一覧に戻る
RAGサービス17選をタイプ別に比較|失敗しない選び方・費用・導入手順

RAGサービスとは、社内文書などを検索し、取得した情報を根拠として生成AIに回答させる仕組みを提供するサービスです。
本記事では、RAGサービスの仕組みと4つのタイプ、おすすめ17選、選ぶ6つのポイント、費用相場、導入の進め方、注意点、導入事例を解説します。
自社の開発体制と文書の保存場所を照らし合わせながら、導入候補を絞り込む際の参考にしてください。
また、社内文書を根拠に回答するAIを使いたくても、RAGの設計や運用を担う人員を社内に確保しにくい場合もあります。
RAGを自社で構築せずに始めたいなら、RimoナレッジAIがおすすめです。
社内のマニュアルや議事録などをフォルダごとアップロードすると、既存の情報をもとに回答する自社専用のAIチャットを用意できます。
▶ 【無料トライアルあり】RimoナレッジAIのサービス概要をチェックする
RAGサービスとは|社内文書を検索して生成AIに回答させる仕組みを備えた製品
RAGサービスとは、社内のマニュアル・規程・議事録などを検索し、その内容を根拠としてLLM(大規模言語モデル)に回答させる仕組みを提供するサービスです。
※RAGとはRetrieval-Augmented Generationの略で、日本語では「検索拡張生成」と呼ばれます。
文書を差し替えれば参照内容もすぐ更新でき、回答の根拠となった文書を利用者が確認できる点が、通常の生成AIやファインチューニングとの違いです。
方式 | 社内知識の反映方法 | 更新のしやすさ | 回答の根拠提示 | 向いている用途 |
通常の生成AI | 一般知識が中心 | - | 場合による | 文案作成・要約・翻訳 |
ファインチューニング | モデルに追加学習させる | 再学習が必要 | 場合による | 出力形式・口調の統一 |
RAG | 質問ごとに文書を検索して回答に使う | 文書を差し替えるだけ | できる | 規程・FAQ・設計書の照会・資料生成 |
RAGサービスが注目される3つの理由
RAGサービスが企業で利用される背景には、一般的な生成AIだけでは自社固有の情報を扱いにくいという課題があります。主な理由は次の3つです。
社内規程やマニュアルなど、自社固有の情報を回答へ反映できる
回答の根拠となった社内資料を確認できる
モデルを再学習せず、参照する情報を更新できる
例えば、一般的な生成AIへ「自社の出張費の上限はいくらですか」と質問しても、その会社の経費規程を知らなければ正確には答えられません。
RAGでは、経費規程を検索対象にして、質問に関係する部分を生成AIへ渡してから回答します。規程が変更された場合も、参照する資料を最新版へ差し替えれば情報を更新できます。
2. RAGは検索・拡張・生成の3ステップで動く
RAGは、質問を受けてから回答を返すまでに「検索」「拡張」「生成」の3ステップを踏みます。
ステップ | 処理内容 |
1.検索(Retrieval) | 質問に関係する情報を社内文書やナレッジベースから探す |
2.拡張(Augmentation) | 見つけた情報を質問と一緒に生成AIへ渡す |
3.生成(Generation) | 生成AIが取得した情報をもとに回答を作る |
例えば、社員が「住宅手当の申請期限を教えて」と質問した場合、まず就業規則や福利厚生の資料を検索します。その後、見つかった住宅手当に関する記述を生成AIへ渡して、その内容を根拠に回答を作る仕組みです。
RAGサービス4つのタイプと向いている企業
RAGサービスは、開発をどこまで自社で担うかによって4つのタイプに分けられます。
社内文書アップロード型
エンタープライズサーチ連携型
クラウド基盤・開発プラットフォーム型
構築支援・受託開発型
以下で、それぞれの特徴と向いている企業を解説します。
1. 社内文書アップロード型|開発せずにすぐ使いたい企業向け
社内文書アップロード型は、PDFやWordなどの資料を登録し、社内情報に関する質問へ回答するAIを用意するタイプです。RAGの検索基盤をサービス提供会社が用意しているため、自社でデータベースなどを構築する必要がありません。
例えば、人事規程を登録して社内問い合わせに対応したり、営業資料を登録して過去の提案内容を探したりできます。開発担当者を確保しにくく、まず一つの業務からRAGを試したい企業に向いています。
なお、社内に散らばる社内文書を一元化して管理・活用するツールについて詳しく知りたい方は、こちらの記事も併せてご覧ください。
関連記事:【徹底比較】ナレッジ共有ツール16選!無料プラン・料金相場・選び方を解説
2. エンタープライズサーチ連携型|文書が複数の場所に散らばっている企業向け
エンタープライズサーチ連携型は、ファイルサーバーやSharePoint、Boxなど、複数の保存場所を横断して情報を探すタイプです。
すでに大量の社内文書が蓄積されており、新しいシステムへ資料を移し替えることが難しい企業におすすめです。
既存の検索基盤を土台にするため、アクセス権限を引き継ぎやすい製品もあります。活用方法として、過去の設計書や提案書の横断検索、類似案件の検索などが挙げられます。
3. クラウド基盤・開発プラットフォーム型|自社で作り込みたい企業向け
自社でRAGを作り込みたい場合は、AWS・Microsoft Azure・Google Cloudなどが提供する機能を組み合わせるタイプが候補になります。
検索方法や参照する範囲を自社で決められるため、既存の業務システムへRAGを組み込みやすい点が特徴です。
一方で、検索精度の評価や運用を担当する技術者が必要になります。すでに利用しているクラウド環境がある場合は、同じ環境のなかでRAGを構築できるか確認するとよいでしょう。
4. 構築支援・受託開発型|要件が複雑で内製リソースがない企業向け
既製サービスでは要件を満たせない場合は、要件定義から設計・実装・精度改善まで外部企業へ依頼する方法があります。
既存の基幹システムと連携したい場合や、業界固有の帳票を扱いたい際にも、自社の条件に合わせて設計できます。すでにRAGを構築したものの、期待する回答精度が得られていない企業では、精度改善だけを支援してもらう方法もあります。
RAGサービスおすすめ17選をタイプ別に比較【一覧表付き】

