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Metaの最新AI・Llama(ラマ)3が注目される理由とは?日本語での体験方法から企業での活用事例まで徹底解説

Update date: 2025/2/3 06:46
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急速に発展を遂げているAI業界ですが、最近注目を集めているのが「Facebook」「Instagram」等のサービス提供社であるMeta社の「Llama(ラマ)」です。Llamaは高性能ながら無償で商用利用できるオープンソースモデルで、大企業だけでなく個人や中小企業でも活用できます。

2023年、Llamaモデルの最新バージョンとしてLlama3がリリースされ、性能と日本語処理能力が大幅に向上。Meta社のAIアシスタント「Meta AI」に組み込まれ、同社プラットフォームとのシームレスな連携も実現しました。

この記事では、Llama3の概要や特徴、他のLLMとの比較、活用事例など、様々な角度からLlama3について解説します。Llama3が気になっている方はぜひ最後までご覧ください。

Llamaの概要

まずは、Llamaが注目されている理由やバージョンアップ、日本語対応可否について、詳しく見ていきましょう。

Llamaとは?注目されている理由は?

Llamaが注目されているのは、以下の2点が主な理由です。

まず、Llamaはオープンソースで提供されており、原則無償で商用利用ができるという点が注目を集めています。

なぜオープンソースであることが重要かと言うと、自社サービスに組み込んだり、新たにLlamaを活用したサービスを作りやすいためです。

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※引用 Llama2をベースに作成されたインド発のコマースサービス Jio Copilot

例えば、ChatGPTを組み込んだサービスを作る場合、OpenAI社にAPI使用料を払う必要がありますが、Llamaの場合は無償で利用できます。

また、Meta社が公開している最新版のLlama3のスペックを見る限り、GPT-4を凌駕する可能性を十分に秘めていると考えられ、さらに注目が集まっています。

Cohere社のCommand R +オープンウェイトでありながらGPT-4を凌駕しうる性能であることから注目されていましたが、無償で商用利用が可能な点にはLlamaに軍配が上がります。

無償で高性能なLLMを利用・カスタマイズできることで、

・LLMを活用したサービス開発のハードルが下がり、高機能なサービスをより安価に利用できるようになる
・莫大な投資をしなくても自社にカスタマイズしたLLMを開発できるようになる

といったことが期待できます。

Llama2からLlama3で何が変わった?

Llama3では、Llama2の7倍となる15Tトークン以上の大規模データで学習され、コンテキストを維持できる長さも2倍(8Kトークン)に拡大されました。

データ量が増えただけでなく、コード生成や推論などのタスクをより高度にかつ効率的に処理できるような改良がされています。

また、MetaAIというChatGPTのような対話型チャットボットサービスもリリースされ、FacebookやMessengerなどと連携して活用できるようになりました。

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※引用 https://about.fb.com/ja/news/2024/04/meta-ai-assistant-built-with-llama-3/

※現在は14か国(アメリカ、オーストラリア、カナダ、ガーナ、ジャマイカ、マラウイ、ニュージーランド、ナイジェリア、パキスタン、シンガポール、南アフリカ、ウガンダ、ザンビア、ジンバブエ)のみで公開されており、日本では利用不可となります

日本語での利用は可能?

2024年4月18日にリリースされたLlama3の初期バージョンでは、学習データの95%が英語となっており、基本的には英語での利用が推奨されます。Meta社は、今後のバージョンアップにて英語以外の言語の対応も強化すると説明しています。

非エンジニアでも利用できる?

Llamaを簡単に試すことのできるチャットサービスとしてMetaAIが提供されていますが、現在は日本では利用ができません。

開発環境を構築せずにLlamaを試したい場合、Meta社公式ではありませんが、Llamaのモデルが組み込まれているチャットサービスを活用するのがおすすめです。

代表的なものとして、https://www.llama2.ai/https://www.perplexity.ai/等が挙げられます。

Llama3の特徴

Llama3には以下の3つの特徴があります。

それぞれについて詳しく解説します。

オープンソースである

Llama3の大きな特徴の一つが、オープンソースであるという点です。これにより、企業や開発者は自由にLlama3のソースコードにアクセスし、自社のニーズに合わせてカスタマイズできます。以下の3つの利点があります。

1. 柔軟性:企業は自社のユースケースに合わせてモデルを改変できる

2. コスト削減:ライセンス料がかからず、開発コストを抑えられる

3. 技術の普及:オープンソースにより、LLMの技術が広く共有される

また、月間アクティブユーザー数が7億人未満であれば、Llama3を無償で商用利用することも可能です。スタートアップや中小企業にとって、高性能な対話型AIを手軽に活用できるのは大きなメリットと言えるでしょう。

