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バックオフィスの業務効率化の進め方|着手する部門の決め方と順番

「経理も総務も人事も、どこも手一杯だと言ってくる」
「効率化を計画に載せたが、どこから着手するか決められていない」
「去年ツールを入れた部門があるが、いつのまにか使われなくなった」
管理部門をまとめて見ている方は、こうした声に日々向き合っているのではないでしょうか。すべての部門に課題があるのは分かっていても、人も予算も同時には割けません。
本記事では、バックオフィスの業務効率化を、どの部門から始めるかという順番の話として解説します。自社の詰まり方から着手する部門を選ぶ3つの型、部門ごとの最初の一手、決めたあとの進め方まで順番に整理します。
読み終えたときには、自社が最初に手を付ける1部門と、そこで何から触ればよいかが具体的に決まっている状態になっているはずです。
なお、会議のあとに残る記録や共有作業を効率化したい場合は、『Rimo Voice』のようなAI議事録ツールもおすすめです。無料トライアルもありますので、気軽にお試しください。
バックオフィスの業務効率化は、どの部門から始めるかで結果が変わる
バックオフィスと一口に言っても、含まれる部門は複数あり、業務効率化の入り方も部門によって違います。
まずは範囲を確認したうえで、なぜ「順番」が結果を左右するのかを見ていきましょう。
バックオフィスに含まれる部門と、手作業が残りやすい業務
バックオフィスとは、売上を直接生み出す営業やカスタマーサポートなどのフロントオフィスを、社内から支える部門の総称です。
会社の規模や体制によって範囲は多少異なりますが、次の5部門を指すことが一般的です。
部門 | 手作業が残りやすい業務 |
|---|---|
経理・財務 | 請求書処理、仕訳入力、経費精算、月次・決算対応 |
人事・労務 | 採用事務、給与計算、勤怠管理、入社・退職手続き |
総務・庶務 | 備品管理、社内問い合わせ対応、契約書・書類管理 |
情報システム | アカウント発行、PC手配、社内ヘルプデスク対応 |
購買・発注 | 見積の取得、発注、検収、支払い管理 |
フロントオフィスの成果は売上や契約数といった数字に表れやすい一方、バックオフィスの働きは目立ちにくく、効率化の優先順位でも後回しにされがちです。
しかし、どの部門にも共通するのが、紙の書類のやり取りと、担当者の頭の中にしか残っていない手順です。
効率化を計画に載せる段階では、まずこの一覧で「自社ではどこまでを管理部門として見ているか」をそろえておきましょう。範囲の認識がずれたまま話を進めると、この後の議論がかみ合わなくなります。
全部門に同時に手を付けると、どこも変わらない
管理部門をまとめて見る立場になると、あらゆる部門の不満が集まってきます。「経理も総務も人事も大変」という状態を前にすると、全部を同時に良くしたくなるのが自然な気持ちです。
しかし、人も予算も限られているなかで複数部門に同時着手すると、どの部門にも十分な工数を割けません。結果として、どこも変わらないまま時間だけが過ぎてしまいます。
実際、全社的な効率化の取り組みは、総務・経理などの管理部門が主導し、中期経営計画の発表に連動して春に動き出す傾向があります。ただし、号令だけをかけて一斉に始めると、現場が追いつかないまま形骸化しやすいのも実情です。
だからこそ、最初の一手は1部門に絞る必要があります。次の章では、自社がどのタイプの「詰まり方」をしているかで、着手する部門を決める方法を紹介します。
自社の「詰まり方」で着手する部門を決める3つの型
「どこから始めるか」に一般的な正解はありません。業種や規模によって効きやすい部門が一律に決まっているわけではなく、順位づけできるだけの根拠もないためです。
経理から始めれば必ずうまくいく、人事が後回しでよい、といった決まりは存在しません。代わりに使えるのが、自社に出ている症状から逆算する方法です。
症状から選ぶ利点は、根拠のない優先順位を鵜呑みにせずに済むことです。
「経理から始めるのが定石」といった一般論に頼るのではなく、自社にいま出ているサインを基準にすれば、社内でも納得を得やすくなります。
次の3つの型のうち、自社に最も近いものを見つけてください。
自社の詰まり方 | 先に触るとよい部門 |
|---|---|