ここでは、RAGサービス17選を4つのタイプに分けて一覧にまとめました。
サービス名 | タイプ | 提供会社 | 料金の目安 |
社内文書アップロード型 | Rimo合同会社 | ・チームプラン6,000円/人〜 | |
社内文書アップロード型 | 株式会社PKSHA Technology | 要問い合わせ | |
社内文書アップロード型 | 株式会社ナレッジセンス | 0円〜/980円〜/人 | |
社内文書アップロード型 | 株式会社エクサウィザーズ | 要問い合わせ | |
社内文書アップロード型 | ネオス株式会社 | 要問い合わせ | |
社内文書アップロード型 | CLINKS株式会社 | 40,000円〜(人数無制限) | |
エンタープライズサーチ連携型 | 住友電工情報システム株式会社 | ライセンス価格250万円(税抜)〜 | |
エンタープライズサーチ連携型 | ブレインズテクノロジー株式会社 | 90,000円〜 | |
エンタープライズサーチ連携型 | Glean Technologies, Inc. | 要問い合わせ | |
エンタープライズサーチ連携型 | 伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 | 要問い合わせ | |
クラウド基盤・開発プラットフォーム型 | Amazon Web Services | 公式サイトを要確認 | |
クラウド基盤・開発プラットフォーム型 | Microsoft | 従量課金(Freeプランあり) | |
クラウド基盤・開発プラットフォーム型 | Google Cloud | 従量課金 | |
クラウド基盤・開発プラットフォーム型 | LangGenius, Inc. | Community無料/プラン別 | |
構築支援・受託開発型 | 株式会社ヘッドウォータース | 個別見積もり | |
構築支援・受託開発型 | 株式会社ELYZA | 個別見積もり | |
構築支援・受託開発型 | クラスメソッド株式会社 | 個別見積もり |
※料金は2026年8月時点で公式サイトに公開されている内容を参考にしています。契約人数やオプションで変わるため、導入前に最新の見積を確認してください。
各サービスについて、特徴や導入するメリットを詳しく解説します。
【社内文書アップロード型】RAGサービスのおすすめ6選
社内文書アップロード型は、自社でRAGの検索基盤を開発せずに始めやすいタイプです。
RimoナレッジAI
PKSHA AIヘルプデスク
ChatSense
exaBase AI
OfficeBot
ナレフルチャット
以下で詳しく解説します。
1. RimoナレッジAI(Rimo合同会社)|社内資料を使ったRAGを月額5万円から始められる

RimoナレッジAIは、社内資料を取り込み、検索した情報を根拠に回答するRAG環境を利用できるサービスです。社内文書を使ったAI検索を早く始めたい企業に向いています。
フォルダ階層を保ったまま資料を取り込めるため、既存の資料を一つずつ別ツールへ移し替える必要がありません。
SharePoint、Google Drive、Box、Slack、Teams、Gmail、Outlook、Salesforceなどと連携できるため、資料の保存場所を大きく変えずに検索対象を広げられます。
検索結果を確認したうえで、過去の提案フォーマットを踏まえた資料作成にも活用できます。
料金の目安は以下のとおりです。
チームプラン:1人あたり月額6,000円(税抜)、1名から契約可能
法人プラン:月額5万円から
RAGの検索基盤を自社で構築するのが難しい場合は、まず手元の資料で必要な回答が得られるかを試すとよいでしょう。
※独自のオンプレミス環境での運用や、高度なエンジニアリングを伴う大規模要件では、クラウド基盤型や受託開発型のサービスが適する場合があります。
2. PKSHA AIヘルプデスク(株式会社PKSHA Technology)|Teamsから社内問い合わせを完結させる

PKSHA AIヘルプデスクは、Microsoft Teamsへ問い合わせ窓口を集約し、AIと有人対応を組み合わせられる社内ヘルプデスクです。
FAQで回答できる質問はFAQエージェントが対応し、解決できない場合はSharePoint Onlineに保存された資料をドキュメントエージェントが参照します。
それでも解決できない質問は担当者へ引き継げるため、AIだけで無理に回答を完結させない運用が可能です。
人事や情報システム部門へ同じ質問が繰り返し届いている企業では、担当者が個別回答する時間を減らせます。普段からMicrosoft Teamsを利用しており、新しい問い合わせ画面を社内へ定着させる負担を抑えたい企業にも適しています。
利用料金:要問い合わせ
無料デモ:あり
3. ChatSense(株式会社ナレッジセンス)|社内に散らばるデータを一括検索する

出典:ChatSense
ChatSenseは、法人向けの生成AI環境を提供するサービスです。
Box・SharePoint・Teamsなど複数の場所に保存された情報を検索する機能を備え、社内情報を生成AIの回答へ活用できます。
また、文書同士の関係性をたどり、直接ヒットしない情報まで自動で調べるGraphRAGにも対応しています。
利用者ごとのアクセス権限を維持したまま検索する仕組みにも対応しているため、部署によって閲覧できる文書が異なる企業でも利用しやすい設計です。
無料プランが用意されており、少人数で使用感を確認してから本格導入を検討できます。
料金の目安は以下のとおりです。
スターター:0円(月30回まで、クレジットカード不要)
ビジネス:980円〜/人/月
エンタープライズ:要問い合わせ
【良い評判】
・会議の文字起こしを、音声データやファイルを用いて短時間で実現可能。条件付けにはある程度の経験が求められるが、業務の効率化においては多大な貢献を果たしている。 ・生成AIによる業務アシスタント機能も優秀。基本的にはGPT-5miniを使用しているが、画像などを用いながらの質疑応答に特段の不満は感じない。 ・製品の視認性も高く、必要最低限の機能が実装されている印象。 |
【気になる評判】
・効果的な生成AIへの指示出しについて、マニュアルやテンプレートが表示されていると導入として助かる。 ・使用初期は誤った情報や案内が目立つ。また、回答できないと判断したものは「当たり障りのない」回答で済ませようとすることから「わかりません」とはっきり言うような仕様になればストレスが減ると感じている。 |
引用:ITreview「ChatSenseの評判・口コミ」
4. exaBase AI(株式会社エクサウィザーズ)|複数のAIモデルを使い分けながら社内データを活用する