次の活用事例の章で紹介するように、すでに多くの企業がLlama3をベースに独自のサービスを開発しています。オープンソースであることで、企業や開発者がLlama3を自由に利用・改変できるため、より多様なサービスが生まれる可能性があるでしょう。

非常に高いパフォーマンス

Llama3は、同クラスの対話型AIと比較して非常に高いパフォーマンスを誇ります。以下の表は、Llama3と他のGemini Pro1.5・Claude Sonnetとの比較を示しています。
(Gemini Pro1.5・Claude Sonnetはいずれも有料版)

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上記画像において、テスト項目は以下のとおりです。

表から分かるように、Llama3 70Bはほとんどの分野において、Gemini Pro 1.5Claude 3 Sonnetといった有力なライバルを上回る性能を達成しています。特に、推論やプログラミング、複雑な指示の理解など、高度な知的タスクにおいて優れた結果を示しました。

また、ベンチマークによる比較だけではなく、人間の目線からも他のAIとの比較および表かが行われています。以下のグラフはどちらのモデルによる回答が優れていたかを、人間が評価したものです。

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このように、人間の目から見てもClaude SonnetやGPT-3.5、また全バージョンのLlama2と比較して、Llama3のほうが優れた回答をする場合が多いことが分かります。

Llama3の高いパフォーマンスにより、ユーザーはより精度の高い情報を得られたり、複雑な問題解決をサポートしてもらえたりすることが期待できます。

高いアクセシビリティ

Llama3は、幅広いユーザーに利用してもらえるよう、高いアクセシビリティを実現しています。主要なクラウドサービスやハードウェアプラットフォームに対応しており、ユーザーは自分に合った方法でLlama3を活用できます。

Llama3は近い将来、AWS、Google Cloud、IBM WatsonX、Microsoft Azureなどの主要なクラウドプロバイダーやモデルAPIプロバイダーでも利用可能になる予定です。また、AMD、AWS、Dell、Intel、NVIDIAなどのハードウェアプラットフォームでもLlama3がサポートされる見込みとなっています。

つまり、Llama3はいたるところで使えるようになるでしょう。

関連記事:Microsoft Copilot(旧:BingAI)とは?始め方や使い方・ChatGPTとの違いを徹底解説

Llama3の活用事例

Llama3はすでにさまざまな企業により実用化されています。その一例が以下の4つです。

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

日本経済新聞社

日本経済新聞社は、Llama 3を活用して独自の言語モデルを開発しました。この「NIKKEI Language Model」は、日経グループが保有する約40年分の新聞・雑誌記事を学習したもので、以下のような特徴を持っています。

日経は今後、このモデルを活用して記事の要約や解説など、様々なサービスの向上を図っていく方針です。Llama 3をベースにすることで、高品質な言語モデルを効率的に開発できたと言えるでしょう。

※参照 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC1941R0Z10C24A4000000/

Shopify

Eコマースの構築・運営を支援するShopifyでは、オンラインショッピングサイトの運営をサポートするAI機能を搭載したコマースアシスタント「Sidekick」を提供しています。Sidekickは、Llama2をベースに構築されていることがMeta Connectで発表されていました。

Sidekickを活用することで、以下のようなサポートを受けることができます。

Sidekickを活用することで、オンラインショッピング運営を円滑に行うことができ、売り上げ改善や経営戦略に役立てることができます。


CARES Copilot 1.0

中国政府は、Llama2を活用した医療特化のAIチャットボット「CARES Copilot 1.0」の開発を支援しています。このチャットボットは、医師の診断や治療をサポートすることを目的としており、以下のような機能を備えています。

CARES Copilot 1.0は現在、北京の7つの病院で試験運用されており、今後は他の都市の病院にも展開される予定です。将来的には、医師の意思決定をより積極的にサポートできるよう、さらなる機能強化が計画されています。

※参照 https://interestingengineering.com/health/china-to-launch-ai-chatbot-for-surgeons-based-on-meta-platforms-llama-2-0

MediTron

MediTronは、医療に特化したオープンソースのLLMです。スイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)とエール大学医学部の研究者が共同で開発し、以下のような特徴を持っています。

MediTronは、医療リソースが限られた地域で活躍する医療従事者をサポートすることを目指しています。診断や治療方針の決定を助けるだけでなく、緊急時の対応や患者との対話など、様々な場面で活用できる可能性を秘めています。