月末・決算前だけ人が足りなくなる | 経理・財務 |
担当者が休むと業務が止まる | 総務・庶務や人事・労務など、手順が1人に偏っている部門 |
ほかの部門をいつも待たせている | 情報システムや購買・発注など、社内向けの依頼を受ける部門 |
型1|締めの前だけ人が足りなくなる(負荷が月末に山をつくる会社)
月末や決算期になると、決まって残業が発生する会社です。請求書の処理や仕訳の入力、経費精算の締め作業など、経理・財務の業務は月末月初に集中しやすい特徴があります。
日々の業務量はそれほど多くないのに、締めの数日だけ人手が足りなくなるなら、この型に当てはまります。
臨時のアルバイトを頼んだり、他部署から応援を借りたりして毎月しのいでいる状態も、同じサインです。
負荷が特定の時期に山をつくる業務は、自動化や仕組み化の効果がそのまま「残業の減少」という数字に表れやすいという特徴があります。効果が測りやすい分、経営層への説明もしやすくなります。
型2|担当者が休むと止まる(手順が1人の頭の中にある会社)
特定の担当者が休むと、同じやり方で業務を続けられなくなる会社です。
総務や人事の手続き、経理の特殊な取引先対応など、手順がマニュアル化されず担当者の頭の中にしか残っていない業務でよく見られます。
この型は、業務量そのものよりも「代わりが利かないリスク」が本質的な課題です。担当者が長期休暇を取りづらい、退職の相談を後回しにしてしまう、といった状態も同じ根から生まれています。
属人化した業務から手を付けると、効率化と同時に事業継続のリスクも下げられます。経営層への説明でも「もしもの時への備え」という角度から稟議を通しやすくなるでしょう。
手順や情報が特定の担当者に偏る問題そのものをさらに詳しく知りたい方は、属人化を防ぐ考え方を整理した記事も参考になります。
(関連記事:ナレッジシェア(ナレッジ共有)とは?属人化を防ぐ進め方と目的別ツール12選)
型3|ほかの部門をいつも待たせている(差し込みで動きが止まる会社)
社内からの依頼を受ける部門が、他部門の動きを止めてしまっている会社です。情報システムのアカウント発行待ちで新入社員が仕事を始められない、購買・発注の承認待ちで現場の作業が進まないといった状態が典型です。
この型では、効率化の効果が自部門だけでなく、待たされている他部門にも波及します。1つの依頼窓口を整えるだけで、複数部門の停滞が同時に解消されることも珍しくありません。
社内の複数部門から同じ不満が上がっているなら、この型の可能性が高いといえるでしょう。「またあそこで止まっている」という声が特定の部門に集中しているかどうかを確認してみてください。
具体的な効率化のアイデアを先に一通り眺めておきたい方は、部門を問わず使えるアイデアをまとめた記事も参考になります。
(関連記事:業務効率化のアイデア13選|今すぐ使えるツールと進め方【2026年版】)
自社がどの型に近いかが見えたら、次はその部門で実際に何から手を付けるかを確認しましょう。
【部門別】最初に手を付ける業務と、次に渡す先
ここでは部門ごとに「最初に触るとよい1つの業務」と、その理由だけを紹介します。手順やツールの選び方など、部門ごとの詳しいやり方は本記事の範囲を超えるため、各部門の担当者と相談しながら個別に検討してください。
読み進める際は、自社が着手すると決めた部門の項目だけ確認すれば十分です。ほかの部門は、次に広げるときの参考として後で読み返してもかまいません。

経理・財務|受け取り方をそろえて、月末の山を低くする
経理・財務でまず触るとよいのは、請求書や経費精算の「受け取り方」です。紙・メール添付・郵送など受け取り方がばらばらだと、月末にまとめて処理する段階で確認と転記の作業が膨らみます。
受け取り方を電子データに統一するだけでも、月末に集中する作業の山をならすことができます。締めの負荷が課題になっている会社ほど、この一手の効果を実感しやすいでしょう。
書類の確認・照合作業は、経理だけでなく監査対応でも負荷になりがちです。
学校法人追手門学院様の事例では、話者分離や自動要約の機能を活用したことで監査業務の作業時間が4分の1になったと報告されています。
担当者の精神的な負担も軽くなったとされており、時間の削減だけでなく心理的な余裕にもつながることが分かります。
(関連事例:作業時間が4分の1になり、監査業務の精神的負担軽減にも|学校法人追手門学院様)