出典:exaBase AI
exaBase AI(エクサベース AI)は、株式会社エクサウィザーズが提供する法人向け生成AIサービスです。
GPT・Gemini・Claudeなど複数の生成AIモデルを一つの環境から利用でき、社内データを活用した回答にも対応します。
150種類以上のプロンプトテンプレートを備え、AIエージェント機能によって資料作成やデータ分析まで一括で任せられる点が特徴です。
部署ごとに異なる生成AIサービスを個別契約するのではなく、一つの管理環境へまとめられるため、全社で生成AI活用を進めたい企業に向いています。
利用料金:要問い合わせ
※2026年7月1日に「exaBase 生成AI」から現在の名称へ変更されました。
【良い評判】
オフィスのどの工程にも何らかの形で役立つ生成AIです。 企画書・資料のフォーマットやデザイン・構図を「考える手間を省く」ことが出来ます。 提案書の提出期限に余裕がある時や、自分のセンスだけではアイデアに自信が無い時は、自分の希望をAIと何度かチャットすれば、大まかなテンプレートを使った資料が数秒で作成されます。 もちろん、自分で目を通したり、自己表現を加えるなどのアレンジは必須だと思います。 |
【気になる評判】
調べ物に関して誤った情報が含まれることがあります。最新情報が反映されないことがあるので、その点を改善していただけると嬉しいです。やはり最終的には別のツールで再度調べたり、公的機関に問い合わせたりするなどの見直しが必要だと思いました。 |
引用:ITreview「exaBase 生成AIの評判・口コミ」
5. OfficeBot(ネオス株式会社)|紙のスキャンや画像入りの資料まで読み取って回答に使える

出典:OfficeBot
OfficeBotは、AI-OCRを備えた法人向けRAGサービスです。
マニュアル内の画面キャプチャや図のなかに書かれた文字、紙をスキャンしたPDFなども回答の材料として扱えます。
社内文書がテキストだけで作られていない企業では、既存資料をRAGへ取り込む際にOCR性能が重要です。OfficeBotなら、紙のマニュアルや画像を含む手順書を文章へ書き直す負担を減らせます。
回答には参照した社内ドキュメントへのリンクが付き、利用者が元の資料へ戻って確認できる点も特徴です。社内独自の略語や類義語も考慮して検索できるため、正式名称を覚えていない社員でも情報へたどり着きやすくなります。
料金は公式サイトで公開されておらず、サービス概要資料の請求によって確認する方式です。
紙のスキャンや画像を含む資料が多く、テキスト中心のRAGでは情報を取りこぼしやすい企業に向いています。
6. ナレフルチャット(CLINKS株式会社)|人数を気にせず全社へ広げられる

出典:ナレフルチャット
ナレフルチャットは、企業ごとのクローズドな環境で生成AIを利用できるサービスです。
社内マニュアルやFAQなどのファイルからRAGを構築でき、社内ポータルからワンクリックでアクセスできる「RAGリンク」機能も備えています。
ChatGPT・Gemini・Grok・Claude・Perplexityなど複数の生成AIモデルに対応しており、社内検索以外の文章作成や要約にも利用できます。
プロプランは人数無制限のため、社員数が増えても1人ずつ追加料金が発生する方式ではありません。
特定部署だけでなく全社へ生成AIを広げたい企業では、利用人数に応じた料金増加を抑えやすくなります。ISMS認証(ISO/IEC 27001)とISO/IEC 27017、プライバシーマークを取得しており、セキュリティ面も安心できる製品です。
料金の目安は以下のとおりです。
プロプラン:月額40,000円〜(税抜)、利用人数無制限
ビジネス・エンタープライズプラン:SSO・IP制限などの機能を追加、料金は要問い合わせ
【エンタープライズサーチ連携型】RAGサービスのおすすめ4選

エンタープライズサーチ連携型は、すでに大量の社内文書が複数の場所へ保存されている企業に向いています。
QuickSolution
Neuron エンタープライズサーチ
Glean
Sinequa
以下で詳しく解説します。
1. QuickSolution(住友電工情報システム株式会社)|ファイルサーバーとクラウドを横断して社内情報を探す

QuickSolutionは、社内サーバーからクラウドサービスまで横断検索できるエンタープライズサーチです。
生成AI連携(RAG)とAIエージェントにも対応しており、検索した社内情報を根拠として回答するRAG環境として利用できます。
大量のファイルを新しいナレッジベースへ移し替えず、現在の保存場所を維持したまま検索できる点が特徴です。過去の設計書や報告書が大量に蓄積している企業でも、どのフォルダへ保存したかを覚えていなくても探しやすくなります。
データ量に応じてGrade200からGradeMax(件数無制限)まで複数のグレードが用意されており、大規模な社内文書にも対応できます。
料金の目安は以下のとおりです。
料金:ライセンス価格250万円(税抜)〜、データ量に応じた5グレードで見積もり
【良い評判】
ファイルサーバーに保管しているあらゆる形式のファイルに対して横串で検索することができる。 日本の開発メーカーならではの、日本語に特化したシステムのため、言葉のゆらぎや日本語特有の半角・全角の違いなどにも対応しているのが便利である。 クローリングについても夜間バッチを仕掛けることができるので、よほど大規模な容量でない限り朝までには完了しており、運用には支障をきたさない。 |
【気になる評判】
サポート体制が基本的に「まず自分でサイトを調べる」というタイプの製品のため、管理者側のトレーニングが必要となる。また、ファイルサーバー以外のアプリケーションとの接続はまだ不十分であり、環境を横断して検索したいというニーズがある場合は必ずしも適していないかもしれない。また、最新バージョンではAIを活用したハイブリッド検索も可能になったため、実際に使って効果を確かめたい。 |
引用:ITreview「QuickSolutionの評判・口コミ」
2. Neuron エンタープライズサーチ(ブレインズテクノロジー株式会社)|オンプレミスとクラウドをまとめて全文検索する