MediTronの開発チームは、実際の臨床現場でのフィードバックを募るMOOVE(Massive Online Open Validation and Evaluation)イニシアチブを立ち上げました。これにより、現場のニーズに即したモデルの改善を続けていく方針です。

※参照 https://www.infoworld.com/article/3715245/metas-meditron-llm-suite-to-fill-gap-in-low-resource-healthcare.html

Llama3の体験方法

原則、MetaAIが利用できない日本においては、Llama3は開発環境にインストールをするか、AWSなどの開発プラットフォーム上で実行する必要があります。

とはいえ、プログラミングに馴染みのないビジネスパーソンにとっては、ハードルが高いと感じるケースもあるでしょう。

そこで、Meta社公式ではありませんが、機械学習関連サービスを提供しているReplicate社が提供している「llama2.ai」のサイトで手軽にLlama3を体験する方法を以下説明します。

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llama2.aiを開いたら、まずページ左上のプルダウンでモデルを選択します。Llama3を試したい場合は「Meta Llama 3 70B」もしくは「Meta Llama 8B」を選択してください。

選択後、下部のチャット欄に質問を入力すると、AIが回答してくれます。

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Llamaの学習データは英語が95%を占めているため、基本的には英語でのプロンプト入力が推奨となりますが、上画像のように、日本語のプロンプトでも一定は理解してくれます。

また、「日本語で教えてください」といったプロンプトを入力すると、回答出力が日本語となることが多いです。

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Meta社の様々なプラットフォームとの連携

MetaAIの大きな強みの一つは、Meta社が提供する複数のプラットフォームとシームレスに連携できる点です。具体的には、以下のようなシーンでMetaAIを活用できます。

Meta社の様々なプラットフォーム上でAIを使うことで、これらのことが可能になります。

例えば、Messengerで北海道のスキー旅行の計画を立てている時、Meta AIに「東京から札幌までの航空券の最安値を教えて」と尋ねれば、アプリを切り替えることなく即座に回答が得られます。また、混雑の少ない週末を提案してくれるなど、ユーザーのニーズに合わせた最適な情報を提供してくれるのです。

このようにMeta AIは、ユーザーがMetaのエコシステム内を移動する際に、常に寄り添ってサポートしてくれる頼れるパートナーとなります。アプリを切り替える手間が省け、スムーズかつ一貫したユーザー体験が実現するでしょう。

画像生成機能「Imagine」による高速画像生成

Meta AIは、テキストから画像を生成する機能「Imagine」を搭載しており、その高速性と品質の高さが注目されています。従来の7倍のスピードで画像生成が可能となり、ユーザーの創造力を大きく刺激します。

Imagineの活用シーンとしては、以下のようなものが挙げられます。

例えば、新居の内装を考えている時、Meta AIに「北欧風のリビングルーム」と入力すれば、瞬時にその雰囲気を捉えた高品質の画像が複数提示されます。

気に入った画像をタップすると、さらに細かなバリエーションが次々と生み出されるので、理想のインテリアが見つかるまで楽しく探求できるのです。

Facebookのフィード閲覧中にAIに質問できる

Meta AIのもう一つの特徴は、Facebookのフィードを閲覧している最中でもシームレスに利用できる点です。興味をひかれた投稿を見つけた時、その場でMeta AIに関連する質問を投げかけられます。

例えば、友人が京都の桜の写真を投稿していたとします。その投稿を指定して「京都の桜の見頃はいつ?」とMeta AIに尋ねれば、エリアごとのベストシーズンを教えてくれます。有益な情報が得られるだけでなく、投稿者との会話のきっかけにもなるでしょう。

こうしたやり取りはフィードから離れることなく行えるため、ユーザーは情報収集と交流を継ぎ目なく楽しめます。気になるトピックについて深掘りしたり、新たな発見をしたりと、Facebookでの体験がより充実したものになるはずです。


まとめ

LlamaはMeta社が開発した大規模言語モデルで、現在最新バージョンの「Llama3」がリリースされています。

Llamaを搭載したAIアシスタント「Meta AI」は、オープンソースで誰でも無償で利用可能であり、高性能で他の主要AIを上回る結果を達成しています。

また、Meta AIはFacebook、Instagram、WhatsApp、Messengerなどのメタ社プラットフォームとシームレスに連携し、高速かつ高品質の画像生成機能や、フィード閲覧中にAIに質問できる機能を備えています。

すでに日経新聞社やShopify、中国政府、MediTronなどでLlamaを活用した事例が見られ、様々な分野での応用が期待されています。

今後もLlamaは様々な企業における製品開発に導入され、利用機会が増えていくことでしょう。

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最終更新日: 2025 / 2 / 3

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