会話形式の議事録を作成するにあたって、書き方や準備の方法がわからず悩んでいる方もいるのではないでしょうか。要約形式の議事録とは異なるため、正しい書き方を身に着けておくことが大切です。
本記事では、会話形式の議事録の書き方を4ステップで紹介します。準備の方法や具体例も解説しているので、会話形式の議事録の作成方法がわからない方は、ぜひ最後までご覧ください。
議事録の書き方の種類
議事録にはさまざまな種類があります。なかでも主流なのは下記の2つです。
会話形式の議事録
要約形式の議事録
会議の内容や目的に合わせて2つを使い分けなくてはなりません。まずはそれぞれの議事録について理解していきましょう。
会話形式の議事録とは
会話形式の議事録とは、会議で交わされた内容を時系列に沿って文章を作成するものです。発言者の内容を詳しく残せるため、その決定に至るまでの経緯や雰囲気を汲み取りやすいのが特徴です。要点だけでまとめるわけではないため、細かいニュアンスも伝えやすい傾向にあります。
一方で会話形式の議事録は、会話のやり取りをすべて記載するため、重要事項や決定事項が伝わりにくいのが難点です。重要なポイントを掴むまでに時間がかかってしまう可能性もあります。また、言い間違いを直す手間がかかるのもデメリットです。
要約形式の議事録とは
要約形式の議事録とは、会議の内容をわかりやすくまとめた形式です。会話形式のように時系列順に整えたり、誰が話しているかを記載したりする必要がありません。重要事項や決定事項をメインに記載するため、読み手が重要ポイントを理解しやすいのが利点です。
そのため、多くの会議では要約形式の議事録が採用されています。議事録すべてを注意深く読まなくても要点を把握できるため、会話形式よりも要約形式の議事録を好む方も一定数います。
ただし、要約形式の議事録を作成する方には、会議での要点をわかりやすくまとめる力が欠かせません。重要部分を選び出して議事録にする力がないと、わかりづらい議事録になってしまいます。ほかにも話者と発言内容を結びつけられていないケースもあり、責任所在がはっきりとしないのが難点です。責任所在がはっきりしないことで、トラブルに発展する可能性もあるでしょう。
会話形式の議事録の書き方4ステップ
会話形式の議事録の書き方は、下記の4ステップです。
会議の内容を録音する
文字起こしをする
文章を整える
重要なポイントを整理して要約する
これから会話形式の議事録を作る方は、ぜひ参考にしてください。
①会議の内容を録音する
まずは、会議の内容を録音しましょう。リアルタイムで会話をすべてメモするのは難しく、正確性を保つためにも録音は欠かせません。録音をしておけば聞き逃した部分や曖昧な部分もすぐに確認できます。
録音方法は、スマートフォンのボイスレコーダーやICレコーダー、文字起こしアプリなどさまざまなものがあります。会話形式の場合は、複数人が喋るうえに話者が録音機材から遠いケースもあるため、ステレオ録音が可能であるような高機能なものを使うのがおすすめです。
また確実に録音できるかを確認するために、会議が始まる前にテスト録音を行いましょう。ほかにもボイスレコーダーを2台用意しておくことで、バッテリー切れや不具合でデータが聞けなくなるのを防げます。
②文字起こしをする
会議終了後は、録音したデータをもとに文字起こしを行いましょう。手動で文字起こしを行う場合、音声を聞きながらタイピングしていきます。
ただし、手動で文字起こしをする際には音源の録音時間の約4倍もの時間がかかると言われています。
話者の人数や会議時間によってはより膨大な時間がかかるケースもあるため、音声録音による議事録作成ツールがあると便利です。
そこでおすすめなのが『Rimo Voice』で『Rimo Voice』は、録音した音声を自動で文字起こししてくれます。マイク機能が付いている場合は、リアルタイムによる文字起こしにも対応しているのが特徴です。1時間の音声データを約5分で文字起こしできるため、業務の大幅な時間短縮を期待できます。
「文字起こしの時間を短縮したい」「できるだけ早く議事録を作成したい」と考えている方は、ぜひ一度無料トライアルをお試ししてみてはいかがでしょうか。
③文章を整える
会話形式の議事録は、「えっと」「あー」などのフィラーを省いたり、言い間違いを正したりなど文章を整える工程も欠かせません。話者が続けて長く話している場合は、わかりやすい部分で区切るなどして読み手に負担のない文章にしましょう。
また結論が後ろの方で述べられている場合は、先に結論を持っていくのがおすすめです。会話形式ではありますが、わかりやすさも意識して文章を整えましょう。
フィラーを除く「ケバ取り」や文章を整える「整文」については、以下の記事でも詳しく解説しているのでぜひご確認ください。
関連記事:整文とは?素起こし、ケバ取りとの違いもあわせて解説
④重要なポイントを整理して要約する
会話形式は、話者が話している内容を時系列順に記載します。そのため、重要ポイントがわかりづらいケースも少なくありません。
会議内容をわかりやすく伝えるために、重要なポイントに太字やマーカーなどの装飾を入れましょう。ほかにも重要なポイントを箇条書きにし、その後に話者が話した内容を入れるとよりわかりやすくなります。