Neuron エンタープライズサーチは、オンプレミスとクラウドの両方を横断検索できる企業内検索システムです。
全文検索とOCRを備えており、SharePoint Online・Box・Dropbox・Googleドライブなど複数の保存先に対応可能です。
自社のオンプレミス環境へ構築できるほか、Microsoft AzureやAmazon EC2などのクラウドサーバーも選べます。「機密資料は社内サーバーへ残し、一般資料はクラウドへ移行している」といった環境でも、検索窓を一つにまとめられます。
料金の目安は以下のとおりです。
サブスクリプション:月額90,000円〜、ユーザー数無制限
ライセンス購入:1,800,000円〜
3. Glean(Glean Technologies, Inc.)|SaaSに散らばった情報を1つの検索窓にまとめられる

出典:Glean
Gleanは、Slack・Google Drive・Jira・Confluence・SharePoint・GitHub・Salesforceなど、複数のSaaSに保存された情報を横断検索できるAIプラットフォームです。
社内の知識・システム・コンテキストをつなぎ、権限に応じたアクセス制御を初期状態から組み込んでいる点が特徴です。
ユーザーは許可された情報のみを閲覧でき、すべてのクエリと回答を追跡できる機能も備えています。ISO 27001・ISO 42001・SOC 2 Type IIなど、エンタープライズグレードのセキュリティ認証にも対応しています。
SaaSの利用数が増え「情報はあるものの保存場所がわからない」という課題を抱える企業に向いています。
利用料金:要問い合わせ
4. Sinequa(伊藤忠テクノソリューションズ株式会社)|接続先の権限を引き継いだまま生成AIとつなげられる

出典:Sinequa
Sinequaは、ファイルサーバーやSharePoint、SaaS、Webサイトなど、200種類以上の情報源へ接続できる企業向け検索プラットフォームです。
接続先のアクセス権限を引き継いだ状態で検索できるため、機密性の高い文書を含む環境でも閲覧範囲を維持しやすくなります。
RAGで利用するチャンキングやベクトル検索などが設定済みで、さまざまな生成AIとの連携が可能です。オンプレミス・IaaS(Azure、AWSなど)・SaaSのいずれの環境でも導入できます。
複数のシステムを利用しており、部署ごとの権限管理も厳格に維持したい大企業に向いています。
利用料金:要問い合わせ
エンタープライズサーチおすすめ14選【最新版】価格相場や選び方を解説
【クラウド基盤・開発プラットフォーム型】RAGサービスのおすすめ4選
クラウド基盤・開発プラットフォーム型は、自社の要件に合わせてRAGを構築したい企業に向いています。
Amazon Bedrock ナレッジベース
Azure AI Search
RAG Engine
Dify
以下で詳しく解説します。
1. Amazon Bedrock ナレッジベース(Amazon Web Services)|RAGの流れをまとめて任せられるマネージド機能

Amazon Bedrock ナレッジベースは、AWS上でRAGを構築するための機能です。
社内文書の取り込みから検索、生成AIへの情報の受け渡しまでをAWS環境で構築できます。
RAGを動かすための検索処理を一から実装する必要がないため、すでにAWSを利用している企業では既存環境へ追加しやすくなります。
回答で利用した情報を確認できる構成も作れるため、社内問い合わせなど、回答の根拠を確認したい用途にも利用できます。
費用:公式サイトを要確認
AWS上で業務システムを運用しており、同じ環境内でRAGを構築したい企業に向いています。
2. Azure AI Search(Foundry IQ・Microsoft)|検索と生成モデルを組み合わせて回答を作る

Azure AI Searchは、Azure上のデータや文書から必要な情報を検索し、生成AIの回答へ利用できる検索サービスです。
キーワード検索に加えてベクトル検索(意味の近さで情報を探す仕組み)などを組み合わせられるため、質問に含まれる言葉が資料と完全に一致していなくても関連情報を探せます。
Microsoft 365やAzureを業務基盤として利用している企業では、現在のシステムと組み合わせたRAGを構築しやすくなります。
料金の目安は以下のとおりです。
Free:無料
有料プラン:従量課金
関連記事:Azure OpenAI Serviceとは?できることやChatGPTとの違いを分かりやすく解説
3. RAG Engine(旧Vertex AI RAG Engine/Gemini Enterprise Agent Platform・Google Cloud)|検索基盤ごとRAGに使える

出典:RAG Engine
RAG Engineは、Google Cloud上でRAGを構築するための機能です。
文書を検索できる形へ整える処理や埋め込み、検索など、RAGに必要な構成要素をGoogle Cloudのサービスと組み合わせられます。
Google Cloudをすでに利用している企業なら、社内データを別の環境へ移し替えずにRAGを作れます。文書を取り込み、検索し、回答に使うまでの仕組みをまとめて用意できるためです。
検索方法や使うモデルを自社で調整できるため、技術者が検証しながら精度を高めたい場合に向いています。
4. Dify(LangGenius, Inc.)|画面の操作だけで社内文書を使うAIを組み立てられる