請求書処理そのものをさらに掘り下げて効率化したい場合は、工程ごとの具体的な方法を整理した記事も参考になります。
(関連記事:請求業務を効率化する5つの方法|今日から始める手順と進め方も解説)
人事・労務|入社から退職までの手続きを1本の流れにする
人事・労務でまず触るとよいのは、入社から退職までの一連の手続きです。
雇用契約、社会保険の手続き、機材の手配などが部署ごとにばらばらに動いていると、抜け漏れや二重の確認作業が発生しやすくなります。
手続きの流れを1本にそろえておくと、担当者が変わっても同じ品質で対応できるようになります。誰がいつ何を確認したかが記録として残るため、引き継ぎのたびに一から聞き直す必要もなくなります。
属人化が課題になっている会社では、この整理から着手する価値があります。
総務・庶務|社内からの問い合わせの受け口を1つにまとめる
総務・庶務でまず触るとよいのは、社内からの問い合わせの受け口です。
備品の依頼、契約書の確認、来客対応などの依頼が、メール・チャット・口頭とばらばらに届くと、対応漏れや二重対応が起こりやすくなります。
受け口を1つにまとめておくと、依頼の状況が可視化され、誰が何に対応中かが一目でわかるようになります。対応漏れが減るだけでなく、同じ依頼が別の担当者に二重で届くことも防げます。ほかの部門を待たせがちな会社は、まずここから触るとよいでしょう。
情報システム|アカウント発行の待ち時間をなくす
情報システムでまず触るとよいのは、アカウント発行の待ち時間です。新入社員のメールアドレスやシステム権限の発行に時間がかかると、その間ほかの部門の受け入れ準備も止まってしまいます。
依頼から発行までの流れをあらかじめ決めておくだけで、待ち時間の大部分を減らせます。誰が承認し、いつまでに発行するかが決まっていれば、依頼する側も見通しを立てやすくなります。
新入社員の受け入れが多い時期に負荷が集中する会社ほど、効果を実感しやすい一手です。
購買・発注|発注する前に条件を確定させる
購買・発注でまず触るとよいのは、発注する前の条件確定です。金額や納期、承認者があいまいなまま発注を進めると、後から確認のやり取りが発生し、検収まで時間がかかります。
発注前に条件を確定させる仕組みを整えるだけで、後工程の手戻りを大きく減らせます。何を・いくつ・いつまでに・誰の承認で発注するかをそろえておけば、検収の段階での確認作業も簡単になります。
現場からの発注依頼で動きが止まりがちな会社は、この一手から着手するとよいでしょう。

部門をまたぐ共通業務|打ち合わせのあとに残る記録と共有
ここまでの5部門は、業務の中身がそれぞれ異なります。しかし、経理も総務も人事も情報システムも、打ち合わせのあとに記録と共有が残るという点だけは共通しています。承認会議の議事録づくり、社内説明会の内容整理、部門間の打ち合わせメモなどです。
この共通業務は、どの部門から着手するかを迷っている段階でも、部門を選ばずに手を付けられる数少ない領域です。議事録の作成や、決まったことの資料化、関係者への共有には、部門を問わずまとまった時間がかかります。
役員会議や経営会議のように、参加者が少数でも1件あたりの重みが大きい会議ほど、記録にかける時間も膨らみやすくなります。発言の一言一句を正確に残す必要があるため、担当者にとって負担の大きい業務になりがちです。
井村屋グループ株式会社様の事例では、役員会議の議事録作成にかかる時間が半減したと報告されています。
(関連事例:議事録作成時間半減!担当者も「もう業務に欠かせない」| 井村屋グループ株式会社様)
この工程は『Rimo Actions』のようなAIエージェントで自動化できる範囲です。
会議の内容からタスクを自動で抽出し、資料やメールの下書きまで作ったうえで、送信や共有まで一貫して任せられます。
管理部門の責任者が社内のセキュリティ審査を通す場面でも、データを日本国内で保管し、AIの学習に使わない仕組みであることは確認材料になるでしょう。
着手する部門と、その中の最初の一手が決まったら、次は実際の進め方に移ります。
着手する部門を決めたあとの進め方
部門を1つに決めたら、いきなりツールを選ぶ前に済ませておきたい準備が3つあります。ここを飛ばしていきなり導入を進めると、効果を数字で示せず、次の部門への展開にもつながりません。順番に見ていきましょう。
いま何時間かかっているかを、部門ごとに聞いて回る