また次の会議までにやるべきことも記載しておきましょう。「誰がいつまでにこのアクションを行う」など具体的に記載しておくことで、チームの方向性や役割を明確に認識できます。
会議の前に必要な準備
議事録を作成する際は、会議の前の準備も欠かせません。スムーズに議事録を作成するためには、下記の2つを準備しておきましょう。
録音できる機材やツールを導入する
会話形式の議事録に必要な知識を把握しておく
それぞれについて詳しく解説していきます。
録音できる機材やツールを導入する
まずは会議内容を録音できる機材やツールを導入しましょう。手軽な機材だとスマートフォンのボイスレコーダーがあげられますが、話者が多い会議では、上手く録音できない可能性があります。そのため、人数や話者の立ち位置に合わせて適切な機材を用意しましょう。
なお、『Rimo Voice』は使用しているデバイスのマイクから直接録音した音声をリアルタイムで文字起こしすることができます。
停止処理をすれば、そのまま同じ画面で文字起こしを編集できます。テキストをクリックすると該当箇所の音声が再生される機能もあるため、スムーズに編集できるでしょう。
もちろん、別の機材で録音したデータを使って文字起こしすることもできます。
会話形式の議事録に必要な知識を把握しておく
会話形式の議事録を作成する際には、必要な知識を把握しておくことも大切です。確認しておきたい知識などは、下記があげられます。
参加者の名前と役職
会議のアジェンダや目的
会議中に出ると予想される専門用語や固有名詞
特に、専門用語や固有名詞は確認しておきましょう。専門用語などは正確に文字起こしがされない場合があります。把握せずに文字起こしをしてしまうと、ミスが増えてしまい、作業時間が増えてしまう可能性があります。
ある程度の必要な知識を身に着けておくことで、スムーズに議事録を作成できるでしょう。
会話形式の議事録の項目
会話形式の議事録を作成するにあたって「どのような項目を入れればよいのだろう」と悩んでいる方もいるでしょう。必要な項目は、下記のとおりです。
開催日時・参加者・議題
議論の要点
主要な発言と発言者の名前
決定事項
検討事項
それぞれの項目について詳しく見ていきましょう。
開催日時・参加者・議題
議事録のはじめに記載するのは、開催日時や参加者、議題です。議事録は会議の数と共に増えていくため、基本事項を記載し、いつのものかを分かりやすく明記しておく必要があります。もし複数の部署から参加がある場合は、名前と部署名を明記しましょう。社外からの参加があるケースは、会社名や役職、名前を記録します。社内と社外ともに役職が高い順に記載するとよいでしょう。
また会議の目的やどこで誰によって開催されたかも簡潔に記載しておくとわかりやすくなります。必要そうな情報がある場合は、記録してくことをおすすめします。
議論の要点
会話形式の議事録は、会話の記載だけでは重要なポイントがわかりづらい傾向にあります。わかりやすい議事録にするためにも議論の要点を記載しましょう。議論の要点を記載するのは読み手が情報を把握しやすいうえに、議事録を作る側も会議の流れを把握しやすくなります。
また議論の要点は、箇条書きにしておくとわかりやすくなります。足りない部分は文章で補うとよいでしょう。
主要な発言と発言者の名前
主要な発言と発言者の名前も記載しましょう。発言者を明確にしておくことで、文面でも会議の流れや雰囲気がわかりやすくなります。
さらに責任所在を明確にするためにも発言者を記載するのは欠かせません。責任所在を明らかにしておくことで、トラブルを未然に防ぐ効果も期待できます。また重要な発言や引用すべき部分は、引用符を用いて明確にしておきましょう。
決定事項
議論された決定事項も記載します。会議に出席していない第三者にも伝わりやすいよう意識して記載することが大切です。要約する際には、まず結論を先に述べましょう。その後にそれまでの過程や根拠などを示すとわかりやすくなります。
また決定事項など要点をまとめる場合は、「です・ます」調は避け、「だ・である」調で記載しましょう。文章だけではわかりづらい場合は、箇条書きや表なども活用してください。
もし会議で使用した資料やサイトなどがある場合は、議題ごとにURLなどの情報を記録しておくのがおすすめです。会議に参加していない方も情報を掴みやすくなります。
検討事項
決定事項以外にも検討事項も記載しておきましょう。検討事項は、未解決の議題や次回に持ち越す事項などがあげられます。次回の会議に必要になる可能性がある情報は記載しておくとよいでしょう。
また次回の会議や商談が決まっている場合は、日程や場所を記載します。未定の場合は、候補の日付を記載しておくと、会議に参加していない方にも親切です。
会話形式の議事録の具体例
会話形式の議事録の具体例を一部紹介します。
【会話形式の議事録の例】
会議日時:◯◯◯◯年◯月◯日(◯)◯時~◯時
場所:第一会議室
出席者:佐藤・田中・斉藤
議題:〇〇〇〇〜
発言者:佐藤
議題:(発言内容)
結論:(決定内容)
課題:(検討テーマ)
発言者:田中
議題:(発言内容)
議事録
【議題1】について
佐藤:「〇〇〇〇」
田中:「〇〇〇〇」
【議題2】について
佐藤:「〇〇〇〇」
斉藤:「〇〇〇〇」
ネクストアクション
【アクション内容】:【担当者】-【期限】
次回会議予定日:
ほかにも記載したい情報がある場合は、新しく項目を作り記録しましょう。