出典:Dify
Difyは、コードを書かなくても、画面上で生成AIアプリやワークフローを構築できるプラットフォームです。
社内のファイルやWebサイト、クラウドドライブから情報を取り込み、RAGで検索できるナレッジとして利用できます。
作成したナレッジベースをAIチャットやワークフローに組み込み、社内検索や業務の自動化に活用できます。
条件によって処理を分岐したり、外部APIと連携したりできるため、単純な社内検索だけではなく業務フローまで作り込みたい場合にも候補になります。
料金の目安は以下のとおりです。
クラウド版:59ドル
Enterprise:要問い合わせ
【良い評判】
頻繁に行われるアップデートによって新機能の追加やUIの改善が驚くほどのスピードで進んでいます。特に、最新のLLMモデルへの対応が迅速で、プロンプトの調整だけで簡単にモデルの切り替えができる柔軟性は相変わらず素晴らしいです。プログラミングの知識がないメンバーでも直感的にプロンプトやナレッジ(RAG)を更新できるため、現場主導でのシステム改善が定着しています。 |
【気になる評判】
アップデート時にまれに仕様変更があり、これまで動いていたワークフローの微調整が必要になることがあります。また、高度なRAG(知識ベース)を組む際の、ドキュメントのチャンク分割(文字の区切り方)に関するルール設定などが、日本語特有のニュアンスではまだ発展途上の部分も見受けられます。 |
引用:ITreview「Difyの評判・口コミ」
【構築支援・受託開発型】RAGサービスのおすすめ3選

構築支援・受託開発型は、既製サービスだけでは要件を満たせない企業に向いています。
RAGシステム開発/RAG精度改善コンサルティング
ELYZA AIリサーチ&ソリューション事業
生成AI総合支援サービス
以下で詳しく解説します。
1. RAGシステム開発/RAG精度改善コンサルティング(株式会社ヘッドウォータース)|RAGの設計から精度改善まで伴走してもらえる

出典:ヘッドウォータース
ヘッドウォータースは、RAGシステムの開発と精度改善の支援を提供しています。
新しくRAGを構築する場合だけではなく、すでに導入したRAGで期待した回答が得られていない場合も相談できます。
支援内容は、導入前の現状分析や検索の設計から、精度改善、速度・コストを踏まえた構成の見直しまで幅広く対応しています。最新の検索手法にも精通しているため、専門知識がなくても相談しやすい点が特徴です。
自社だけでは「元データが悪いのか」「検索方法が悪いのか」「生成AI側に問題があるのか」を判断しにくい場合でも、原因を切り分けながら改善できます。
RAGシステム開発・RAGコンサルティング:個別見積もり
2. ELYZA AIリサーチ&ソリューション事業(株式会社ELYZA)|AIシステム実装と業界特化LLMの研究開発を支援する

出典:ELYZA
ELYZAは、企業向けに生成AIシステムの開発や研究支援を提供しています。
既製のRAGサービスを導入するだけではなく、企業や業界固有の要件へ合わせたAIシステムを設計できます。
専門用語が多い業界や、一般的なPDFとは異なる帳票を大量に扱う業務では、既製サービスの設定だけでは検索精度を上げにくい場合があります。
利用するデータや業務に合わせて設計から相談できるため、既存サービスへ業務を合わせることが難しい企業にも向いています。
法人向けの生成AI活用ツール「ELYZA Works」も提供しており、企業内でAIアプリを作成・共有する用途にも対応しています。
AIリサーチ&ソリューション・システム開発:個別見積もり
3. 生成AI総合支援サービス(クラスメソッド株式会社)|AWS基盤でPoCから本番開発まで任せられる

出典:クラスメソッド
クラスメソッドは、AWS公式テンプレートを活用したPoCから、伴走支援、要件定義を含むフルサポートまで、3つのプランでAI導入を支援しています。
クイックスタートプランでは、無償で利用できるAWS公式の生成AIテンプレート「GenU」を使い、最短1週間でRAGチャットを含むPoC環境を構築できます。
伴走支援プランでは週次の技術相談会や設計・実装レビューを通じて自社での内製化を後押しし、フルサポートプランでは要件定義から開発、導入後の運用・改善までを一括で依頼できます。
現在使っているAWS環境を活かしてRAGを試したい企業や、将来的には自社で改善できる状態を作りたい企業に向いています。
各プラン:個別見積もり
生成AI活用相談会:初回無料
RAGサービスを選ぶ6つのポイント