最初にやるべきことは、いまの作業にどれくらい時間がかかっているかを数字にすることです。管理部門を束ねる立場は、自分では手を動かさないことが多いため、実際の作業時間は各部署にヒアリングして把握する必要があります。
各部署に、月間の会議数や作業件数と、1件あたりにかかっている時間を聞く
部署ごとの回答を月間の合計時間に直す
合計時間に担当者の時給を掛けて、費用として見える形にする
この数字は、稟議や上長への説明でそのまま使える根拠になります。ある会社では、部門ごとにヒアリングした結果、議事録作成だけで月およそ45時間が費やされていることが分かり、効果測定の出発点にした例もあります。
会議まわりの負担は「1時間の会議に議事録作成で30分から数時間」という声が複数の企業から寄せられており、これらはいずれも導入企業の申告値です。統計として断定はできませんが、部門をまたいで同じ負担が起きていることの目安にはなります。
10〜20名の1部門で試して、数字を出す
工数が見えたら、次は選んだ部門のなかでも、10〜20名規模の範囲でまず試します。大企業であっても、全社に一斉導入するのではなく、特定の部門で実績を出してから広げるのが現実的な進め方です。
小さく始めることには2つの利点があります。1つは、うまくいかなかった場合の影響範囲を限定できることです。もう1つは、実際に数字で効果を示せてから次の部門への展開を判断できることです。
最初の範囲を絞りすぎて効果が見えにくくならないよう、成果を測れる程度の人数は確保しておきましょう。
試す段階で候補のツールを比較したい場合は、種類別に整理した記事も参考になります。
(関連記事:【2026年版】業務効率化ツールおすすめ17選|6カテゴリ別に料金・機能を比較)
推進役を先に決めてから配る
ツールや仕組みを配る前に、社内で旗を振る推進役を先に決めておきます。推進役がいないと、導入後の問い合わせや調整が特定の個人に集中し、担当者の負担が増えて定着が進みにくくなります。
推進役は、必ずしも管理部門の責任者自身である必要はありません。各部門から1〜2名を選び、辞書登録や利用状況の確認を任せる形でも機能します。初期費用を本部が持つようにしておくと、現場の持ち出しがなくなり、導入のハードルも下がります。
実際に、情報システム部門が旗振り役となって社内展開を進めた例もあります。かんでんエンジニアリング様では、情報システム部門がチームを組んで費用面や運用方法を検討しました。
社内ポータルへのバナー設置や説明会の開催を通じて、草の根の取り組みから全社展開に広げています。
(関連事例:社内の草の根活動から全社展開へ ― かんでんエンジニアリングが実現した、AI活用による働き方改革)
運用面では、各ユーザーからの申請に基づいてアカウントを発行し、利用量に応じて部門ごとに費用を振り替える形を取っています。複数部門で使う仕組みを配るときの参考になるでしょう。
自動化そのものの考え方や進め方を基礎から知りたい方は、あわせて読むと理解が深まります。
(関連記事:業務自動化とは?効率化との違い・進め方・使えるツールをわかりやすく解説)
1部門での成果が数字で見えたら、いよいよ2つ目の部門への展開です。ここでつまずきやすい点を次章で確認しましょう。
2つ目の部門へ広げるときにつまずくこと
1部門目で成果が出ても、2つ目の部門への展開でつまずくケースは少なくありません。ここでは、広げる段階で特に起きやすい3つのつまずきを紹介します。

最初に触った人の印象で、その部門での評価が決まる
ツールが定着するかどうかの差は、機能の良し悪しではなく、広げ方にあります。なかでも大きいのが、最初に触った人の体験です。最初の担当者がよい印象を持てないと、その発信が周囲に伝わり、部門全体の評価が悪くなってしまいます。
精度への不満の多くは、実は録音環境や初期設定が原因であることも分かっています。ツール自体の性能を疑う前に、使い方の案内が足りていたかを確認する価値があります。
最初の一人が使いやすい状態でスタートできるよう、初期設定や使い方の説明に手間をかけておくことが、部門全体の定着を左右します。2つ目の部門に配るときほど、この一手間を省略しないようにしましょう。
部門ごとにツールが増えて、管理も費用も分散する
部門ごとに個別でツールを選んでいくと、気づけば似たようなサービスが社内に乱立し、管理も費用も分散してしまいます。この状態を防げるのは、複数部門をまとめて見ている管理部門の責任者だけです。