会話形式の議事録のメリット
会話形式の議事録は、下記のようなメリットがあります。
議論の流れを把握しやすい
発言の詳細を確認しやすい
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
議論の流れを把握しやすい
会話形式の議事録は、議論の流れを把握しやすいのがメリットです。要約形式の議事録だと流れを把握できません。また会話形式の議事録であれば、複雑な議題であっても発言者や質問者を特定しやすいのも利点です。後日責任所在をはっきりさせ、誤解を回避できるでしょう。
また時系列に沿って会話を記録しているため、どのような流れで方向転換があったか、誰が発案者かといった部分も容易に把握できます。会議に参加していない方も意思決定の過程を理解できるのはメリットです。
発言の詳細を確認しやすい
会話をすべて記録しているため、発言の詳細を確認しやすい傾向にあります。質疑応答が多い会議でも誰がどのような発言をしたかを把握できます。なかには「言った・言わない」のトラブルになるケースもありますが、会話形式であればそのようなリスクを軽減できます。
また発言の詳細を確認できるため、会議の温度感や雰囲気も感じ取りやすいのはメリットといえるでしょう。そのため、誤解や認識のズレが生じにくい傾向にあります。
言った・言わない問題については以下の記事でも詳しく解説しています。
会話形式の議事録のデメリット
会話形式の議事録は、メリットだけではありません。下記のようなデメリットも伴います。
要点が分かりにくい
作成に時間がかかる
メリットとデメリットの両面を理解し、会議内容や目的、人数に合わせて適切な議事録を作成することが大切です。デメリットについて詳しく見ていきましょう。
要点が分かりにくい
1つ目のデメリットは、要点が分かりにくい点です。話の流れが時系列に記録されているため、議論のなかでどのような部分が重要であるか、決定事項であるかを一目で確認することができません。話題ごとの要約もないため、要点を把握するには、議事録すべてを注意深く読み取る必要があります。
会議に出席していない方には手間がかかるため、親切ではありません。そのため、ビジネスマンのなかには、会話形式の議事録を好まない方も一定数います。会議の目的やシーンに合わせて使い分けることが大切です。
作成に時間がかかる
会話形式の議事録は、詳細な記録が必要なため作成に時間がかかります。会議の内容を正確に文字起こしするには、膨大な時間がかかるケースも少なくありません。特に専門性の高い会議や固有名詞が出る会議は、打ち間違いなどで大幅な時間がかかることもあるでしょう。
また文字起こしが終わった後も文体の調整や装飾などによって時間がかかります。作成に時間がかかり、時間外労働が必要になる可能性があるのはデメリットといえます。
できるだけ作業時間を減らしたい方は、文字起こしツールなどを導入するのがおすすめです。さまざまなツールが展開されているため、興味がある方は、リサーチしてみましょう。
文字起こしを効率化したい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
関連記事:文字起こしはやり方次第で早くなる!効率的にできるコツを徹底解説します
会話形式の議事録がおすすめのシーン
会話形式の議事録がおすすめなシーンは、下記の通りです。
質疑応答がメインの会議や商談
会議・商談の雰囲気を伝えたい場合
誰がどのような発言をしたのかを明確にしたい場合
場合によっては、会話形式ではなく、要約形式が適しているケースもあります。会話形式が向いているシーンを理解し、適切な議事録を作成しましょう。
質疑応答がメインの会議や商談
1つ目は、質疑応答がメインの会議や商談です。会話形式の議事録であれば、質問や回答を時系列順に記録できます。会議や商談後に参加者が議論の流れを容易に追跡できるため、会話形式の議事録がおすすめです。
また具体的な質問や回答を結びつけて残せるため、認識の不一致や誤解が生じるリスクが低いのも特徴です。要約形式では、責任所在をはっきりさせることができませんが、会話形式であれば責任所在もはっきりさせられるのもおすすめな理由の1つです。
会議・商談の雰囲気を伝えたい場合
会話形式は、時系列順に詳細を記載するため、会話の流れや雰囲気を記録できます。会議や商談に参加できなかった方でも議論のニュアンスを把握しやすくなります。そのため、会議や商談の雰囲気を伝えたい場合にも向いているのです。
議論や商談の背景や温度感を伝えたい場合は、要約形式ではなく、会話形式の議事録を作成してみましょう。
誰がどのような発言したのかを明確にしたい場合
誰がどのような発言をしたのかを明確にしたい場合も会話形式の議事録が適しています。話者の名前と内容を一緒に記録するため、あとから見直した時にも誰の意見かを確認しやすくなります。責任の所在がはっきりするため、話者が多かったり、決定事項が多かったりする場合にもよいでしょう。
また要約形式でも話者を記録するケースはありますが、細かくは記載しません。そのため、誰がどのような発言をしたか確認したい場合は、要約形式がおすすめです。
議事録作成に関するよくある質問
議事録作成に関するよくある質問を集めました。
会話形式の議事録で注意すべき点は?
