清水建設様では、導入のきっかけや、導入後どんな効果があったかなどについて、生産総合センターの大原様・金田様、そして現場の伊藤工事長にお話を伺いました。
導入前
定例会議の議事録作成に多くの時間を費やし、残業して対応していた
会議の録音した音声を全て聴き、手打ちで規定のシートに記入する必要があった
会議中はメモを取ることに必死で、会話の内容に集中できないことが多かった
聞き逃しがあっても録画を見返す負担が大きく、その後の業務に支障があった
導入後
「録音→文字起こし→AI要約→微修正→コピー&ペースト」の簡単なステップで議事録が完成するようになった
「とりあえず録音・録画する」「何かあったらRimoで見返せる」という安心感で会議に集中できるようになった
カスタムテンプレートの活用で、現場の定例会議議事録フォーマットに合わせた要約が可能になった
議事録の共有がしやすくなり、「会議をやりっぱなしにする」ことがなくなった
ー貴社の事業内容や担当業務について教えてください
弊社は1804年の創業以来、200年以上の歴史を持つ総合建設会社です。初代清水喜助が江戸で大工業を始めたのが起源で、以来、日本の建設業界をリードしてきました。明治期には西洋建築技術を積極的に取り入れ、日本銀行本店や東京駅など多くの歴史的建造物を手がけてきました。現在は建築・土木・開発事業を中心に、国内外で幅広く事業を展開しており、近年は「デジタルゼネコン」を掲げ、建設業のDX化を推進しています。環境・社会課題の解決にも積極的に取り組み、2050年までのカーボンニュートラル達成を目指すなど、持続可能な社会の実現に向けた取り組みも進めています。
その中でも私たちは、東北支店内で建築現場支援を担当しています。主な業務は建築現場のDX推進と現場業務のワークシェアリング対応(現場メンバーの庶務業務を内勤メンバーが担当する)です。また、建築現場のDX推進と併せて情報システム部署と連携し、支店内他部署のICT関連業務もサポートしています。

ーAI議事録ツールを導入した背景を教えてください
大きくDXという文脈では色々な課題があったのですが、現場からの意見からまず白羽の矢が立ったのが「定例会議の議事録作成業務の負担削減」でした。
これまでの会議の議事録作成は、議事録作成担当者が会議の録音した音声を全て聴き、手打ちで定例会議まとめ用のシートに記入するという、完全人力となっていました。この作業を現場業務が落ち着いた夜間に残業で作業していたので、負担は非常に大きかったですね。
当時はChatGPTや生成AIが世間に出始めたころで、「AIなら何でもできる」という認識はあったものの、AIによる要約がしっかり使えるサービスはまだ稀でした。録音データの文字起こしツールは多く出てきていても、それが議事録としての実用性は実感できていなかったというところですね。
そんな中でいくつかのサービスを試してたどり着いたのがRimo Voiceでした。
ー他社ツールを複数比較した中でRimo Voiceを選んだ理由について教えてください
議事録ツールを選定するにあたって、4つのサービスを試しました。その中でRimo Voiceに感じた他社との明らかな差は「文字起こし精度の高さ」「要約のレベルの高さ」「スピード感」「使いやすいUI」「AIによる充実した拡張機能」がありました。比較した他社ツールは、文字起こしするだけで終わるものが多く、その後の要約が不十分であるなど、文字起こし後の対応が弱かったと感じました。それに対しRimo Voiceでは、文字起こし精度が格段に良いだけでなく、話者分離や要約などの文字起こし後の機能が充実しており、Wordいらずを実現できると感じました。アップロードしてからのスピード感も魅力の一つです。また社内にツールを展開する側として良かったところが、UIの見やすさでした。機能はたくさんあるのにも関わらず、だれが見ても初見で分かる見た目は、デジタルに精通した人材が少ない当社にも比較的すんなり受け入れられる要因となりました。これは、同時期に社内でモニターを募り、他社製品と比較した結果の意見だったので、信頼性があると感じました。
この良さこそが、ただの議事録作成にとどまらない「記録の共有」をコンセプトとしたプラットフォームになり得ると認識したのが決め手でした。
ー社内での提案プロセスで壁にぶつかることはありませんでしたか?
Rimo Voiceの「利用時間に応じた料金体系」と「ユーザー数無制限」という特長を活かし、個別現場ではなく支店全体でのライセンス契約を提案しました。情報システム部署と連携して支店ライセンスを導入したことで、各現場は必要な分だけ使用でき、個々の部署に負担をかけることなく、支店全体で柔軟に活用できる体制を構築。
この支店全体へのアプローチは、多くの現場を持つ私たちの組織にとって非常に合理的な選択となりました。

ー具体的な使用方法(運用ルーティン・活用環境について)を教えてください
Rimo Voiceの活用をスムーズに進めるため、効率的な運用体制を整えました。各工事現場や部署ごとに専用のチームフォルダを作成し、そこに関係者を招待するシンプルな仕組みです。例えば新しい建設プロジェクトが始まれば、そのプロジェクト名でチームフォルダを立ち上げ、現場スタッフや協力会社の方々も含めて必要なメンバー全員を招待します。この初期設定は私たち生産総合センターがサポートするので、現場の方々は設定の手間もなく、すぐに活用を始められます。この使いやすさが好評で、現在では建設現場だけでなく管理部門や営業部門など支店全体に活用の輪が広がっています。