RAGサービスを選ぶポイントは以下のとおりです。
画像や表を含む文書にどこまで対応できるかを確認する
既存のアクセス権限をそのまま引き継げるかを確認する
回答の根拠になった文書を表示できるかを確認する
セキュリティ対策を確認する
既存のストレージやチャットツールと連携できるかを確認する
回答精度を数値で測って改善できる仕組みがあるかを確認する
以下で詳しく解説します。
1. 画像や表を含む文書にどこまで対応できるかを確認する
RAGサービスを選ぶ際は、自社で実際に利用している資料を読み取れるか確認してください。
主な確認項目は次の3つです。
OCRに対応しているか
表形式のデータを読み取れるか
PDF・Word・Excel・PowerPointなど必要な形式へ対応するか
社内文書には、スキャンした紙のPDFやExcelの表、画像を含む設計書などもあります。整った文章だけで試験導入(PoC)を行うと、本番運用で発生する読み取りミスを見逃してしまいます。
トライアルでは、社内にある資料のなかでも最も形式が崩れている文書をあえて渡し、読み取りにくい文書を使って確認しましょう。
2. 既存のアクセス権限をそのまま引き継げるかを確認する
複数部署でRAGを利用する場合は、既存文書の閲覧権限を検索結果にも反映できるか確認してください。
例えば、人事部だけが閲覧できる資料を、一般社員向けのAIが回答へ利用すると情報漏えいにつながります。
SharePointやファイルサーバーで権限を設定している場合は、その権限をRAG側でも維持できるか確認しましょう。
デモでは、部署や役職が異なる2つのアカウントから同じ質問を行い、閲覧範囲が制限されているかを確認すると判断しやすくなります。
3. 回答の根拠になった文書を表示できるかを確認する
業務でRAGを利用する場合は、回答だけではなく根拠となった資料を確認できることが重要です。
RAGを使っても回答が必ず正しくなるわけではありません。回答に利用した文書名やページを確認できれば、利用者が元資料へ戻って内容を確かめられます。
サービスによっては、資料名だけが表示される場合と、元資料へ直接移動できる場合があります。選定時は、回答から根拠となる箇所へ何回の操作でたどり着けるかまで確認してください。
4. セキュリティ対策を確認する
RAGサービスでは、安全に利用するため、データの保管・通信・アクセス管理が自社のセキュリティ要件に合っているか確認してください。
主な確認項目は次のとおりです。
入力データをAIモデルの学習へ利用するか
データを保管する場所
通信や保存データの暗号化
SSOへの対応
操作ログの取得
また、クラウド型とオンプレミス型では、データの保管場所やアクセス制御の責任範囲が異なるため、確認が必要です。
比較軸 | クラウド型 | オンプレミス型 |
データの置き場所 | サービス提供会社のクラウド環境 | 自社ネットワーク内 |
通信の保護 | 暗号化方式・接続経路を確認 | 社内ネットワークの暗号化・分離を確認 |
アクセス制御 | SSO・多要素認証・IP制限を確認 | 社内ID管理・権限設定を確認 |
監査・ログ | 操作ログの取得・保管を確認 | ログの保管・監査手順を確認 |
機密情報や個人情報を扱う場合は、公式サイトの説明だけではなく、契約書やセキュリティチェックシートでも確認してください。
5. 既存のストレージやチャットツールと連携できるかを確認する
RAGを導入するために社内資料をすべて新しい場所へ移すと、原本と取り込み先の二重管理が発生します。そのため、現在使っている保存場所をそのまま参照できるか確認してください。
主な確認項目は次のとおりです。
SharePoint・Box・Google Driveなどの保存先との連携
Teams・Slackなど普段使うチャットからの利用
本記事で紹介したPKSHA AIヘルプデスクはTeamsへ問い合わせ窓口をまとめられ、ChatSenseは複数の保存先を横断検索できます。
RimoナレッジAIもSharePointやGoogle Driveなど既存システムとの連携に対応しており、いずれも保存場所を変えずに導入しやすい設計です。
6. 回答精度を数値で測って改善できる仕組みがあるかを確認する
RAGは、導入して終わりではありません。「なんとなく回答が良くなった気がする」で終わらせず、数値で改善を確認できる仕組みがあるかを見てください。
確認したい機能は次の3つです。
質問と回答の履歴を管理者が確認できる
評価用のデータセットを登録し、検索結果の精度を測定できる
検索結果の重みづけなど、精度改善のための調整ができる
回答の品質を評価する際は、検索で適切な根拠を取得できているかと、取得した根拠に沿って回答できているかを分けて確認すると、改善箇所を特定しやすくなります。
RAGサービスの費用相場

RAGサービスの料金体系は、初期費用・月額料金・従量課金・個別見積もりなど、サービスのタイプによって異なります。金額の幅が大きいため、まず相場をつかんでから見積もりを取ると比較しやすくなります。
企業規模別に見た初期費用と月額費用の目安
タイプ別に見た料金の決まり方と月額費用の目安
以下でそれぞれ詳しく解説します。
中小企業は月額5万円程度、大企業は月額10万円以上が目安になる
企業規模による費用の目安は次のとおりです。
区分 | 初期費用 | 月額費用 |
中小企業向け | 0円〜15万円程度 | 約1,000円〜5万円程度 |
大企業向け | 約250万円〜数千万円 | 約10万円〜数百万円 |
中小企業では、導入の負担が小さく早く始められることが重視されるため、初期費用を抑えた月額課金型のクラウドサービスが選ばれる傾向にあります。
一方、大企業では社内システムとの連携や複数部署での運用を前提としたカスタマイズが必要になり、初期構築費用と月額費用の両方が上がります。
アクセス権の管理や監査への対応などの要件が加わることも、費用を押し上げる要因です。
タイプ別では社内文書アップロード型が安く始めやすい
本記事で紹介した4タイプのうち、社内文書アップロード型が安い料金から始められます。
タイプ | 料金の決まり方 | 月額目安 |
社内文書アップロード型 | 利用人数または組織単位の月額制 | 約6,000円〜6万円以上 |
エンタープライズサーチ連携型 | 検索対象のデータ量に応じた月額制。買い切りも選べる | 9万円〜 |
クラウド基盤・開発プラットフォーム型 | 取り込むデータ量・検索回数・生成量に応じた従量課金 | 利用量により変動 |
構築支援・受託開発型 | 要件定義の内容に応じた見積もり | 個別見積もり |
料金に差が出るのは、サービスごとに提供範囲が異なるためです。
例えば、社内文書アップロード型は検索の仕組みをすでに用意した状態で使えるのに対し、エンタープライズサーチ連携型には、検索対象のデータ量などに応じて料金が決まる製品があります。
クラウド基盤型や構築支援型では、サービス料金だけでなく、設計・運用に必要な人件費も含めて総コストを確認しましょう。
RAGサービスの導入を成功させる4つのステップ