「議事録ツールはこれを使う」のように、管理部門がツールの一本化を方針として宣言する
部署ごとに推進役を置き、利用状況の確認を任せる
初期費用は本部側で持ち、現場の持ち出しをなくす
これらは、部門をまたいで見ている立場だからこそ打てる手です。現場の担当者では実行できない打ち手を、責任者自身が持っておくと、2つ目以降の展開がスムーズになります。
目的だった会議や案件が終わると、使われなくなる
導入したのに使われなくなる背景には、いくつかの共通パターンがあります。特定の案件や会議のために導入したツールは、その案件が終わると利用が止まってしまいます。よく使っていた担当者が異動や退職で抜けた場合も同様です。
推進役が不在で、問い合わせや調整が特定の個人に集中してしまう
目的だった会議や案件が終了し、利用する理由がなくなる
別の全社向けツールが後から導入され、位置づけがあいまいになる
これらはいずれも、導入前に「誰が推進するか」を決めておくことで防げます。2つ目の部門へ展開する際は、1部門目の推進役に任せきりにせず、新しい部門にも推進役を置くことを忘れないようにしましょう。
1部門目の成功体験をそのまま2部門目に持ち込もうとすると、業務内容や担当者の温度差につまずくことがあります。広げるたびに、その部門なりの使い方を一緒に見つけていく姿勢が、結果的に定着への近道になります。
バックオフィスの業務効率化に関するよくある質問
Q. バックオフィスの業務効率化は、結局どこから始めるのがよいですか?
一般的な正解はなく、自社の詰まり方から決めるのが実践的です。月末・決算前だけ人が足りなくなるなら経理・財務、担当者が休むと止まるなら属人化が進んでいる部門、ほかの部門をいつも待たせているなら情報システムや購買・発注が着手候補になります。
まずは自社がどの症状に近いかを確認したうえで、その部門のなかでも最初に触る1つの業務を絞り込んでください。範囲を欲張らないことが、結果的に近道になります。
Q. 人も予算も少ない会社でも効率化できますか?
大企業であっても、全社に一斉導入するのではなく10〜20名規模の1部門から始めるのが現実的な進め方です。
人も予算も限られている会社ほど、最初の範囲を絞り、小さく始めて数字を出してから広げる進め方が向いています。全部を同時に変えようとしないことが、かえって早道になります。
Q. 部門ごとに別々のツールを入れてしまっています。どうすればいいですか?
複数部門をまとめて見ている責任者が、「今後はこのツールに一本化する」と方針を宣言することが有効です。現場の担当者だけでは決められない打ち手なので、管理部門の責任者だからこそ実行できます。
あわせて部署ごとに推進役を置き、初期費用は本部側で持つようにすると展開しやすくなります。
Q. クラウドのサービスを使うとき、社内のセキュリティ審査は通せますか?
情報システムや法務が確認する項目は、データがAIの学習に使われないか、ISO27001・ISO27017などの認証を取得しているか、データの保存場所と暗号化の状況、セキュリティチェックシートへの記入対応の可否といった点に集約されます。
これらは認証ロゴの数よりも「入れたデータがどこへ行くのか」を確認する質問です。サービスを選ぶ際は、これらの項目にどう答えられるかをあらかじめ確認しておくと、稟議や審査を通しやすくなります。
まとめ|バックオフィスの効率化は、着手する部門を1つに絞ることから始まる
バックオフィスの業務効率化は、経理・人事・総務・情報システム・購買のどの部門にも課題があるからこそ、すべてに同時に手を付けたくなります。しかし、限られた人と予算を分散させると、どの部門も変わらないまま時間だけが過ぎてしまいます。
自社の詰まり方から1部門を選び、部門ごとの最初の一手から着手し、工数を数字にしてから小さく試す。この順番を守ることが、2つ目・3つ目の部門への展開を成功させる近道です。
推進役を先に決めておけば、部門を広げるときのつまずきも防ぎやすくなります。「全部やらなければ」という焦りから一度離れて、最初の1部門に絞ってよいのだと捉え直すことが、実は最短の進め方です。
まずは自社がどの型に当てはまるかを確認し、最初の1部門を決めるところから始めてみてはいかがでしょうか。
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