実際の議事録作成フローは非常にシンプルです。現場担当者はまず会議を録音し、その音声データをRimo Voiceにアップロードします。Rimo Voiceが自動で文字起こしを行い、その後はカスタムテンプレートでAIが自動で要約してくれるので、担当者はその内容を必要に応じて微修正して社内の定型フォーマットにコピー&ペーストするだけで議事録が完成します。このシンプルなフローにより、以前は何時間もかかっていた作業が大幅に効率化され、現場の負担軽減につながっています。

ーRimo Voiceの導入前と導入後の違いを教えてください
導入前は、会議のメモをとることに必死になったり、聞き逃しがあっても録画を見返す気力がなく、その後の業務に支障がありました。導入後は、「とりあえず録音・録画する」「何かあったらRimoで見返せる」という安心感がある事で、会議や会話に集中できるようになりました。議事録の共有もしやすいので、これまで起こっていた「会議をやりっぱなしにする」ということがなくなりました。そのまま人に見せても恥ずかしくないまとめになっているので、相手への意思疎通が非常にスムーズになったと感じています。
また、これは副次的な効果なのですが、RimoのUIや要約内容をきっかけに、会議の進行の大切さを理解しました。適当な会話をするとAI要約もよく分からない方向になることが多いので(笑)。起承転結やネクストアクションを意識した会議をすることで、より建設的で濃い内容の会議ができるようになりました。
ー便利だと思う機能はありますか?
主に2点あります。
1つはテンプレート機能です。Rimo Voiceにはデフォルトで3つの要約テンプレートがあるのですが、導入当時、現場からは実はあまり評判がよくありませんでした。要約しても弊社の議事録まとめとしてはフォーマットが異なり、「求めていないまとまり方をするため結局使えない」という意見が多かったのです。
そこで、カスタマイズしたテンプレートをRimoさんと協力して開発しました。当社の定例会議議事録用紙は、ほとんどの現場で似たような形式を採用しています。最終的に現場がまとめたい内容になるようにAIが認識し要約できれば、ほとんど手を動かさず議事録が作れると考え開発に至りました。
結果として、現場は「録音する」「録音データをRimoにアップロードして文字起こしする」「カスタムテンプレートで自動要約する」「微修正する」「WordやExcelの議事録シートにコピー&ペーストする」の5ステップだけで議事録を作り上げることができ、大きな効果を出すに至りました。中でも手間がかかっている部分だけ取り出せば「録音→アップロード→微修正したものをコピー&ペースト」という工程のみになりました。

2つ目は共有機能です。ユーザー登録がなくてもURLを共有したい相手に送ることで議事録の共有が出来るのは良いですね。
ーカスタムテンプレートは他支店でも使われているようですね
そうみたいですね!自分たちの取り組みが他の支店の業務改善に貢献できたことは非常に嬉しいです。会社全体の業務効率化に少しでも役立てているのなら、この1年間の試行錯誤も報われると感じています。
各支店ごとに文化や働き方は異なりますが、議事録作成の負担削減という共通の課題に対して、それぞれの現場に合ったやり方でRimo Voiceを活用できることが、全社展開の成功につながっていると実感しています。

ー運用する上で工夫していること、困ったことはありますか?
運用面で特に工夫したのは、Rimo Voiceの使い方をわかりやすく伝えるための資料作成です。デジタルに精通した人材が少ない当社では、新しいツールの導入にハードルがあります。そこでマニュアルを作成して、iPhoneのボイスメモの使い方から文字起こし、要約の活用方法まで丁寧に解説しました。そこまでやると、やはり効果は大きいなと感じます。
工夫している点は、具体的な使用方法で述べたとおり「各工事現場や部署ごとに専用のチームフォルダを作成し、そこに関係者を招待するシンプルな仕組みです。
一方で運用面での課題もあります。管理画面では、ユーザーの利用開始や異動時の管理が行えるのですが、より効率化するにはどうすればよいか常に考えています。
ー今後Rimoに期待することがあれば教えてください
(生産総合センター 大原様、金田様)
スマートフォンアプリのリリースがあるともっと嬉しいです。現在はブラウザでも十分使えますが、アプリケーションの方が操作性に優れ、よりシームレスに利用できるため、より利用が広がるのではと考えています。
また、現場によって求める議事録フォーマットは異なるので、カスタムテンプレートをさらに拡充し、各現場のニーズに合わせた出力形式に対応していただけると助かります。最終的には「録音→自動文字起こし→自動要約→現場フォーマットでの出力」という一連の流れがもっとシームレスになることを期待しています。
また、様々な機能を使いこなすための解説資料がもっと充実していると良いですね。YouTubeやチュートリアルなど、視覚的にわかりやすい解説があると、現場への浸透がさらに進むと思います。

(伊藤工事長)
複数人での会議でも高品質な録音ができる集音機器があるといいですね。現場では全員分のマイクを用意するのは現実的ではないので、会議室全体の音声をクリアに拾える集音方法があれば非常に助かります。
また、定例会議の内容をそのまま現場の定型フォーマットに落とし込める機能があれば、現在手作業で行っているコピー&ペーストや修正作業が大幅に削減できます。議事録は最終的にPDFなどで提出することも多いので、Rimo Voice内で編集から最終出力まで完結できると理想的です。

清水建設東北支店様、ありがとうございました!
カスタムテンプレートを活用した効率的な議事録作成に取り組まれており、Rimoユーザーの皆さまのロールモデルとなる使い方をして下さっています。録音環境については、Rimo Voiceでは高性能な会議用マイクの推奨モデルをご案内しているほか、最適な録音方法についてのガイドも準備しております。
今後はアプリ版の開発や、より直感的なユーザー管理機能の改善も検討してまいります。引き続き現場のニーズに応えるサービス改善に取り組んでまいりますので、ぜひご期待ください!
最終更新日: 2025 / 3 / 19
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