録音を活用してもよいのか?
わかりやすい議事録を書くには?
それぞれについて回答していきます。
会話形式の議事録で注意すべき点は?
会話形式の議事録で注意すべき点は、下記があげられます。
発言者を明確にする
時系列を整理する
文責を明示する
まずは発言者と発言内容を明確にしましょう。さらに正確な情報を残すためにも不要な発言などは削除し、必要に応じて説明を入れます。時系列が乱れないよう注意しましょう。
また議事録の作成者として必ず自分の名前を入れます。文責を明示することで、後に変更や修正があった場合でも誰に連絡すればよいかが明確になります。
録音を活用してもよいのか?
録音を活用するのは問題ありません。ただし、会議や商談で録音を行う場合は、必ず参加者全員に同意を取りましょう。商談の際に無断で録音を行うのは、法律違反にはなりません。しかし、マナー違反とみなされ、トラブルに発展する可能性があるため、同意を取る必要があります。
社内の会議であれば、同意を取るのは難しくないですが、社外の商談などの場合は、下記を明確にして録音の許可を取るのがおすすめです。
目的を伝える
用途を伝える
管理方法を伝える
特に管理方法を伝えることが大切です。商談内容は、個人情報や機密情報が含まれているケースが多い傾向にあります。情報漏洩の心配もあるため、管理体制が整っていることを伝えることで、快く録音に応じてくれるでしょう。
わかりやすい議事録を書くには?
わかりやすい議事録を書くためには、要約したものを記載しましょう。会話形式の議事録は、要点や大事なポイントがわかりづらくなります。会議に出席していない第三者でもすぐに要点を掴めるよう、要点をまとめておくのがおすすめです。
ほかにも代名詞を使わないことも大切です。「今週」「先日」などの代名詞は、会議中に頻繁に使用される言葉です。このような固有名詞が含まれていると、読み返した際にわかりにくいです。わかりやすい議事録にするためにも固有名詞は避け、具体的な日時や言葉を使用しましょう。
会話形式の議事録を効率的に作成するなら『Rimo Voice 』!
会話形式に限らず、人の手で議事録を作成する際には膨大な時間・手間がかかります。実施に、会議の機会が多い企業では、議事録作成に追われて課題だと感じている方もいらっしゃいます。
そこでおすすめなのがAI議事録作成ツールの『Rimo Voice』です。
「えーっと」「あの」などのフィラーを自動で取り除きつつ、1時間の音声データをわずか5分程度で文字起こししてくれます。話者識別機能も搭載されており、誰の発言かをスムーズに議事録に記載できる点も魅力です。
また、録音・録画データを読み込む方法以外にも、会議中にリアルタイムで文字起こしを出力する方法もあります。より効率的に議事録を作成できるとご好評いただいております。
単に議事録作成をスピーディーに実施できるだけでなく、URL共有機能によって簡単に社内・社外で共有できるのも嬉しいポイントです。無料トライアルも実施しているので、ぜひ試してみてください。
まとめ:会話形式の議事録作成ポイント
会話形式の議事録は、会議の流れや雰囲気が伝わりやすいのが特徴です。話者と発言内容を結び付けられるため、責任所在をはっきりさせられるのもメリットです。しかし、要点を把握するには、すべてを注意深く読まなくてはならないのが難点といえます。
わかりやすい議事録にするためにも、重要な部分を要約したものを記載するのがおすすめです。ほかにも固有名詞は避け、具体的な言葉や数字を使用しましょう。ぜひ、本記事の内容を参考にして、質の高い会話形式の議事録を作成してみてください。
最終更新日: 2024 / 8 / 5
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