RAGサービスは、契約して社内資料をすべて登録すれば定着するわけではありません。次の4ステップで進めてください。
対象業務を1つに絞って評価指標を決める
取り込む文書を棚卸しして古い版と重複を減らす
小規模なPoCで回答精度を検証する
権限と更新ルールを決めて本番展開する
以下で詳しく解説します。
1. 対象業務を1つに絞って評価指標を決める
最初に決めるのは、どの業務からRAGを利用するかです。
対象業務を決めないまま導入を始めると、必要な資料や「何をもって成果とするか」を定めにくくなります。
例えば「情報システム部門への問い合わせ件数を減らす」と決めれば、必要なFAQやマニュアルを絞り込めます。あわせて、問い合わせ件数や回答時間など、導入後に比較できる数字を設定してください。
2. 取り込む文書を棚卸しして古い版と重複を減らす
RAGへ文書を登録する前に、対象となるフォルダの資料を確認しましょう。特に確認したいのは、古い資料と重複資料です。
例えば、2024年度・2025年度・2026年度の経費規程がすべて同じ検索対象に入っていると、古い資料を根拠に回答する可能性があります。最新版を判断できるように資料を整理し、不要な旧版は検索対象から外してください。
最初からすべての社内文書を整理する必要はありません。PoCで利用する業務に必要な資料から整えると負担を抑えられます。
3. 小規模なPoCで回答精度を検証する
PoC(概念実証)は、実現可能性や期待する効果を小規模に検証する取り組みです。PoCでは、実際の社員が使う質問を用意してください。
例えば「就業規則第12条を説明してください」のような質問だけでは、実際の利用状況を再現できません。
「子どもが生まれるので、会社の休みについて教えて」のような自然な質問も試してみましょう。
回答を評価するときは、次の2点を分けて確認してください。
正しい資料を検索できたか
検索した資料から正しい回答を生成できたか
4. 権限と更新ルールを決めて本番展開する
PoCで精度を確認したら、誰がどの情報を検索できるか決めます。一般社員・管理職・人事部など、役割に応じて検索できる文書を設定してください。
あわせて、検索対象の資料を誰が更新するかも決めます。
担当者を決めずに運用すると、規程が更新されてもRAG側には古い資料が残り続けます。「誰が」「いつ」「どの資料を更新するか」を決め、利用者から誤回答の報告を受ける窓口も用意しましょう。
RAGサービスを利用する際の注意点

RAGは社内データを生成AIへ活用する方法ですが、すべての業務に適しているわけではありません。主な注意点は次の3つです。
RAGが向かない業務まで対象にしない
暗黙知はそのままではRAGで扱えない
導入時点の精度が最終形にはならない
以下で詳しく解説します。
1. RAGが向かない業務まで無理に対象にしない
RAGは、資料が大量で質問の表現も人によって異なる業務には向いていますが、資料が少なく質問形式も決まっている業務では、RAGを導入してもコストに見合わない場合があります。
自社の業務がどちらに当てはまるか、次の基準で見極めましょう。
判断の軸 | RAGが向く業務 | 別の手段で対応しやすい業務 |
参照する文書量 | 参照する文書が多い | 参照する文書が少ない・限定されている |
質問方法 | 人によって表現が異なる | 質問形式が固定 |
根拠の提示 | 必要 | 不要 |
更新頻度 | 頻繁 | ほとんど変わらない |
参照する資料が少なく、質問形式も決まっている場合は、FAQや通常の検索機能でも対応できます。一方、資料が大量にあり、質問の表現が利用者によって変わる場合はRAGの導入がおすすめです。
2. 暗黙知はそのままではRAGで扱えない
RAGで回答に活用できるのは、検索対象として登録・接続された情報です。ベテラン社員の頭のなかだけにある判断基準は、そのままでは検索できません。
必要な情報が回答に出てこない場合は、RAGの精度を疑う前に、元となる文書や会議記録が存在するかを確認してください。回答の根拠が示せないときは、検索処理の不具合ではなく、参照できる文書自体が存在しないケースも珍しくありません。
この暗黙知をあらかじめ形式知に変えておく方法もあります。RimoナレッジAIは、AIがベテラン社員へインタビューして業務のコツやノウハウを聞き出し、検索できる形式知として蓄積する機能を備えています。
暗黙知を記録へ変える方法については、以下の記事でも解説しています。
参考:暗黙知・形式知とは?違いや変換方法、属人化を防ぐ形式知化の実践法
3. 導入時点の精度が最終形にはならない
RAGは、導入した初日から高い精度で回答できるとは限りません。検索対象の文書量、チャンキングの粒度、埋め込みモデルの相性によって、回答精度は運用しながら変わっていきます。
そのため、導入直後の精度だけで製品を評価しないようにしましょう。PoCと本番運用の結果を比べながら、検索設定や参照文書を継続的に調整する前提で計画を立ててください。
RAGサービスの導入・活用事例3選

ここでは、企業がRAGサービスを導入した事例と、Rimo自身が自社サービスでRAGを活用している例をあわせて紹介します。
Rimo Voice|商談履歴を横断検索し、営業戦略の立案に活用
住友電気工業|既存の検索基盤の上にRAGを載せて約2週間で構築
パーソルキャリア|Teamsに窓口を集約して問い合わせ対応を自動化
以下で詳しく解説します。
1. Rimo Voice|商談履歴を横断検索し、営業戦略の立案に活用
弊社、Rimo合同会社が提供する会議AIエージェント「Rimo Voice」では、蓄積した会議データをAI検索機能で横断的に検索・活用できます。
例えば「A社の製品との比較について、商談で営業メンバーがどう説明しているかをまとめてください」のように質問すると、過去の商談記録を横断して検索し、競合比較の場面でどのようなトークが使われてきたかをまとめて確認できます。
新しく配属された営業担当者が、過去の商談経緯を先輩社員に一件ずつ確認しなくても、どのように顧客へ説明していたかを短時間で把握できる使い方です。
特定の商談やプロジェクトでの決定事項をチャット形式で即座に確認できるため「あの商談で何が決まったか」を思い出す時間も減らせます。
過去の議論を資産として蓄積し、営業戦略の立案や担当者間の引き継ぎに活用したい企業に役立つ例です。
Rimo Voice「『AI検索』機能の活用例紹介」
2. 住友電気工業|既存の全文検索基盤を活用し、約2週間でRAG基盤を構築
住友電気工業では、全社検索基盤としてQuickSolutionを利用しており、ファイルサーバー(400TB)、文書管理システム(180万文書)、社内Webサイトなどを横断検索できる環境を整備しています。
この既存基盤の生成AI連携機能を活用し、社内情報を検索・抽出して回答を生成するRAG基盤を構築しました。
RAG基盤は、国内約4万人、海外を含む約29万人が申請により利用できます。QuickSolutionのアクセス権に基づき、利用者が閲覧できる情報を検索・抽出して回答に使える点も特徴です。
参考:住友電工情報システム「住友電気工業株式会社」
3. パーソルキャリア|Microsoft Teamsに問い合わせ窓口を集約して社内対応の自動化を進めている
パーソルキャリアでは、人事・法務・情報セキュリティ・総務などへの社内問い合わせ対応に時間を要していました。
そこで問い合わせ改善プロジェクトの一環として、Microsoft Teams上に問い合わせ窓口を設けています。問い合わせは次の3段階で対応します。
FAQを自動提示
社内ドキュメントを参照して回答
解決しない場合は有人対応へ引き継ぎ
FAQで答えられる問い合わせはAIが対応し、社内資料を確認する必要がある場合はドキュメントを参照し、それでも解決しない場合は有人チャットへ引き継ぎます。
社員が普段使うTeams上で質問から有人対応への引き継ぎまで完結できるため、新たな専用画面を覚える負担を抑えやすい点が特徴です。
参考:PR TIMES「『PKSHA AI ヘルプデスク』をパーソルキャリアが導入」
RAGサービスは検索の仕組みで回答精度が変わる|Rimoの独自技術
RAGは、質問に関係する情報を検索システムで探し、その情報をもとにAIが回答を作ります。この「探す」段階で関係の薄い資料が混ざると、回答の根拠がずれたり、必要な情報を見落としたりします。
そこで、弊社が提供している会議AIエージェント「Rimo Voice」は、議事録ドメインに特化したRAGアーキテクチャを採用しています。会議の文字起こしや議事録をまとまり(チャンク)に分けて検索する仕組みです。
たとえば「A社への次回提案で確認すべきこと」と質問すると、会議名や日時といった情報も手がかりに、該当する発言や議事録のまとまりを探し出します。
検索した候補は、そのあと「質問との関連が強い順」に並べ替え、本当に関係する情報を優先して回答に使います。必要に応じて質問の言い換えや再検索も行い、1回の検索だけでは拾いにくい情報を補っています。
Rimoでは、このような工夫を重ねてRAGの検索精度を高めています。次項で紹介するサービス「RimoナレッジAI」も本独自技術を発展させた 同様のRAGを活用しています。
Rimo VoiceのAI検索を支える日本語議事録に特化したRAGアーキテクチャ
RimoナレッジAIなら社内資料を取り込むだけで自社専用のRAG環境を用意できる

RimoナレッジAIは、社内資料を取り込み、検索結果を根拠に回答するRAG環境を用意できるサービスです。RAGの検索基盤を自社で一から構築せず、既存の資料を使って社内検索や回答作成を始めたい企業に向いています。
社内資料をフォルダごと取り込み、AI検索に活用できる
回答の根拠になった資料を確認できる
SharePointやGoogle Driveなどの既存システムと連携できる
例えば、過去の商談記録と提案資料を取り込み「A社との商談内容を踏まえ、次回提案の骨子を作成して」と依頼できます。関連する商談の経緯や過去の提案内容を確認しながら、次回提案で伝える論点を整理できます。
1.ナレッジを読み込ませて質問する

2.提案資料の骨子が作成される


このように、社内にある情報を検索して回答に使うだけでなく、次の提案や資料作成につなげられる点が特徴です。
料金の目安は、チームプランが1人あたり月額6,000円(税抜)、法人プランが月額5万円からです。
無料トライアルも可能ですので、まずはサービス概要資料をチェックしてみてください。
RAGサービスに関するよくある質問

最後に、RAGサービスを検討する際によくある質問へ回答します。
無料で試せるRAGサービスはありますか?
無料で使い始められる、または無料で試せるRAG関連サービスは次のとおりです。
サービス | 無料で始める方法 |
ChatSense | スタータープラン(月30回まで) |
Azure AI Search | Freeプラン |
Dify | Community Edition |
RimoナレッジAI | 無料トライアル・相談 |
アップロードした社内データはAIの学習に使われますか?
サービスによって異なります。RimoナレッジAIのように、入力データをAIモデルの学習に使わない方針を示すサービスもあります。利用前に公式サイト・利用規約・契約書で確認してください。
RAGとファインチューニングは何が違いますか?
RAGは質問ごとに関連文書を検索して回答に使う方法で、ファインチューニングはモデル自体に追加学習させる方法です。
RAGは検索対象の情報を更新することで、新しい情報を回答へ反映しやすい方法です。一方、ファインチューニングでモデル自体に新しい情報を反映する場合は、再学習が必要になります。
出力の口調や形式をそろえたいならファインチューニング、最新の社内情報をもとに回答させたいならRAGが向いています。両方を組み合わせることも可能です。
自社構築とサービス導入はどちらが早く始められますか?
早く始めたいなら、既存のRAGサービスを導入するほうが短期間で始めやすいです。特に社内文書アップロード型なら、検索基盤や生成AIとの接続をサービス提供会社が用意しているため、自社での設計が最小限で済みます。
一方、自社構築は検索方法やデータ取り込み、権限、評価方法などを一から設計する必要があり、始めるまでに時間がかかります。まず既存サービスで対象業務と効果を確認し、独自要件が明確になってから自社構築へ進む方法もあります。
まとめ|自社に合ったRAGサービスで社内データの活用を始めよう
RAGサービスを選ぶときは、まず「どの情報を、誰が、どの業務で使うか」を決めてください。開発体制や文書の保存場所に合わせて、社内文書アップロード型・エンタープライズサーチ連携型・クラウド基盤型・構築支援型から比較すると、候補を絞り込みやすくなります。
既存のSharePointやGoogle Drive、会議録を生かしてRAGを導入・活用したい企業には、RimoナレッジAIもおすすめです。社内にある資料を検索し、その内容を根拠に回答や資料作成へつなげられます。

例えば、過去の商談記録と提案資料を横断して確認し、次回提案の骨子を作るといった活用が可能です。
RAGサービスの活用方法や、自社の資料でどこまで対応できるかを確認したい方は、以下のリンクから無料で相談してみてください。
関連記事
一覧に戻る




